トラペジウムのレビュー・感想・評価
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あるレビューで、この映画をビジネス映画と捉える視点に感服して鑑賞することにした。
レビューに従い、ビジネス映画として鑑賞したらとても面白かった。また、主人公の性格が悪くて共感できないというレビューも頭に入れて鑑賞。
女子高生の東ユウが、自己プロデュースでアイドルを目指し、自分が企画、立案した計画を実行していく。 秋元康さんがやってることを社会人経験もない素人がやろうということだ。
秋元康先生でさえ、売れなかった曲、うまく行かなかった企画があるのだから、東ユウの計画が、順調に行く時もあれば、途中で頓挫することがあるのも当然だ。
計画どおり行けばニヤッと悪魔の微笑みを浮かべ、うまく行かないとムカついたり落ち込んだりする。
計画が狂った時のためにに、代替案(プランB)でも用意してあればいいのだけど、初めてではそうもいかない。更に、全く想定外の突発事項に遭遇すると、要らんことまで口走ってしまう。
「知ってれば友達にしなかったのに~ ( `Д´)/」
こんなふうに、失敗しながらも経験を重ねていけば、東ユウのプロデュース力も高まっていくだろうと思った。
今回、観賞後に他のレビューを見て、アイドルアニメの主人公のダーク部分に対する拒否反応が強いと思った。ライバルならイイのかもしれない。逆に言うと、みんな、実際のアイドルやアニメの主人公は、いい人であってほしい、いい人に決まってると思いたいのだろうと思った。
しかし、原作が高山一実さんなので、東ユウみたいなことを言うアイドルがいたのかもしれない。
例えばメンバーのスキャンダルが写真週刊誌にスッパ抜かれた時に、誰かが、「あんたなんかメンバーにいてほしくないよ、辞めれば」などと言ったのかもしれない。それは、みんなが思うアイドルらしからぬ発言だ。しかも、それがセンターや選抜に選ばれるようなトップアイドルであったかもしれない。
アイドルになる気がなかった他の3人に関しても、高山一実さんが直接、間接的に関わったアイドル達の姿が反映されているのだろう。アイドルの応募に、家族や友達が勝手に申し込んでいたとか、友達の付き添いのつもりで応募したら自分だけ受かった、なんてのもよく聞く話だ。
面接したらナゼか受かってしまっていつの間にかデビュー。そのままハマる子もいるだろうが、ヤッパシしんどいなと思う子もいるだろう。
西のクルミちゃんは、しんどくなったくちだ。もともとロボットやりたかったので、アイドルには全く未練がない。十代のいい想い出になったと思う。
東ユウにしたら、「あんなに可愛い子がアイドルになりたくないなんて信じられない。そもそも誰もがみんなアイドルになりたいに決まってるでしょ」 ということになる。
北のミカちゃんもアイドルは目指してなかったが、整形して別人になれた人らしい。なかにはアイドルになりたくて整形した人もいるのだろう。たとえアイドルにはなれなかったとしても、前より少しでもキレイになれたと思えるならラッキーである。
僕の推しは南のお蝶夫人。いったい何なんだ?あのフワフワした感じは。富裕層だからかも。天然なとこもお気にいり。
リアルのアイドルでは秋元真夏さんが好きだったのだが、なんと気がついたらいつの間にか卒業してた。しかも1年以上前。さすがにこれではファンとは呼べない。
笑うとニャンチュウに似てるところが気に入っている。
それと、自分がもし女子だったら絶対アイドルはできないと思う。理由は握手会がイヤだからだ。もちろん塩対応。特に自分のお父さんぐらいの年齢のファンが来たら顔がひきつってしまうと思う。
「会いに行けるアイドル」とか、秋元康先生もつくづく罪なシステムを作ったものだ。
キャラクターが好きになれるかで評価が変わる作品
原作は未履修での視聴。
一先ず私は面白かった、けど間違いなく万人受けはしなそうな話ではあったと思う。
前半は主人公の狂気とも言えるほどの熱意で「自分がアイドルになるルート」を自分で開拓して邁進していく流れ。
後半にいくにつれて元々前提の意識が違ってたほかのメンバーが離れていくのを見るとつくづく目標に向かって突き進む執念は時に人の背中を押して、時に傷つける諸刃の剣なことを思い出す。
ここまでで語った通り、この話は「何処までもアイドルという輝きに目を奪われてしまってがむしゃらに目指す少女の話」といった印象。
絵柄やアニメーション、演出がしっかりしてる分、話のえぐさも際立ってくるから嫌いな人は嫌いなんじゃないかな?
曲はどれも本当に良かったけど、特にopの曲が凄く綺麗で素敵だった。
面白かったっすよ
上映時間ずっと画面に集中できる程度には面白かったです。
惜しむらくは脚本かなぁ。
個人的に「なんでこうなったのか」はすべて語らなくてもいいと思っている派ですし、
その幕間を考察して、こうかなどうかなと考えるのはむしろ好きです。
ちょっとそういうシーンが多すぎましたかね。
全体的に流れがうまくいきすぎてて、なんかこう良くも悪くもご都合主義な感じというか。
主人公が邪悪という前評判はありましたが、名指しされるほど邪悪とも思わなかったです。
だけど「計算高い」とも違う。劇中で出てくる計画は杜撰すぎるので「こうなったらいいなと行動したら運よく成功した」という印象になっています。それはそれでいいんだけどね。
おそらくそのおかげで映画に集中することによるストレスが激減されています。次のストーリーはこうなんだろうなと思ったらその通りになる感じ。
「そうきたか!」ではなく「そうですよね」という流れ。冒頭に「あまり語らない」と書きましたが、なんとなくお約束的にこうなるのはわかるでしょ?と見ている人に投げていて、実際にそれがわかるのでテンポが良い。そこは脚本のいいところだと思います。
一番の違和感がくるみちゃんです。
女子が極端に少ない地域の紅一点ということもありますが、テレビ?に出たらファンが押し寄せるほどちやほやされていて、主人公が来るまで仲良くしてもらえなかったわけがない。
ストーリーの都合上、メンバー集めに時間をかけるにも限度があったのでしょうが、亀井さんはともかくあと二人が主人公にそこまで肩入れする理由がよくわからないままでした。
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ところで。
「黒井先生がいる…」と思ったのは私だけでしょうか。
彼女が出てくるたび、らきすたが脳内を駆け巡りました。
東ゆうというキャラクターで描ける物語の結末としては、まぁこんなもんじゃないかな
自分にはなんもないという強いコンプレックスとプロデューサーとしての突出した才能が、あのモンスターを生んだという感じか?
性悪でもいいから、もう少し共感を誘う描写はあった方が余計なヘイトは向かなかったのでは
特に等身大の少女という形に帰着させるのであれば、あえて視聴者の共感を突き放すようなサイコ描写を繰り返し描写して印象付ける必要はあったのか?
もしそれをやるなら「実はこういう理由があってこの子は」という種明かしを入れて、性悪行動をその後ピンで成功する為の布石・必要悪であったとして描写するような構成にするのが一般的であろう
描写や演出が物語の展開からするとややチグハグであるため、主人公によほど共感して、描写不足の部分に納得のいく補完ができる人以外には正直辛いと思う
東とのやり取りで、いつの間にかくるみちゃんがおかしくなって芸能活動継続不能になるってのは、リアルではあるのかもしれないけど、、
ドラマとしては、東の積み上げた爆弾がここ一番の大事な場面で爆発炎上する展開の方が盛り上がるし、それなら東へのヘイトも向かなかっただろう
少なくともピンで成功できる事の根拠となるような東の成長は描写すべきだったのでは
成長という意味では逆に、、
最後に「ありがとう」と言われて、「自分にはそのような言葉を受ける資格がない」という反応ではなく、サラッと受け入れる辺り、いい性格してるな・ブレねーなという印象を受けた
これだと反省や後悔をせず、我が道を貫くブレなさを発揮できたから芸能界で成功できたと捉えることもできてしまうが、実際はどうだったのだろう?
3人が東の性悪なとこも引っくるめて「しょうがねぇやつだな」「でもすげぇやつだし背中押してやらなきゃ」と許したのが尊いという話なのだろうが、3人が何故その心境に至ったかについては明らかに描写不足なので、ここも補完が必要になる
個人的には東のような人間は主人公になかなかないタイプで面白かったので、つまらない話ではなかった
見所はいくつかあったけど、描写・展開の拙さには、やっぱ素人の小説だなぁという印象が拭えない
自分に正直な青春映画ですな
「青ブタ」「着せ恋」「劇場版冴えカノ」制作のCloverWorks作品ということで気にはなってましたが、作者がアイドルということで観ることをためらってましたが、YouTube動画評価で主人公の性格がクズということなので気になり観てきました。
前半は主人公の思い通りにトントンことが運び、後半はスキャンダルや闇落ちメンバーなどいろいろ問題が起こり、どうやって話を収集させるのかと思いましたが、最後は爽やかな気分で見終わることが出来ました。(話がうまくいきすぎなので-0.5ですね)
主人公の性格が悪いとのことだったので、映画に気持ちが導入できるのかと思いましたが、自分が思うに主人公はただ自分の思いに正直で、思ったことを真っ直ぐに言うけれど、酷いセリフを言った後にはきちんと反省するし、好感は持てました。
でも、残りの西、南、北の子達の考えは考慮せずにただ自分の思いだけで突っ走るのはいかがのものかと思いましたが、それが若さだったんでしょうね。
後になって判ると思うけれど、彼らにとってはアイドル活動期間がまさに青春時代として思い返すことが出来ると思います。
写真家になる男の子に何故オーディションを受けないのかと問われた回答にはすごくうなずけましたね。
良い意味でも悪い意味でも期待していたアイドル物とは違った。
原作があることは鑑賞後に知った。映画館で軽い予告だけを見て鑑賞。
予告から推測した内容は、女子高生がアイドル活動をやる為に東奔西走してメンバーを集めてアイドルとして成功していくと言った物でしたが、実際見てみるとメンバー集めまでは合っていたもののまるでアイドル活動をしない。
おいおいこんなんでどうやってアイドルやるつもりなんだと呆れていたら、徐々に主人公の策士っぷりが出てきて今まで撒いてきた種が芽吹いてアイドルをやらされると思ってもいなかったメンバー達が知らず知らずのうちに主人公と一緒にアイドルをやるハメになる。
ここまでで割と自分としてはドンデン返しっぽくて面白かった。
主人公がアイドルオーディションでアイドルなれなかったからって一般人の美少女を集めて策を弄してアイドルとして仕立て上げ、自分がアイドルデビューする為の駒にしてると言う事が明らかに描写された時は心の中で「この主人公やべぇww」「この映画もやべぇwww」と笑わずにはいられなかった。
こんなアイドル物今まで見たことない(笑)
その後の主人公と周りが壊れていく様とオチについては、まぁ割と想定の範囲内と言う事もあってそこまでの驚きはなかったけれども話の内容には筋が通っていたと思う。
映像も綺麗で話も全く予想できなかった方向から来てくれて自分は楽しめたので星4。
【ちなみに……、主人公以外の3人があまりにも優しすぎ問題や主人公が謝れば許してもらえる事に違和感を覚えている人が多いようだが……よく考えてみると割とそれらに違和感を覚えなくなる。何故なら、観客は主人公にどんな想いや思惑があるのか見せられてある程度理解しているが主人公以外の3人は最後の最後まで自分達がいったい何がどうなってそうなったのか分かっていないのだ。
主人公以外の登場人物の視点からすれば「なんかアイドル好きの子が自分と偶然友達になって、ボランティア活動に誘われて一緒にやってたらなんかテレビに出ないかと誘われて、あれよあれよと言う間にアイドルとしてデビューさせられた」程度の認識しか無いのだ。
だから主人公に対してあまり強く出られないのも(主人公に誘われたからでは無くあくまでなり行きでそうなったと思っているから)そこまで不自然では無い。
そう……。この作品の真の恐ろしさは最後の最後の最後まで主人公以外の登場人物が自分達が主人公の手のひらの上で踊らされていた事に気づかず、そして主人公も言わずに上手く撮れた写真を見て「トラペジウム」なんてエモい感じを醸し出している事である。
そしてその主人公と言えば、本来であればアイドルオーディションに受かる事すらできなかったレベルの人間だったのが、美少女3人を使って自分を売り出す事に成功して見事アイドルという野望を達成している。
それがオチの……綺麗な写真で映し出される「トラペジウム」。
これはアイドル物に見せかけたホラー作品なのです。】
唯一見ていて思ったのは、恐らくこの作品は映画作品では無く1クールアニメとして作った方が作品の出したかった表現や話のカラクリを上手くできたのではないかと言う事。
と言うかもしかすると、本来は1クールアニメとして制作予定だった企画が何らかの事情で映画作品として作られる事になってしまったのでは無いかとも思う。
そこら辺は分からないけれども、正直映画としては若干アニメの総集編的な雰囲気があり、ダイジェストみたいな部分があったり、個々の登場人物やイベントに対して掘り下げをしきれていない感が否めなかった。
しかしそこはやはり恐らく何か大人の事情ありきな話でもあると思うので、恐らく色々な制約があったであろう中でも作品の見せ場や構造を壊さず良く観客に見せられるようまとまっていると思う。
なーんかてきとうな映画見るかなぁで入った自分としては全く想像もつかなかったアイドル物を見る事ができて面白かった。
現実のアイドルも主人公と同じぐらいには手段を選ばずに使える手を全て使うぐらいの勢いがないと売れないのかもしれないとも思った。
見ている間、この主人公は天才軍師か何かの生まれ変わりだろ!ってずっと思っていた
身勝手なヒロインに脱帽
トラペジウムを観たのですが、とにかくもうヒロインの性格の悪さには呆れ果てた。
アイドルって怖い!!エグい!!
メンバーの一人に彼氏の存在がバレたときの主人公の豹変ぶりは恐怖としか思えない。自分の夢に他人の人生巻き込んで何考えてんのか、身勝手なヒロインに思わず怒りがこみあげた。
最後の辺り、仲間の再開シーンも納得出来ない。
実に都合の良い終わり方に不自然さとリアリティーに欠けた感じにも不愉快極まりないです。
不揃いな4人
キャラデザや音楽の作り込みはかなりよく、冒頭から見入ってしまった。
ただ、狂気に満ちた東に対して周囲の接し方があまり変わず流されやすいこと、アイドルになるまでの10年の描写がないこと、ストーリーの展開がありきたりだったことが特に気になった。
本編の時間も90分と比較的短めなのでもう少し厚めに描いてもいいのではないかと感じた。
アイドルになるには生半可な覚悟ではいけないということ、運も大切であるということを伝えたいという意図は伝わってきた。本物のアイドルが原作なだけあって描写の視点はすごく良かったがら意外性がなかったのが残念だった。
時間を忘れて鑑賞しました
時間を忘れて最後まで観ました。
登場人物の女子高生のキャラクターデザインが良いので観ることにしました。
アイドルになろうと誘われて離脱した3人はかつて学生時代に自分が友人から誘われて離脱したことがあるので共感が持てます。
物語の終盤、東ゆうが3人に謝り和解するところは観客にとって期待通りの展開ではないでしょうか?ケンカ別れてそれっきり疎遠がほとんどの自分にとっては…
館山に何度か足を運んでいると作中の館山城や九重駅内房線の2両の電車が登場していてたぶん館山周辺がロケ地だな?とわかるのでそこも見所になっています。
脚本しっかりしてお願い
まず、私はアイカツやラブライブなどのアイドルアニメが好きなので、主観的な部分もあります。その上で以下見ていただけると有難いです。
元々原作は読んでいたのですが、数年前なので内容は忘れていて、特にあらすじも軽く知っているくらいの状態で鑑賞しました。良かった点と悪かった点書きます。
①よかった点について。まず、主題歌が素晴らしいです。MAISONdesさん作曲、歌が星街すいせいさんの「なんもない」という曲で、映画が始まって割とすぐ流れるのですが、映画館の音響で音が流れた瞬間鳥肌がすごかったです。すいせいさんのことは元々知っていて、歌もYouTubeであがった時から何回も聴いていましたが、曲は映画館で聴けて本当によかったと思いました。期待も高まりました。ただ、ぶっちゃけここが最高でした。ここから、映画が進むにつれてどんどん悪い意味で期待を裏切られます。次に映像についてです。全体的に悪くなかったと思います。キャラクターの表情や動き、情景描写も綺麗でした。3DCGの4人のライブステージもよかったです。違和感なく見れました。
②悪かった点について。
映画が終わって最初に思ったことは「もったいない」です。本当にもったいないです。これだけいい曲で映像も悪くなくてキャラクターも可愛いのに脚本が本当に残念です。不自然な点が多すぎるのと、いろいろ段階を飛ばしすぎていてストーリーが破綻しています。主人公は元々アイドル志望だったからいいとして、主人公がアイドルやらない?と誘うシーンもなければ、他3人がアイドルについて話し合ったりするシーンも1秒もありません。なんかいい感じにテレビに出てそのままアイドルになってますが、他3人は、そこに対して何の疑問も持たずにただ流れでアイドルやったの??この時点でよく分からなかったです。高校生という年齢で、よく分からないままじゃあアイドルやりますとはならないでしょ。いくら高校生といえど、その判断ができないのは流石に不自然だと思います。後に主人公以外の子が彼氏の写真アップしたり、テレビで目立つのが嫌で泣き叫んでいる描写がありましたが、何となくやり始めて、別にプロになろうとかじゃないのにそういう風になるのは当然のことじゃないの?そこに対してキレてる主人公もよく分からないです。最初からアイドルしようって声をかけたわけじゃないのに自分の思い通りにいかないことに対して何でそんなに怒ってるの?と思いました。明らかに説明が足りてないと思います。
続いて。華鳥蘭子という長髪の女の子がいます。この子の発言が矛盾してて気持ち悪いです。この子はアイドルに対して肯定的な姿勢で、流れに身を任せていこうぜ的な感じだったのに、先述したテレビを嫌がって泣き叫ぶ子と話そうとする主人公に対して急に手を引いて、あの子はもう限界なんだよという発言をして急に否定的な姿勢をとります。意味がわかりません。お前乗り気だったじゃん。どういうこと?最終的には結局グループ解散するんですけど、解散した後4人が集まった時に主人公に対して感謝する流れもわかりません。あれだけ揉めておいて、泣くほど嫌だったのにアイドルできてよかったの発言は都合いいです。というか、全体的にものすごく都合がいいです。素人の4人が集まってテレビでステージを披露してるのもすごく違和感がありました。世の中そんなに甘くないです。いくらフィクションでも流石に都合良すぎます。テレビに出る、ステージを披露するってそんなに簡単なことじゃないです。絶対。いろんなことがとんとん拍子にうまくいきすぎて置いてかれてる感がすごかったです。そのへんの努力する過程だったり、全員で何かを成し遂げたりするようなシーンが皆無だったので全然感情移入できないし。揉めるのも当たり前じゃんという感じで流れがわかってしまうので、予想外な展開もなく、え?え?となっているうちに終わったという感じでした。
個人的にもやっとしたところについて。主人公が性格悪いのに対して、リアリティがあると言えばあるのですが、周りに対してあまりにも態度が悪いです。誰もみてないところならいくらでも悪口でも言えばいいと思うけれど、自分が強引にアイドルやらせておいて思い通りにならないと当たり前のように目の前で舌打ちするし、機嫌悪い態度とるし、もやもやしました。1番納得できなかったのは、文化祭のコスプレして写真撮るところのシーンです。途中で知り合う車椅子の女の子がアイドル好きでアイドルっぽい可愛い衣装があってそれを着たいと言った後に義足であることから躊躇って、結局その衣装を主人公に着て欲しいという発言をしたら、主人公が何の躊躇いもなくじゃあ着るねと当然のように衣装を受け取っていて、えーーーー?!!!と思いました。そのシーンで主人公は本気でアイドル目指してるの??と思ってしまいました。アイドルって誰かの背中を押したり、笑顔にしたり、そういう人間であるべきではないの?主人公はただ舞台の上で歌って踊って目立ちたいだけなのか。私がアイドルを目指している立場だとしたら、衣装を着るのを諦めようとする子に対して、自分の好きとか憧れの気持ちを大切にするよう助言して背中を押すとか、絶対似合うよ可愛いよ等の言葉をかけると思います。なぜ、当たり前のように自分が着る??本当にアイドル目指してるの?不自然だと思います。作中の発言でもあったけど、目の前の人1人笑顔にできないのにという言葉がその通りすぎました。周りを勇気付けて引っ張っていくどころか、泣かせるまで自分の都合を押し付ける所が、なんかもう悲しかったです。わざわざ自分の足でメンバーを探してまでアイドルをやりたい思いが強いはずなのに、そう思えないような言動が多すぎて、応援したいとか1ミリも思えなかったです。アイドルという言葉をそんな簡単に使わないで欲しい。アイドルに対する愛が全然ないと思う。
主人公の性格の悪さばかりが目立って、本人が1人で歌やダンスの練習するとか、泥臭く足掻いているようなシーンもないので、全然感動できない。布団に寝っ転がってばっか。人のコメント数見てないで、自分をもっと高めたら?だから、オーディション全落ちするんだろうなと思いました。確かに行動力はあるのかもしれないけど、自分の価値観を強要したり、あたかも全部人のせいのようにして、自分はなにもしないのがどうしても本気でアイドル目指してると思えない。あと細かいところでお爺ちゃんの声が若い人が頑張って出してる感があったのと、女装した男の子が一切恥じらいを見せないところに違和感感じたのと、黒髪の子の「友達って言ってほしかった」発言のシーンもいるか?と思いました。以上です。
まとめ
よかった点もあったけれど、脚本が残念すぎてこの評価です。アイドルに対しても鑑賞者に対しても失礼だと思います。主題歌がとても良くて、アイドルアニメも好きなので期待していただけにイライラを通り越して悲しかったです。結局なにを伝えたいんだろう。途中まで都合良くいったけど、やっぱり気持ちだけじゃ難しいってこと?行動力?そもそも4人全員がアイドル目指してない時点で、うまくいかないのなんてわかりきってるのにね。あと、最近まで高校生だったから言いますが、高校生はそこまでバカじゃないと思います。やりたいことがないならアイドルでも何でも挑戦すればいいかもしれないけれど、ロボットやボランティア活動など興味がはっきりしてる子たちが当たり前のようにダンス練習してる場面は笑いました。意味がわからなさすぎて。些細なことでいいから、主人公以外の3人がなんでアイドル活動OKしたのかわかるシーンが欲しかった。それともテレビって本人の意志を無視して無理やりアイドルやらせるのかな。映画見てる途中でお金と時間と期待を返してと思いました笑。曲はこれからも聴きます。主題歌を聴きに行く価値はありますが、内容は期待しないほうがいいです。アイドルが大好きなだけに、残念でした。
夢を夢で終わらせない
夢を夢で終わらせない(某CM)
またすごい作品が現れた
行動力の塊のような主人公
ポスターと予告みて、嫌な奴一人もでてこない
さわやかでキラキラな王道アイドルものかと思いきや予想をいい意味で裏切
ってくれた。
アイドルオーディションに何度も落ちた少女はある計画をする
東西南北に住むかわいい女の子と知り合い、仲良くなって一緒に
アイドルグループを結成させるという
自身がプロデュースする形でアイドルになろうと画策する
古今東西のプロデューサー、涼宮ハルヒも
びっくりする行動力の塊のようなキャラクターに私は好きになれましたね。
お嬢様学校に乗り込んだり、男性の多い工業系の大学に乗り込んで
いったり、事務所に単独で売り込みに行く姿に何か尊敬の念を抱きました。
やはりアイドルは行動力が大事ですね。
アイドルに無名からのし上がっていくさまが上手く進みすぎてトントン拍子
な感じではありましたが観ていて気持ち良いサクセスストーリーをみてい
る感じ。
からこその後の展開もなぜかとても気持ちいい。
ポイントはみんながアイドルになりたいとは必ずしも思ってないことだろう
ギスギスするようなすれ違いもあるまさかの展開に舌をまいた。
主人公の東(あずま)ゆうは誰よりもアイドルになりたいがために
仲間を勝手に巻き込んだり
ボランティア活動に周りの同意もなしに応募したり、
周りの評価をきにしだしたり
アイドルのメンバーが付き合っていることが発覚しアイドル生命が脅かされ
る事態になると怖い形相で叱責したりいきすぎた言動があるものの
みんなを無理やりだが、ひっぱるリーダーシップがありただアイドルになり
たいという夢が人一倍強くて
最後はしっかり反省するのでまだ気持ちが未熟な青春
真っ只中の等身大な普通の女の子なのが伝わってきました。
解散後もみんなそれぞれの夢に向かってつっぱしっていきましたが
再会してお互いのことを話すくらい仲良くてほっとしました;
あんな事件があったのに下手に引きずらず、
お互いの非礼をうちあけられた。
良い仲間に恵まれたと思っております。
みんなもいい子たちでした。
このアイドル計画を通してみんな本当にやりたいことをみつめるこ
とが
できたので、一歩前進できたのではないかと思っています。
挑戦することでみえてくる世界がきっとあると思います。
決して無駄ではなかった良い青春ものでした。
原作者の高山一実さんは乃木坂46の元アイドルなだけあって
アイドル人生を送ったものにしか描けない生感のある
一風変わっ
た新しいさきがけになるようなアイドル物
で、これをアイドルが執筆していることに衝撃とある種のこわさが
ありました。 (悪口ではありません)
原作も読んでみるとまたこの作品が違った印象としてとらえることができるかもしれないので原作のほうも読んでみたい。
タイトル回収も素晴らしい。
最後に好きなセリフシーンを抜粋
東ゆうのセリフ
彼氏がいるのなら友達にならなきゃよかった
アイドルって大勢の人達を笑顔にできるんだよこんな素敵な職業ないよ
舌打ちがこえー
アイドルらしからぬ目つきの悪さを披露してきて
最高でした
星空を見上げるシーン海辺のシーンはクローバーワークスの作画により
気合がはいっていた
思わず見惚れた映画的で観に行ってよかったと思える場面だった
東ゆうの横顔が美しい。
映画単独での評価は微妙
小説未読、原作者も顔と名前が一致しないレベル。
偶々休みの日の良い時間に上映してたので鑑賞、PVや予告は見ていて作画は好きだったのであまり期待せずに行った。どうでもいいがTOHOシネマズ池袋はシアター入口にポスター掲示してほしい、入るときに迷うのと記録写メが残せない。
主人公に共感できない、という意見をよく見たが自分もはげしく同意。終盤まで主人公の自己中心的な行動をわかりやすく出していて、性格悪いなこいつ、と観客を誘導しているのはあからさまにわかる。なのにそれをひっくり返すような主人公の行動原理を表現するエピソードが皆無に近いので、そら最後の改心場面入れても共感しないよな、と。
小説版にはどうも留学中にアイドルを目指すことになったエピソードがあったようなのだが、絵柄が弱かったのか構成上入れられなかったのか、カットされている。
タイトル回収のエピソードも同様にカットされているようで、全体的にご都合主義な展開も相まって没入しづらい構造になってしまっている。
歌パートのダンスの映像部分が映像上のクライマックスなんだろうが、今どきのアイドルスマホゲーレベルCGの二番煎じは否めずでインパクトは薄い。
業界のパート部分はやけにリアリティーが高いのに学校パートが絵に書いた空想にしか見えず(特に仲間集めパートのご都合展開)、ギャップがあり過ぎた。何なら業界パートから学校パートは異世界転生ものかと思うくらい。
クローバーワークスの作画が安定してるのと、主人公のダーク面の表現(表情や仕草)は分かりやすくて面白い。
後半、UNITに不協和音がでる展開でやっとストーリーが進むのかと思いきや、え、そこに突っ込むの?という平凡な展開(アイドルは大変、将来も?あるし)は飽きがきた。
てっきり主人公が三人に真の目的を告げずにアイドルになるよう仕向けてた裏の顔に対して対立させるのかと思いきや、メンバー一人の「わたしは気づいてたよ」の一言で、全スルー。前半パートの振りは何だったのか?とガツクリした。
全般そうなのだが、特にラストの、無理やり10年後回収の伏線も一人ひとりの詳細がわかりにくく、おそらくコアなファンに複数回鑑賞させる狙いだと思うが、多分公開2周目にはシアター数絞られてるだろう。
アマプラにも来ないと思うので見たい人は早めに劇場に行った方がよい。
実は乃木坂の大ファンですが
10年以上も前から乃木坂の大ファンで、もちろんかずみんも大好きなので書籍も買いましたが活字離れしていて全く読まずただのコレクションとなっていたのでちゃうとアニメ映画になって観てみようと思い劇場に行きました
乃木坂びいきせずに言うと、主人公に全く共感ができないので辛かったです
とにかく自分の夢…と言うより欲望のために他人を利用している
もうとにかく性格が悪い、と言うより怖い…狂気じみてる…
最後には和解するものの4人のグループとしてアイドルが継続できていなかったことが非常に残念で、主人公はアイドルになったのか女優になったのかも分からず最後まで???だらけでこれはハッピーエンドなのか…?と言う作品でした
なんもない
1期生から3期生がメインで活動していた頃の乃木坂のファンで握手会やライブやによく通っていました。高山さんはどんな時も明るくムードメーカー、番組に出ている時も盛り上げ上手で、この人頼もしいなぁと常にほのぼのしていました。
数年前に刊行された原作小説も読んでいて、これ生々しいな…と当時なっていて、数年の月日が経ってまさかのアニメ映画化。CloverWorksが作っているというのにも期待してしまいます。
原作よりも描写描写キツくなってないか…?と思うくらい生々しさが増していて、超ドロドロアイドルもの、乃木坂の現役のあれこれも入っていて、アイドルだったからこそ描ける作品だったんだなと再認識することができるエグい作品でした。
今作の主人公はこれまたヤバいやつ。自分は捻くれた・拗らせてる・ちょっと生意気な主人公とか凄い大好物なんですが、今作の主人公・ゆうは物事を突き詰めすぎるが故に生まれた承認欲求の塊のようなモンスターで、自分のためなら他の人や事なんてのはモノのようにしか見ず、自分が納得できなかったらすぐに切り捨てたり、舌打ちしたりと相当性格は終わっていて、アイドルものでは初めて見る容赦のない子でした。
メンバー勧誘で呼ばれた3人は基本良い子たちなのもあって、ゆうの邪悪さが全開になっていて、一見すると難ありなんですが、夢に向かって真っ直ぐという感じにも受け止められて、夢に向かってる途中の自分からするとここまでの行動力があるのは本当に素晴らしいなと思ってしまいました。
ゆうに依存してしまっている3人という形にも見れるのはちょっと面白かったんですが、誰だって優しくされた人に懐くもんですし、その人がやりたい事に協力だってしちゃうもんです。ゆうはそれがやりすぎてしまった、ブレーキの踏みどころを間違ってしまった、最悪の事例だったなと思いました。
ボランティアを踏み台にするというのもなんか似た案件が過去にあったような…と善意をステータスのようにしか見てないというのも、第三者として観るとやはり滑稽で面白く、何か経歴あると誇れる(自分だと商業の検定とか謎にまだ自慢できるので笑)というものの体現だと思います。
乃木坂当時に男性トラブルがあったりして、それが直接的ではないとは思うんですが、紅白出場ができなかったり、メンバー間に亀裂が入ったりと色々あったのですが、今作でもメンバー間の恋愛の有無が絡んでくるというシーンがガッツリ描かれていてゾワっとしました。文章以上に映像になると重みがますなと思いました。
あと美嘉がサラッと言ってしましたが整形したというのが個人的には中々怖くて、自分そのものを変えるために顔を変えてしまうという行動が自分には分からず、実際アイドルになるために整形した人もいた事例があったりしましたし、これが乃木坂のメンバー間の話ではなく、噂に聞いた話の文章化であってくれ…と思ったりしました。
流れでアイドルをやってきた中でゆうがパワハラじみたレベルで物事を強要するようになってからゆうと3人の距離が空いていき、特にくるみが壊れてしまったシーン、決して絶叫するわけではない、崩れ落ちるように辞めると言ったシーンは怖すぎました。羊宮さんの演技もあり、その絶望はヒシヒシと伝わってきました。
ただゆうが一方的に悪いとかではなく、この子はこの子で夢を追い求めた結果がこうなってしまったというだけであって、サイコパスとかではなくこういう人もいるんだというところに落ち着いた感がありました。
10年後、4人が再会してそれぞれの生活をしていて、それで笑い合ってるという終わり方は良かったと思います。
4人でアイドルという道ではなく、それぞれの夢を叶えてという終わり方は実際のアイドルの卒業後の進路がバラバラで、それでもみんなやりがいを持ってやってるというものの表現だなと解釈しました。
正直言ってアイドルになるまでの過程を端折りまくっていて、そこそんなに簡単に成功するんだ?とか人生台無しにする手前の行動をやってきたゆうとそんなに早く仲直りするんだ?とか原作からカットしたところも多かったせいか、どこか薄く感じてしまったところがあったのは残念でした。
作画は抜群に良くて、けろりらさんのポップなタッチとダーティーな話のアンバランスさがクセになっていました。背景の描き込みやダンスシーンなんかも凝っていましたし、劇場クオリティになっていて大満足でした。
声優陣は上田さんと羊宮さんは安定して素晴らしく、結川さんは今期やってるアニメで、相川さんは今作で初めて知りましたがとてもよかったです。
最近何故か色んな作品で見かけるJO1のメンバーの木全くんも特別上手ってわけではないですが、キャラクターの不器用な面に合っていたと思います。
ただ老人役はなんでこの配役にしちゃったんだ?というので、ウッチャンはともかく、西野さんと高山さんはなんでこの役だったんだろうとなってしまいました。クラスメイトだったり、店員だったり、もっと役割があったはずなのに、見た目老人声女性という強烈な違和感が抜けずで困ったちゃんでした。
賛否割れて当然。こんなにも尖った作品がアニメとして生まれ変わって出てきてくれて良かったです。
アイドルもとい芸能界という世界はやはり厳しい、でも自分もそういう世界に行きたいからこそ言葉ばかりの努力ではなく行動で示していきたいです。ナンテネ。
鑑賞日 5/12
鑑賞時間 9:00〜10:55
座席 I-3
自分がアイドルになるためだけに友人を作り利用する主人公の闇。車いすの少女の夢も取り上げてしまう無神経さ。
アイドルを目指した少女が、自ら率先して戦略を立てて、4人組地域発信型アイドルを作る物語。
ただアイドルになりたい少女が4人集まって頑張るのではなく、プロデューサー目線で売れていくのが面白いところ。
・・・なんだけれど、自分がアイドルになりたいために、可愛くキャッチーな3人の少女に「本人に目的を明かさずに」声をかけて、売れるアイドルグループを作るために、友達になるという何とも身勝手甚だしい主人公が嫌だ。
集まった3人は彼女を信じて友情を育んで、素直に楽しんでいたのに。
てっきりアイドルを目指す4人が集まって、その一人が戦略を立ててクレバーにのし上がっていく話かと思ったのに、残念。
一番気になったのは。アイドルの衣装を、本当は自分が着たかった車いすの少女のエピソードを、中途半端に流してしまう無神経さに腹が立つ。
主人公に着てもらいたい、と遠慮するところを拾い上げる「優しさ」があってこそアイドルだという、絶好のエピソードなのに。
そして、テレビに取り上げてもらうためだけに画策して参加した、その登山ボランティアと、観光ボランティアも、テレビ放映されて目的を果たしたら、急に「勉強が忙しい」とか言って、自然離脱していくという浅ましさ。
自分が売れることに他人を(3人の友人すらも)利用することしか考えないという主人公の闇がテーマだったのか。
もうちょっと素直な話なら楽しめたのに。
みんなが闇落ちしていくのが怖くて観ていられない。
そういうシビアな部分が、元アイドル原作だけあってリアルということか。
あまりに夢がなさすぎる。
せめて、4人の一人一人にアイドル活動を心から楽しむエピソードがあってくれたら、救いがあったと思う。
ちなみに、こういう舞台劇がありそう。
現役アイドル4人が主演で、舞台で歌い踊る。
演劇ならアニメよりもまぶしいステージも、シビアな葛藤も、輝いていた過去を懐かしむシーンも、似合うに違いない。
アイドルそろばんずく。悪逆非道のサイコパスヒロインを、三人はなぜ赦して受け入れたのか。
なんだか、妙なアイドルアニメを観てしまった(笑)。
出来が良いんだか悪いんだかも、
後味が良いんだか悪いんだかも、
しょうじきよくわからない……。
意外と狙い通りに作られている気もするし、
稚拙な部分と手の込んだ部分のバランスが実に不思議な感じ。
すくなくとも、まともなアイドルアニメでは全くなかった。
昔、『アイドルマスターシンデレラガールズ』の放映時に、「くもらせすぎだ!」「いやそんなことはない!」と、毎週明け方まで某まとめブログのコメント欄で、1000コメカンストするまでアンチと論争していたのを、懐かしく思い出す。
いやあ、今回のくもらせかたは、そんなどころじゃなかったよ(笑)。
原作未読。
乃木坂のメンバーも、数名くらいしか見分けがつかないレベル。
予備知識ほぼゼロで「地方の女子高生たちがアイドルを目指す」程度の認識で観に行ったので、あまりの内容の狂いっぷりにのけぞった。
ヒロインの東(あずま)さんは、完全なサイコパス。
「アイドルになる」という夢のためなら、なんでもするキ●●イだ。
自らが東高の東で、残りが西南北。そんなアイドルグループを結成するために、西地区と南地区の目を付けてあった美少女を突撃訪問してスカウトしにいく。
しかも、なぜか真の目的は明かさない。あくまで「友達になろう」という体(てい)で近づいて、お互いが仲良しになることを優先する。
彼女はオーディションではなく、あくまで「地元のテレビ番組に目をつけられてスカウトされる」ことを目的に、自然な形で四人の仲間を集めようとするのだ。
そのために大谷君のノートのような「自己実現ノート」をみっちりつけている。
そのうち北地区の美少女で向こうから声をかけてきた娘が出て、いよいよ東西南北の四人が揃う。東さんは、地元の城でのボランティア活動を通じて、テレビ局の取材を虎視眈々と待ち続ける……。
とまあ、出だしの荒唐無稽ぶりはひどいものだ(笑)。
アニメだから許されるような設定で、とてもまともな小説の「ふり」とは思えない。
だが、そのうちこの物語はそれなりの深化を見せ、サイコパスヒロインと仲間たちの成功と失墜、友情の交歓とその崩壊を描くことになる。
後半はそれなりに良く出来ている分、前半のあり得ないようなスカウティングのくだりのおかしさが余計に目立つ。
たぶん、これは原作自体のもつ問題なのだろう。
おそらく「初めて小説にチャレンジする」原作者の髙山さんが、最初は不慣れな手つきで、バランスの悪いアイディアをもとに書き始めてしまったのではないか。
それが、書いているうちにどんどん作家的技量があがって、思いがけず深いところまでアイドルの闇を描くことになった。最初の土台の段階では素人丸出しだが、その上に上手い具合に後出しでそれらしい内容を書き継ぐことに成功した。
このアニメのバランスの悪さ(アホな設定のわりにシリアス化する)は、原作者の短期間での作家としての「成長」が生んだ結果ではないか。
もう一つ、この物語の不思議なところは、最初からヒロインの東ちゃんがカオティックでサイコパスでピカレスクであること自体は何ら隠していないのだけれど、ストーリー展開自体はヒロインの野望に寄り添った「成長譚」「成功譚」のように描かれている点だ。
すなわち、蟻の浮いたみそ汁捨てたり、ノートに酷い分析してたり、相手に舌打ちしたり、急に不機嫌になったり、仲間に捨て台詞はいたり、東ちゃんが頭がおかしいってことはむしろ丹念に描きこんで来るんだよね。
だいたい、自分だけは本名の「東高の東ちゃん」で、他の三人はまるで違う名前なのに「北ちゃん」「西ちゃん」「南ちゃん」呼びに誘導してるってのは、友情なんか嘘っぱちで自分の理想のユニットの数合わせのためだけに集めた木偶人形だと最初から言っているようなものだ。設定自体のなかに、東ちゃんの自己愛性パーソナリティー障害はしっかり描き出されている。
だが本作の場合、ヒロインの悪行はしっかり描きつつも、なんだか総体としては「ヒロインの夢が叶っていく」良い話みたいに、一見感じられるような不思議なバランスで作ってある。すくなくとも、東ちゃんに対してそこそこ宥和的に、ある程度の共感性をもって寄り添って描いているのは確かだ。
「そこまでろくでなしだってそっちから強調しながら、お前らは俺たちに大らかな心でこの娘を愛でろって言ってるのか??」ってまあ、どうしてもそんな気にはなるよね。
「どう考えても共感しがたいヒロイン」の成り上がりを、たとえば松本清張の『黒革の手帖』とか『わるいやつら』みたいに、きちんと「悪」として描いていれば違和感も逆に軽減される。だが、それを応援するかのように描かれると、どうしても胃もたれしてしまう。
(書いてて思ったけど、大きな野望のために対人関係まで考え抜いて策略的に構築して、善行を積んでキャラづくりに励んで、なんだかんだで回りのみんなからは愛されてるって、ちょっと『コードギアス』のルルーシュっぽいよね。)
たぶん、一番理不尽なのは、ある意味やっていることに悪の一貫性があって筋が通っている東ちゃんのほうではなく、噓に噓を塗り固めた関係性を押し付けられて、無理やりアイドル稼業までやらされながら、簡単に東ちゃんを許し、恒常的な友情を結ぶことを選んだ「三人のほうの異常性」にあるのかもしれない。
このいびつな関係性を「作品の不出来」として責めるのは簡単だ。
「そんな人見知りで人前にも出たがらない娘が、騙されたからってアイドルなんかやるわけがない」「本当はやりたがってるのは東ちゃんだけなのに、他の三人があんなに簡単にデビューを受け入れるわけがない」
僕もそう思う。とくにテレビ局が地元の可愛い東西南北ということで番組の女子高生レポーターとして出演させるあたりから、曲を与えてデビューさせようとするところまでは、かなりの懸隔があって、だいぶ展開としては無理があるんじゃないか、と。
ただ一方で、こうも思うのだ。
原作者の髙山さんは、正真正銘の乃木坂アイドルだ。実際にデビューしてアイドルグループに身を置いていた人物である。そんな人間が、「実際には芸能界にはいないようなキャラクター」を果たして造形したりするだろうか?
西ちゃんも、南ちゃんも、北ちゃんも、実際に身近でこういうタイプの娘がいたからこそ、こんな感じのキャラクター造形になっているのではないのか?(もちろん、東ちゃんのようなアイドル道を虚仮の一念で突き進む、妄執に囚われたサイコパスもまた思い切り身近にいたのでは?)
そう考えると、異様にお人よしで、自分たちを騙して罠にはめて貪り尽くして出しに使った東ちゃんを受け入れてしまうような三人については、こういうタイプが芸能界には「本当に居るのだ」と思って観たほうがいいのかも。
一番この中でわかりやすいのは、実は南の華鳥蘭子ちゃんだろう。
何故なら、この娘には「縦ロールにしてテニス部に所属してお蝶夫人を自称している」という珍妙なキャラ付けが敢えてなされているからだ(いつの時代の娘だよw)。
お蝶夫人は、もちろん『エースをねらえ!』のメインキャラの一人である。あの作品におけるお蝶夫人というのは、一見ライバルキャラにみえて、実は超のつくお人よしだ。
岡ひろみと宗方に食い物にされて、さんざん踏み台にされ、練習台にされながら、全力で岡のために尽くし続ける哀れなまでに善意の人物である。
かつて大泉実成は『消えた漫画家』のなかで、『エースをねらえ!』は「グルイズムの漫画」であると喝破した。要するに宗方という絶対的なグルがいて、それにひたすら盲従する岡ひろみという巫女がいて、その成功のために登場人物全員がすべてを喜捨して尽くし続けるという物語の異常性を、新興宗教の構造と同様であると指摘したのだ(原作者の山本鈴美香は実際に、父親の創始した新興宗教の巫女でもある)。
あまりこの話に深入りしても切りがないが、要するに華鳥蘭子というキャラは原作者によって、「無条件に東ゆうに尽くす善意のキャラ」としてアプリオリに設定されているということだ。常に宥和的で、お母さんのように気を遣い、全員の幸福のために間を取り持ち続ける優しい女性。その背景には絶対的な富と家柄という優位性がある。
北の亀井美嘉ちゃんも、蔭のある曲者のキャラクターだ。
この娘の場合、他の二人は東ちゃんが目をつけて自分からスカウトしたのに対して、北ちゃんのほうから声をかけてきて仲間に加わった経緯がある。東ちゃんからすると、彼女はアイドルとしては「ごまめ」であり「追加メンバー」に過ぎない。小学校の幼馴染だが、顔がわからないくらい変わっていて、東ちゃんは家で自己実現ノートに向かいながら、「顔が違う」といいつつ思い切り「整形」と書き込んでいる(こ、こわいよ!w)。
要するに、東ちゃんはこの娘を他の二人より「下に見ている」し「作り物の美少女としてバカにしている」。北ちゃんは自分の顔が変わっていることを東ちゃんには「知られている」わけだから、自分が偽物の美少女であることも自覚している。
しかも、北ちゃんが東ちゃんに近づいた真の理由は、かつて彼女に救われたことでヒーローとして絶対視していて、ファン第一号だったからということが最後に明かされる。
要するに、この二人には「お互いに気付いていないが」明確な「主従関係」があり、北ちゃんは東ちゃんにかしずくように設定されていて、それを東ちゃんも無意識下で理解している。
北ちゃんが彼氏をつくって裏切ったことで、東ちゃんがあれだけ切れたのは、単純にアイドルの掟に反したからではない。まさか一番の飼い犬に手を噛まれるとは思っていなかったからだ。
一方で、北ちゃんの自信の無さ、自分の無さ、依存性、盲従的態度、ボランティアでなんとか自尊心を充たす姿勢などは、「男性に対してもそうなりがち」なキャラとして一貫している。
一番ややこしいのは西の大河くるみちゃんで、とりわけ「なんで東ちゃんに付き合ってアイドルなんてやってたのだろう」と思わされるキャラでもある。
ただ、こういう内気で、人見知りで、コミュ障で、メンヘラだけど、男好きのする可愛さがあって、そのことに実は自覚的で、萌え袖の服を敢えて着ていて、なにかのエクスキューズさえあれば「輝ける」準備をしている娘って、実はアイドルにはたくさんいるのではないだろうか。
学校ではいじめられていた、ハブにされていた、誰とも口をきかなかった、といった話を口にするアイドルがどんなに多いことか。そしてアイドル稼業のなかで追い詰められ、メンタルの不調に陥り、異常な振る舞いの末に辞めていく娘がどれだけいることか。
やたら可愛いのに人見知りで、やる気がないのになぜかアイドルをやろうとして、向いていないせいで壊れていく子たちを、髙山さんは間近でたくさん見てきたのではないか。
西ちゃんの極端なバランスの悪さと、「友達」という言葉への途方もない執着と、それでも東ちゃんへの「依存」が解けないその姿には、髙山さんが見てきた「もっとも生々しいアイドルの姿」が刻印されているのではないだろうか。
こうして考えてくると、『トラぺジウム』という作品の核心は、アイドルになるという虚栄を「宗教的情熱」として捉えている部分にあるのではないか、という気がしてくる。
東ちゃんはアイドル道の「布教」のためなら、偽りの人間関係を構築することも辞さない。
最終的に彼女たちを「アイドル」というフェイズに高めてやれるのなら、それは彼女たちの利益にもなるからだ。
彼女は宗教的情熱をもって三人を教導し、三人は信徒として行動をともにすることを選んだ。それは洗脳だし、友情の在り方としては偽りの虚構ではあったが、たしかにそこで生まれたシスターフッドは現実の幸せでもあったし、ひとときのアイドル活動は彼女たちの自負心と自己愛を満たしてくれた。
そう、アイドルを目指すということは、単なる夢でもビジネスでもない。
ある種の狂気であり、ミッション(宣教)なのだ。
そんなメッセージを感じ取りながら、僕は映画館を後にしたのだった。
星座になれたら
冒頭から作画が非常によく、OPの演出や色遣いも素敵だったのですが、そこがピークでした。
とりあえず、一貫してゆうの性格が悪すぎる。
序盤は若さとガムシャラさだと捉えて流してましたが、「彼氏いるなら友達にならなきゃよかった」は最低。
しかも恐らく、本人の台詞にもある通り「言い過ぎた」だけで本音だろう。
被害者の会を結成してもおかしくない他の3人がアッサリ許してるのも腑に落ちなかった。
3人全員を“ぼっちキャラ”にしたのも失敗では。
ゆうの我儘に付き合う理由が「初めて友達ができて嬉しかったから」だけに見えてしまう。
結果的にゆうがそこを利用した形にもなっちゃうし。
そもそもデビューまでの流れがご都合主義にも程がある。
くるみが発狂するのはさもありなんなのだが、その前に素直にアイドルやってたことの方に違和感がある。
ゆう以外に動機もモチベーションもないのに、そういうの全部すっ飛ばしてるんですよね。
ラストも、「なんやかんやでアイドルになれました」では感動も何もない。
デビューライブ(どう見てもスタジオ収録だが)はCGと作画の繋ぎも自然で凄かった。
全編を通して撮影による光の処理も見事。
曲も悪くないし、声優も極端にヒドい人はいなかった(老人2人は原作者へのご褒美ということで…)。
なので、完全に脚本で台無しになったパターンでした。
美嘉が「ボランティア仲間」にキレるシーン、次に会うとき普通だし、どこにも繋がらないし、要る?
社長のボタンがやたらデカいカットがあったのと、サラッと流された美嘉の「顔も変えた」発言が気になる。
アニメで例えるなら最終話【は】よかった
原作は知らずに視聴。
アイドルまでのサクセスストーリーかな?とか思ってみたら、自己中女と巻き込まれ善人の友情(仮)物語。
まずはじめに、、、主人公が徹頭徹尾嫌いで好きになれない。アイドルになるために画策することは悪くないけど、色々最悪すぎる。もう少し他の人を尊重しろとか、勝手に自分で進めるなとか、強引すぎるとか、ちゃんと謝れとか、みんながみんな自分と同じようになることが幸せだと決めつけるなとかとか、、、、キリがない。
流されすぎる他のみんなもどうかと思うところはあるけれど、だとしても酷い。それ故にずーーっと嫌だった。
ただ、仲間がいい人すぎる。対照的に見てるから最高。ホントにもっと怒っていいだろってところもすごい寛大。
ストーリーは、アイドルになる話?の割にはあんま躓かずにサクサク成功していく。どっちかって言うと、やる気の違いによる方向性の違いがメイン?な感じ。
初めは、主人公が嫌いなのは置いといて仲のいい東西南北が良き!!不穏になってからはずっと嫌な気持ちが続く。最後は割と綺麗に終わったので少し感動出来て良かった。
まぁ、総称して割とリアル?な人間関係で微妙な気持ちにはなったけれど、仲直り・文化祭・10年後と最後の方は感動も出来るし良き!あと、歌が神ですね!
追記:写真家のあいつ、めっちゃ良い奴だね!
良い作品だと思いますが、ハマれなかったです
ストーリーもアニメとしての作画も良くできており、作品としては楽しめます。でも、ピンと来るものはなかったな〜、という感想。
まず、ストーリーは「理想と現実の間」で葛藤し、少女は大人になっていく、という王道の青春もの。何ものでもない何かに成ろうとして、結局は自分以外の何もでもない、唯の自分なる。まあ、王道であるから故に、間違えのないストーリー。
続いて、Clover Works制作の美しい作画。アバンからオープニングがグッと引き込まれました。南房総の明るい景色と、薄暗い渋谷や東京に街並みの対比とか、光を使った情景描写も見事です。
声優も上田麗奈と洋宮妃那の主役級がしっかりして、良かったと思います。1点あえて苦言を言えば、爺さまズのモブが酷かったぐらい。まあ、年寄り役ってかなり難しいと思うのでね〜。
ピンと来なかったのは、結局最後まで登場人物やテーマに感情移入出来なかったから、ですね。要は「ハマれない」ってこと。
ヒロインの東ちゃんはイマイチ掴みきれなかった。根は「腹黒ボッチのドルヲタ」なんでしょうが、もっとデフォルメしてくれたら、入りやすかったかな〜?素で入るなら、意外と常識人であるお蝶夫人か、カメラの兄ちゃんだったのですが、あまりキャラの深掘りが無かったで、、、
やっぱ、作品テーマであるドルヲタでないと、ハマれないのですかね〜
物語の大きな流れは「Tari Tari」なんですよね。テーマがアイドルか高校の合唱なのか、の違いです。あちらの方が、それぞれの想いにスッと感情移入できたので、劇場版って尺が影響していたかもしれません。
不等辺四辺形
原作未読。乃木坂46は冠番組見てる位には好きで興味があり観に行きました。
グループプアイドルを目指す主人公と、その仲間を集めた先にどうなるかという物語。
映画内でどうしても気になってしまったのが、事が起きるのがだいたい唐突であるということ。
基本的には主人公の話しのみにスポットライトが当たっていて、他の仲間の深堀りが浅く各キャラクターの感情の機微がほんとんど描かれていない為と思われる(全く描かれていない訳ではないが、どうも付け焼き刃に感じる。事が起きてから関係するキャラクターの独白を繰り返しているような。)。
その為、主人公が自分勝手に見えたりコミュニケーションが言葉足らずだなという印象を受ける。
最後は主人公が昔からの知り合いであるキタに会いに行き以前の自分はどうだったかを聞くが、昔の話をそれまでに劇中で大してしてないので、そこすらも唐突に感じる始末。その後、各キャラクターがとある宿題を持ち寄り大団円を迎えるがなんとも消化不良に感じてしまった。
しかし、題名のトラペジウム(どの二つの辺も平行でない四角形)は4人の距離感を示す言葉としてピッタリで良い題名のチョイスだなと感じました。途中オリオン座が映るシーンも4人の関係を表してるみたいで良かったです。
また、興味深かったのは、アイドルの恋愛や各メンバーのやる気の差に対して当時現役アイドルだった原作者の考えが少し透けて見えるところです。全てのセリフが原作者本人の実体験から来てはいないと思いますが、現役アイドルが原作者である言葉、セリフの重みを感じました。
乃木坂46ファンは観る価値あると思います。
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