「旅をするのは『自分を確認する為』と言った彼女。彼もまた『自分を確認する為』の旅に出ます。これは時を越えて紡ぎ出される二人の青春ロードムービーです。」青春18×2 君へと続く道 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
旅をするのは『自分を確認する為』と言った彼女。彼もまた『自分を確認する為』の旅に出ます。これは時を越えて紡ぎ出される二人の青春ロードムービーです。
『青春18』と聞くと「青春18きっぷ」を連想します。
旅愁を感じさせるキーワードですよね。 ・_・ …と言いながら
実は利用したことがないなんて 話せません。 あぅ☆
その言葉をタイトルに含む作品って、一体どんなものなのか
確かめたくなって鑑賞しました。
さあ出発。
現在と18年前。日本と台湾。
時間と空間ともに離れた2つの舞台を結んで描かれるお話です。
18年前の旅人はアミ。
日本から台湾にやってきた女性。後で分かりますが、22才。
サイフを失くして困っていたところ、目の前に1軒のカラオケ。
店の名前に「神戸」の文字。
(…日本にゆかりがある店?)
店の敷地内でバスケの練習?をしていた若い男に声をかける。
18年後の旅人はジミー。
冒頭の場面。自分が創設した会社を奪われてしまう。 あらら。
日本での仕事までは同行する。その後はどうしようか…。
そうだ旅をしよう。宛ての無い旅。 …いやそうでは無い。
かつてカラオケ店でバイトをしていた時に声をかけられた
若い女性への想いを胸に、会いに行こうとしている。
◇
こうして始まるジミーの旅。
東京をスタート地点に、まず鎌倉。
鎌倉から長野、新潟。そして福島の奥地、只見へと続きます。
旅の途中で、色々な人と出会う。
18才と若く人懐っこい男。
台湾から日本に来てそのまま居ついた居酒屋の男。
自分の作ったゲームをしていたネットカフェ店員の女性。
色々な場所を回りながら、近づいていく。
アミが生まれ育った町へ。
” 雪が積もると、どこにも行けなくなる町なの ”
その町に行きたくて
なかなか行けなくて
日本に来てからも遠回りして
18年もの時間だけが流れて…
ようやく、来れた。
道を尋ねた人に車で送られて。
ようやく、辿り着いた。
出迎えたのは、アミの母。
” 待っていたのよ ”
” やっと来てくれた ”
18年の時をこえて、ようやく二人が再会する。
◇
日本と台湾をまたにかけて
18年越しに巡り逢うまでの二人を描いた
まさに青春ロードムービーでした。
最初から最後まで、とにかく映像が綺麗で、スクリーンに
映る景色を観ているだけでも、心が洗われる感じがしました。
主演二人の旅の行く末を見守った気分です。 ・-・ハイ
観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
■夜空に舞うランタン
台湾のランタンと日本のランタン。
両方での場面が描かれますが、どちらも綺麗でした。
漆黒の夜空を昇っていく橙色の灯。 いいなぁ
とても幻想的です。実際に見てみたくなりました。 ・_・ハイ
日本ランタンの撮影地は新潟県津南町。…でいいのかな?
新潟県中魚沼郡 …魚沼と言えばコシヒカリ☆
食べたこと無いのですが、美味しいのでしょうね。
台湾のランタンも調べたのですが、検索して最初に出てきた
のは十分(シーファン)のランタン祭り。
画像を見た感じではこの作品中の場面のまんまです。
ただ、十分は台南市では無さそうです…。うーん(土地勘無し
で、もう少し調べたら出てきました。
「2024台湾ランタンフェスティバル」というのが今年は台南市
で開催されるようです。 …って もう終わってました *-*;
■ノックの後は返事を待たなきゃ ね
” すぐにドアを明けたらノックの意味無いでしょ ”
アミに注意された(怒られた?)ジミー。
同じような次の場面、ノックしてすぐにドアを開けかけて…
慌ててすぐに閉じていました。 ∠☆
ギリセーフ。良く出来ました。 ・_・b
■4つ年上でアクティブな人 …って
カラオケ店員の間で ” 好きな人のタイプは? ” という
話題になった際に、アミはこう口にします。
これを聞いたジミー
” アミには日本に4つ上の彼がいる… ”
そう思い込んで落ち込んでしまいます…。(同情)
実際には、アミに4つ上の彼氏は居なかった訳で
何故、アミはこのように口にしたのか…
それが鑑賞中からずっと気になって、考えていました。・_・ハイ
そして思い至ったのはこのような事なのですが…。
・4つ上 ⇒ ジミーと自分の年齢差を意識していたのでは?
・アクティブ ⇒ 病気を治した自分と全国を旅する事のできる人
ジミー君へ。
アミはきっと貴方のことを意識していたと思いますよ。
◇最後に
映画のタイトル
観る前は 「青春18×2」でしたが
鑑賞後は 「青春18×3」になっていた気がします。
自分も二人と一緒に旅をしていたようです。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。