RHEINGOLD ラインゴールドのレビュー・感想・評価
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無法者とヒップホップの危うい親和性
本作については当サイトの新作評論枠に寄稿したので、ここでは補足的なトピックを書き残しておきたい。
この伝記映画で描かれるカター(本名ジワ・ハジャビ)は、日本では知名度が低かったものの、本国ドイツでは知らない人がいないスーパースターだそうで、ラッパーとしての活動にとどまらず、他のアーティストのプロデュースのほか、ファッションブランドや飲食店などを経営する実業家としても成功しているようだ。そうしたカターの絶大な知名度もあってか、ドイツ国内で興行成績1000万ドル超え、ファティ・アキン監督の長編映画として最大のヒットを記録。次いで2番目の自国ヒット作「屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ」(2019)が約45万ドルなので、文字通り桁違いの成功を収めたことになる。
本作は2015年に出版されたカターの自伝に基づくが、劇的効果を狙って脚色した部分も当然ある。たとえば映画では、金塊強盗の罪で収監された刑務所でひそかに録音機材を入手し、そこでレコーディングしたアルバムでデビューした流れで描かれる。だが実際には、カターの最初のアルバムは2008年にリリースされ、金塊輸送トラックを襲った事件は2009年。囚人番号を題名にした「415」はセカンドアルバムだった。
EU加盟国の中でも移民の受け入れに積極的なドイツでさえ、少数民族が直面する差別や格差が根強く、だからこそカターたちクルド系のラッパーたちが結束して起こしたヒップホップムーブメントが、同国におけるメインストリームへの対抗文化として支持された側面もあるのだろう。それはヒップホップの本場アメリカで1980年代後半から90年代に黒人たちによるギャングスタ・ラップが興隆した社会背景に通じるものがありそうだ。
ギャングスタ・ラップと犯罪に関連する映画としては、トゥパックとノートリアス・B.I.G.が殺害された未解決事件を題材にした「L.A.コールドケース」(2018年米公開)が思い出されるが、同作の製作後に新展開があった。元ギャングリーダーのドゥエイン・デイビスが2018年にトゥパック殺害事件への関与を告白、2023年9月に殺人容疑で逮捕、起訴されたのだ。裁判は今年6月に予定されており、まだ刑は確定していない。
カターと仲間たちが起こした強盗事件では、奪われた金塊の相当部分が行方不明になったままだという。評論でも触れたように、映画では金塊が隠されていると解釈することもできるファンタジックなラストシーンが描かれる。こちらの事件もいつの日か、あっと驚く新展開があれば面白いのだが。
軽快、大胆、破天荒に走り抜く
ドイツの名匠ファティ・アキンの映画といえば、『そして私たちは愛に帰る』のように静謐な映像の中で切ない心情を謳うこともあれば、『愛より強く』のように凄まじく振り切れたパンキッシュさで魂を燃え上がらせるものもある。ならば新作『ラインゴールド』はどうかというと、これまた主人公の人生を軽快、大胆、破天荒に走り抜いたノンストップな痛快劇だ。原作はラッパーの自伝だというから、本国ドイツの観客はこの大河の流れ着く先をある程度知った上で臨んでいるのだろうが、何も知らない自分としては、国や善悪の境界線をいくつも越えていく運命のうねりにことごとく翻弄された。ラッパー映画といえば50セント、エミネム、N.W.Aを描いた米作品が思い出されるけれど、そこはアキン。中東から西欧を股にかけた国際色豊かな語り口を持ちつつ、ここぞというところでドイツならではの落とし所をしっかり用意しているあたり、なんとも心憎い限りである。
musician の映画ならば
ドラッグ・ディーラーや金塊強盗などの犯罪を繰り返しながらもラッパーとして名を成し、ドイツでは知らぬ人が居ないらしいカタ-の実話に基づく物語です。そんな人が居る事を僕は今回初めて知りました。
ラッパーとしての彼を知る人は「彼はこんな人生を送って来たのか」と興味を持てるのでしょうが、音楽が出て来るのは物語の始めと終わりだけで、中盤はほとんどが単なる犯罪映画でした。そんな暮らしの間も彼の中で蠢めいていた音楽衝動を描いていてこそ物語が成立するのではないかなぁ。
波瀾万丈、現在進行形の人生
クルド系ドイツ人ラッパー・カターの破天荒な半生を描いた伝記映画。
イランでホメイニーによるイラン革命、そしてクルド人弾圧が続き、クルド系音楽家の父のもとに生まれたジワ・ハジャビは、イラク経由でパリに亡命し音楽教育を受けた後にドイツのボンに移ったが、両親の離婚により貧しい生活となった。ある日、街の不良たちに殴り倒された彼は復讐のためにボクシングジムで喧嘩の方法を習い、カター(危険なヤツ)となって報復後、ドラッグの売人や売春宿の用心棒をするようになった。さらに、水溶性コカインの運搬で瓶を割ってしまい、多額の借金を作り、金塊強盗に手を出し、国際指名手配となり、逃亡先のシリアで拘束され、ドイツに送還され、裁判の結果8年の実刑判決を受けた。ドイツの刑務所に収監されてる時、刑務所内で録音した曲でCDデビューを果たし・・・という、カターの壮絶な半生を描いた話。
こんな人生を送ると大体裏世界から抜けれなくなるんだが、そんなハチャメチャな半生をラップにして刑務所内で録音し、CDで出すという逆転の発想で成功したカターことジワ・ハシャビは凄いと思った。
やられたらやり返す、その不屈の精神は素晴らしかった。
ラストの川底の金塊とトップレスの人魚たちはなんだったんだろう?
オランダ人はそんなに金歯率高いのか❓
この監督の前作みたことある!
やはり実在した犯罪者を扱った映画だったが、すごいインパクトだった。
撮影のセンスもいい。
ロケット弾飛び交うシリアの丘のコウモリの巣の洞窟で生み落とされ、刑務所で育ったジワ(XATAR:カター)。
母親役も仲間由紀恵似の美人さんだった。
もの心ついた時の最初の記憶は大事だ。
ミツゴノタマシイ百までも。
迫害にさらされ続ける少数民族クルド人のイメージがガラッと変わった。
強くて悪い。
Born to be Wild.
XATAR(カター)の first album Nr.415 は メイドインプリズン。
SONY の LINEAR PCM RECORDERで毛布をかぶって録音していた。
娘のためにサインしてくれと出来上がったCDを看守が持ってくる。
嬉しさをこらえながらサインして、渡した後にもう一回見せてくれと手に取り、しみじみするタカーはちょっとカワイイ。
ボンの団地の向かいに住む幼馴染のペルシャ人のセリン役は年代ごとに3人の娘さんが演じていた。
最初の娘はセリンとXTARの娘役のダブルキャストだったような。
ホテルのクローク係やドラッグストアの店員のアルバイトしていたセリン。
バックギャモンの足りないコマをボタンで代用してた。
ジワがセリンに手渡すゴールドの包装のプレゼントは指輪かと思ったら、バックギャモンのコマだった。粋だねぇ。
有名な作曲家の父親を持ち、小さい頃からピアノを習わされていたお坊ちゃま。父親の特権により、シリアからパリ、ドイツのボンに渡ることができたが、コンサート会場でコンダクターの父親を時間ですよと呼びに来たものすごい美人。出ていく父親の足にすがって泣く妹。
はは~ん。
たぶん、向かって左のチェロの女だ。
オヤジは許さねぇに変わった瞬間だ。
移民街でパレスチナ人のダチとエロビデオダビング販売に始まり、とうとう覚醒剤の売人に。半グレにボコられ、グローブなしの健闘ジム師匠に出会う。一方で、ミキシングシステムを持っているDJマエストロに出会う。クルド人の商人ミランのツテでアムステルダムの音楽学校ヘ行くことになったが、そこでクルド人の親分の子分になって、半身タトゥの売春婦のラッパーをプロデュースして儲けようと親分に相談するが、ワインボトルに入れた液体コカインの密輸を任されるも、しくじってしまう。親分の損害を穴埋めしょうと金の輸送車強盗を計画する。その金は火葬場の遺体から頂戴した金歯。いくら金の値が上がっているとはいえ、定期的に何百キロも集まる❓そういや、日本の焼き場でも骨壺に入れるときに金属類はすでに取り除かれていて見ないな。焼き場の職員のお小遣いになっているのか?それとも組織的に集められているのか気になってしょうがない。ちなみに奥歯に5本の金歯があるオイラはアムステルダムのクルド人の刑事が恐ろしくてならない。悪趣味な作りだ。それから、パトカーのお巡りをうまくやり過ごすのもとてもオモシロイ。そして、冒頭のシリアの刑務所からボンの刑務所に移送されて刑務所内CD作成、シリンとの結婚となる。なるほど破天荒な話だが、ラッパーというよりもタフなビジネスマン。実際、実業家でもあるらしい。
ライン川の川底から砂金を採るようなケチな話ではなかった。
最後の3人のマーメイド。ヨカッタ。
とてもよかった
ドイツのクルド人ラッパーには普段生活していて全く関心が沸かないのだけど、冒頭の刑務所での尋問シーンから引き込まれる。改めて思うのは、刑務所に入るならヨーロッパなど人権意識の高い国だ。アジアや中東、アフリカでは悲惨極まりない。逃亡するにしてもヨーロッパかアメリカかカナダに限る。そんなことを思いながら話は出生時にさかのぼる。そこでもイランイラク戦争での襲撃から難民生活、洞窟の中での出産など、とんでもない展開だ。
なんとかドイツに落ち着いて文明国で暮らしているとお父さんが家庭を捨てる悲劇からの非行で、それまでは難民生活や亡命などまったく異次元の話だったのに、我々の身近な問題が彼らに起こり、それが戦争以上のダメージを与えている。お父さんが出ていく時に、妹が足にしがみついてそれを振り払うのが本当につらい。家庭を捨てるなんて、そこらへんにごろごろある話なのだけど、やっぱりよくない。命の危険と心の危険、ともすればどっちも同じくらい重要な問題だ。
そこから主人公はアウトローとして生きていく。合法と非合法を行ったり来たりしながら恋もして、その割に童貞なのか? 売春宿に行っても遊んでいる風でもない。中東に逃亡した時にナンパしていたから童貞ではないのか?友達に付き合っているだけな感じでもない。あんな結束のなさそうな連中だったのに金のありかには誰も口を割らないし、実話ベースのせいか、物語の定型を無視している感じがリアルだ。
強盗の場面など、もっと面白くするとか派手にするとかしてもよさそうなのに、そうせずグダグダでリアルなため余計にスリルがある。クルド人のゴッドファーザーみたいなおじさんが怖い。コカインの瓶を割ったことを正直に話したらどうなっていたのだろう。
主人公を赤ん坊を含めると4人演じていたけど、顔を似せる気がないのではないか。変わった途端誰か分からない。
ラップのトラックメイカーを訪ねていく場面すごくいい。ピアノの素養があることで認められて、一瞬で意気投合する。そこで「金なんか稼げない、楽しむだけだ」と語るのがリアルだし、芸術家らしくてかっこいい。刑務所の中でのレコーディング、面白い。デビューCDを刑務官に教えられるところの興奮が静かで沁みる。出所してライブをするかと思ったらそんな場面はなくて、プロデューサーとして成功する。
破天荒な主人公のクライムムービー
主人公カターの生誕時のエピソードから少年時代〜青年時代〜大人へ、と、丁寧に描いています。
ミュージシャンとして大成する物語というよりは、
カターの半生を描いた作品だと思いました。
ドイツへ移民として暮らしていますが
(そこに至るまでも丁寧に描いている)、
やはり扱いは厳しいものがありますし、
両親の離婚を機にグレていくところあたりは、
わからないでもないと思いました。
グレた少年時代から犯罪に手を染めていく青年期は
ちょっとコミカルな演出も入れつつ
軽快なテンポで話が進んでいくあたりは
小気味がよかったです。
私としては後半に父親との再会から、刑務所での音楽制作、CDにサインをするシーンにカタルシスを
感じました。
ラスト近くの娘との会話はイマイチな受けこたえで
肩すかしでしたし、最後の最後も、これいる!?と
感じたシーンでした。
それにしても余談ですが、
シリアの刑務所は環境が酷かったです。
特にトイレ事情には閉口ですね。
刑務所だからしょうがないとはいえ、
あまりに悪劣な環境だと、
病気が蔓延してしまったりで、よほど大変なことに
なる気がしましたね。
序盤から中盤にかけて丁寧に描いているがゆえに
ちょっと長いかなと思うました。
もうちょっとコンパクトな方が良かったです。
大昔な…
↑この煮え切らない感じがリアルで良かったし、すんごい売れてるトコ申し訳ないけども「ダサ笑」って思ったのだが、ちゃんと本人達が制作に関わっているので「それを認めたのはある意味後進へのメッセージとしてのフラットさ」だな、とも思ったりして。それでも「8 Mile」や「ストレイト・アウタ・コンプトン」(←両方好き)を期待すると肩透かしを喰らうクライムサクセスな映画でした。本人はめちゃくちゃ音楽要素が濃い目なのだけれども、人生(若しくは選択)に重きをおいたので「なるほど」と納得はするし、監督が「女は二度決断する」の方なので、更になるほどを上乗せした自分は楽しめました。ちょっと長いな…とは思ったけどね苦笑
クルド人がのし上がる痛快活劇って言いたいけどそんな単純ではない
私達の日本は島国で国境の概念も机上でしかなく、押し寄せる移民に圧迫されることもなく、しかし海外からの就労者や、難民申請を理不尽に拒絶され不法状態を余儀なくされる人々は少なからずいる、けれど彼らの真実と現実を見ようとせず、無意識の他人事で済まそうとし、多様性の実態をはき違えているとしか見えない私達に本作のシチュエーションをどこまで理解できるのだろうか?
埼玉県川口市でクルド難民の処遇に手を焼いているとか、「マイスモールランド」や「東京クルド」で示された現実は何一つ解決してないどころか、多様性の真実からは遠く離反しているとしか見えない。本作の主人公はまさにクルド人であり、トルコ、イランに在住する民族でありながら迫害されている現実。著名な作曲家でありながらコンサートの最中に、ホメイニ率いる厳格なイスラム派により、弾圧どころかその場で聴衆を無差別殺人する歴史を映画は再現する。母は裕福なクルドの家系の出でありながら、抵抗運動に身を投じまさに爆撃の下、洞窟内でたった一人で本作の主人公を産み落とす。
酷いと思う、けれど酷い事を避けようがない日常を受け入れる覚悟は到底私達にはない。主役のカターのラップに込められた苛立ちを表面的にしか理解できないでしょう。もとよりラップは米国での黒人へのどうしようもない差別の現実に根差している、それも虐められる程度ではなく警察官が黒人と言うだけで平気で殺される背景に根差している。日本人のラップを聞く時の何とは無しの違和感の訳はここにある。
運命の悪戯によりカターの一家はフランスへ、そしてオランダを経て、音楽的環境が適したドイツへと渡る。やっと安息の地と思われた矢先に、父親の不倫による離別に再びどん底生活となる、生々流転の激しさに驚く他はない。ここまでのカターは少年でもあり、ひたすら運命の流れに身を任す受動の身。よって映画としても翻弄され続ける悲劇性によって力強さに漲っている。
しかしやっと主役がポスターにある超カッコイイ・イケメン役者になった途端に、少々安っぽい転落ドラマ風となってしまうのが惜しい。大人となりこの現実への対処を身をもって切り開く能動の身となった時に、出来うることはダーティな事しかなかった。周囲はペルシャからパレスチナと広くアラブ一帯からの移民ばかり、転落は避けようがなかったのか。淡い恋心まて描いてアクション映画風情には面白いけれど、ちょっと違う気がしてならない。ヤクの溶け込んだ酒瓶を雨の湿気たダンボール箱から底抜けて割ってしまう設定なんざ、シナリオ作家でも思いつかない面白さなんですから。挙句の巨額損失に金の強奪に走ってしまう。
現実のラッパーである主人公の回顧に基づいているわけで、ラップの創作まで描かなければならないでしょうけれど。ハリウッドのエンターテインメント風にスリリングで周囲のサポートに支えられ、あれよあれよで獄中からCD発売にこぎ着け、それが大ヒットとは痛快活劇ここに極まれり。挙句のラストシーンは超豪邸に一家三人で幸せそうに暮らすサクセスストーリー。まるでカニエ・ウェストみたいでよかったよかった。劇中でも「ワーナーから連絡が来ているよ」の通り、回顧の映画化がハリウッド・メジャーによりなされ、事実本作はWBによる配給、大金入ったよね、本国ドイツでは映画も大ヒットだそうだから。でも、ちょっと違うよねぇ。
クルド人の多くは今も困窮しいてる、ラッパー1人の私財でどうにかなる訳で無し、少なくともカターの奥底にしまった悲しみこそラストに描いて欲しかった、と私は思う。けれど、違う違うと言ったところで当の本人がこうしたかったわけで、痛快活劇を大いに楽しむのが本作の意図かもしれない。なにしろ監督ご本人もトルコからの移民二世なんですから。違うなんてのは平和ボケの私の勘違いかもしれませんね。
タイトルのラインゴールドは最後に提示される映像にある。ラインは正にRHEINであってライン河を指す。ライン川の深い川底に人魚に守られて金塊は今もある。とことん「オーシャンズ11」のようなハリウッド的義賊活劇でした。
男は何回も決断する
「女は二度決断する」でナチズム、レイシズム、ヘイトクライムへの怒りを描いたファティ・アキンの「RHEINGOLD ラインゴールド」実話ベースでイラン革命でのクルド人弾圧がストーリーの起点になるんだけど、中盤からは一転ガイ・リッチーの様なクライムコメディに。意外な展開だけどかなり楽しめました
ただ、主人公が犯罪に走る背景が描かれてるんだけど、この国では「やはり、難民はー」ということにならないかちょっと心配なのと、主人公の行動で許せない行為がひとつあり、そこはもやもやするな。
壮絶な生き様なはずなのに何故か笑えちゃう
想像できないほどの過酷な生き方をしてきたのだろうと思うのです。
きっとクルド難民で主人公のカターくらいに生活を立て直した人って稀有なんじゃないのだろうか、それはお父さんの職業が幸いしたのでしょうね。
それでも少年時代からやってる事はヤバすぎなんですが、主役の小心というか繊細というのか、悪になりきっていない表情と、ちょっとおバカさん的な行動に笑いを誘発され、重いテーマをライトなテイストで観られるようにしてくれたのだと思います。
才に恵まれるって、大事ですね。そして成功を認められられ風土(それでもYouTubeで過去を晒され嫌悪されるけど)も良いなと感じました。
それにしても、オーケストラの世界って採用を身体で勝ち取るのはわりとアルアルなのかなぁ…国内でも話に聞いたことがあるし、他の作品にもあった気もする。
まあ、周囲に傷ついた人はたくさんいたのかもしれないけど、成功できて良かったよね。
想像と違ったけど面白い
なんか予告編みてたらさ、グレちゃった青年がいよいよ警察につかまって、しかしたまたま覚えたラップで大逆転という話かと思ったの。
でも、刑務所入る前にラップに出会ってるんだね。だからなんか「まあ、そりゃそうかな」って感じだったの。
刑務所に面会にきたときのお父さんいいね。
かなり主人公にひどいことした人だと思うんだけど「俺なら作曲する」と告げて去って。結局、主人公もそれに救われてラップやるとこあるよね。
シリンとの恋愛もいいね。
飾り立てたプレゼントがバックギャモンみたいなゲームの駒なのカッコよすぎる。
「もう捕まるな」ってときに会いに行くのもカッコよすぎる。
出所を待ってたシリンもカッコいい。
刑務所を出てから大逆転の様子を描いてくのかなと思ったら、そこはなくてエンディングだったね。
想像とはちょっと違うストーリーだったけど、面白かったよ。
Cool!最高にかっこいい映画!
ここ数年見た映画の中で自分にとっては💯点満点の映画でした。ファティ・アキン監督の映画が大好きでなおかつ公開初日に映画館で見ることができた喜びと興奮もあります。想像と期待を遥かに超え、押しつけがましくない笑いと涙と感動と共に一人の男のエモーショナルな半生を見ることができました。予告編からは全く予想できなかったストーリー進行で、構成も時間軸もスピード感も素晴らしくカターと一緒にスカッとしたり痛い目にあったり悲しみや怒りや喜びを共に体験したような思いです。
音楽、キャスティング、セリフもクールでした!ライブ感溢れるカメラワークや映像で、現代社会(イラン・イラク戦争以降続く紛争、亡命、移民社会、旧西ドイツと今のドイツ&EU)が抱える問題を背景に、つらくもあるがあたたかい家族愛、郷土愛、友情の物語が心の琴線に触れました。
この映画の題名にピンときてもこなくても、実際に映画を見ればタイトルとチャプター(文字の色と大きさとフォント)のお遊びとストーリーとの関連性に笑えて、最後は皮肉と批判満載のロマンティック・キッチュな超・ドイツ的映像で痛いパンチを食らいます。よりによってワーグナー、この映画に出ていたドイツ人俳優はせいぜい2~3名。監督によって何気なく仕組まれたしかけを見つけて自分の頭で行間を埋める喜びを感じながら映画を楽しむことができました。監督が言っているように、本物のカターよりずっとハンサムな青年を主人公にしたのは結果的にとってもよかったと思います!
おまけ
お家に入ったら靴を脱ぐ、スリッパなど履く習慣に親しみを覚えました。日本だけと思いこむのは傲慢だなと思いました
大作_140分作品なら、サナギからチョウに変わる過程をもっと期待したい
おそらく作品のコンセプトが、彼の代表作の歌で、歌の意味するところを映画で描いたということなのかと感じました。
主人公カターやこの歌を知ってる人にはそれで十分だったかとおもいますが、
個人的には、ギャング(ジワ)から、ラッパー(カター)にどのように変化していったのかをもっと描いた作品でもよかったかなとおもいました
作品はおもしろかったです
なんだこれ?おもしれー!
全く期待していなかったのですが、
めちゃおもしろい!当たり!
実在ラッパーの実話に「ヒントを得た」
半生ストーリー。
脚色が素晴らしいのか?そもそもリアル
ストーリーが破天荒すぎるのか?は不明
(脚色が多めだと思いますが)ですが、
畳みかけてくるナチュラルボーンな
おもしろエピソードがぐいぐい引き込んで
くれます。
ちょいとクスっとできるところもあり、
テンポもリズムもよくって、間延びせずに
一気に最後まで飽きさせません。
なんだろうなぁ、
「えー、危険な奴がおりましてぇ~」
で始まる落語を聞いているような感覚。
きっと、それは悪いことやってるけど
素朴で憎み切れないちょっと抜けてる
主人公のキャラクターがそうさせてる
のでしょうね。
・・・そんなところも落語みたい。
また、内戦等を背景にしたお国事情
社会情勢、移民の状況などなどを、サラリと
描くところもイカしてます。
こういう見せ方もあるんだなぁと
感心。(これでも十分つたわってくるんですよ)
さらにキャスティングいいですねー。
主人公なんて年代ごとに何人揃えたんだろう?
これがまた良いのですよ。体形の変化とか、
乱暴加減の変化とか・・・。
キャスティングに成功してる映画に間違い
無いですよね。
サクセスを描いている割には、そこに関する
描き方はちょっと少な目なんですよね。
ですから街の不良物語といっても過言では
無いです。モデルのラッパーがどれほど
著名なのか?はわかりませんが、その方を
知らなくても十分楽しめます。
お勧めです。
ラッパーはアディダスを好む?
思っていたのと違う展開。予告編で事前に見ていた内容と大きなズレがあるわけではない。ただ、いかにラッパーとして売れたのかについてもっと時間が割かれると思っていた。実際は主人公ジワの半生という側面が強い。それを語る上で彼の両親のことも触れずにはいられないのだろう。そこもなかなか壮絶な人生だった。
実話ベースであることが信じられないくらいに波乱に満ちている本作。成長したジワの表情が常に怒りや不機嫌であることが、置かれた現実の厳しさを物語っていた。スクリーンから怒りが滲み出してくる感じ。もちろん犯罪に手を染めるのはよくない。でも、そういう選択をしやすくなってしまう環境を考えさせられる。
マフィアとつながり罪も犯すようになっても音楽のことを忘れなかったのは両親の影響か。後半かわされる父との会話もとても印象的だ。そこからは意外とあっさりしていて、やはりここがメインの話じゃないんだなと再確認した。レコーディングのシーンとかはとても面白かったし、サインのくだりもとてもよかった。改めてこの話が事実を元にしていることに驚いてしまう。いやぁ、面白かった。ラッパーは反逆だったり怒りがあってこそ魅力的になるということなのか。
どこまでがリアル??😂
Xatarの半生に脚色を加えた(らしい)映画。面白かったんだけど、ちょっと後半間延び気味だったかな😂
ワルいことしてるとか合法的なことやってるとかそーゆーのはさて置いて、行動力の塊なのが凄い😊この部分がリアルで脚色ではないことを祈る🙏
Re:Memory
ジワ・ハジャビことカターの存在自体は知っていましたが、楽曲はほとんど知らない状態のまま鑑賞。
ヘビーな生い立ちから始まり、夢を求めて葛藤、そこから金塊泥棒へ突入するという多少盛ってはいると思いますが、破天荒な伝記映画としてニヤニヤしながら楽しめました。
思っていた以上にラッパーとしての才能を開花させていくシーンは少なく、全編のほとんどはワルな行動から盗みを働いたり恐喝したりと、しっかり犯罪者としてのジワが描かれるので、いっそのことそっちに振り切ったらドタバタ犯罪ものとして観れたのになぁと惜しく感じてしまいました。
刑務所に入ってから時間ができて、父親と再会という大きい出来事があってからやっとラップ作りに着手というのは展開的に遅すぎる…でもその制作の部分はしっかり面白かったので、ここがもっと長ければなぁと思いました。
戦時・ギャング・音楽、ジャンル詰め込みまくりで変化しまくりの作品なので、味変が好きな方は楽しめるんじゃないかなと思いました。
鑑賞日 4/2
鑑賞時間 13:25〜15:50
座席 E-12
ギャングからラッパーに大化けした人物の物語。 幼少期の境遇:親はエ...
ギャングからラッパーに大化けした人物の物語。
幼少期の境遇:親はエリート、難民、両親離婚、とか、
白い粉とか強盗とか
ラップとの出会い、曲作りとか…
実在の人物の自伝が元だとか。破天荒すぎて驚きです。
感心したこと。
ラップが字幕で日本語に置き換わっても、
フロウ&ライムが生きていて、
耳と目で堪能しました。
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