くぴぽ SOS! びよーーーーんど

劇場公開日:

くぴぽ SOS! びよーーーーんど

解説

大阪を拠点に活動する地下アイドルグループ「くぴぽ」のドキュメンタリー「くぴぽ SOS!」シリーズの第2弾。

2014年にプロデューサー兼メンバーのまきちゃんを中心に結成されたくぴぽは、型破りなパフォーマンスが一部のアイドルファンから注目されたものの、メンバーの卒業や脱退が相次ぎ、あまりの不人気ぶりから「大阪で一番売れてないアイドル」を自称するように。しかし地道な活動が実を結び、20年1月に東京で開催した初のワンマンライブは大成功、さらに大型音楽イベントの開催も発表する。しかしそんな矢先、世界を新型コロナウイルスによるパンデミックが襲う。ライブのできない日々が続く中、メンバーそれぞれが自分の未来について考えるようになる。

くぴぽのメンバーのほか、コロナ禍にくぴぽファンの多くが“推し変”した先のグループ「少女模型(しょうじょまねきん)」らが出演。芸能ライターの田辺ユウキが初メガホンをとり、芸能ライターならではの視点で2020年以降のアイドルの生き方を映し出す。

2023年製作/96分/日本
配給:KiT ENTERTAINMENT
劇場公開日:2024年3月2日

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(C)KiT ENTERTAINMENT/田辺ユウキ

映画レビュー

4.0アイドルを通して、人間が浮かび上がるドキュメンタリー

2024年5月24日
PCから投稿

「くぴぽ」は服部真希(まきちゃん)がプロデューサー兼プレーヤーの地下アイドル。まきちゃんは女装アイドルで、メンバーをジャイアントスイングで振り回したり、意図的にはぐれものとなったり、その境界性を用いたパフォーマンスも行う、特異なアイドルだ。

本作は「くぴぽ」のドキュメンタリー第2作だが、他グループを含めた大阪地下アイドル群像を捉えており、COVID-19流行下という困難な時期の記録でもある。

コメントを求められたアイドルたちは、アイドルになる理由、続ける理由を自己実現、かわいくなりたい、音楽を仕事にしたい、歌に勇気をもらったから自分も誰かに届けたい、誰かの居場所になりたい、辞め時がわからなくなった、普通に働く自信がない、生活手段であるなど様々に語る。
アイドルは数年でいなくなる人もあれば、歌い続ける人もいる。メンバーが卒業して交代するグループもあれば、この人がいないとと休止されるグループもある。アイドルは偶像だが、アイドル活動を通して彼女たちの個人の姿が浮き上がるようだ。

「くぴぽ」でもメンバーはばたばたと卒業し、まきちゃんは苦悩でげっそりとしていき、それでも活動を続けている。
2023年の大阪・服部緑地の「服部フェス」で階段を駆け上がり、もがきながら歌う姿を見るとき、私達はアイドルとしての彼女と、個人として生きる彼女に「まきちゃんかわいい」と声援を送りたくなってしまうのだ。

新宿k'sシネマで1週間、連日トーク付きでの限定上映だった。

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A・ガワゴラーク

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