リンダはチキンがたべたい!のレビュー・感想・評価
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子供の色
日本アニメと違って単調な…というか手抜きの様に思われる絵柄だろうけど、とてもカラフルに振り切っていているので子供達の躍動感に観ていて心が弾む。
同じ画面に同じカラーの子供達がいない所が個性を表す感があって好ましかった。
親子であっても別人。同じ色ではない。
自分の子供の頃にもあったなぁってことが多々。
許されるために安易に嘘をつく子供。勝手に決めつけてビンタをかます親、いつまで経っても姉に甘えきりでイマイチ大人感が出せない妹。そんな妹にノンと言わなくて味方になってしまう姉。
そんな甘えたな母に育てられ、似た口と行儀の悪さを発揮するリンダ。こんな家なんて嫌だ!って叫んでた子もいたな。そして、軽率な万引き。
経験したし、親戚の集まりとかでもよく見た光景。
指輪に固執するリンダを無理やり姉の家に預けて、水漏れの修理中に指輪を発見!ママンは慌てて謝りなんでも希望を聞くと伝える。リンダはパプリカチキン!とお願いする。パパンの事は覚えてないが、その料理は覚えているから作ってくれと。
そもそも、パパンが死んでからママンは冷食で済ませていた模様。
暗闇を走る車中、パパンの事は覚えてないから存在していないの?と聞く。「死んだ」の言葉は分かっていても肝心な生きているパパンの記憶はない。それって本当に存在してたの?あぁ、確かに。親戚とかの集合写真とか見てて、この人知らないって人いたら、本当に居たのかなぁ?ってなるよね。パパンの記憶は真っ暗闇。
ストのおかげでチキンが手に入らない!
リンダの要求か、夫との思い出の為か、自分の為かママンは養鶏場から鶏を盗む。この辺本当に子供の浅知恵のようなママン。
絞める事もできず頼るのは姉。警察に捕まり路上駐車の回収も姉。本当に姉に頼りすぎてアホな妹を持つ姉としては本当に頭が痛い。
かわいそう。
出会うのはジャン=ミミ。同じ団地に住む彼はママンに一目惚れ。彼女のためにあれやこれや。
途中で鳴りを潜めていた指輪がここに効いてくる。手錠を外す際、彼はママンの左指に指輪をはめる。擬似プロポーズだ。
そんな頼もしい彼に安堵を覚えるママン。
団地の子供達の協力もあってリンダは鶏ゲットだぜ!
パプリカチキンを食べたい人!
死ぬ運命にある鶏にリンダはそっと呟く。
あなたの事は覚えておくから。
存在を覚えているから。
そこで涙のような雫が流れる。リンダの家の水漏れ。
そこでパパンのターン。
黒の中だったパパンは赤だった。赤のパパンはリンダやママンと過ごしたかったと歌い伝える。
出来上がった念願のパプリカチキン。
団地の人達と分け合い楽しく食べながらリンダは一つ願い事をする。その先には仲睦まじいジャン=ミミとママン。
彼の得意料理はパエリア。エビも入れる。
リンダにはそれが新しい料理になるはず。
同色で無機質さを表してた警察官。
木の上で警察服を脱がされパンツ一枚の1人の個人へ。
彼と仲を深めるアストリッドのストーリーも良かった。
変にリアルな所や、理不尽なファンタジーが詰め込まれているので感情移入が難しいかも。
逆にいろいろなキャラ視点で見れるのも楽しいってのもあるが、賛否両論あるだろうなぁ。
親指はしゃぶる指、人差し指はチャイムを鳴らす、中指は悪い指、薬指は指輪をはめる指。
あれ?小指は?!って思ったら約束の指だった。
リコリスは美味しくない。
チキンが食べたいリンダが素敵!
まずアニメーションが素晴らしい。
ラフなタッチなんだけども、、これ見ないとわからないと思うんだけど、我々が実際に目にするような、動き、光、イメージを見事に再現していて、それを見るだけで楽しかった。
夜の道を走る車の中が、街灯の下をくぐるたびに明るくなったり暗くなったりする様子とか、その車の窓から見える景色の中を流れる街の灯りとか、思わずハッと息を飲むほどに鮮やかで。
あと主人公リンダが、、こんなに可愛いとは!
宣伝に使われてるトップの絵じゃ伝わらないんじゃないかなあ。。
パンフの表紙の絵はすごく感じがでてるんだけど。
とにかく子供らしく傍若無人というか、元気に思った通りにしゃべったり行動したりするんだけど、まるで悪意がなくて、すがすがしくて微笑ましい。
それを言ったらお母さんもそうなんだけど。
ただ、元気で大らかで、基本サバサバしてる彼らなんだけど、常にどこか切ない空気が漂っている。
どうしてそう感じるのか不思議なんだけど。
お父さんがいないのは最初からわかってて、それを特に苦にしてるようなエピソードもセリフもないんだけど、本来いるはずの人がいない寂しさが、微かに香るほどに、けれども確実に、感じられる。
その寂しさは、リンダが今日絶対にチキンが食べたいという気持ちと、理屈はうまく説明できないけど、つながってるんだと思う。
お母さんもそれをわかってる。
だから、彼らがなぜあんなに頑張るのかわかる気がしたし、自然と彼らを応援する気になった。
そしてラスト。
これもなんか、あからさまではないんだけど、何故かとても暖かくて、幸福感に溢れていて。
こんな日々を送っていきたいもんだと、なんかこう、心の底からそういう気持ちを不思議に掘り起こされるような映画だった。
最後に、、ニワトリ目線で考えると、ちょっとだけ悲しいですね。
あんなに一生懸命逃げたのにTT(笑)。
その行動力はすごいと思うが、善悪の判断基準が緩くて、気になる部分は多い
2024.4.18 字幕 MOVIX京都
2023年のフランスのアニメーション映画
父の味を求めて、ストライキ中のパリでチキンを探す母娘を描いたコメディ映画
監督&脚本はキアラ・マルタ&セバスチャン・ローゼンバーグ
原題は『Linda veut du poulet!』で「リンダはチキンが食べたい!」、英題は『Chicken for Linda!』で「リンダのためのチキン!」という意味
物語の舞台は、フランス・パリ郊外の集合住宅
そこで暮らすリンダ(メリネ・エクレール)は、幼い頃に父ジュリオ(ピエトロ・セルモンティ)を亡くしていて、多忙な母ポレット(クロチルド・エム)と一緒に過ごしていた
ある日、母から結婚指輪を借りて登校しようとしたリンダは、それを母に見つかってしまう
指輪を返し、仕方なく学校に向かったリンダは、そこで親友のアネット(スカーレット・ジョルトン)と出会い、彼女がかぶっていた黄色のベレー帽を借りることになった
リンダが帰宅すると、母は何か探し物をしているようで、母は黄色のベレー帽と指輪を交換してきたと思い込む
「交換したと白状すれば帽子は返す」と言い、リンダは不本意ながら「交換した」というものの、母は約束を守らずにベレー帽を没収してしまった
さらに「お仕置き」と称して、ポレットの姉アストリッド(レティシア・ドッシュ)の家にリンダを連れて行き、「監獄」に彼女を入れることになった
その後、帰宅したポレットは、日に日に酷くなる水漏れと奮闘しながら、愛猫のガッツァの奔放さに翻弄されてしまう
そして、ガッツァが吐いたものの中から指輪は見つかり、ポレットは罪滅ぼしとして、母はリンダに謝り、「なんでもしてあげる」と告げた
そこでリンダは、「父の得意料理だったパプリカ・チキンを食べたい」と言い、二人はそのまま買い物に出かけることになった
だが、ストライキの影響で店が開いておらず、お目当てのチキンを手に入れることができない
やむを得ずに帰宅しようとした時、道すがらに養鶏場を見つけた母は、生きた鶏を手に入れるために飼い主と交渉しようとするる
だが、そこには息子のケヴィン(アントワーヌ・モメイ)しかおらず買うことができない
そこで母は、ケヴィンの目を盗んで、鶏を一羽勝手に持ち帰ってしまうのである
物語は、その帰り道で「スマホのながら運転」にて警察に捕まる母を描き、荷物検査の際にせっかく捕まえた鶏が逃げ出してしまうところから動き出す
警官のセルジュ(エステバン)と巡査長(ジャン=マリー・フォボンヌ)に連行されそうになったポレットは、鶏が逃げ込んだトラックの荷台に駆け込み、リンダも一緒についていく
そして、警察によってトラックは止められてしまい、御用となってしまうのである
映画は、この母娘の何でもありの行動を受け入れられるかが鍵で、ストなのに今日にこだわるリンダ、娘の話を一切聞かずに犯人扱いする母などが描かれていく
色彩が特徴的な作品で、キャラクターはほぼ単色で塗られていて、動きもぬるぬるした感じになっている
子どもの落書きのようなテイストであるが、これが意外と味があるように感じられるところは面白い
最終的にはハッピーエンドっぽくなっていくし、ポレットとトラックの運転手ジャン=ミミ(パトリック・ピノー)は良い感じになるし、アストリッドと警官セルジュの仲も良くなってしまう
一歩間違えれば死人が出ていてもおかしくないような内容だが、これで誰もが無傷と言うところがファンタジーなのかもしれません
いずれにせよ、かなりDQN的な行動の母娘なので、このキャラに共感できるかはわからない
キャラはそれぞれ色が振り分けられていて、リンダは黄色、ポレットはオレンジという感じで、そこまで被らないので、見ている分に混乱することはない
少しだけ哲学的な部分があって、父の記憶がないリンダがそれを取り戻す過程も描かれているので、五感に残っている記憶と脳に残っている記憶との結合によって「存在証明」がなされるのは良かったと感じた
ファッキンリンリ
何だか珍しいタッチのアニメ映画だなぁと惹かれるように劇場へIN。特典はレシピカードでした。
アニメーションは最高!でも話はあんま好きじゃない!
そんなタイプの作品でした。
アニメーションは線と色で構成されており、これをちょこまかとちょこまかと動かすの相当大変だったろうなと思いましたし、上空から団地を見下ろすシーンなんかは絵本の世界に入り込んだような感覚でワクワクしました。
この難しいであろうアニメーションに挑戦してくれたアニメーターの方々には感謝が尽きません。
今作の気になった点はブラックすぎるコメディにつられてキャラクターがイカレまくっているところだと思います。
まず主人公のリンダは最初はお父さんを早くに亡くしてしまっているし、お母さんから厳しくしつけられているしで、大変な子だなぁと思っていたんですが、叔母さんの家に放り込まれたあたりからどんどんワガママな面が出てきて、出された料理に文句を言い、下品な遊びをしたりと後々この子がこうなのも親のせいか…と味わうことになりますが、まだこの段階ではまぁ子供だしなぁでギリ許せていました。
そこからチキンが食べたいの一点張りで行動していくので、周りなんてお構いなしに狂ったようにチキンを食べようとする様子ばかりで、タイトル通りっちゃタイトル通りなんですが、このクソガキ…!って何回も思いました。
直近で観た「リトル・エッラ」の主人公も紛れもないクソガキだったので、改めてこのくらいの歳の子供は苦手だなぁと思いました(全ての子がこんなに自由なわけではないんですが)。
しっかしお母さんがそれ以上にヤバいやつでコメディで進んでいるはずなのに笑えずに引いている自分がいました。
勘違いしたまま姉の元に娘を預けて、そこから勘違いを謝ったと思ったら、ストライキ中の街中からニワトリを奪うというシンプル犯罪をやってのけたり、姉に再び迷惑をかけたり、反省する様子なんて全くなく責任をなすりつけまくっていたりと、顔がピキピキってなるくらいにはこの70分でお母さんを嫌いになりました。ここまで不快指数が高いキャラクターは久々かもしれません。
ずっと振り回されっぱなしのお姉さんが不憫でなりませんでした。
妹からの詫びは言葉ですら無いし、姪っ子は駄々をこねるし、頼まれごとなんでもやるもんだと思われてるしで、これ邦画だったら絶縁してもおかしくない話だよなぁとお姉さんに同情しっぱなしでした。
住民たちは抜けている方々が多いので、そりゃ誰も止められないよなぁと遠い目で観ていました。
最後はハッピーエンド風に終わっていますが、お姉さん引き摺り込まれたのにその後何事もなく地上に戻ってるし、お母さん何も反省してないし、リンダはチキン狂いのまんまだしで、ハッピーさについていけずにポカーンとしていました。
倫理観の崩壊したクレヨンしんちゃんの世界という文言が自分の中でぴたーっとはまりました。あのラインだからこそクレヨンしんちゃんは面白いんだなと再確認するきっかけにもなりました。うーん難しい。
鑑賞日 4/13
鑑賞時間 14:50〜16:15
座席 I-12
フレンチコメディ
幼い頃の微かな記憶
今は亡き父親の得意料理パプリカチキン🍗
がどうしても食べたいと、リンダは言い出す。
それは母親の勘違いにより、その代償としてお願いする。だが、その鶏肉を買いにいくがストライキによりお店は閉まっている。
母親は養鶏場から鶏を盗み警察から追われる
はめに。警察や街中の人々を巻き込んだ珍道中。
リンダを含めた子供達は自由奔放。
子供目線で心情と行動、性質を上手に
描いている。
色彩も華やかで自由に創られていて
カラフルでキュートで綺麗。
ドダハタ喜劇の連続だがユーモアたっぷり。
鶏肉を食べる前に滅茶苦茶になっていたけど
キャラクターが生き生きしてたから善し。
父親はイタリア人でローマの方だったんだね。
Pollo alla romana ローマ風鶏肉とパプリカの煮込み。美味しそうだね。一緒にスイカも食べれて
良かったよ。
ナゲットも思わず買って食べたし。
心温まる映画でした。
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