西湖畔(せいこはん)に生きる

劇場公開日:2024年9月27日

解説・あらすじ

長編デビュー作「春江水暖 しゅんこうすいだん」で世界から注目された中国のグー・シャオガン監督が、釈迦の十大弟子のひとり・目連が地獄に堕ちた母を救う仏教故事「目連救母」に着想を得て撮りあげた長編第2作。

最高峰の中国茶・龍井茶の生産地である西湖のほとりに暮らす母タイホアと息子ムーリエン。ムーリエンの父は10年前に行方不明になっており、タイホアが茶摘みの仕事をしながら、ひとりで息子を育て上げた。ムーリエンは早く仕事を見つけて母を安心させたいと考えるも上手くいかない。一方のタイホアも茶畑の主人チェンと懇意になるが、そのことでチェンの母の怒りを買い、茶畑を追い出されてしまう。やがてタイホアは友人の誘いで違法ビジネスにのめり込んでいき、ムーリエンはそんな母を救うため、ある決断をする。

ドラマ「長歌行」のウー・レイが息子ムーリエン、ドラマ「清越坊の女たち 当家主母」のジアン・チンチンが母タイホアを演じた。「花様年華」などウォン・カーウァイ監督作への参加で知られる作曲家・梅林茂が音楽を担当。2023年・第36回東京国際映画祭コンペティション部門出品。

2023年製作/115分/G/中国
原題または英題:草木人間 Dwelling by the West Lake
配給:ムヴィオラ、面白映画
劇場公開日:2024年9月27日

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(C)Hangzhou Enlightenment Films Co., Ltd.

映画レビュー

3.5 静けさと狂騒を併せ持った美しき怪作

2024年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

鑑賞中に生じた感情を率直に表すなら、それは驚きと混乱だった。まずは静かな幕開けと同時に突きつけられるドローン撮影。これには度肝を抜かれたし、前作「春江水暖」と同様、水辺の絵画的美しさに留まらない、映画ならではの動的魅力を盛り込んだシャオガン監督の芸術性に圧倒される。かくもマクロ的な視点で観客を驚かせたかと思うと、その後、物語は一転して狂騒的なまでの世俗感へ。物静かな母親が劇的に変わりゆく心情と相貌をミクロ的に捉えたカメラワークは、今こうして思い出すだけでも胸のザワめきが止まらなくなるほどだ。本作は釈迦の弟子が地獄に落ちた母を救おうとする故事に着想を得ているらしいが、だとすればこの翻案的な展開は現代中国の生々しい投影なのだろうかと感じたりも。好き嫌いはあろうし、母の辿る運命はやや先が読めるという難はあるものの、前作とやや異なる境地へ野心的に踏み出した本作を、私は「怪作」にカテゴライズしたい。

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共感した! 4件)
牛津厚信

未評価 西湖畔に生きる

2025年11月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下でグー・シャオガン監督『西湖畔に生きる』鑑賞。釈迦の高弟 目連の逸話『目連救母』がモチーフ。もっと牧歌的な映画だと予想してたら、マルチ商法のテクニックを教えてくれる映画だった。息子思いの母が常軌を逸してJokerみたいになっちゃう演技アプローチは見もの。#56

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共感した! 0件)
はにわさん in 2025

3.5 なぜか、むかし観た『夢の島少女』を思い出した。

2025年11月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

癒される

2023(日本は2024)年公開、中国映画。
115分。

【監督】:グー・シャオガン(顧暁剛)
【音楽】:梅林茂
※羽生結弦が使用した『SEIMEI』により、中国ではかなり著名らしい。

主な配役
【⽬蓮/ムーリエン】ウー・レイ(呉磊)
【母・苔花/タイホア】:ジアン・チンチン(蒋勤勤)
【銭/チェン】:チェン・ジエンビン(陳建斌)
【万晴/ワンチン】:ワン・ジアジア(王佳佳)

◆美しい風景と対極にあるストーリー

原題は『草木人間』。
公式サイトによると、「人の世は自然の中にある」というような意味になるらしい。

原題のままだと内容が誤解される、ということで
別途、邦題を用意した。
ややこしいのだが、邦題は英題『Dwelling by the West Lake』の直訳だ。

さすが、原題に違わず、作中での自然の描き方は神秘的で秀逸だ。
自然の美しさ、だけでなく、
遠くに見えたり、近くに見えたりする大都市・杭州とのコントラストも鮮烈な印象を残す。

なぜか、
昔むかしNHKで観た『夢の島少女』を思い出した。
なんでかな?

古代から息づく大自然と、
いまを生きる人間とのギャップが強烈。

◆拝金主義者を嘲笑えますか?

超絶親孝行のムーリエン。

自らも怪しげな会社に就職するが、まもなく辞める。
社内研修で「だます」とかエグいワードが出てきたら
悪い会社だと分かりやすいですね。

母(タイホア)が関わった会社は、悪徳感を一切ださず、「運命、人生を変える」「1080万元(日本円で2億くらいか)稼ぐ」と、おカネを前面に出してくる。

そりゃ、おカネは欲しいよね。。。
タイホアはマルチの鬼に向かいまっしぐら。

ムーリエンはタイホアの洗脳を必死で解こうとする。
心配しつつも遠巻きに見守るしかないチェンとの違いが面白い。

タイホア本人は、「私はいま幸せだ」と言い、
チェンも、「どんなビジネスでも、そういう(詐欺っぽい)側面がある」という。

私も程度は別として、チェンと同意見だ。
歳を取りすぎたかもしれない。

併せ呑んではいけない「濁」だと確信するムーリエンの行動は、母を救ったのだろうか??

◆親子の姿

まさに支え合い生きている2人。
私もそうであるべきだった。

◆まとめ
生きるって大変だよなぁ。( ´Д`)=3
マルクスが看破した通りになってる感のある現在ですが、共産主義にも希望を感じないんですよね。
☆3.5

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Haihai

0.5 マルチ撲滅のために

2025年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

マルチ商法撲滅のための啓発映像。最初と最後の映像の雰囲気はOK。

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共感した! 2件)
FormosaMyu

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