アイアンクローのレビュー・感想・評価
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男らしく生きるという幻想と…悲劇
実話に基づく、というエピグラムから始まる今作。
痛切な痛みと共に胸に迫る傑作。
家族論、ジェンダー論、家父長制、歪んだマチズモ、キリスト教..などの要素を入念にフィルムに刻み込んだプロレスラー一家の物語。
この話が現実にあったということに、まず驚かされる。
古代ギリシャ悲劇から、シェイクスピアの有名な3大悲劇などが根底に横たわる。
なぜ、ギリシャ悲劇やシェイクスピアの物語、また古代の神話などが現代にまで語り継がれ、書物が残り、映像化されるのか。現代の人間が生きる社会における、普遍性があるからだろう。
70年代、80年代のプロレス世界。アイアンクローという技で一世を風靡した父親フリッツフォンエリック。彼の息子たちもまた父親の強烈なプロレス教育によりレスラーの道に。
父の教えを純粋に純真に信じながら…。
しかし強烈なプレッシャーと共に。
息子たちを次々に襲う悲劇...
現実にこんなことがあったのか...
フリッツの息子たち6人のうち、サバイブするのは次男のケビン、弟たちは自ら命を絶ち、または病に倒れる...
次々に若い命を散らしていく。胸につまる。
人生を賭けて闘う、というのはこういうことなのか???
監督ショーンダーキンの言葉から引用するが、この物語は苦しみや悲しみの物語ではない。むしろ、悲しみの欠如、人が自分の苦しみ悲しみから目を逸らした時に、何が起こりうるかを描いている、と。
7、80年代の時代の空気、プロレスシーン、特有の気だるい雰囲気、迫真の闘争場面、俳優のすさまじい肉体...。
改めてプロレスも過酷なものだと痛烈に感じる。
ケビン演じるザックエフロン、肉体改造でプロレスラーを名
演。
監督ショーンダーキンの抑制の効いた演出。
男らしく、または女らしく…現実でも使い古されている言葉だ。
親の夢を子供に託す。
それらが、どれだけの人達を苦しめているのだろうか。
子供たちが喜びを見出せるのなら、それはいいことに違いない。
そんなことにも思いを馳せる。
プロレスに無知な私だが、プロレスに詳しい必要はない。
多くの人に観ていただきたい。
ラスト、彼岸に旅立った子供たちの描写。
胸にせまる。
次男ケビンが選んだ生き方に一筋の光明を見出す。
実は泣いていました。
フォン・エリックはテレビで普通に見ていたし、エリック兄弟の呪われた歴史もある程度知っていた。自分の子供も息子二人のため、兄弟愛の様子をみて嗚咽。ラストシーンでも声がでそうな程感動した。しかし妻はさほど感動しなかったとの事。プロレス愛は男に強いことを実感した。
人の生き方に関して考えさせられる
アイアンクロー=鉄の爪の異名で日本でも活躍した伝説的プロレスラー、フリッツ・フォン・エリックとその息子たちの真実の物語を描いた伝記ドラマ・・・・・・・・
何とも評価と言うのかな、この家族の物語、何とも言えません。お父さんの気持ちも分るし、子供たちの気持ちも分るし・・・
人が増えれば、多ければ多い程、想いもそうだし、行き方もそうだし、喜怒哀楽も多いのは当たり前・・・・
長男には、長男の宿命があり、兄弟それぞれ・・・・兄弟が数奇な運命をたどるけど、決して呪いではないと思うな・・・・
プロレスが好きな人にとっては、少し物足りなさがあると思いますが、お話的には、少しだらだら感があるかな・・・
ちょっとダレル部分もあるんだけど、しかし、最後は、長男に同情・・・・見ているこちらも何だか、涙が込み上げてくる。
強いてい言えば、亡くなった兄弟たちの妄想みたいなシーンがあるけど、あれはちょっと・・・私的には、何とも言えないかな・・・ちょっと変な解釈・・・・誰かの言葉(台詞)で表現した方がいいのかな・・・・
しかし、プロレスって、ショーなんだけど、しかし、やっぱり、リングに立つ人にとっては命がけの仕事であり、ショーでもメインイベントに立つと言うのは、それなりの資格が存在する。
当時は、まだまだプロレスラーに人々は尊敬もあったけど、しかし、本作品で、プロレスラーの選手が、やっぱ凄いと言うのは、分かるのかな・・・・
個人的には、リックフレアーが出た時は、なんか笑ったかな・・・・
もう少しコンパクトにまとめてくれると、いい映画だったかな・・・・
夢とその先
プロレスの頂点を目指すエリック兄弟。栄光を掴むために、必死にもがき、あがき、努力を続けながらも、そんな日々を家族と楽しく過ごしている。誰よりも情熱的でひたむきな彼ら。。。だけど、観客は徐々に気付き始める。
『何か良くないことが起きる』
楽しそうな雰囲気は建前。兄弟の心と身体が悲鳴をあげていくのが見て取れ、全てが壊れてしまう様子が目に浮かんでくる。頂点に立てなかった自身の後悔の念を息子に押し付ける父親と、それが圧力だと思わず父を慕い続ける息子たち。愛のムチ。何のために彼らは戦い続けたのだろう。
息子たちが成長していく中で、衰えるどころか生気を取り戻したように顔に肉の付いた父親と、人生に疲れ果てたかのように酷く窶れた母親。この対極の状況になった夫婦から、この家族の異様さが伝わってくる。実話であることが信じられない。たった1人の力で、ここまで人は狂ってしまう。
エリック家を演じたキャストが全員アカデミー賞級。この冷たい空気感と爆裂ボディから、途中からドキュメンタリーかと錯覚してしまう。やるせない気持ちとどうしようもない怒りから、終盤は震えが止まらなかった。
2024年、最も辛く悲しい物語。伝記映画としては、「オッペンハイマー」をも超越する傑作だと思う。
人生における幸せとはなにか
幸せとは何なのかを考えさせる作品で、プロレスに詳しくない方でも観てほしい。レスラーとして活躍した父が、息子たちを威厳で支配し、世界情勢さらには死さえも利用して次々とレスラーとして育てていく。自身よりも弟達に期待されていることを感じつつも嫉妬せず、必死に鼓舞するケビンが健気。なお劇中には登場しないが、6男のクリスもレスラーとなったが、21歳の若さで拳銃自殺をしている。唯一存命であるケビンには妻の存在があったのも大きいと思う。
ラストのケビンが遊んでいる子供達を見て涙ぐむシーンがあるが、レスラー時代の弟たちとの交流はトレーニングの指導くらいで遊ぶことなんてなかったと思う。そういう意味では真に父に支配されていたのはケビンだったのではないだろうか。
余談だがパンフレットにはフォン・エリック家の年表や知識人による解説もあり読み物として面白い。またAbemaプレミアムにてケビンがキラーカーンにアイアンクローをお見舞いしている当時の映像が公開されている。
シンプルな伝記映画として─
特別な人生をシンプルに─といった印象の作品でした。内容自体が数奇で、だからこそ淡々と語られていたのかなと─。もとの出来事がショウビズ要素が強く、しかも事実がかなり衝撃的であるので、淡々としていた割りにかなり感傷的になってしまいました。極力抑えられていたからこそ尚更そうなったのかもしれません。
カメラワークとか編集とか実に見事だったと思います。ドラマティックな映像が結構挟み込まれているわりにリアリティを相当に感じたのは、そのカメラと編集のなせる技かなと─。
分かりやすいタイトル、分かりやすい伝記、でも人生はそんな生やさしいものではない─、そう感じさせてくれる良作でした。
スポ根家族のホラーストーリー
やばいやばいやばいやばい。
まさかのオッペンハイマー超えてきたww
A24作品とはいっても「伝記ものでお得意の尖らせとか流石のA24さんも出来ないでしょ??」なーんて思って観ていたけど、ストーリーはね。そりゃトッキントッキンになんて出来ないよ。
でも、『あ〜これがA24の威力なのかな〜』と思い知らされたのは、劇場を出てからのこと。なんかやたらと脳内リプレイが多過ぎる。呪われた一族に次から次へと起きるセンセーショナルな出来事はもちろんだけど、記憶にこびりつく絵面が多いんだよね。スポ根ストーリーかと思いきや割と強度強めなヒューマンホラー作品ね😅💦
エンドロールのいっちゃん最後に出てくる“Chris”って誰?って思ってたら映画の中では触れてないもう一人の自殺した弟がいるとか……マジで凄い家族。
家族のあり方ってそれぞれ違うし、違っていていいし、違って当然。だけど、このフォン・エリック家は『ファミリー』という名の軍隊。♬〜言いたいことも言えないこんな〜家族ぢゃ〜……poison〜♬ですよ。
大好きだったドラマ『シェイムレス』のリップ役だったジェレミー・アレン・ホワイトが出ててめちゃテンション上がった✨✨
B級ではない立派なA級作品
初めてレビューします。雑多な内容ですが感想を羅列します。
「ボヘミアン・ラプソディ」以来の新作劇場鑑賞。
映画っていいなぁと思い、
これから毎月見ようと言いながら1本で終わった。
今回もやはり劇場鑑賞は良いと思った。
しかしそれは「アイアンクロー」に出ている
エリック一家の予備知識が完璧にあったからこそ
楽しめたのかもしれない(プロレス詳しいっす)
だからこその細かいクエスチョン?はあれど(クリスフォンエリックがいなかった)
大体が忠実でビックリした。
今では無理だがこのような作品を地上波の吹き替え版などで見たいもんです(晴郎か忠男か長治の解説で)
エリック一家は日本と密接な関係だ。
しかし全て絡ますことは尺の問題もあり不可能なのはわかる。
でもジャイアント馬場あたりをチェ・ホンマンに赤いタイツを着用させて出演させて欲しかったかもだ。
あとプロレスファン以外にアイアンクローの技を印象づける描写が少なかったのではないか?
例えばリンゴを潰したりのシーンを入れるなど。
しかしこの作品は立派なA級作品。
映画として完璧に成り立ってましたね。
不幸を並べていくのは仕方ないけど、
最後に救われた感じ。
やはり映画はいいなぁって思った。
いつの間にか入場料2000円に!!
でも価値ありました!
星4.5はプロレスファンとしてのオマケ&シネマの素晴らしさとエリック一家に捧げる気持ち
父親はどう思っていたのだろう
呪われた一家と言われたプロレスラー一家の実話に基づいた話。
予備知識一切なしで鑑賞。
こんなこと実際に起こったら、そりゃ映画にもなる…
どれだけ現実に忠実だったのか分からないけど、もう少しドラマチックにできたように思う。あまり悲劇のヒーローみたいにするのも嫌だったのかもしれないけど。
ケビン視点で描かれていたので、ケビンの苦悩はよくわかったが、父親はどう思っていたのだろう?もう少し何かあればよかったかな。
プロレス知らなくても大丈夫
昭和プロレスファンなら誰もが知っている悲劇の映像化はけっこうしんどかったが、フォックスキャッチャー級の大傑作じゃあないですか(プロレス知らなくても大丈夫です)
ザックさんの上手すぎるロープワークや、最後のボートのシーンに作り手のプロレスLOVEを感じ決壊😭
ザック・エフロンにびっくり
「鉄の爪」フリッツ ・フォン・エリックは名前だけは知っていましたが、リアルタイムでは見たことが無いし、息子たちのことも知らなかったですが、ハリー・レイスやブルーザー・ブロディやリック・フレアーは知っていたので懐かしさも感じつつ観賞しました。
とにかく驚いたのは主人公を演じるザック・エフロンの肉体改造です。ハイスクール・ミュージカルの時の初々しさから、グレイテスト・ショーマンの大人の魅力に変わったと思ったら、今回はまさかの筋骨隆々のマッチョマンになっていて、並大抵の努力であの体は作れないだろうとそのストイックさに感心しました。
ストーリーはまさに呪いにかかったような家族の悲劇の連続に観ていて気分が沈みますが、これが実話に基づいていることに驚愕してしまいます。しかし最後は少し救われるような終わり方だったのはよかったです。
それにしても封建的で独裁的な父親と、宗教を盲目的に信じている母親にある意味洗脳された息子たちがかわいそうに思いました。
後半は涙💧~
ザックエフロン君目当ての鑑賞。
皆様のレビューや点数も高いので期待大。
MOVIX系列では上映が少なく
でも隣町のMOVIXで上映していたので、ラッキー。でも、1日1回上映の15:15からでした。
早めに出発をし、ご飯を食べての鑑賞。
お腹いっぱいで眠気満載でした。
20人程の入りでした。
プロレスの知識は、当時何となく記憶がある程度。
ザックエフロン君の姿にビックリしながら
進み、色々とありながら、最後には
幸せそうな写真があり、安心しました。
帰ってすぐ、wikiで今どうなっているのか調べました。
実物もかなり格好良いですね。
エフロン君より格好良いかも
2人なの息子ちゃんもプロレスラーになったんですね。
お母さんは離婚したみたい。
そして、自殺の原因はやはり、薬物の影響があったようです。
色々と考えさせられました。
それにしても、俳優さんは役柄で身体を作りますが、私は、グレイテストショーマンや、ヘアスプレーのエフロン君が好きです
マッチョすぎるのはいまいちです
実話に基づく名門プロレスの呪われた一家
子供ながら東スポで報じられたエリック一家の悲劇は恐ろしく感じていた。実話に基づいて映像化されたのだから義務として鑑賞
結構来日していたので、報じられたときはショックをひきづって小学校に行っていた記憶がある。
父親の期待ほど重い十字架はない
実際は長男も六男までいたのだからかなりビックリ
アイアンクローといったらりんごを潰し、電話帳を真っ二つにするほどの威力だがあれは遺伝なのか?努力なのか?
見応えあり。前半は退屈だけど、中盤から俄然面白くなる。
私がまだ二十代後半から三十代初めにかけて、中京スポーツ(東京スポーツ)のプロレス欄を毎日読むことを日課にしていた。
アントニオ猪木が国政選挙に出た時、投票したくらいだ、今となっては恥ずかしい記憶だが、それほどプロレスを愛していた。
当然、フリッツ ・フォン・エリックは知っているが、この家族がここまで不幸に見舞われているとは思ってもいなかった。「呪われた一族」と語られるのももっともだ。けれど、他人の不幸は蜜の味。この家族に不幸が訪れてから、俄然面白くなる。不謹慎だけど。
私が疑問に思うのは、この兄弟の両親の描き方だ。5人の子供の内、4人までが死んでいる。反省や後悔はしないのか。宗教心が高いのに、家族の不幸に対し神を呪わないのか。そこを描がいてくれたら私の評価はもっと高い。
6人兄弟だったなんて
プロレスはどちらかと言うと嫌いです。
好きな方には申し訳ないのですが、
あのスポーツなのか、ショーなのか分からない世界観が好きになれません。
プロレスに対してそんな見方をしているので、
この映画も斜めから観た気がします。
淡々と進むストーリー。
デビッドの死をきっかけに壊れていく家族。
一見仲が良さそうに見える家族でしたが、
結局は父親に追随していただけということなのでしょうか。
数ある悲劇が淡々と進みすぎてしまって
イマイチ感情移入もできませんでした。
観終わってから実は6人兄弟だと知ったのが、1番衝撃的でした。
兄弟みんないい子すぎる
父親に対し「YesSir.」と答え、従順にトレーニング、試合に臨む兄弟たち。けして荒くれ者ではなく兄弟仲がよく最年長のケビンはまさに彼らのリーダー。
兄弟だけのシーンは心和むもので、ケリーもマイクもプロレスを選ばなければ、きっと素敵な家族になっただろうに、デビットの死から一気に彼らのメンタルが壊れていくのが見ていて辛かった。
呪いはチャンピオンベルトにこだわった父親なのか、どこか父親と息子たちの間に踏み込めない母親の守りが足りなかったのからなのか。
おそらくプロレスをいちばん愛していたケビンが兄弟を奪ったプロレスから去り、大家族を持てたことは救いだった。
プロレスは全然知らないが、見てよかったと思った映画だ。
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