ビヨンド・ユートピア 脱北のレビュー・感想・評価
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解ける洗脳は悲しい
私にとって興味深かったのはリアルタイムで北朝鮮人が今経験しているのは約80年前の天皇制ファシズム下にいた日本国民の姿がデジャヴしたこと。極度に情報が統制された環境下で行われる住民同士の相互監視体制の姿と自身の洗脳を疑う姿を同時に見れて味わい深かった。
21世紀も四半世紀を過ぎようとしている時分に日米韓は悪魔という 1940年代の思考の枠組みで生きざるを得ない人々。亡命した家族は損切りできていたが全ての人々が彼らのように新しい環境に適応できるわけではないだろう。適応できずに過激派になる人を見てきた我々現代人には洗脳状態が良いのか否か判断しかねるのが悲しい。
名前と顔出して大丈夫なの?
2024年劇場鑑賞16本目。
脱北者がどうやって韓国に行くかを追ったドキュメンタリー。
逃がしている牧師さんが堂々と顔と名前出していますが北朝鮮の工作員に暗殺されないのかしら。
前半は北朝鮮の残虐非道ぶりを余すところなく伝え、中盤からいよいよ80歳のおばあさんと5,6歳の子供も含めた家族5人の脱出劇が始まります。
北朝鮮から韓国を目指すのですが、韓国への国境は地雷が敷き詰められていて突破は無理なので、中国へ抜けるのですが、中国と北朝鮮は仲がいいので中国で捕まると北朝鮮に送られて拷問されて殺されて終わり。中国を抜けてベトナムにいっても仲がいいので北朝鮮に戻されて拷問されて殺されて終わり。ベトナムからタイに行って初めて自由になれるということらしいです。知らなかった。もちろん全部徒歩ではないですが、山道を夜中じゅう歩くので、よくおばあさんや子供が耐えられたなぁ、と思いました。
ちょっとミスったらすぐ死ぬ道中な割に家族があんまり深刻そうじゃないのは、
北朝鮮で普通に暮らすだけで死が常に隣り合わせにあるからなんだろうなと思いました。
「井の中の蛙」どころか「監獄の中の蛙」
徹底した洗脳と陰湿な恐怖によって人権侵害に慣れ切ってしまった国民の惨めな姿がスクリーンに写し出され、私たちの未来もこの様な有り様に陥るのではないかと暗澹たる思いにされてしまった。今の日本は大丈夫だと、本当に言い切れるだろうか?選挙に行かない有権者が50%、行っても自民、公明、維新に投票してしまう終わっているこの日本の状況を鑑みて、改めて未来が閉ざされた他人事では済まないこの状況に北朝鮮という国家が重なる。ジョージ・オーウェルの「1984」も日本の現実的な未来を描いているように思える。完璧に打ちのめされた気分で映画館を出た後、街の風景が余りにも夢の世界のように思えて、根拠のない占いに縋りたい不毛な感情で、明日なき世界を否定する努力をしてみる。冬の冷たい風に吹かれながら。
実写は凄い。
実写は凄い。知識としての北朝鮮は持ってましたが、あれほど悲惨なのに、国民が洗脳されて、自分の国が良いと思い込まされてるが衝撃でした。
マスゲ-ムの練習の裏にある陰惨さなども全く知りませでした。
5人家族のジャングル逃避行も迫力がありました。
コロナで中国からベトナム・ラオス・タイの道が閉ざされて、脱北者たちはどうしているのかと、凄く心配になりました。
是非、観ていただきたい映画でした。
命懸けの人生なんて…
現実として考えることなんてほとんどない平和な日本。どこに生まれてくるなんて選べないわけだし、脱北者の今までは虫でした、なんて切実な答え。ソ連崩壊と共に更に悪化っていうのも厳しい現実。同じ半島でこんなに近い北、南、それなのに変わらない世の中…見るべきドキュメンタリー、だな。
脱北は想像以上に過酷だった
韓国映画を観ていると、南北問題、脱北(者)というキーワードは出てこない作品のほうが少ないかな。脱北については38度線を北から南に暗視の目をかいくぐって超えてくるか、単純に鴨緑江を渡河して中国側に抜けてきて終わりという安易なイメージだったが、現実はそんなもんじゃないということを認識させてくれたドキュメンタリー。
中国側は無事に抜けても発見されれば強制送還されて収容所送り。これを避けるには中国からさらにベトナム、ラオスを経由してタイに入国して(わざと逮捕されて)韓国大使館に送られてようやく亡命が成立する。途中はクルマ移動が多くセーフハウスも準備されているが、道なき山岳地帯を徒歩で踏破するようなシチュエーションもあり、肉亭的にも精神的にもストレスフルな日々が続く。
もちろん映画で紹介されたようなルート以外にも様々な脱北ルートが存在するのでしょうが、いずれも一筋縄ではないのでしょう。
下世話な話だが、脱北ルートのすべてを専門のブローカーにまかせることになり、おそらく脱北者は経済的にその費用を払うのは困難で、この映画の牧師が属するような脱北支援団体が負担しているのだろうけどそのへんのおカネの話も少し知りたかった(一箇所出てくるが全体のコストか、その限定的ルートの費用かはわからず)
無事脱北した家族の子供とばーちゃんが、北朝鮮について感想を聞かれ、金正恩マンセー
のコメントをするのが、まあ当然とはいえ怖いな。日本も政治の暴走を放置するとこうなるよね。自戒。
とてもリアルでとても苦しい
観たのはもう一月近く前なのに、なんと言っていいか整理が付かず感想を投稿できていなかった本作…
まずどんな映画かを書くと、北朝鮮から脱北しようとする二つの家族を追うドキュメンタリー。一つはなんとかなり、一つは失敗する。上手くいく方も行程としては、中国国境→青島→ベトナム→ラオス→タイでやっと脱北が成功する。北から南へゆくだけなのに、インドシナのジャングルを抜けなくてはならない。それを支援する韓国の牧師がいるのだけど、彼の息子は一連の脱北支援活動の中で亡くなり、牧師自身も過去の活動の結果タイには入国できない…
そして驚くべきことに映像は再現映像などなくすべてが事実。中国国境のブローカー (脱北者を金で中国政府か牧師かあるいはその他のいずれかに売るだけ) の携帯だったり途中から合流する家族が撮る映像だったり…
つまり、こうやって公開されているのが不思議なくらいに無理に無理を重ねた奇跡のようなドキュメンタリーなんです…しかもコロナ禍以降、同様の脱北はもう厳しいという…
そうやって真実をひとつひとつ伝えてくれるが、それはまた、彼らが脱北しても簡単には北の教育から自由にはなれないことをも教えてくれる。
とてもリアルでとても苦しい…そんな現実を見せてくれる映画…
情報統制
コロナ以前の脱北のドキュメンタリー。
脱北中の方々にフォーカスを当てたため、まだ
情報統制下の家族に密着。そのため、北朝鮮しか知らずに盲目的に国家を信頼している様がとても印象的でした。
北朝鮮が世界のスタンダードであると教えられる教育システム。
一方、たとえ脱北しても祖国への愛は消えないこと。
脱北したとしても残される家族の気持ち。
考えさせられる一本でした。
ブローカーからブローカー渡りの超迂回道 💰はきっとぼったくりだろう...
ブローカーからブローカー渡りの超迂回道
💰はきっとぼったくりだろうな、何処から捻出されてるんだろうと思った
国民洗脳もさながらやっぱりの非道い惨状 そのうち国民皆居なくなってしまうのではないかと 反政府運動とかゲリラとか普通は存在するのだけど、封じ込んでいるのも独特 あの人が映画を見て出演してる人達が命狙われたりしないかとても心配になった そもそも南北分断したのが不運の始まりだと思うけど、日本の歴史も然り、血や権力を繋いでいくのは大変なことなのである、いつまで続くだろうか
何度も見たい映画に登録してまた泣いた
人間の命とは?
自分が、今ある事への感謝とともに
涙が溢れる
とても考えさせられる内容で、
素晴らしい
是非1度は、みて欲しい映画でした。
私の場合
字幕が少し見ずらいのが、残念だった。
自分にとっては今年一番の映画になるかもしれないと感じた。記録映像だ...
自分にとっては今年一番の映画になるかもしれないと感じた。記録映像だけがもちうる圧倒的な説得力。5人家族(老婆と幼い姉妹)ジャングルやメコン川を闇に紛れてくぐり抜け、タイの領土についたときは不覚にも泣きそうになった。
脱北が命がけなのは、わかるけれど。
鑑賞しようかどうかと迷ったけれど、高評価が多いので観てみた。気持ちの良い映画であるはずもなく、と言って予想通りの内容だったので、それほど衝撃も受けなかった。
私の関心は観客に強く訴えるために、作為があるかどうかだった。
映像は本物だけど、効果音や効果音楽を使っている。牧師が逃避行に同行しているので、捕まることはないだろうと思っていたら、その通りだった。脱北の明暗と対比するために失敗する青年とその母を撮影している。監督はある程度シナリオを作って撮影したか、とりあえず撮影して編集したのかなと感じた。
脱北者を支援する牧師の資金源はどうなっているとか、ブローカーが金をせびるため、わざと山道を間違えるなんてあるのかなと思ってしまう。警察に見つかったら、ブローカーも同罪だ。
先にも言ったように、観ていて気持ちの良い映画ではないので覚悟して鑑賞して下さい。
戦前の日本は天皇を現人神として崇めていた。北朝鮮を自分達とは違った国と思っていたら、それは間違いですよ。
また、人糞を肥料として利用していたのは日本も同じですよ。昭和40年前後までありました。
北朝鮮国民を活かして殺さずが独裁体制維持の基本と考えるが、餓死者が何万何十万と続出したら、崩壊するのではと予想しています。
あそこまで密着しているとは…凄すぎ
もはや北朝鮮ネタは日々のメディアで色んな事柄を見せつけられて、そこには懐疑的な情報などもあったりするし、とにかくもはや関わりたくないぐらいの感情になっているわけなんですが、そうも言っていられないのも現実で、少しでも把握しなければと思い、この作品を─
脱北という語りもあまたあるし、つらく厳しいものだと毎回思わされるし、今さら感もあったのですが、評価もされているようなので何となく鑑賞。
劇的かつ疑わしい映像も見受けられましたが、あそこまで密着した映像で丁寧に構成されると、さすがに、物凄い・・・という思い以外ございませんでした。内容は既に見知っている内容ながらも、正にこれがリアルな現実だというものを見せつけられた気がします。この現状、本当に何とかしなければとは思うのですが、正直どうすればいいのか全く想像すらつきません。
北という檻。
脱北者を支援してきたキム牧師の案内の下、ブローカーと連携を取り脱北を試みるある一家のドキュメンタリー作品。
作品観ての率直な感想は生まれた国が悪かった、今現在もそうだろうけど、子供の頃から悪い事や脱北などしたら罰を与えられるで完全に洗脳させられ、子供の頃から公開処刑もあえて見せられてる様。
この現代で明かりや自由に使える水もない、水は大きい入れ物に入れて支給され、その水はどのくらいの数の人間がいるか分からないが、皆で分けあってる。
・部屋の一番良い所に将軍様の写真を飾る。
(抜き打ちで当局役員が家に来て写真にホコリが着いてないかもチェックされる、ホコリが着いてると罰)
(・自分のしたウンコすらも肥料として使う為、回収される…と、いうか自ら学校や会社に運ばされる。)
こんな状況じゃ誰でも逃げたくなるよね。
…何処かの地に着いて泊った宿で出された「ポップコーン」、それを見た一家の姉妹(6~8才位)の一言、「何これ?」…、には観てて悲しくなったかな。
怪我、死、撃たれる、捕まるとリスクあると分かりながらも逃げ着いた地タイ、一家の長寿80歳ばあさん、年齢が年齢なだけにどのくらい生きられるか分からないけど、今まで不自由な生活すらも不自由と分からずに過ごしてきたんだから、残りの人生、家族と楽しく過ごせたらいいなと想うばかり。
ドキュメンタリー作品としては楽しめたけど、これが北のリアルと思うと心が痛い。
顔出して作品に出てる方達は大丈夫なのかな?
観た内容を話すことすら怖くなる
すごいもの観た。
さりとて本音で感想を述べるのも憚られるほどの恐怖を感じたので言葉にできない。
全てがまず疑ってかかれで誰も信じられなくなる。
教育は洗脳。
とにかく自分の眼で確かめて欲しい。
これが本当に現代の話なのか。
石丸元章の『平壌ハイ』を思い出したわ。
あの時もこれは映画の中の話かな、と思ったけど、今回もこれが嘘偽りないドキュメンタリーなのか!と衝撃を受けた。
将軍様
2024年1月7日
映画 #ビヨンド・ユートピア 脱北 (2023年)鑑賞
脱北を決意した北朝鮮家族に密着し、その決死の脱出劇を記録した衝撃のドキュメンタリー
「金正恩将軍様は頑張ってるのに国民がダメだ」と心の底から信じきっている老婆が印象的です
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
(オンライン試写会は内容のいかんに関係せずネタバレ扱い)
今年16本目(合計1,108本目/今月(2024年1月度)16本目)。
大阪市では夜はもう厳冬ですが、その中でもオンライン試写会を開いてくださったfansvoiceさまに感謝を。
さて、本映画は、去年から引き続き放映されている「1等当選宝くじが飛んでいきました~」とは対極的な位置にある、きわめて深刻な北朝鮮の人権蹂躙の問題と、そこから脱北して韓国なり日本なり(通常は韓国)に移動する当事者を描いた作品です。
どうしても作品の趣旨上ある程度「描写上」配慮されている部分はあり、そこは紙芝居などに差し替えられています。ただこの点は本気で「いや、現実をそのまま描くんだ」となるとR18になりかねないので仕方がなく、このあたりが妥協点ではなかろうか、と思います。
日本では本作品以外でも「北朝鮮にちょっといってきた」とか「北朝鮮の隠しカメラを経得てちょっと旅行してきた」みたいな(インディーズ系も含め)映画がありますが、その手の映画を「ある程度」みていれば(もっとも、こちらは「脱北」を描くので趣旨は異なるが)有利です。逆に言えば、このような現実があるので、「1等当選宝くじ~」と…これ、来週ですから、放映日重なるんでしょうか…、まぁそこはもう「大人のチョイスで」ということになるんだろうと思います。
※ 大阪市の某映画館で、一つは「ナチスドイツによるユダヤ人迫害を扱う映画」を扱いつつ、もう1つ(通路を挟んでむこう)で「ヒトラーと東条英機が生き残っていたら、という設定のアクションもの」という「これまたなんでそんな組み合わせにしたんだ」というヘンテコなときもありましたが…(まぁ、あのときはコロナ事情もあったので仕方がない)。
採点にあたっては以下が気になったもののフルスコア扱いにしています。
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(減点0.2/済州4.3事件、麗水順天事件などの描写がないことについて)
このこと、つまりこの2事件における「南朝鮮労働党」の扱いがないため、「対立観念」といえる「北朝鮮労働党」という語も浮かびうる余地がなく、実はそこが金日成氏の生い立ちにつながるのですが(たとえ誰であっても、呼び捨てにはしない立場)、この部分を省くと、同氏がいかにして北朝鮮で実権を握ったのかという理解がやや困難かな…という気がします(特に麗水順天事件に触れないと、金日成氏がなぜ実権を握ったのかの理解が困難になる)。
ただこのことは脱北映画を扱う本映画ではささいな事実ですし(ただ、北朝鮮の成り立ちを示す最初の部分で詰まる)、かつ、済州4.3や麗水順天10.19はそれはそれで扱いが難しい(これのみを扱う映画もある。前者は「スープとイデオロギー」ほか)ということまで了知した上でこの程度です。
(減点なし/参考/日本の描かれ方について)
ここは「やや韓国よりに」見るひとりの立場からは(どうしても行政書士の資格持ちでかつ大阪に住んでいると、一般的理解により進んで実際の文献に目を通しながら「何が正しいか」を理解しながら見ることになるので)、日本が「何を行ったのか」という点については適切に描かれていてよかったです(極端にひどくもないが、極端に矮小化もされていない。この点、どう主張しても史実を曲げることはできない)。
※ 本映画はこの論点をどうこういうのではないので注意しましょう(どういう考えであっても、日本が韓国を併合したのは事実であるため)。
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