劇場公開日 2024年11月1日

「セリフがないからこそ感情が伝わってくる不思議」ゴンドラ 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0セリフがないからこそ感情が伝わってくる不思議

2024年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

舞台はジョージアの山奥。地元に住む人たちが通学や物資の運搬に使うための”ゴンドラ”を取り巻くお話でしたが、驚くべきことにセリフのない映画でした。初めのうちはそのうち喋りだすんだろうと思っていたものの、途中からは完全にセリフのない物語であることが分かり、話の良し悪し以前に目から鱗が落ちる感じでした。
そもそも映画というメディアは、映像、音響、セリフを絡ませることで成り立っていますが、ここから大胆にもセリフを削ってしまいつつも、ストーリーは勿論、登場人物の心情がより強く伝わってくるのだから、新鮮な発見でした。

お話の内容としては、ゴンドラの乗務員の若い女性2人が、ゴンドラのすれ違い利用して色々とコミュニケーションを取るほのぼのした風景を見せた上で、それを邪魔する駅長のやり取りをコミカルに描いたものでした。最終的には嫉妬心を拗らせた駅長がエライ目に遭うことになりましたが、その辺は漫画チックなお話と捉えれば笑える範囲内かなと感じたところ。
いずれにしても、いたずら心満載の主役2人が可愛くて、そして優しくて、観ていてホッとする作品でした。

そんな訳で、本作の評価は★4とします。

鶏