青春18×2 君へと続く道のレビュー・感想・評価
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ラブストーリーで他人に最初に勧める作品です。
清原果耶さんがあまりにも自然すぎて、
実際に過去に同じことが起きていたんじゃないかと思うほどでした。あまりにも普通で。
彼が彼女に会いに行く道中、一体何を考えているんだろうと私なりに考えていたんですが、彼女の死に向き合っていたんですね。
うっかり、どんな会話をしよう、どんな顔して会おうって考えてるもんだと思ってました。
そう思うと、道中の旅している若者にも意味が出てきます。
彼女と会いに行く道中で油を売ってていいのかなと思いましたが、彼女の死と向き合う間の行動として考えると納得できます。
アミに会いに行くための旅と思っていたけど 実際はなくなっていたとい...
アミに会いに行くための旅と思っていたけど
実際はなくなっていたということ。それを受け入れるための旅だったということ。
分かってからまた見返してみると、新たな発見があるように思った
清原さんのお芝居もとてもすごくて、
ジミー役の人は、18歳と36歳の演じ分けがすごかった。いろんなことを経験してきて年を重ねたという背景が見える感じ。
初恋の甘酸っぱさと切なさ
初恋の甘酸っぱさと切なさが心に刺さる作品。何となく展開は読める内容だったが、知った上で見るとさらに切ない。アミの死を知りながら只見にむかうジミーはどんな想いを抱いていただろうか。回り道は心の準備のためだったのかもしれない。
大好きな俳優さんたちの、短い登場シーンながら圧倒的な存在感よ。素晴らしい。
人生どこで何が起きるか分からないからこそ、伝えたいことは声にしなきゃね。自分を探す旅じゃなくて、自分は自分でいいんだと確認する旅がしたくなった。
街
台湾、長野、新潟、福島、映画に出てくる街はどこも美しくて、特に日本のは個人的に思い入れのある街でもあったので、そこに映る街並みや季節を見てるのはともでも楽しかった。
けど
実はヒロインは余命宣告されていて彼がそれを知る頃にはもう……的なオチだったのがめちゃくちゃ残念だった。
そういう展開がなきゃストーリー動かせないなんてもうやめようよ。誰も死なせないで恋や青春の輝きを描くのを、諦めないで欲しい。
じんわりと心に染みました。
台湾を旅する日本人のアミと出逢った台湾人のジミー。お互いに恋心を抱きながらもアミが嘘をついて日本に帰国することに。
18年後、会社を立ち上げ成功するも全てを失ったジミーがアミの故郷を訪ねるロードムービーです。
ジミーが旅の途中に出会う風景と出逢う人々がとても素晴らしいです。これがいい人ばっかりなんですよねえ、こんな旅したいなぁと思わせます。北国の雪景色も美しく、まさに岩井俊二の世界です。出逢う人では、特に黒木華さんが良かったです。ああいう役も出来るんだなあ、演技が上手だなあと感心しました。
最後にジミーがアミの故郷に辿り着いた時、アミが何故台湾を旅行していたのか、何故ジミーに嘘をついたのかがわかります。ジミーが会社を立ち上げて頑張ってきた理由もわかります。
ジミーはアミに逢うため゙に訪れたのではなかったのです…。アミへの想いと自分自身へのけじめをつけ、再出発する為の旅だったんでしょうね。 最後に号泣してしまいました…。
2回目の鑑賞は切なくて最初から泣いてました…。
鉄道の旅ゆえか、ゆったりと時間が流れるかのような、じんわりと深く心に染みる良質なストーリーだと思います。
あの時、想いを伝えていたら未来は変わっていたのだろうかー。
感想
“初恋の記憶”をめぐり、18年前と現在の想いが切なく交錯する。『余命10年』のスタッフが紡ぐ、日本と台湾を舞台にした新たな傑作ラブストーリー
ラブストーリーはあんまり観ないのですがずっと気になっていた作品でした。ラブストーリーでもありロードムービーでもありますね、想像通りよかったです!
旅行したくなっちゃいました!旅は一期一会です。
ダブル主演の台湾スター、シュー・グァンハンと清原果耶最高でした。道枝駿佑、黒木華、松重豊、黒木瞳などの豪華キャストも勢揃いです。
日本と台湾の壮大で美しい数々の風景も見れてよかったです!
北海道出身なので雪は見慣れてるのですが「トンネル抜けたら一面、雪景色だった」は鳥肌が立ちました。
十分駅で願いを書いたランタン飛ばしたいです。
カラオケ神戸の従業員がよすぎて働きたいです笑
Amiはきっとそうなんだろうなーと思いつつ、予想通りでしたが涙が溢れました笑
※ずっと旅が続きますように
良いけど悲しい青春&ロードムービー
台湾でハプニングから一緒に働くことになった年上の日本女性と台湾の高校生の恋愛話を中心に、日本を旅する主人公。結末は読めていたいけど、幸せになってほしいなぁ。。。と思っていたが、、、感じです。清原果耶はぴったりの役で、代表作の一つになるのではと思う。
君を経て、僕は旅を続けていく
少し変わったタイトル。
“青春18きっぷ”と、劇中で主人公が思い出す青春時代=18歳と現在のちょうど倍の36歳に掛けたタイトルだという。
実在の台湾人の紀行エッセイが原作。
エッセイでありながらドラマチックな内容(多少の設定変更あるらしいが概ね踏襲してるらしい)に惹かれた『DUNE/デューン 砂の惑星』に出演(医師役)もした台湾スターのチャン・チェンがプロデュースで10年前から映画化を熱望。が、監督が見つからなかった。そんな時…
祖父が台湾人だという藤井道人監督。いつか台湾との合作を考えていた。
台湾での試写会や幾度かのミーティングを経て正式にオファーと承諾に至ったのも、劇中さながらの“出会い”だろう。
日本と台湾。旅をしたくなる。誰かと会いたくなる。恋をしたくなる。
自分探しというより、自分を確認しに行く。
話的には挫折した現在と甘酸っぱい過去の交錯。
そのまま王道的に…と思ったら、終盤思わぬ展開に。
36歳。台湾で有名なゲーム製作者のジミーは、経営を巡って友人と立ち上げた会社を追い出される。自暴自棄になったその姿が動画で拡散してしまう。
実家に戻ったジミー。「少し休んだらいい。一休みはより長い旅の為」と言葉を掛ける父。
一枚の絵葉書を見つける。それをきっかけに旅に出る。
何が起こるか分からないから面白い。目的地は定めないでいたつもりが、目指していた。
台湾から日本へ。鎌倉、長野、新潟、福島…。
“彼女”の元へ。
18年前…
18歳。地元の台南のカラオケ屋でバイトしていたジミー。
バイトに誘った友人、気のいい店長やスタッフらに囲まれて。特に夢も無く、平凡な日々。
そんなある日、カラオケ屋に現れた一人の女性。日本からのバックパッカー、アミ。財布を無くし困っていた。
店長も日本からこちらに住み着いた人で、好意で働く事に。
日本から魅力的な女性が来たと店は繁盛。スタッフともすぐ打ち解ける。
ジミーより4つ年上の22歳。ジミーはそんなアミに惹かれ始め…。
この台南での青春過去パートがノスタルジック。
皆で家族のように和気あいあい。
ジミーとアミの交流のきっかけは日本カルチャー。
ジミーが好きな『SLAM DUNK』。現代パートでも“聖地”となった鎌倉へ。
二人で聞いた音楽はミスチル。本作の主題歌はミスチル。
二人で観た映画は『Love Letter』。台詞の引用(「お元気ですかー?」)やオマージュシーンも。岩井作品近年常連の黒木華が本作に出演もしている。
二人で乗った夜のオートバイ。
二人で願って飛ばしたランタン。
一つ一つが美しい。
一つ一つに浸っていたくなる。
33歳のシュー・グァンハンが36歳時と18歳時を演じる。18歳時、本当にその歳に見えるのだから驚き!
それは清原果耶も。比較的年下の若い役が多いが、本作では魅力的な年上のお姉さんに見える。
二人の瑞々しいナチュラルな好演。
片やちょっと奥手な好青年。片や何処かミステリアスで儚げで。
淡い恋の行方は、あまりにも突然に。後にジミー曰く、恋すら始まっていなかった。
アミの帰国。帰国の理由は、恋人…?
見るからに元気を無くすジミー。想いも伝えられていない。
思い出にと二人でデート。その時にランタン。
約束をする。願いが叶ったら、また会う。その時まで、頑張って頑張りまくる。
この時の事を回想しながら、現在のジミーは旅を。
目指しているのは、福島・只見。アミの故郷。
願いが叶ったから会いに行っている…?
ジミーの願いとは…? ゲーム製作者としての成功…? いやしかし実際は…。
ジミーの顔は終始浮かない。
それでも素敵な出会いはあった。
居酒屋の台湾人店主。
あの小説の一節のような、トンネルを抜けたら雪国(監督らこだわりのシーン)。電車の中で出会った一人旅中の青年。
ネカフェで親切にしてくれた女性店員。
そして福島・只見に。偶然アミを知る初老男性と出会い、アミの実家へ送って貰う。
この時の男性の言葉に違和感…。
それに対し“知っている”ようなジミー…。
アミの実家。アミの母親が出迎える。
「遅くなってすみませんでした」とジミー。
「あの子に会ってあげて」とアミの母親。
薄々は察していたが、アミはすでに他界。
亡くなった事をこの時初めて知らされ…ではない。
ジミーはアミが亡くなっていた事を知っていたようだ。
アミの故郷で、アミと再会しに行く旅と思っていたが…、生きたアミとではなく、すでに亡くなったアミに会いに…。
数年前、ゲーム会社を成功させ、久し振りに電話した時、アミが亡くなった事を知った。
以来、悲しみを埋めるかのように仕事に没頭。気付いたら、一人になっていた。
そんな時、旅へ。あの時の事を思い出して。
自分にとってあの頃やアミは何だったのか。確かめに行く。
あの時アミも言っていた。自分探しではなく、自分を確かめる為に旅をすると。
アミの日記。旅の記録。
初めての海外旅が台南へ。旅の前から病気であった…。
それを感じさせなかったアミの明るい振る舞い。その都度その都度辛い時もあったようだが、台南で過ごした日々や出会いがアミに元気をくれていた。
店長、スタッフ、そしてジミー。
どれほど楽しかったか。
どれほど感謝しているか。
どれほど好きだったか。
ジミーにとっては青春時代の思い出。
しかしアミにとっては、人生の思い出。
この旅の中で、自分にとってもどれほど大切な思い出だったか。
どれほど好きだったか。
それを確かめさせてくれた。
そして彼女の死と向き合った。
もうこれ以上の出会いや人を好きになる事はあるのだろうか…?
それでも旅は続いていく。人生という名の旅を。
青春という駅を通り越し、途中思わぬブレーキで停止しそうになるも、君と“再会”し経て、僕は再出発していく。
一休みからのより長い旅へ。
自分を確かめに行く。
何が起こるか分からないから、面白い。
藤井監督作品
この子(アミ)はきっと、いなくなるんだろうな。。
ジミーとアミが夜景を見ていた時の二人の会話のシーンから特に、そう予感しながら観ていた。
やはりその通りになったが、
死をわかりながら生きることほど難しいことはないだろうと思う。
初めて訪れた日本で桜が舞う中を歩くジミーの姿に涙した。
彼女に会えないけど、彼女を感じたい。
彼女の生まれ育った街に行きたい。
そして初めての雪、初めての桜。彼女がそこにいなくても、彼女が与えてくれた景色との出会い。
18年間もの間、死を受け入れて旅に出るまでにジミーは何度アミのことを想ったか?
美しい日本の景色を見ながら、想像しました。
藤井監督が命を描くのは今回で2回目でしょうか?
「余命10年」に引き続き、
華麗に咲く花がきれいなままこの世から消えてしまうかのような描写が、相変わらず上手だなあと感じました。
清原さんが病室で涙するシーンの涙が触れそうな、ビー玉のようにきらりと光っていたのがまた儚くて。
国際恋愛の難しさにまでは踏み込まれていなかったけれど、互いの言葉を少しずつ覚えることは愛情の証であり、このふたりがずっと長く続いていたらどんな大人になっていたか?
どんなふたりになっていたのか?
そう考えては温かい気持ちになる作品でした。
綺麗な映画
18年前好きだった日本人女性に会う為に、1人日本を旅する台湾人男性の話。
2人の瑞々しさ、素晴らしいロケーションだけでこの映画を見る価値あります。
初めて恋する2人の、手を繋ぐ瞬間を大事に演出する。自分にはないハズの過去を思い出すような素敵な映画でした。
ただどこか結末が読めてしまう。もうアミ生きてないでしょ…って思えてしまう。ラストの主人公に送られるラブレターも弱いかなーと。スッキリし過ぎて後一歩泣くに泣けない感じがすごく勿体無いと感じた。
初恋のようなふたりの不器用な恋に涙…。
ふたりの淡い恋愛模様がもどかしく、つかみどころがないアミに振り回されるジミーがかわいそうだった。
最後まで観れば、そうかと腑に落ちるけれど、なぜジミーに自分の病気のことを打ち明けないのかは、謎のままだった。
若い人ががんや白血病など重い病気で亡くなるのは、私は遺伝だと思っていた。
けれど、実は成長期の急激な細胞分裂でミスが起きて発病することが多いと、最近知った。
アミのランタンにかけた願掛け「旅が続きますように」は、彼女の心からの願いだったんだろうな。
ランタンを飛ばすシーんは、幻想的で本当に美しかった。
海外ひとり旅が趣味の私、唯一残念だったのが、東アジアには行きたい国がひとつもなかったこと。
韓流ドラマも韓流スターも、三国志もはまらなかった。
けれど、この映画を観て、台湾を1週間くらいかけて、1周してみたくなった。
雰囲気があたたかくて、ご飯がおいしそうな国、ちょっと沖縄っぽい。
ランタンフェスティバルにも行ってみたい。
来年あたり、実現したらいいな。
ジミー目線の日本の風景、湘南、新潟、福島も、新鮮に美しかった。
映画「Love Letter」、小説「雪国」を見直そうと思った。
ホント、台湾と日本のプロモーションビデオとしてとても秀逸。
ジミーがアミの最期の様子を知って、泣くところは、胸に迫った。
ジミーの今後の人生を応援したい。
ただまあ、外国人と結婚するのは、現実的にはかなり大変。
キレイな恋として、永遠に残る形でよかったのかもしれないと、大人は思ってしまいました☆
出会ってくれてありがとうジミー
それは、アミが描いた旅の絵に
書かれた言葉
台湾の実業家の青年が起業に
失敗してから過去と向き合い
再生する話
ではないですね‥
問題を抱えた日本の少女が
人生の最後に選んだ
旅の時間が
台湾の青年の生き方をかえていく
はなしでした
本作で何回か出てくる
ジミーの父親の言葉
「今の一休みは、次のより長い旅のため」
彼が日本旅で
同胞が経営する居酒屋を訪ねる
きっかけだったりして
本作自体のテーマにも思えます
しばらくは、
ジミーが人生を取り戻すために
アミに会いに行く話かなと
誘導されますが
途中でそうではないことに
気づく
彼女が
今どうしているかを知っていて、
これは、
心の整理をする旅なんだと
台湾での二人の生活を
ジミー視点で楽しくみながら
まさか
そんな事になっていたとは‥‥
後に、
アミ視点で答えあわせされるのが
たまらなくせつない
ジミーが
大切にアミのことを接しており、
その、たとたどしさで
いくつもの殻を
少しづつとっていく様子が、
若い時の異性への
距離感にすごく近いものを
感じます
だからこそ
デートに誘うやりとりや
バイクの二人のりや
ランタンのハグなんて
キラキラ
体験すれば、
たぶん、一生覚えているシーン
のちに何が明かされようと。
人生一度しかない
その時しかできないことは
きっとある
不安があっても
こうしたいと思ったことは
やらない後悔より
やって反省したほうがいい
明日への一歩を
感じる作品でした。
おすすめ
皆さんのレビューで観に行って正解
もともと恋愛映画は好きでは無く、泣かせようとする映画も抵抗があります。
でも余命10年はとても良かったし、レビューがとにかく高評価でしたので、公開1ヶ月半で鑑賞しました。
恋愛映画を超えた人生の映画でした。
キャスティングが素晴らしく、このメンバーでなければ完成度は変わっていたと思います。
雪景色が広がるシーンは本当に鳥肌が立ち、涙が出ました。さすが藤井監督です。
ラストまでには全ての伏線が回収されモヤモヤ無くただただ涙してました。
主人公の焦ったさも程よく、何してんじゃい!!という突っ込み欲求はほぼありませんでした。
映画館で1人でおじさんが泣いてるのはかなり恥ずかしいですが、周囲のお客さんもみんなグスグス言ってたので、まぁ、いっかと開き直りました。
彼の人生の中で生きている
どこか懐かしく儚い台湾の景色、音を吸い取って輝く福島県の雪景色、壁画、横顔全てが美しく胸を打った。
彼女が消えてしまってもあの夏があったからこそ夢を見つけて全力で走れた。その走ってきた道は決して間違っていなかったと感じる。それを見つけるための旅だった。
彼女との出会いがあったからこそ、日本語も堪能になったし夢も見つけた。夢を叶えることもできた。彼女との出会い、思い出、後悔その全ては彼の中で生きていることでしょう。
旅は旅行って事じゃない。
凄く切ない物語だったけれど、ソレだけでもないような…。
在りし日の回顧録のような物語なのかと思っていたのだけれど、ラストに至りとてつもなくピュアな純愛物語であった。
台湾の俳優さんでいいのだろうか?主役の彼が醸し出す雰囲気が格別で…冒頭の36歳の時と回想の18歳の時との差がとても好感触だった。彼は何歳なんだろうか?18歳の時の彼はとても純朴で擦れてもなくて…アレは日本人には難しいように思う。とてもとても良かった。
清原さんが演じるアミもそんな彼が焦がれる年上の女性を好演してた。
旅の目的は凄く曖昧なものだったのかもしれない。
途中で引き返してもいいし、何も彼女に対面する決意をしてたわけでもないのだろう。
ぽっかりと空いた時間に、果たされなかった約束と別れを伝えにいける時間ができてしまった。
他に旅をする理由もなかったのだろう。それくらい彼は台北という都市であくせく生きてきたのだと思う。
抱いていた甘酸っぱい恋心を懐かしみながら、彼の旅は続く。
現在と過去の差が色味にも表れていて、現在の方は青味がかかっていて寂しそうにも見える。
自然に彼の心情に寄り添うように眺めてしまう。季節的にも冬だし。
対して過去の台南は暑いらしく、首筋にひかる汗や豊かな色どりが充実感を思わせる。
セオリー通りなのかもしれないけれど、1人で旅する彼にはとてもハマっていた。
旅先で会う人々は皆様、人情味に溢れていて…そこもまた仕事を介して出会う人々との違いを描いてもいるのだと思う。
いわゆる地方の街並みとか、そこで出会う人々とか見てると、東京って仕事から離れなられない都市なんだなぁと思う。休みがあったとしても解放された感は薄くて、彼が出会う景色や街並みから感じる解放感と開放感には遠く及ばない。
そんな中で、自分は何がしたいんだろうと旅の目的に目線が移っていくのも当然のようにおもう。
そんな彼を見ていると、色んなモノ背負い込んでまたソレを降ろすの怖がってる自分に気付く。
ああ、彼のような旅は出来ないなぁと情けなくもなる。
ストレスって何かに転嫁して吐き出すものだと思ってたけど、彼を見てると溶けていく方法もあるんだなぁって思う。そんな時が来るといいなぁ。
話を戻そう。
彼が彼女の実家で絵本を手にした時に彼女サイドからの物語が語られる。
思うに、死ぬまでにやりたい事の一つだったのだろう。台湾にしか行けなかったのは残念なのだけれど、そこで恋に落ち生にしがみついた彼女が切ない。
台南から帰った後の彼女が人生の大半を過ごすのは狭く区切られた病室だ。世界を旅する夢とは真逆の環境だ。働いて恋もして皆好意的で、そんな台南の事をどんな気持ちで思い出していたのだろう。画集には「台湾編」との表題があった。病を克服し他の国に旅する未来をも描いていたのだろう。
お互い伝えきれなかった恋を抱えたままで、再会する事は出来なかった。
ラストで成長した彼の前に現れたアミになんだかホッとした。
藤井監督って「新聞記者」のイメージが強かったけれど、こんな慕情豊かな作品も撮れるんだと驚いた。
切り取られるアングルもそうだけど、引き絵が上手いというか、メッセージを想起させる絵が随所に差し込まれる。見事だった。
こうレビューを書きながら思い返してみるとガッツリ恋愛物ではあるのだけれど、劇中にもあった「一休みをするのは、より長い旅をする為」だったかな?そんなメッセージに、現代の生きづらさが濃縮されてるような気がして、ちゃっかり社会派な側面もあんのかなぁと思ってみたり。
地方に絞ったロケーションもそうだけど、感性が介入する余白の多い絵も多かったような気がする。
脚本的にも優れていて、序盤で提示した「旅」の意図をなぞるようにも展開していく。
なんだか余白の少ない自分の環境に気付かされたような作品でもあった。
つまり無意識に「こうじゃなきゃいけない」と自らに枷を強いてる自分に気づいたみたいな。そう言う考え方からどうにかして離脱したいなぁ…。
18×2「二人とも18歳」の意味と思っていました。
落ち着いていて、とてもよいお話でした。
18×2は18歳の二人のことと思っていたので、アミさんの方が4つ年上という設定は意外でした。
自分が大切に思っている人に、自分の一番の秘密(?)を伝えない設定は謎でした。また、なぜ4歳上の恋人がいるような振りをしたのかは更に謎です。(自分の今の気持ちや、今の自分の状況を、好きな人にきちんと伝えろよ!と思いました)
ジミーの方も、あんなに好きだったのに、なぜすぐ日本に行かなかったのでしょう。18年も会いに行かなかったのは不思議でなりません。
映画が始まったなり、すぐに最後が予想される演出は少し残念でした。
散々なことを書きましたが、とてもいい作品だと思います。若いカップルにどんどん見に行って欲しいです。
私も若い頃、彼女と見に行って、彼女が涙を浮かべていたりしていたら、きっと一生忘れられない作品になったことだと思います。
「Love Letter」のチョイスも、とてもよかったです。(エンドロールの曲は、あまり合ってませんでしたが)
18歳の出逢い
出逢いと別れ。
18歳の青年が旅する女性と出逢い淡い恋心を膨らませる。
異国の女性であり、何か秘密を持っていることを匂わせつつ2人の距離感の変化を丁寧に描いてて好感が持てる。
そして18年の年月は何を意味してるのか?
その意味を知った時、心を揺さぶられる。
ただ劇中で映画「love letter」を対比して使うあたり、少し先が読めた点は好みが分かれるところだろう。出来れば彼の心を反映した王道のラブストーリー映画を挟んで「love letter」は話のみにしても良かったんじゃないだろうか。
その方がより盛り上がった様に感じた。
恋愛映画苦手な人に見て欲しい
恋愛映画は苦手です。もう40歳だし。キラキラした恋ではなく、冴えない日常にある愛を描く映画はないのかなぁ…なんて。
そして予告だけでも透けて見える事情ありの恋愛もの、最近多すぎないか。
そう思いつつ、主題歌がミスチルであること、映画サイトの評価が良いことに釣られて、まぁ期待しないで観に行ってみるかーと映画館に向かいました。
序盤のボーイミーツガールはキラキラと眩しいのだけど嫌味がなく、アミの笑顔と年下相手にお姉さんぶる姿に魅了され、ジミーのカタコトの日本語と不器用さに魅了される。かと思えばジミー現代パートでは憂いのある36歳の旅人を演じていて、主演俳優さんをすっかり気に入ってしまった。
アミとジミーがランタンあげに向かうシーン、イヤホンをでミスチルを聴きながらジミーが切なげに想いを口にするシーンで泣きました。ジミー😭
そこから先は度々涙が溢れましたが、最後、ジミーが再び地元駅に降り立ち、新しい生活をスタートさせていく姿を見て、ジミーの未来は明るいものになるという希望を感じました。
旅先で出会った青年とラインを交換した後のシーンで、彼にはもう会わないだろうといった台詞があったのですが、個人的にあの台詞が好きでした。旅先の出会いって、そうゆう所があってそれが魅力でもある。
休みはその先の長い旅のため、これも好きでした。
ただの恋愛映画に終わらず、人生に躓いた人の再出発といった趣きが強く、観てよかったなぁと温かい気持ちで帰りました。
トイレに寄ったら、マスカラがほぼ落ちていました。
ミスチル の主題歌は言うことなく素敵でした☺️
岩井俊二さんのラブレターを次に観ようと思います。
泣くつもりじゃないのに、泣けてくる。
初めははまらない感じだったけど、だんだん台湾の風景に馴染んできて気持ちも入っていく。台湾の夜景や電車、普通の街中の景色が良い。
日本になると、名優ばかり出てさすがの演技に泣けてくる。
亡くなったのを知らないで日本に行ったのかと思いきや、思い出の確認になっていた。
最後に手作りのアルバムなどもらったら、彼は今後結婚なんてできるんだろうかと思ってしまった。
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