「プロレス一家の確執」アイアンクロー てつさんの映画レビュー(感想・評価)
プロレス一家の確執
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この名の必殺技をもつ選手のことは、漫画『タイガーマスク』で得られた程度の知識しかなかった。引退後の息子たちとの確執がみごとに描かれている。母親は、夫の音楽の才能を認めながら、音楽好きの五男のマイクの夜のライブ活動を認めない専横さをもっていた。
次男のケビンが恋人に出会い、幸せを掴み、結婚披露宴でタップダンスを踊る場面は圧巻だった。
しかし、父親からはだんだん構われなくなり、興業会社の処分にも恩着せがましく指示を受ける。「次男症候群」と自嘲するほどの世話焼きが高じて、ようやく掴んだ世界タイトル戦も意味を失い、反抗心を剥き出しにして訣別でき、亡くなった兄弟たちの彼岸での邂逅を思い浮かべながら、自分の息子たちから慰めを受け、安堵の幸せを噛み締めていた。
四男のケリーがモスクワオリンピックボイコットで出場の道を断たれたためにプロレスに転身し、世界チャンピオンになった後、事故で片足切断となり、映像処理なのか、切れた状態で映り、彼岸の世界では両足を踏み締めていたので、実際に切断されていたのではないのだろう。
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