劇場公開日 2024年9月13日

「感動は化学変化」スオミの話をしよう 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5感動は化学変化

2024年9月26日
iPhoneアプリから投稿

三谷幸喜監督の最新作として、
多くの観客を劇場に呼び寄せている。

しかし、
この作品に対する評価は、
観る人によって大きく分かれるのではないだろうか。

ひとつの理由は、
三谷作品に対する観客のスタンスの多様さと仮定すると、

サンシャインボーイズからのファン、
古畑ファン、大河ドラマファン等々、
細分化は可能だろうが、
大きく分けると、

〇どっぷり三谷作品ファン
〇あっさり三谷作品ファン
〇「ラジオの時間」は好きだけどそれ以外はちょっと・・・の映画ファン
〇映画は好きだけど三谷作品には乗れない

この4タイプで評価は大きく分かれるだろう。
作品に乗れる乗れないは好みしだい。

それを作品のシナリオや演出や芝居の、
絶対値のみを、
意見するのは野暮なことだろう。

感動はスクリーンだけにあるのではなく、
スクリーンと観客の化学変化で感動が生まれる。
Aさんとスクリーン=Aスクリーン、
Bさんとスクリーン=Bスクリーン、

以上、二つの感動は種類の違う化合物。

よって、評価は分かれる。

【蛇足】

野暮を承知で蛇足だが、

なぜ、
作品に乗れる乗れないの差が生まれるのか。

言ってしまえば、上記。

観客の生まれ育ち、好みに左右されるのが一番大きいが、

私の見立てのひとつとして、
リアリティラインに乗れる乗れないという話しに、
強引に乗せてしまうと・・・

リアリティラインの違い。
リアリティラインの意味は説明するまでもないだろう。

舞台の演出家が映画を監督した場合、
このリアリティラインをいつもの舞台用で引くか、
映画用にするか、
決めないで、
状況に合わせるかのいずれかだろう。

例えば、下記のようなシーン。

ご飯を食べるシーン、
舞台は、飯を食べる真似でOK、
映画は、本当に飯を食べないといけない。

ONE PIECE のルフィの腕が伸びるシーン、
アニメで、腕がビヨーンと伸びる状況、
舞台で、腕がビヨーンと伸びる状況、
映画で、腕がビヨーンと伸びる状況、

等々、
そのリアリティに併せて、
シナリオを修正、セリフ、
ギャグ、音楽、効果音、セリフを決めていく。

観客によって好みは千差万別、
シーンによって、
セリフ、芝居によって、
それぞれのリアリティに乗れる乗れない、差は生まれていく。

もちろん、他にも理由はあるが、
youtubeや、
他の作品で色々と話してます。

蛇足軒妖瀬布