歌と踊りとハグが大好きな、キュートでカラフルでポップな妖精、トロールたちの冒険と活躍を描いたドリームワークス製アニメーションの第3作。
こちらも同社の『カンフー・パンダ』同様、すっかり日本では未公開扱い。
『カンフー・パンダ』は『1』『2』は劇場公開されて『3』と先日見た『4』が未公開だが、こちらは『1』が未公開、『2』が劇場公開、今回また未公開と訳分からず。
ディズニー/ピクサーやイルミネーション、ドリームワークスのその他の作品より随分大雑把に扱われているのが分かる。
でも、見た事ある人や好きな人なら分かる。海外ではシリーズ毎に好成績を残し、作品自体も良作。
今回も安心安定のトロールたち。
晴れて正式にカップルになったポピーとブランチ。
ベルゲンのブリジットとグリッスルJr.の結婚式へ。『1』以来の登場となるブリジットとグリッスルJr.。以前はトロールを食べる恐れられていたベルゲンだが、ポピーとブランチの活躍で今は良好関係。
そこへ、思わぬ珍客。かつて一世風靡したボーイズバンド“ブロゾーン”の元メンバーのジョン・ドリー。
何と彼はブランチの兄。何とブランチもブロゾーンの元メンバーだった。
ブロゾーンのファンだったポピーは大はしゃぎだが、ブランチの顔は浮かない。
ブロゾーンは兄弟バンドで、ジョン・ドリーの他にも、クレイ、フロイド、スプルースの兄たち。
兄弟間の確執でバンドは解散。兄弟たちもばらばらになり、以来一度も会っていない。
突然のジョン・ドリーの訪問。これには訳が。
兄弟の中でも音楽の才能に恵まれたフロイドが、悪党ポップスターコンビのベルベットとヴェニアに誘拐。二人はフロイドの才能を奪おうとしていた。
最初は拒むブランチだったが、ポピーに説得されて。私にも姉がいたら…。これ、伏線。
兄弟たちを訪ね集め、救出に向かうが…。
『1』はベルゲンに誘拐された仲間の救出、『2』は他のトロールたちとの出会いや世界を救う。
今回は誰かを救出というのは『1』に似ているが、また違う。ズバリ、兄弟の関係。
兄弟もしくは姉妹がいる方なら分かるあるある。
一番上はあれこれ指図。でも当人にしてみれば弟たちを見なければならない。
一人一人、自由になりたい。好きな事をやりたい。
一番下はいつまで経っても赤ん坊扱い。
久し振りに会ってもそれらは変わらず。
再会しても確執引き摺るが、やがて冒険を通じて…の定番ではあるが、その過程もしっかり描いてくれる。
今回ブランチが主役格ではあるが、ポピーも。生き別れた姉との再会。
ポピーと性格そっくりのビバ。その姉妹関係。
ベルベットとヴェニアも姉弟。悪党姉弟だが、自己チュー傲慢な姉に対し、少なからず良心がある弟。その姉弟関係。
様々なカタチの兄弟姉妹を歌う。
『トロールズ』ってただカラフル・ポップ・キュートなアニメだけじゃなく、しっかりテーマが込められている。
『1』ではトロールたちとベルゲンたちを通して、恐れる者、恐れられる者、差別や偏見。『2』では他のトロールたちとの出会いを通じて、異文化とのいざこざや交流、多様性。
今回も様々な兄弟姉妹のカタチを通じて、一人一人の個性、ありのままでいい、決してばらばらではなく絆は繋がっている。
そこがこのトロールたちの愛すべきところ。
それでいて、
お馴染みポジティブ・ポピーとネガティブ・ブランチのやり取り。
新キャラのビバ、ブロゾーンのメンバー、ヴィランのベルベットとヴェニアも愉快で魅力。
個人的にはブリジットとグリッスルJr.の再登場は嬉しいな。
『トロールズ』の最たる魅力の一つ。作品を彩る楽曲の数々。
やっぱりノリノリでサイコー!
ジャスティン・ティンバーレイクを始めオリジナル声優にシンガー多く、音楽ネタも。
ジャスティンがかつて所属していたアイドルグループ“*NSYHC(イン・シン)”が本作の為に再結集し、楽曲提供。
兄弟の再会やブランチが現在組んでいるバンドと“in sync(イン・シンク)”。ぴったり!