「この映画大好き。」ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画大好き。
ドラマ・グッドワイフのエルズベス・タシオニ役が超素敵なキャリー・プレストンが、ミス・クレイン役で初っ端からわたしを喜ばせました。久しぶり!
あと、テイト・ドノバンがどこで出るかどこで出るかソワソワしてたら、アンガスの継父だった。ドラマ・アリーマイラブでアリーがポイしたロナルド・チーニー役の。25年以上前の役ですが。
映画には関係ないが、冒頭5分くらい?(アンガスが寮で荷造りしてる辺り)まで、字幕なしで上映されてて、一回そこで上映が止まったんです。15分くらい?機器の調整(再起動ってゆってたかな?)をして、もう一度頭から上映するという、珍しいハプニングを体験しました。合唱の練習からちゃんと字幕ついてたんやーって思いましたw
字幕翻訳は愛しの、松浦美奈さんだった。
教師ハナム、生徒アンガス、料理人メアリーの3人は名門寄宿学校バートン校のクリスマス休暇を学校で過ごす羽目になる。
嫌われ者ハナム、頭いいのに色々問題を抱えてるアンガス、ベトナム戦争でバートン校卒業生である息子を無くしたメアリー。それぞれの事情により、悲しく寂しい日々。ちらちらと読み解ける各々の事情が切なくて、割とずっと泣いてた。
ハナム先生の過去は、かわいそうすぎる。嫌な同級生のせいでハーバードを卒業できてないなんて。
アンガスが不安定な理由は、家庭崩壊にあった。父親が重い精神疾患を患い、母は離婚して新しい夫を見つけ、アンガスに冷たい。休暇の当日に約束破って迎えに来ないとか、酷すぎる。
メアリーは、息子が生まれる前に夫を亡くしてて、その息子にいい教育を受けさせたくてバートン校に勤めたのに、生徒は無礼だし大学の学費は出せなくて、徴兵に取られた息子が戦死…きついよね。
アンガス役の彼は映画初出演だそう。これからが楽しみな役者だと思う。
ちょっとしたやりとりがクスッと笑えて、3人の悲しみが刺さって痛くて、ムカつく奴らに小さく仕返ししたりするのがスカッとして。わたしの好みどストライクで、ハートがずきゅんとなりました。
ラストで、ハナム先生はボストンでのアンガスの父親訪問を庇ってバートン校を解雇される。代わりにアンガスは退学させられなくて済んだ。まだこれからが長い若者に居場所を譲ったハナム先生。
これからどうすんのかな、本書いて売れたらいいな。
マルクス・アウレリウスの自省録をいったい何冊買ってんだかw
どう良かったかがうまく言葉にならない。わたしは日本人だし、名門寄宿学校に行ってないし、息子もなくしてないし、彼らとの共通点はすくない。でも孤独には一家言あるからその点は分かる。I know.って言いたい。
音楽がトラディショナルなクリスマスソングでとっても素敵だった。冬に観たかったな。梅雨入りした日本で汗だくで観るのは風情に欠けるわ。