劇場公開日 2024年1月19日

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「「平凡」は一元的でなく多元的。そのため平凡だが個性はある。」VESPER ヴェスパー t2lawさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「平凡」は一元的でなく多元的。そのため平凡だが個性はある。

2024年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

地球崩壊後のディストピアもの。一部の富裕権力層が奴隷的な貧困層を支配搾取している、という構図はありきたり。あとは、この世界をどういう約束事で成立させているかのアイデア勝負だ。これまでの映画史でも、少年少女を殺し合わせる『ハンガー・ゲーム』シリーズや、権力者が時間を支配する「TIME/タイム」、疾走する列車の中に富裕貧困がある「スノーピアサー」などなど工夫の限りを尽くしている。本作はウィルスによって食用動植物が死滅して、唯一支配層が住民の「子供の生き血」と交換する、一回しか収穫ができない種子でしか食料が手に入らないという世界。そこで、その種子に収穫ロックされた暗号を、遺伝子工学で解読しようとする天才少女が主人公。彼女が彷徨う原野は、ナウシカにインスパイアされたような、人間には凶悪な植物だらけ。そこへ支配層エリアから飛んできた船が墜落して・・・。まあアイデアだけで結末が読めてしまうレベルなのだが、主人公のヴェスパーを演じるラフィエラ・チャップマンがなかなか良い。

t2law