劇場公開日 2024年3月15日 PROMOTION

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12日の殺人 : 特集

2024年3月4日更新

冒頭わずか7分 美しき女子大生が生きたまま火だるまに
被害者は、容疑者である男全員と“関係”を結んでいた
辛口批評サイトで95%支持=映画ファンなら傑作と直感
賞レースシーズンに“埋もれ厳禁”の衝撃作が日本上陸

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帰宅途中の美しき女子大学生が何者かに火をつけられ、生きたまま、たちまち火だるまに。翌朝、焼死体という無残な姿で発見される――。

冒頭わずか7分、そんな衝撃の展開で幕を開ける「12日の殺人」(3月15日公開)は、映画ファンから熱い支持を集め、ヒットを記録したサスペンス「悪なき殺人」で知られるドミニク・モル監督の最新作。

辛口批評サイトで95%というハイスコアを記録するなど、すでに海外で高い評価を獲得している。賞レースシーズンに公開される、“埋もれ厳禁”の注目作であり、サスペンス・スリラー好きには絶対に見逃せない必見作だ。

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捜査線上には次々と容疑者が浮上し、しかもその全員と被害者は“関係”を結んでいた。ところが、誰ひとり容疑者として特定できず、事件はいつしか迷宮入りに――。この記事では、未解決事件を描く本作だからこその「のめりこみ確実」な魅力をお届けする。


【予告編】“未解決事件”―それは、人の欲望を刺激する

凄惨な事件、隠された驚きの真実に捜査員も混乱&焦燥
このまま未解決? 「悪なき殺人」監督から極上の挑戦状

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警察が捜査を進める女子大生の焼殺事件に隠された驚きの真実とは何か? “出口の見えないトンネル”に、捜査員たちも混乱し、次第に焦りを募らせていく。

サスペンスの名匠から届いた極上の“挑戦状”に辛口批評サイトも喝さい! そんな「見るしかない」要素満載の注目作「12日の殺人」をストーリー、監督、評価という3つのポイントから解説する。

【物語が衝撃的!】容疑者は次々と浮上…しかし、決定打に欠け、いつの間にか迷宮入り
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物語の舞台は、フランス南東の地方都市。10月12日の夜、友人宅から帰宅途中の女子大生クララが何者かに火をつけられ、翌朝焼死体という無惨な姿で発見される。事件を担当することになったのは、昇進したばかりの刑事ヨアンと、ベテラン刑事のマルソー。

地道な聞き込みから、容疑者として複数の男が浮上し、彼ら全員がクララと関係を結んでいたことも判明。しかし、犯行を裏付ける決定打に欠け、事件はいつしか迷宮入りの危機に陥ってしまう。

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このまま、未解決に終わるのか? 事件の真相に迫るサスペンス要素に加えて、思い通りにいかない捜査にのめり込み、混乱し、焦燥していく捜査官たちのひりひりとした心理描写も見どころだ。ポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」(2003)、デビッド・フィンチャー監督の「ゾディアック」(07)の系譜に連なる、“未解決事件ものの新たな傑作”が登場した。

【監督が絶対的!】日本でもヒットを記録した「悪なき殺人」ドミニク・モル監督の最新作――映画ファンなら絶対受けて立つべき挑戦状!
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メガホンをとるのは、思わぬ“偶然”が重なって起きる殺人事件を描いたサスペンス「悪なき殺人」で知られるドミニク・モル監督。同作は第32回東京国際映画祭で観客賞と最優秀女優賞に輝き、日本でも口コミでヒットした。

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待望の新作「12日の殺人」は、2020年のポーリーヌ・ゲナによるノンフィクション「刑事訴訟法18.3条:司法警察での1年」をもとに、モル監督がジル・マルシャンと共同脚本を手がけたスリラー。ノンフィクション? ひょっとして実話? そして、事件の真相は――? 映画ファンなら“絶対”受けて立つべき挑戦状であることは間違いない。

【評価が歴史的!】フランス版アカデミー賞総なめ! 辛口批評サイトで批評家94%、観客95%で“傑作レベル”の高評価
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すでに本国フランスをはじめ、世界各国で高い評価を獲得している本作。フランスのアカデミー賞にあたる第48回セザール賞では、作品賞をはじめ最多6部門を受賞し、「悪なき殺人」をはるかに超える評価を獲得。第75回カンヌ国際映画祭のプレミア部門にも出品された。

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また、辛口批評サイト「ロッテントマト」では、批評家94%、観客95%という高ポイントを獲得。映画ファンならば「ロッテントマトで90%以上の評価=歴史的傑作」レベルであることは、ご承知の通り。

アカデミー賞シーズンに“候補作ではないが、超高品質な衝撃作”が日本上陸を果たしたわけで、見逃し厳禁、埋もれさせるのは映画ファンとしてもったいなさすぎる! 見るべきリストの筆頭に置いてほしい作品だ。


【レビュー】「今見るべき理由」にシビれる必見作!
緻密なシナリオ×濃厚な人間ドラマ×社会派メッセージ

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衝撃的な物語を、フランス映画界の俊英がいかに映画化したのか。すでに高い評価を得ていることはわかったが、映画.com編集部が実際に鑑賞してみると、確かに緻密なシナリオが織りなす、濃密なドラマにのめり込み、今の時代にこそふさわしい「見るべき理由」にシビれた!

この項目では、心動かされたポイントを、熱く語らせてほしい!

●予算不足で捜査打ち切り? 徹底したリサーチに基づく刑事たちの“リアル”
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女子大生が焼殺された凄惨な事件。容疑者として浮上した複数の男全員が、被害者と関係を持っており、捜査は混迷する。

被害者が死の直前にスマホに残した動画、警察に郵送されたライター、現場に残された血まみれのシャツなど、思わせぶりなアイテムの数々が、考察心をくすぐる、スリリングな展開だ。

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同時に明らかになるのは、刑事たちが直面する“リアル”な日常だ。ノンフィクション原作を映画化するにあたり、ドミニク・モル監督自身もグルノーブル警察に赴き、一週間かけて捜査員たちの日常をつぶさに観察したという。

劇中にはパソコンと格闘し、黙々と調書作成に追われたり、コピー機の不調に頭を抱えたりする刑事たちの姿が。また、予算の事情で捜査が打ち切られそうになるなど、彼らのシビアな現実を示唆している。

●未解決事件の闇に“のみこまれる”――捜査官たちの心情を映す「光の効果」
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リアルなのは、設定や描写だけではない。班長に就任したばかりの主人公ヨアン(バスティアン・ブイヨン)をはじめとする捜査官たちが、いつしか未解決事件という闇に“のみこまれる”姿が、生々しく描かれるのも本作の重要な見どころだ。

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ヨアンは、生前のクララが愛猫と一緒に写った写真が頭から離れなくなり、夫婦関係に問題を抱えるマルソー(ブーリ・ランネール)は、クララ事件の容疑者で、かつてDV事件で逮捕歴もある男に対し、捜査の範疇を超えた憎しみを抱いてしまう――。

劇中では、光の使い方も効果的で、窓から差し込む温かな光が、逆に寒々しいトーンを際立たせ、未解決事件に執着してしまう捜査官たちの心情を映し出しているようだ。

●「殺された理由知りたい?」 未解決では済まされない“男社会”へのメッセージ
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容疑者の男たちが、クララの奔放な交友関係を赤裸々に明かす一方で、彼女の友人であるナニーは、事情聴取に訪れたヨアンに対し「殺された理由知りたい?」と投げかけ、その後に聞き逃せないひと言を突きつける。

ネタバレを避けるため言及は避けるが、彼女のひと言は「奔放だったクララにも非があった」と言わんばかりの“男社会”に対する痛烈な問題提起である。

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また、途中から男だらけの捜査チームに配属された女性捜査官が、「罪を犯すのも捜査するのも男性って変」と本音をもらす場面も。行き詰った捜査の再開を後押しする女性裁判官の存在も印象的だ。

「12日の殺人」が浮き彫りにするのは、未解決では済まされない男女の関係性。それは現代社会の縮図でもあり、本作を「今見るべき理由」にほかならない。

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