劇場公開日 2024年1月12日

  • 予告編を見る

「国民がかわいそうとしか言いようがない」ビヨンド・ユートピア 脱北 矢吹 貴さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0国民がかわいそうとしか言いようがない

2024年5月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

脱北を支援する韓国人牧師に密着した再現映像なし(アニメーションで再現)のドキュメンタリー。

脱北を試みる2組の話に加えて、脱北者の証言や隠し撮り映像で北朝鮮の現状も紹介される。
一般的なヒトよりは少し北朝鮮のことは知っている自負はあるのだが、水道がなくて水も配給制であったり、聖書を持っているだけで収容所送りになるのは、金日成の神話が聖書から引用しているので、それがバレないためとか初めて知ったことも沢山。

専門家が、北朝鮮は現代のナチスドイツだと言っていたが、脱北に成功した家族が、壁掛けTVを黒板と勘違いしたり、クラッカーやポップコーンを初めて食べたり、山の木々に感動するのは、北朝鮮での暮らしぶりがいかに酷いのかと改めて思い知らされる。

東側諸国の優等生だった東ドイツとの統合でもかなり大変だったのに、いつの日か朝鮮半島がひとつになったときは韓国も共倒れになるんじゃないか。とにかく、とんでもない国に生まれた国民が不憫でならない。

矢吹 貴