ビヨンド・ユートピア 脱北のレビュー・感想・評価
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牧師さんは大丈夫なんだろうか
命がけの脱出で、見ていて胃が痛くなった。 あの一家5人は、なんて強運な人たちだったか 幼い姉妹の、お姉ちゃんが、おばあさんの不安を和らげるように抱きしめたり、牧師さんの汗を拭いてあげたり、幼いながらも事態を理解して気遣いしていて健気。 再現は一切使っていないとのことだが、ところどころぼかされている部分があり、あからさまにできないことも多いのだろうと思った。 無事に脱北できた一家と対象的に、息子の脱北が失敗、収容所送りにされてしまった母の悲劇。 (この母は韓国でかなりいい生活をしているようで、韓国でいい職についているんでしょうか) 北の国の惨状に絶句だが、かといって自分に何ができるのだろうか。 牧師さんと、奥さんも含めた協力者は、大丈夫なんだろうか。 韓国に潜入している北の手配で暗殺などの危険もあるのでは。
国民の方を向いていない指導者
よくぞ、撮ったものだ。 冒頭「再現フィルムではない」と一文が入る。 すべてが隠し撮りの映像、 見つかると命を失うドキュメンタリーなのだ。 撮影スタッフも、もちろん脱北する家族と それに帯同するキム牧師も、 たまたま運が良かったとしか思えない 緊迫した時間が映し出される。 明かりを最小限にして幼い子どもたちと祖母を連れ、 10時間も山の中を歩き通し、小舟で国境を渡る。 信頼できるのかも定かではない ブローカーに命を託すしかない綱渡りが続く。 そんな彼らに、自ら一緒について行き、 ブローカーと連絡を細やかに取る牧師がいてくれる、 それはなんと心強いことだろう。 脱北を果たした幸運な家族と対照的なのが、 もう一方の家族。 自分も幼い息子を置いて脱北した母親。 10年以上を経て呼び寄せた息子が国境で捕まってしまう。お金を用意するがどうにもならず、 角材で殴られ胸も腰も痛め、食べ物も噛めない 様子を聞かされるなんて酷すぎるよ。 17歳の息子は母にも会えず 過酷な拷問でひとり死んでいくだろう。 息子の幸せのためにどうすれば良かったというのか。 飢えて道で野垂れ死んでいる市民の映像や 放課後、毎日何時間もマスゲームの練習をさせられたと 語る、脱北した若い女性のインタビューが挟まれる。 なんという国。なんという指導者。 そして、これほどまでに生命や人権が脅かされている というのに、周りはなすすべもないのだ。
観ることしかできないけれど
せめて観て、知ることだけでもしようと思った。
次第に中国という国は!ロシアという国は!と絶望的な気分になってくるのだが、冒頭にかつて日本が占領していた話が挿入されているため、じゃああなたは?何の責任もないの?と責められている気もする。
とはいえ、物理的に海で隔てられてもいない韓国や中国の国民は、普通に真面目な人であれば、何をやっても常に心に重しがあるのではないかと思えて仕方ない。
あの牧師さんは現代のキリストか。本当に凄い人を見た。脱北女性と結婚し、脱北者を助ける過程で首を骨折するなど、まだ若いのに身体はぼろぼろ、同じく支援者であったらしい息子さんが、その苛酷さゆえか亡くなった話には驚く。静かに笑いながら打ち明ける姿は、どんな名優もかなわない説得力。達観した人間は、多くを語らなくなるのか。すでに生身を超越し、危険も感じなくなっているのか。
国家とは、権力とは一体何だろう。同じ現代の地球にこんな酷い人権侵害があるのに、オリンピックやワールドカップをやってもいいのかな。スンドゥブやキムチを味わっていていいのかな。でも平和の大切さをかみしめ、維持しなければならないから、やるべきなのだろう。
大金をもらい活動するブローカー、地下活動家の人々は、確実に命を賭して他人を救っている。中には詐欺がいるかもしれないが、信じるしかない人々を相手に、淡々と、国家が手をこまねいている間に次々と、日々命を救おうとする尊さに打たれるばかり。
どうしようもない事と我々に出来ること
2024年劇場鑑賞3本目 秀作 66点 当サイトの好評価と、2022年夏鑑賞の映画 ナワリヌイ の様な脱走ドキュメンタリーということで、桜木町KINOシネマに足を運んで鑑賞 勿論、内容もそうだし現実としての問題、追っている映像や過去の映像は衝撃的でした 皮肉で悲しいのが脱北を手助けする韓国の牧師やその他そういった活動をしている人達も、全て善意で動いていなくて、脱北を試みる方々を金ズルとしかほぼ見ていないのが、牧師も危険が伴うし、仕事であるし、自分らにも生活があるからしょうがない事ではあるのだけれども、ここまで生まれてくる国や地域、時代や性別で、こんなにも不条理で残酷で理不尽なことがあるのかと絶望させられる内容であるのと同時に、結局は我々観客も上部だけの同情でエンタメとして消化してしまう人が大半なのが、悲しく申し訳ないけど、せめてもの手向けとして、それでもできることは日々に感謝することしかないのかなと思った 多分こういったドキュメンタリーを鑑賞したのが今作が初めてであったら、もっと個人的評価がたかったかもしれないが、当方は2年前にそれこそナワリヌイと仙台の収容所のドキュメンタリーである牛久という映画がそれぞれ物凄い衝撃だったので、少しばかり免疫がついてしまったのかもしれない。 もう数年後にでも必ず見返した、是非
リアルかフェイクかミックスか?
質感がリアルで見応えのあるフィルムだった。 編集が上手く、北朝鮮と脱北についての既成事実は全て網羅されていたと言えるだろう。 冒頭に 「再現フィルムは無い」と謳っているが ここはあえて、懐疑的に ミックスではないか? という見地から疑問点を列記したい。 まず、主人公である脱北を支援してきた牧師の今後の活動と身柄が危な過ぎる。 韓国内には相当数の北朝鮮スパイが潜伏しているといわれている。 牧師が顔出しまでして教会の外観やノウハウをここまで仔細に暴露するメリットがわからない。消されないか心配。 山を三つも越える移動を含む過酷な行程で、歩けないお婆さんをどう運んだのか? 撮影機材などのバッテリーはどれだけ搭載していたのか? 負荷荷重は相当だと思われ ここはリアル脱北家族を使った再現ではないか?と思った。 ストーリー補完役?としてチョイチョイ出てくる脱北整形美人の流暢過ぎる英語力が気になった。 息子の脱北を叶えられなかった母親も役者かな?と思った。 こちらも整形美人。 ブローカーとの大事なやり取りをどうしてタイミングよく収録できるのか? 四六時中クルーが張り付いていたのか? リアルだとしても再現だと思う。 この他にもツッコミどころ満載なので アーカイブが出たら是非購入して検証してみたいと思うほど存在すら興味深いフィルムだ。 一つの大掛かりで心温まる成功例を示すことで キリスト教、もしくは他のカルト教団、そして脱北ブローカー達のプロパガンダというみかたもアリだろう。
脱北の大変さを知り、日朝関係にも目を向けざるを得なくなる労作
北朝鮮から逃れんとする脱北者に密着した迫真のドキュメンタリーでした。「再現映像は一切使っていない」とのことでしたが、文字通りリアルの映像だからこその迫力があり、非常に質の高い、価値ある作品だったと思います。 本作で取り扱った脱北者は2グループいて、1グループは祖母、その娘夫婦、さらにその娘2人の3世代に渡る5人家族で、本作の主役とも言うべき韓国の脱北支援者のキム・ソンウン牧師が、この5人を北朝鮮と中国の国境沿いを流れる鴨緑江の川岸から、中国国内を横断し、さらにベトナムそしてラオスのジャングルを経由してタイまでの千キロを超える道中を案内するというもの。もう1グループは、母親が先に脱北し、その1人息子の脱北のお話。 目指すはいずれも韓国なので、38度線を超えるとか、船でチョロっと行けば直ぐ着くじゃないかと思いがちですが、38度線付近には数百万の地雷が埋まっているそうで、余りにも危険で無理だそうだ。鴨緑江を渡って一旦中国に入ってから船で韓国に渡るルートは、かつては利用されていたようだけど、今は厳しいそうで、前述のような東南アジア経由にならざるを得ないとのこと。数年前に大ヒットした韓国ドラマの「愛の不時着」では、38度線の下に掘られた地下トンネルを通って登場人物が北と南を行き来していたけど、当たり前の話あれは完全な創作であり、現実には絶対に出来ないようです。 そんな訳で現実の脱北者たちは、アジア大陸を大回りをして韓国を目指さざるを得ないことになりますが、キム・ソンウン牧師のような韓国の協力者や、各地にいるブローカーなどの手を借りながら目的地を目指すようです。ただブローカーはカネ目的の商売なので、場合によっては脱北者が人身売買の対象になってしまうことがあるなど、一ミリも油断は出来ない模様。当然のことながら、中国などの警察関係者はもとより、脱北者を当局に突き出せば報奨金が貰えることから、一般の人の眼も避けねばならないという、緊迫感溢れる状態での綱渡りの連続をしないと脱北は出来ないということがヒシヒシと伝わって来ました。それでも北朝鮮に留まるよりはマシというのだから、如何に北朝鮮での生活が厳しいものであるかが分かるというものです。 実際本作の中でも、ソ連崩壊後に共産陣営からの援助がなくなった1990年代前半から、北朝鮮国内の状況が急激に悪化したことが報告されていました。北朝鮮首脳部は、この状況下での権力維持のため、国内においては強権政治を一層強めるとともに、対外的には核開発により外圧を跳ね除ける力を手に入れる方向に舵を切ったようです。韓国のテレビを見たからという理由で処刑されたなんていう話は、本作を観る以前から伝え聞いていたことではあるけれども、本作では一般民衆の前で公開処刑されるシーンも登場し、北朝鮮という国の怖さを余すところなく再認識させられました。 それにしても本作の凄いところは、鴨緑江を渡るシーンの映像こそないものの、その後のアジア大陸横断の様子が映像化されており、また北朝鮮国内を含めたブローカーとのやり取りも記録されていて、非常に興味深いものでした。真夜中にジャングルを彷徨うシーンは、フィクションよりもハラハラするものでした。 いずれにしても、現在進行形で日本の隣にこうした国家が厳然と存在し、北朝鮮の人民だけでなく、日本を含めた周辺国家の安全も脅かし、さらに言えば過去の植民地支配を含め、歴史的に見れば日本と浅からぬ関係があることを思えば、日本国家として、そして日本人として、今以上に北朝鮮との関係や日本の外交的態度を真剣に考える必要があると認識させられた作品でした。 そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
凄い映画。
凄い映画。良く撮れたと思う。 北朝鮮の描写や映像がリアルでぐいぐいとくる。 こんな国がそんなにないだけにこんなドキュメンタリーはちょっと他にないかもね。 キリストと同じ立ち位置にあの一家がいることは初めて知った。 その上での、脱北一家のおばあちゃんと娘さんのコメント。 そりゃああなるのよね。
東アジアに住むものとして一定の興味を持って観察をしてきた彼の国。...
東アジアに住むものとして一定の興味を持って観察をしてきた彼の国。もちろんゴシップレベルの知識だったが、脱北者のルートとか中国側の扱いなどは聞いている範囲だった。それを実体験として欧米視点で映像化されたことがまず大きい。牧師の滅私とも言える貢献はとても尊敬できる。活動が個人ベースにならざるを得ないうえ各国のブローカーも完全に信用できるわけではないようだ。
加えて描かれる北朝鮮の平壌以外の土地での生活の厳しさも恐ろしい。それなのに金正日を立派だと信じている祖母と子供たち。マスコミや教育の統制がいかに社会を歪めているのか、今の時代になおこうした現実があるのか。
無事に中国・ベトナム・ラオス・タイを経て韓国にたどり着いた家族、おめでとう。中国まで出ながら結局収容所に行くこととなってしまった息子、まだ生きていられるだろうか。
典型的なプロパガンダだね
西側目線での一方的なプロパガンダ映像、洗脳された我々日本人が喜びそうな作品でした。 だからといって北朝鮮が好きだとか、北朝鮮に生まれたかった!なんて微塵にも思わないが、それはアメリカに対しても同じ(笑)
自分のために生きられる幸せ
いつも通り長いレビューですが、宜しければお付き合いください。
脱北する家族と、そのサポートをする地下組織の活動家(本業は牧師)を追った脱出劇。命の危険とずっと隣合わせの、それはそれは壮絶な体験を圧倒的な緊張感で描き切った、濃密な115分でした。
映画で北朝鮮という国の実情をあらためて思い知らされると、日本という「今のところ平和な国」で、監視や警備もない土地で自由にものが言えて、普通に美味しくご飯が食べられ、何より「自分のために生きられる」ことに、素直に感謝せずにはいられませんでした。決して大袈裟でなく。
北朝鮮の人は、自分のためでなく将軍様のために生きています。人権という概念は皆無で、人民の命や人生はその独裁政治家に完全に握られ、コントロールされています。
人糞まで肥料として農家(農作物はまず将軍様の食べ物になります)に捧げ、1990年代は大飢饉で何百万人もの犠牲者が出たこともあります。
このドキュメンタリーからまた一つ学んだのですが、金日成が第二次世界大戦直後くらいにスターリンから注目されて主席の地位を築くきっかけになり、今日の世襲による独裁につながっているようです。民主主義とそうでない国家の世界地図はこんな所からも始まっていたのです。
脱北できる人は本当に一握りで、家族から離れて一人で暮らすことも多く、それでも「彼の国」での生活がいかに最低なものだったかを思い知り、覚醒し、人生を取り戻します。
しかし、脱北者の家族は犯罪者として収容所に入れられ、周囲から蔑まされても生きられればまだしも、収容所で命を落とす人も相当いるようです(大きな収容所の空撮が何度も映像に出ます)。
今回は、そんな悲劇から逃れるため、先に脱北した兄弟を後から追う形で脱北する一家の物語です。
ヨーロッパの移民や難民のルートのように、海を渡れるのかと思いきや、おそらくそれがあまりに危険なため、彼らは中国、ベトナム、ラオスを抜けてタイまで12000km、最後は真っ暗なジャングルを10時間かけて歩き通し、6才くらいの少女や80歳のお婆さんも一緒に、一家5人自由を掴み取るのです。
脱出劇そのものも勿論すごいのですが、サポートする地下組織がまたすごい。
お金のため、彼らはブローカーとして暗躍している訳ですが、その中枢にいる韓国の牧師さんが本当にすごいのです。強かなブローカーたちを時には懐柔し、時には厳しく強い態度で嗜め、言う事を聞かせます。教会の一室にはパソコンや複数台のスマホが並べられ、さながらスパイ映画がマフィアの裏組織かという画(え)が、紛れもない事実として描かれています。
また、ただの「脱北の成功物語」に過ぎず、映画のもう一つの軸で悲劇も描いている、非常にシビアな目線で撮られた作品でした。
とにかく集中しすぎて、観た後かなり疲れました。
それでも、私たちの住む世界からそんなに遠くないところで起きている「信じ難い迫害や人権侵害」をしっかりと目に焼き付け教えてくれる、すごい力のある作品です。監督は前作もアフリカ、コンゴの性暴力被害者の女性たちを救う医師を描いたドキュメンタリーを撮っているマドレーヌ・ギャビン。アメリカの女性は本当に強い、と実感させられました。
映画を見て、真っ先に思い出したのが去年観たドキュメンタリー『ナワリヌイ』、そしてもう1本、数年前に観た、これも衝撃と緊迫感がすごかった『シチズン・フォー スノーデンの暴露』。
『ビヨンド・ユートピア』も含めて、私の「超衝撃!三大ドキュメンタリー」としたいと思います。
壮絶なドキュメンタリー
タイトル通り、北朝鮮からの脱北のドキュメンタリー映画です。我々が知らない、国の現状が知る事でき、その現状に悲嘆と驚きがありました。 私は時々ドキュメンタリー映画を観た時は退屈する時多いのですが、この映画は最後までドキュメンタリーならではの真実と迫力があり最後まで惹きつけられました。視聴後、個人的には、この映画を通して何か変化がある事を望みました。
地獄
ある家族の脱北を密着して追うドキュメンタリー 国家ぐるみの洗脳の怖さと共に、あの国の非人道的な政策を徹底的に映す ある母親と息子の話も織り込むれるが、涙なくしては観られない、なんともやるせない気持ちに… あの韓国人牧師の行動はなかなか真似できることではなく、ああいう生き甲斐に満ちた生き方は尊敬と共に憧憬でもある
あのデブ一家め、、、
直接の原因ではないけれど、過去の日本による統治も今の北朝鮮たる存在の一因なんだろう。 高齢の母親を連れた5人家族、北にいる息子との再会を実現したい母親を複数のカメラが追う。観ている自分の方がはぁはぁ息が切れそうで、ポップコーンとドリンクを抱えて座席に着いたものの、エンドロールまで殆ど手を付けず、スクリーンから目が離せなかった。 ヤツを筆頭に、あのデブ一家が消え去らないと何も変わらないんだろうなあ。
とにかく言葉が見つからない
見終わってから数時間過ぎても、 見慣れた池袋の風景に違和感感じるほど没頭してたらしい。 感想が言えない、というか、見終わってから 2時間の映像を見た後に感じている「何か」が言葉にならない。 何を言っても薄っぺらく、ロクな言葉が出てこない。 コロナ禍直前の話ということなので2019年か2020年か。 21世紀の話とは到底思えない。 国民を家畜としか思ってない、かの国の一族が すぐそこに生きている、今日この時間もすぐそこにいるかと思うと生きた心地がしない。 脱北した男性が「怒りじゃなく、ただ憎い」と言ってたのが 耳の多くに残っている。
《 人は生まれる時代と場所は選べない 》
多くの方が鑑賞しながら「自分はこの国で現代に生まれて良かった」と思ったかも知れない。 「息子が死んで火葬の時に妻と誓った」 10年間で1000人 「息子が半分になってしまった」 「脱北したかった訳じゃない、死にたくなかったから越境した」 このドキュメンタリーを観て「監督は安全圏から指示出しとインタビューをして、集めた映像を編集しただけ」と思う人が少なからずいるかも知れない。それはプロデューサー達も同じかも知れない。だが元CIA分析官、元戦略国際問題研究所 (CSIS) の韓国上級研究員のプロデューサーやコロンビア大学芸術学部の映画学校で教鞭をとり、映画芸術科学アカデミーの会員でもあるマドレーヌ・ギャヴィン監督達のタッグが無くては出来なかったドキュメンタリーで映画館で見て欲しい緊張感高い作品。 コロナ禍直前の時代がドキュメンタリーの本筋たが、2024年の1月19日のニュースでは ・脱北者が去年、一昨年の3倍(約60人から196人)と韓国が報道 ・コロナ禍だった中国からの移動の厳しさが緩和して脱北者数が増えた ・北朝鮮のエリート層(20才〜30才)の脱北者は2017年から最多を記録 との事。 劇中のアニメーションに日本人の岩﨑宏俊が参加。
すごい観応え、良ドキュメンタリー
北朝鮮から脱出する家族と脱出を支援する活動家を中心に撮られたドキュメンタリー。 北朝鮮の事は、けっこう知ってたけど、補足を入れてもらいながら、より詳しく教えてもらえた気分。 脱北の事だけじゃなく、北朝鮮の成り立ちまで触れられてます。 すごい観応えで、微塵も眠くならなかった(笑) 命懸けで脱北者の支援をする方々には頭が下がります。 再現VTRは一切なし! 観るべし!
カルト宗教みたいな国
北の洗脳教育と生活程度を見せつつ、二組の脱北を追うドキュメンタリー。
一組目は、脱北してソウルに暮らす母が、中学生くらいの息子を脱北させようとブローカーに頼むが、中国で捕まり送還され、拷問の果てに収容所送りとなる。
ただ金を騙し取られ、息子と母(祖母)を永遠に失った母親の涙に暮れる姿が映る。
もう一組は、元々脱北する意思はなかった一家。
遠縁が脱北して、収容所送りのリストに入れられたために仕方なく逃げ出し、支援者の手引きで北朝鮮→中国→ ベトナム→ラオス→タイを経由して韓国へ亡命を目指す羽目に。
道中、「偉大なる金正恩元帥」「北にいたかった」を繰り返す一家にイライラしつつ。
ベトナムとラオスの国境越えが、ずっと密林かつ、3つの山越えで、80代の婆さんと、50代のオッさんは「もうダメかな?」と思いましたが、一応映画として完成しているから、誰か一人くらい死んでも、一家の数名は生き延びるはず!と予想しつつも、ハラハラドキドキしました。
ラストどうなるかまではネタバレしませんが。
国民を徹底的に苦しめてまで政権を崇拝させる、カルト宗教みたいな国のあり方に、怒りを抱きました。
衝撃と感動のドキュメンタリー映画
ドキュメンタリー映画って予告編はどれも面白そうなのですが、いざ観るとホントつまらない作品と最高の絶対観るべき作品がある。本作は絶対に観るべき最高の作品です。
脱北者のドキュメンタリーは以前からテレビなどで見てましたが本作を観て驚愕の事実の連続です。脱北者は北朝鮮から国境を超えて韓国に入るものだと思ってましたが、いったん広大な中国を横断してベトナム、ラオス、タイとてつもない長い脱出ルートとは、、。そしてところどころ登場するリアルなブローカーの存在や長年にわたる洗脳、恐ろしく貧しい生活などなど。牧師さんの献身的な活動には感動しかないです。
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