コット、はじまりの夏のレビュー・感想・評価
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救いがない
ほぼ注目していなかったが、隙間時間にぴったり入ったので観賞。
ヨーロッパ映画祭系は苦手なのでかなり不安だったが、まあまあだった。
ラストシーンでは涙も出た・・・・が、背筋を冷たいモノも走った。
あの追いかけてくる姿はターミネーターよりよほど戦慄させられる。
あのラストでは本当に救いがない。
心地よい疼痛が残るのは好きだが、これは胸が張り裂けんばかりだ。
こういうのがゲージツなのかな。
映画を観に行ってこういう気分になるのは私は御免被りたい。
ベースは嫌いじゃない。
ちょっとだけ西の魔女が死んだを想起させられた。
だが、バックグラウンドが深く掘り下げられず、もやもやした感が残った。
また、全体的に陰鬱な上に生理的に受け付けないやつも散見され、
エンターテイメントとは言えないと感じ私にはちょっと厳しかった。
こういう映画の割に(だから?)平日にもかからず観賞者多数。
最初から最後まで物音はほぼなく、
当然エンドロール終了まで席を立つ方はいなかった。
久しぶりに静謐で映画館にいること自体を楽しめた。
終わり方が凄い。
妻に「これたぶん好きなやつ」と勧められてみた。
さすがの眼力。
少々荒れた家の自閉症ぎみ四女が、5人目が生まれるから夏休み中親戚の家に行かされ、、、あらたな家族を見つける話。エンディングもなかなか気持ち良い「振り逃げ」だった。
あの時のDadyはどっちの意味だったんだろう?そんなことを映画館の帰り道に考えて楽しかった、、たぶん監督の思う壺だ。少ないコミュニケーションでお互いに求めあい、補完し合う関係がミニマルで美しい。
まあ血が繋がってるだけで家族とはいへ別人、別人生だから。自分の足を引っ張る様になれば切り捨ててよしと私は思うのであります。
こんなシンプルな話を最高に美しいアイルランドの映像と景色、そして初めて聞くゲール語の会話でぜひ。
The Quiet Girl - 新生キャサリン・クリンチによる静謐ながらも繊細な心の機微を描いた感動作!
コット9歳が預けられる親戚夫婦の家。
コットの父親は典型的なクズ男、母親も出産を間近に控えているためコットの世話まで手が回らない。
で、親戚夫婦に預ける・・・と。
コットを預かる夫婦の奥様アイリンの無償の愛がグッときます。
また旦那のショーンの父親ともいえる愛情の注ぎ方に、心を鷲掴みにされました。
コットのセリフは少ないのですが、
話すと実に賢いと言いますか、知性が滲み出るんですよね。
それがユニークでもわり、ニヤっとしてしまうシーンも多々ありました。
一方で、ショーン・アイリン夫妻の細やかな気遣いが本当に心に沁みるんですよ。
そっとコットの目の前にお菓子を置いて去るショーン、
コットが傷つかぬようにと、新学期のCMをしているラジオを切るアイリン。
もういちいち感動しちゃうんですね。
ラストでコットが走るシーンも、劇中で何回も走るシーンとオーバーラップして
実に効いているなぁと思いました。
最後のセリフ「dad」は、ショーンに向けられているものと私は理解しました。
そう思うと、もうここで号泣です。
涙腺崩壊しました。
アイルランドの美しい景色、美しい画面の色味、自然音、
コットの色の白さも際立ちます。
いや〜猛烈に感動しました。
今年No.1かもしれないフェイバリット作品です。
The quiet boy
肥溜めに落ちたことあります。
あんたがぼやぼやしてるから落とされるンだよ。臭い。臭いよまったく。
Be quiet ❗
相当大きくなってからオネショも何度かしました。
親戚中に言い触らされました。マットレスのシミを見るたびに死にたくなりました。
Shut up ❗
子供は親を選べません。
コット、幸せになってね。
幸せを願ってやまない
あぁ、手を差し伸べられない辛さよ!
もう、近所に住むおじさん目線です。
不憫なことを知ってるけど何もできずに
ただ祈ることしかできない。
そんな気分で最初から最後までコットを
見守ってました。
愛情は子供にとっては「光」
育み、人生を照らすものになるのでしょう。
大人(親も含め)次第で子供は変わる。
牧歌的な風景とゆったりとした時間の流れの
中でともにゆったりとコットと親戚夫婦に
もたらされる変化が愛おしくてたまりません。
そして次第に見えてくる背景あっての今を
知るとさらに倍!です。
決してベタベタの話にするわけでもなく
1人の少女の夏休みの経験を淡々と描き
その中で変化する人々の気持ちや少女の成長を
丁寧にかつ見事に描き、そこから滲み出てくる
「愛」に震える我が心は、ラストシーンに
ただただ、コットの幸せ願うのです。
見事なラストシーンでした。
余韻半端ないです。
現時点でのベスト級の一本です。
親戚の家に預けられた少女のひと夏のお話
タイトル通りの映画で、ほとんどのシーンが田舎の普通の生活。
しかし、よーく見ると親が子供にほとんど関心がなかったり、学校で嫌がらせをされていたり、主人公のコットは不幸な人生を送っている。
地味な不幸さなのであまり感情が動かされなかったが、考えてみるとこの不幸は本人では変えられない事であり、好転する希望も見えない。
そのためにコットは無気力で無感情な子供になっていたように見える。
親戚の家で普通の生活をして、本来あるべき愛情に触れたコットは別れの際に走り出して、自分の気持ちで行動する。
ラストは観客の想像に任せる形で終わってしまったが、私個人としてはコットは自分の気持ちを伝えて、親戚の家に引き取られるのだと思う。
実の父親は厄介払いができてむしろ好都合だと考えそうだし、親戚の叔父さんも状況をよく理解していると思うから。
キャサリン・クリンチさんの素晴らしい演技
父親がろくでなしのせいで貧しくギスギスした家庭の物静かな娘。学校に親しい友達もなく、家にも居場所がない。そんな娘が知らない親戚のうちに預けられる心細さ、親戚夫婦に大切にされるうちに段々と生きる喜びを実感していくさま、そんな心のうちがありありと伝わってくる素晴らしい演技でした。
琴線に触れる描写だったが
孤独な少女が生まれて初めて経験する温かい家庭の穏やかな人間関係の中で、徐々に自らの人生に前向きになっていく姿は琴線に触れる描写だった。
ただ、観る者の判断に任せようとするラストシーンは私の趣味には合わなかった。
牛を賭けずに道をかけろ。牛を賭けずに道をかけろ!
やや育ちの悪い少女が親戚の家に預けられる話。
少女や周りにおける優しさや悲しさ、弱さを感じられる作品。
良い点
・マカロン
・人が粉ミルクを飲めばよい
・走り
・日本語版タイトル
悪い点
・普通に受動喫煙
・回想の使いまわし感が否めない
・良くも悪くも区切りで終わる
アイルランド版トットちゃん
書かなきゃ書かなきゃと思い、ずるずると今日になってしまった本作_。
こんなに思いが込み上げてきた作品は今年初かもしれない。
チグハグな会話。苦手な音読。
コットが「はぐれ者である」という象徴で出てくるミルク。
アルコールを飲んでから少しだけ大人になるコット。
彼女にとってキンセラ家で過ごした夏は間違いなく「はじまり」だった。
トットちゃんと同様で、「彼女たちの個性を受け入れ愛情込めて向き合ってくれる」そんな大人の重要性を気付かせてくれた作品でした。多くの人にぜひ見てほしい。(YouTubeで詳しく話してます...そちらもぜひ☺︎)
光が3つに
粗暴な父と何となく陰気な母と暮らす9歳のコットが、母の妊娠を機に預けられた親戚宅で過ごす一夏の物語。
物静かであまり幸せそうに見えないコット。優しく出迎えてくれるアイリンに対し、どこか冷めた様子のショーン。秘密は無い、と語るこの家には実はある出来事があり…。
あまり言葉数の多くない作品ですが、穏やかな木漏れ日と美しい景観が語りかけてくるような雰囲気。コットの髪を縫いながら数える優しい空気は、胸にスッとそよ風が吹く感じですね。
一緒に時を過ごす中で、不器用ながらもコットと近づくショーンの姿は素敵だし、本当の家族になっていくようですね。
コットはコットで、事がわかってからは子どもながらに夫婦を気遣っている感じ。自分自身もそうですが、やはり夫婦仲が良いことって子供にとって大切ですね。フラッシュバックでも特に印象的だった。
ラストはシンプルと言えばそうですが、泣ける展開ですね。その言葉はどちらに向けられたものか…そんなことを考えながらの幕引きとなりました。ショーンとアイリンにとっても、何かが変わるきっかけになったように思います。
とても良い作品でしたが、強いて言えばうちの子と遊ばせておくと言って預けられたものの、家に着いて座る間もなくショーンが迎えに来たのにはちょっと笑いそうに…預ける必要ないじゃん(笑)
まぁ道中の会話シーンが重要なわけであって、そこはどうでも良いのですが。
特に大きな出来事が起こるわけではないし、先の展開も読める部分が多いけど、素直にとても素敵な作品だった。
丁寧に作られたよい映画
丁寧さを感じるよい映画だったと思う。
ひと夏の少女の心の微妙な成長。そこだけに集中して、音楽、ちょとしたしぐさや間合いの取り方に至るまで、繊細に配慮され全体のバランスもいいので、何も気にせず安心して没頭できる。内容は素朴だし、写実に集中するクセ?も少し感じるけれど、わたしには個性的でいいと思え、おいしいご馳走を味わうみたいに楽しんで鑑賞できた。
走るシーンは感動のラストシーンとつながる。まずはできそうなことをはじめてみる。その一歩を踏み出す。誰かがそれを見てくれている。自分に関心を持ってくれているということの大切さ。
夜の海岸に入っていくシーンもさりげないが、いい。暗い道と海の重い迫力。それは人生の重い側面…。そこでのおじさんの飾らない言葉。わざわざコットをそこに連れて行った。おじさんの思い。
すごくピンポイント的に、コットに夫婦の過去の出来事を無遠慮にベラベラしゃべったオバサンも、そのビミョー具合がなかなかよかった。
コット役はもちろんすばらしかった。
終わるとき彼女の映像とサヨナラするのが残念だった。
おねしょ
こんなの、泣くに決まってるだろー(´;ω;`)ブワッ!!
今日の天気と一緒で、降水確率100%ですよ🌧️
設定が1981年の夏休みで、主人公が9歳、ほぼ自分と一緒 、「北の国から」放送開始時の純と蛍の世代ですよ〜⛄
自分が9歳の夏休みなんて、任天堂のゲームウォッチ片手に近所の公園で一日中友達と野球三昧ですよ⚾
帰宅してからも、巨人ファンの父親はビールを飲みTVでナイター観戦しながらの家族団欒、今考えると幸せな瞬間 アッノ!、コロハッ!ハッ!
それに引き換え、コットの家は…
そして、あのオシャベリ クソババアのシーンからもう涙腺崩壊(´;ω;`)
ラストに向かって劇場の観客の心は自分も含め1つの願いに🌠
もう、「北の国から」17話の蛍といしだあゆみのあの電車シーン級の号泣展開! カモーン❗デスヨ
ただ、この監督は終始抑えた演出なので、あざと過ぎないラストに劇場はすすり泣きの声が…キタ~😭
駅からの帰り道、余韻に浸りつつ歩きながらも、いつの間にか「明日の朝、何食べよ⁉」「自転車、玄関に入れなきゃ」と徐々に日常に戻っていき…、「オッサン、はじまらない冬 ’24」デシタ~ オワリ! ナンダソリャ( ゚д゚)
コットの魅力にやられました。
コットが魅力的なのね。
見守りたくなるのよ。
優しい気持ちになれるのよ。
派手さもなく淡々と進むし、
言葉も聞き取れなかったので、
勝手に北欧のお話かなと思って、
ひっそり心に残っている作品「わたしの叔父さん」を
思い出したりしていたら、舞台はアイルランドでした。
親戚の叔母さんが登場したとき、
大草原の小さな家のお母さんのような
全てを包みこむような深い愛を感じ、
素っ気ない態度の叔父さんからは、
赤毛のアンのマシューのような素朴な愛を感じ、
息子を失った悲しみを抱えつつも、
前に進むべく生きている2人がとても素敵で、
彼らの適度な距離を保ちつつ注ぐコットへの愛が優しくて…
それを受けて、成長していく彼女を見るのが嬉しくて…
自分の意思で駆け出したコットの未来が
温かい愛に包まれていくことを願うばかりです。
静かだけど、ジーンと心に響く
寡黙な少女という設定だけに主人公のセリフが極端に少ないのですが、それでも何故か彼女のこころの声がはっきり聞こえてくるのですよね。そして親戚夫婦が自分たち身に起こったある哀しみを抱えながらも、そんな彼女を一定の距離を保ちながら受入れ、認め、成長を見守る姿が印象的で、その中で彼女が漸く自分の居場所を見つけてゆくそのプロセスが、静かに、詩情豊かに、描かれています。
いろいろな事情で親と暮らせない子ども達と、隣り合う保育士たちの生活を8年にわたって記録した「隣る人」という日本のドキュメンタリー映画(2011年)や「万引き家族」(2018年)を思い出しました。これらの映画で描かれた家庭ほど、コットの置かれた環境はひどいとは思えませんでしたが、それでも血の与える父性と母性、環境の与える父性と母性、子どもたちにとっての本当の幸せは、どっちがよいのだろうと考えさせられる部分は彼女の場合にも確実に存在していて、現状の制度は、どこか血に偏っているのかもしれない。そう思います。
最近日本でもよく目にするようになった実の父母による虐待死の事件をみると、血の父性・母性の限界を、社会の仕組によって補完する制度設計が大切ではないか。最近特にそう思います。
静かだけど、ジーンと心に響く作品。そして子どもの幸せとは何かを見つめ直す意味でもとても良い作品だと思いました。
愛してしまった、愛を知ってしまった。
貧乏な大家族に生まれ、寡黙な性格の9歳の少女が、一夏の間親戚夫婦のもとで過ごす話。ミニシアターでの上映にも関わらず、多くの映画好きの方が絶賛されていたので、これは見なくてはと慌てて鑑賞。公開からかなり時間が経過した平日の昼間でしたが、中々の集客。昨年の鬼太郎といい、映画はクチコミによって左右されるなぁと身に染みて感じます。
そんなクチコミを信じて良かった。映画好きのみなさん、ありがとう!と心の中で叫ぶほど、大好きな作品でした。評価は4だけど、詳細にすると4.3で比較的4.5に近い点数。今年はミニシアター映画強すぎ!?9歳は環境によって人格が形成される、多感で大事な時期。親戚夫婦どころか、実の両親に対しても警戒しっぱなしのコット。自分はお父さんとお母さんに迷惑をかけてはいけない。そんな少女が次第に心を許し、立派な大人へと成長していく様は、まるで絵本のようにシンプルな展開だけど、心の暗い部分が全て浄化されたような気持ちになりました。
人に迷惑をかけずに生きれる人なんて、誰もいない。自分も笑っていいんだ、楽しんでいいんだ。コットを演じた新鋭・キャサリン・クリンチの演技はオスカー級。子どもらしさと大人っぽさ。その両方を兼ね揃えた見事な表現力。下を向いて恐る恐る歩いていた少女がひと夏の間で、前を向いて全力で走るようになっている。90分あまりですっかりコットの親気分。立派になったもんだ、泣いちゃうよぉおお。。。
親戚のおじさんがものすごくいい味出している。言葉には出さないけど、誰よりも思ってくれている。おばさんはまるで聖母のような優しさだけど、おじさんは良い意味で人間味のある優しさで、不器用でも、その分胸にグッとくるものがある。「瞳をとじて」も良かったけど、本作のラストもやばい。なんちゅう終わり方してくれるんだ全く...。どうにか幸せを掴んでくれ。気づいたら手を合わせて願っていました。
物静かで、エピソードとしては物足りなさはあるものの、コットの成長物語、そして教育の在り方について、ものすごく丁寧に描かれていた、素晴らしい作品でした。こういう映画が見たかった。大規模公開映画の派手なアクションもいいけど、単館上映の優しい人間ドラマも最高だね。
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