ゴールド・ボーイのレビュー・感想・評価
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面白かった
映画館の予告で観る限りでは、サイコパス岡田将生がより高みへ〜。かな?と予想して行った。
ところが中盤あたりから別の様相を見せ始め、序盤は観客の我々も騙されていたのだと知る。
岡田将生はもちろん光ってるけど、13歳の少年少女達も初々しく禍々しく好演。うっすらとわかっていながらも、あえてそこに乗ってみせるのは大人の愛とどこも違わない。
警察の緩さにはツッコミしかないけれども、最後まで気を抜くこともなく駆け抜けていった。
ラスト、彼らの間に川のようにある道路はまるで少年法の境目であり、彼らの間を飛行機が飛んでゆく。あたかも境目を飛び越えていくようである。
終わり方も良かった。昨年の怪物以来久々に邦画を見たが、当たりでホクホクだ。
理解できる殺人者と理解できない殺人者
オープニングの遺産目当ての突き落とし殺人を見かけた少年たちが犯人の男を脅迫しながら金と命のやり取りをしていく青春映画かと思えば、遺産目当て殺人はそのまま続き、気づけば犯人も少年によって殺されていたというクライムサスペンス。
岡田将生扮する東は資産目当てで婚姻と殺人を通して会社を乗っ取るというある意味古典的な動機で粗い計画殺人を繰り返す。
一方、羽村仁成扮する朝陽少年は機会を見つけては用意周到に人を殺すシリアルキラーである。動機はおそらく学費と文脈から推測できるが、何のための学費なのか判然としない。どちらかと言えばバレない殺しが楽しくて殺人を繰り返していると東への自白から読み取れる。
東の動機はまあ理解できるのだが、朝陽の動機は途中までなかなか理解に苦しむ。この中身のわからない、実際は空虚で噓つきの殺人者が、唯一画面において映った通りの淡い青春の恋を原因として破たんする様は様式美。
怪物は言葉を話すようになったら終わりというのは、本気の感情を見せたら終わりという意味なのだと理解できた。
悪童たち
原作は中国のミステリー小説だが
舞台は沖縄に。
暑い場所なのに暑さを感じさせない映画。
少年達は偶然殺人の現場を撮影してしまった。
少年達3人は殺人犯を脅しお金を請求していくが。話しは二転三転と危うい方向に流れ込む。
目まぐるしく起こる殺人。
殺人鬼との知恵比べ。大人を操る頭脳戦。
この頭脳、朝陽役の羽村仁成さんは凄かった。
豪華な俳優陣にも負けない演技。
夏月役の星乃あんなさんも。
猟奇的な岡田将生さんも見応えあった。
恐るべし悪童たちの青春ノワールサスペンス。
脚本が良かった。
サイコスリラーで面白い映画でした。
Stay Gold
今週気になる作品少ないなぁと思いながらも、興味があり前評判の良かった今作に飛び込み鑑賞。
実写版「デスノート」の金子監督というのも興味をそそるものでした。
中々にスリリングな作品でした。役者陣の濃密な演技合戦に騙し騙され、欺き欺かれの怒涛の展開にドーパミン大量放出でした。
序盤は殺人現場を遠目で見てしまった中学生たちがどう解決するのかというものかと思ったのですが、初っ端から脅して金を取ろうと言い出したあたりから、これはまともに終わらないなと直感で感じてしまいました。
浩と夏月は父親、そして朝陽と自殺した同級生の母親と確執があり、そこからの脱却も兼ねてお金を集める模様と同時進行で昇を脅したりもしますが、そこは冷静な昇が駆け引きを持ちかけたりと、頭のキレる者同士のバチバチは見応え抜群でした。
子供が明確な悪意を持った瞬間は本当に恐ろしくて、しかもそれが演技という見る側も大人も分かっているはずなのになぜか見抜けない、いや信じたくない様子に緊張感が走りまくりでした。
朝陽が全てを掌握しているかの如くコントロールし出したのが鳥肌もので、自殺した子は普通に朝陽が殺していて、うまいこと昇に誘導させて邪魔者になりそうな父親と再婚相手を殺させて、自分は動画に入ってないからといって友人たちも遠回しに殺すというえげつないムーブをかましていったのは予想を超えるものがやってきた…と驚かされました。うまく橋渡りしてきた昇ですら欺いて首を刺して5分以内に殺すという常習犯ですか?ってくらいの手つきの良さもサイコみに拍車をかけていました。
終わり方もかなり好みで、事件全体を有耶無耶にするのでもなく、かといって最後まで残った朝陽を逃すわけでもない、真実が明らかになってしまった顔を映して終わるという程よい余韻を残しての終わり方がとても秀逸でした。
黒木華さんの息子を裏切ってしまったという切ない表情がこれまたいい…。黒木さんは邦画に欠かせない人だなと再認識しました。
役者陣はもう最高としか言いようがありません。
どう見たって悪人の匂いが隠しきれていない岡田くんの作り笑顔や世渡り上手っぷりがもう最高でしたし、子供たち、特に羽村仁成くんが素晴らしすぎました。「リボルバー・リリー」の時はそこまで印象に残っていなかったのに、今作でガラッと雰囲気もセリフも変わっていて痺れました。星乃あんなさんは「キングオージャー」で拝見していましたが、王道ヒロイン×切なすぎるラストや後日談がビシッとハマっていてこれは今すぐにでも大化けするなと思いました。すでに次回作が楽しみです。
生ぬるい邦画では体験できない完成度の高い作品でした。少々安っぽさがあるのは否めませんが、こういう心を抉る作品はなんぼあってもいいなと思いました。原作未読なので2があるなら喜んで観に行きます。
鑑賞日 3/8
鑑賞時間 11:40〜14:00
座席 G-3
悲しき傑作
目まぐるしく展開して満点の着地。
人の欲や恨みによって、なるべきして迎える悲しき結末。
いい話では無いけれど、人の心理を奥深く描写した素晴らしい作品でした。
1番響いたのは、良くも悪くも人の心の強さ。
愛した者へ
『これでいいの、何があっても一生許す』
たとえそれが悪と知りつつも
自分の行く末、そして命さえも捧げる潔き強き心、それも尊き命の証。
【”真の極悪者。”家庭に問題ある中学生男女3人と、沖縄随一の事業家東家の入り婿の男とのブラックダークな駆け引きと数々の非人間的行為を行う一夏を描いたクライム映画。今作は重い余韻を残す作品でもある。】
ー エンドロールで気付いたのだが、今作は中国の人気小説を基に、舞台を沖縄に移した物語だそうである。ー
◆感想
・東昇(岡田将生)は、義理の両親を二人の思い出の地であるという崖から突き落とす。昇と妻、静(松井玲奈)との関係は冷え切っていて静は彫師の愛人がいる。
そして、静は叔父で東一族で唯一信頼している警察官の東厳(江口洋介)に”私が死んだら、昇に殺されたと思って。”と告げるが、その通りに昇が細工した静が毎朝呑むアプリに、少しづつ入れていた麻薬によるオーヴァードーズで事故死する。
ー 端正な顔の岡田将生の計画性在る極悪さが際立つ。だがその上を行く極悪者が登場する・・。-
・朝陽(羽村仁成)と、夏月と浩兄妹は、家庭に複雑な事情がありつつも、仲が良い。そして、ある日海岸で朝陽が間違えて撮った動画で、東昇の行為を知りつつ警察に届けずに彼に一人2000万×3人の6000万を寄こせと、恐喝する。
ー この全ては、朝陽が提案している。彼の異常性が少し垣間見えて来る。-
・東昇に対し、朝陽は”自分と母を置いて出て行った父(北村一輝)と、その妻になった女を殺してくれ。それで、チャラにする。”と持ち掛ける。
東はそれを飲み、ウサンミに来た父と、その妻になった女に供え物の餅を夏月と浩兄妹を使い、毒殺し予め掘って置いた穴に埋める。
ー ここでも、朝陽は表には、巧妙に出ない。-
・朝陽の父とその妻になった女には朝陽と同級生の女子が居たが、期末試験の結果が出た日に首を吊っている。
ー 再後半に真実が分かる・・。-
・東昇の家で、朝陽と、夏月と浩兄妹は浮かれ気味にデリバリーで食事を摂るが、東昇が飲み物に仕込んだ毒で、夏月と浩兄妹は毒殺されるが、朝陽は危機一髪でそれをハンカチに吐きながら、倒れた振りをする。
ワインを飲みながら海を見ながら寛ぐ東昇の首筋に朝陽が突き立てたナイフ。そして朝陽は血だらけの東昇に”引き抜いたら、死ぬよ。”と冷酷な顔で言い、彼が息を引き取ると”あ、死んじゃった。”と言い、自分の両腕を自分でナイフで切り警察に助けを求める。
ー この時点で、朝陽が頭の良い冷酷な真なる極悪な少年である事が明らかになるのである。-
■物凄く怖かったシーン。
病院から家に戻った朝陽と母(黒木華)。
出掛けようとした母が郵便受けに入っていた夏月からの手紙と写真を見た時の表情。
夏月は自分達が行ってきた事を全て書いていたのである。更に、朝陽が書いていた嘘に塗れた日記の存在も・・。
朝陽は、包丁を握り命乞いする母に近づき、”自分が告白し、振られた同級生の家を出た父と新しい妻との間の女子をも縊死させた事”を淡々と話すが、”母さんは俺の側だから・・。”と言って包丁を降ろす。
そして、母の代わりに買いものに出掛けるが、交差点の向こうで警察官の東厳が、厳しい表情で立っている。<暗転>
<今作は、家庭に問題ある中学生男女3人と、沖縄随一の事業家東家の入り婿の男とのブラックダークな駆け引きと数々の非人間的行為を行う一夏を描いたクライム映画であるが、その中で最も極悪だったのは誰かを描いた作品である。
実に恐ろしいが、大スクリーンに引き込まれた作品でもある。>
計算とシチュエーション。
義父と義母を崖の上から突き落とした東昇と、その崖下の少し離れた砂浜から写真撮影と思いきや動画を記録してた中学3年の朝陽、夏月、浩の話。
親違いの兄弟、夏月と浩、ある日朝陽宅を訪れる…、貯めた小遣いで買ったデジカメを義父に売られてしまった夏月、ある日自宅にイタズラをされた事で訪ねくる一緒に住んでいない父から小遣いを貰う朝陽、その貰った金でデジカメを夏月にプレゼント、その流れから海へ行き写真撮影をすると…、これはネタになると言い出した朝陽とその話に乗った夏月と浩の3人は東昇に金銭を要求する…。
終始、ストーリー、展開といい面白かった。
パッと見だと、ちょっと不良な浩だったけど、気弱、ひ弱に見える朝陽君の方が悪いというかヤバい奴で、もう独りのヤバい奴、東昇の他人の前と独りの時との顔のギャップが!
大人をユスる悪ガキ3人だけど、ストーリーが進みにつれ夏月に芽生えた朝陽を想う恋心、親父と再婚相手の女は私が殺ると言ったバスの中、「明日1日デートしよう、私の一生の思い出にする」というセリフとシーンには涙。
友達二人を平気で見殺しにして、自分をフった女を自殺にみせかけ殺害、人を使ってオヤジと再婚相手の女殺すと、日記という名のアリバイ日記は凄いなと思ったけど、絶対何かしらボロが出るのよ(笑)
エンドロール後のゴールデン・ボーイ2の“2”を“?”にするという、続編があるのか無いのか都合のいい終わり方(笑)
上質なグライムサスペンス‼️
一日三回上映の一回目の11時50分からなのに
観客は私を含めて3人。
兎も角、緻密なストーリー展開が素晴らしい。
キリキリ心臓の痛む《大人と子供の心理戦》に
ハラハラドキドキ!!
手に汗握る。
予告編で岡田将生が義父母を崖から突き落として殺す。
それを偶然・動画撮影した中学生3人が、
「これは金になる‼️」と脅迫を思いつく。
エッ、最初っから岡田将生は殺人犯?!
ネタバレじゃん!!
と思ったが、こんなもんじゃなかった!!
もちろん岡田将生もサイコキラーで予想通り凄かった‼️
悪にハマる岡田将生はすごく輝く!!
しかし彼を脅迫する3人の中学生・・・
朝陽(羽村仁成)夏月(星乃あんな)浩(前出耀志)の3人の演技と存在が
岡田を越えて輝く・・・だからGOLD BOYなのかな?
中学生の数学コンテストで優勝の朝陽(金賞?)
同じく中学生の時の数学コンテストで2位の東昇(銀賞か?)
この金賞と銀賞の頭脳差が、このハイレベルな心理サスペンスの
駆け引きと予測行動の差(?)だとしたら?
中国のベストセラー小説でドラマ化された作品が元になっている。
朝陽が予想以上にワル。
羽村仁成は優しげな顔の成績優秀な真面目生徒を怪演。
岡田将生と互角に渡り合った。
ツルむ夏月(星乃あんな)は朝陽に好意を持つ。
朝陽の為にとする行動も悲しいな!!
夏月と義理の兄妹の浩(前出耀志)の3人の悪童ぶり・・・
夏月と浩は無邪気に。
朝陽は生まれながらのモンスター!!
岡田将生を食ってしまうほどの、ワル!!
冷静で先を読み、友達さえコマのひとつ。
ラストで見せる母親(黒木華)への、ある行為に
震撼とする。
ラストのラストで交差点を挟んでにらみあう朝陽と
刑事の江口洋介!!
刑事の切るラストカードは、なんだろう‼️
低評価は終盤と前半で繋がらないのが全て
終盤で回収できない前半というか、終盤に繋がらない前半というべきか。
物語そのものが繋がらない訳ではなく、肝心の主人公の安室朝陽の人格が映画のなかで繋がらない。そのため、終わってみれば人格の伴わない単なるホラーとなってしまった。
私としては、最後の最後のオチに対する、そのための「何か」を前半で描いて欲しかった。それは主人公朝陽の表情一つでも良いし(顔の下に潜む一瞬の狂気とか)、少し気になる言動とか、主人公が狂気を備えるに至ったトラウマだとか。
この仕込みがないために、単なる異常者の殺人劇としか受け止めることができなかった。
本作は小説の原作があり海外ドラマも作られている作品の日本映画作品とのこと。原作の好き嫌いはあるにしても、映画というエンタメにシッカリ落とし込んで欲しかった。
ただ、良かった点もある。
13-14歳という年代の少年少女のフワフワとした空気感を本当に上手く描いている。実際の演者も近い年代ではあるのだが、そこから13-14歳感を綺麗に映し出しておりキュンとくる。
そのなかで夏月役の「星乃あんな」は本当に良かった。演技の力なのか、カメラの力なのか、監督の力なのかは分からない。もしかしたら14才の今だけの輝きなのかもしれない。
若者だけでなく大人の役者さんの演技も凄く良かった。岡田将生は完全に東昇という役を物にしていたし、黒木華もしかり。黒木華の最後の闇落ち感を秘めた氷の微笑の一瞬の画は凄かった。
しかしながら、映画としての仕上がりには私は満足できなかった。前半9割と終わり1割が繋がらないのが全てである。冒頭にも書いたが物語がつながらないのではなく、主人公の人格が映画のなかで繋がらない。
なんか残念で勿体ない感が上まわってしまい、総合評価は厳しくなる。
映像 ★★★
音 ★★★
物語 ★★★★ (小説で読んだら凄く面白いのだろうね)
役者 ★★★★ (星乃あんな、岡田将生良い)
編集 ★ (勿体ない、本当に勿体ない)
粗さ ★★ (最後が、うーんギリギリ駄目かな)
総合 2.5 残念、勿体ない
予測不能なストーリー展開だけでなく「純粋悪」の演技も光る
平気な顔をして人を殺すサイコパスと、彼を脅迫しようとする中学生たちとの丁々発止のやり取りに、グイグイと引き込まれる。
最初は、家庭環境に恵まれない少年少女が、殺人鬼から大金をせしめる、ある種のサクセス・ストーリーなのかと思っていたが、ことはそれほど単純ではなく、彼らが協力して殺人を企てることになってからは、まったく先が読めなくなる。
後から考えれば、数学コンテストでの金賞と銀賞の違いが伏線になっていたのだろうが、双方が相手を出し抜こうとする展開の中で、誰が本当のモンスターなのかが明らかになるくだりは、やはり衝撃的だった。
自らの計画のために、ほのかな恋心と母親の愛情までをも利用していた彼が、彼女からのラブレターと母の機転によって破滅するラストも、勧善懲悪の結着の付け方として納得ができる。
ストーリーの面白さだけでなく、出演者らの演技のアンサンブルも見応えがあり、特に、殺人鬼を演じた岡田将生のハマり具合もさることながら、普通の中学生のようでありながら「純粋悪」としての凄みも感じさせた羽村仁成の演技と存在感には目を見張るものがあった。
ただ、「数学が得意な人間は、犯罪のための悪知恵も働く」みたいな描き方には少々疑問を感じるし、命を奪われた人間が9名(その他に、殺されかけた人間が2名)と、やや「人が殺され過ぎ」なところは気になってしまった。
映画「GOLD BOY ゴールドボーイ」は手に汗握る名作だった (ネタバレあり)
# 映画館で観た感想
俳優陣も物語も質感も良かった。
心をぐっと掴んでくれる作品だった。他の映画とは違う特別さがあった。
子役に至るまで本当に全員が良い演技をする映画ってなかなかない。だがこの作品はそうだった。
# 冒頭の殺人
観客が油断している間に「ふわっ」と人が殺される。
殺される相手も「え、いまここで死ぬの?」ぐらいのあまりにも唐突な死が訪れる。
起承転結の起から始まるのではなく、起が起こらないままに転に飛躍する感じ。
# 殺人犯
ジョジョの奇妙な冒険の岸辺露伴みたいな雰囲気のクールな殺人犯。
この男は鮮やかに人を殺しておきながら、自ら嘆き悲しむという猿芝居を演じてのける。なぜなら彼が殺したのは自分の身内だからだ。
IQの高そうな知能犯。
# 少年
13歳の少年。刑法的に何をやっても罪にならないらしい。
純朴そうに見えるが実は能力は高いことが段々と明らかになって行く。
# 少女
13歳の少女。義理の父親に犯されそうになったりと家庭環境がやばい。
少女は少年と出会い、一緒に行動するようになる。
# 殺人犯を脅迫する子供
すごいシチュエーション。
子供が大人を、しかも殺人犯を脅して、なおかつその殺人犯に他の人間の殺人をさせようとするのだ。
# 少年少女の恋
少年と少女は恋をする。しかも自分たちが人を殺したりしている最中に。
殺人計画の前夜に二人は束の間のデートを楽しむ。
まるでこの後に殺しが控えているとは思えない雰囲気で、ピュアな恋愛物語のようにデートするのだ。
# 親殺し
少年少女は一緒に少年の親たちを殺す計画を立てる。
少年には親を憎む理由かあるのだが、それなりに親の事情もあり、ちょうど親の人間的な部分が見え始めてきたところで、並の作品であれば、良心の呵責が起きて殺人を取りやめるようなシーンだ。
だが彼らはやってのける。
# 結末
結末の一部だけは残念だった。
いかにも真犯人はこいつだろういう線も予測できたし、そのままそういう結果ではあってほしくなかった。
# 続編はあるのか
もうこれ以上続けようがない気もするのだが、続編ゴールドボーイ2もあるのかもしれない。
# 語彙力不足
ここまで書いて、自分には本当に映画を語る語彙力がまだまだ足りないなと実感する。映画を観ている間は素晴らしさを感じていても、それを言葉にするとどうにも大事な中身がこぼれ落ちて行くような気がする。
仮に映画そのもので表現されていることが100万あるとしたら、素人が文章で表現できることなど1程度のものだろう。
まあいいや。どうせただの映画感想文だし、気楽にやろう。
まいった!
上映初め、テレビでもよかったかな?
と思ったがとんでもなかった。
テレビでは勿体無いです。是非劇場で。
兎に角、俳優さんの選定が最高。
中でも黒木さんと江口さん。
これ以上ない、演技。そしてこのストーリー。
残念ですが、トイレが限界でエンドテロップ中に退席しましたが、あのあと、もし映像があったら誰か教えて下さい。
だれが最大のキモか初めの頃解りましたが、
それでも、………女を犠牲にするほど残忍とは思いませんでした。
単に完全悪とそれを守る者とではなく、
それぞれしがらみがある者達の境遇。
凄い良かったです。
面白かった!!!
最初からグイグイ引き込まれる。
途中、大好きな「白夜行」(綾瀬はるかのドラマ版)みたいになって泣いてしまった。
あのシーンも、このシーンも、そしてラストの道路を挟んで対峙するシーンもまんま「白夜行」ですよね。
主役の男の子が悪いことしなさそうなので余計に怖かった。
岡田将生はさすが。
脇に回った江口洋介と黒木華も。下手に脇役する俳優さんもってこなくて正解。
エンディングの幸田未來の主題歌もなんかよかった。
(ふだんは最後に入る主題歌あんまり好きじゃないのに)
とにかく予想外の展開で面白かったです!!!
犯人は分かっているのにドキドキするしずっと不気味
この作品は沖縄を舞台としていて、公式Ⅹには“美しい風景と唯一無二の文化が存在する特別な場所であり、なおかつアジアを含む世界に向けて発信する映画としてオリジナリティを生み出せる場所として沖縄を選びました”と書かれていた。沖縄というと青い空にきれいに透き通った海と美しい風景をイメージするだろう。しかし作中での沖縄は、海も町もザ・沖縄という感じなのに、ずっと空気がどんよりしているのだ。雲一つない晴れた日なのに雲にすべて覆われているように見える。沖縄だからこそ、さらにこの映画を不気味に感じられたのだろう。
そして映画の内容では、冒頭から岡田将生演じる東昇のサイコパスぶりが怖かった。少し前の「ゆとりですがなにか」とのギャップがすごく、悪人顔ではない岡田将生だからこそ、さらにサイコパス感が増した。しかし子供達の方が何倍も上だった。子供たち三人組のなかで唯一学校に通うあさひが一番まじめでまともだと思っていたのが、最終的に一番やばい人間で、段々それが分かり始めるのがゾクゾクした。まじめな顔の裏になにかがずっとあるような雰囲気があって、すごくうまいなと思った。
最後に東宅でデータを渡し、みんなでピザを食べるシーンでは、東が三人を襲うことがなんとなく予想できたのだがあさひだけが生き残るとは思わなかったので驚いた。音楽が流れ、三人ともを殺したと思い窓の外を眺める東だが、後ろを全く見ずにやり切った感が出ていたのでとても死亡フラグが立っており結局あさひに殺された。私は、それは三人の計画だと思っていたのであさひ一人の計画でさらには、キスまでした夏木も殺してしまうとは呆気にとられた。途中から浩の存在を忘れてしまっていたが。ただ最後夏木のおでこにキスをしていたのでやはりちゃんと好意はあったのだろう。ずっと三人で協力していたのに日記に自分のアリバイを作っていたことが最後に分かって、嫌悪感で少し鳥肌が立った。そしてなぜか私は途中から子供たちの方が気持ち悪くなり、東に感情移入していた。大人をなめるな!と東が言った際には、そうだぞ、分かったか!と心の中で言っていた。
この映画はとにかくどんよりそして気持ちの悪い感覚になるが、ベテラン俳優に加え、子役の子たちの(あのくらいの年の子は子役と呼ぶのか分からないが)演技がリアルすぎて惹き込まれるのでぜひ観てみて欲しい。
黄金を手にしようとした少年は、すでに手に入れていた存在によって地獄に突き落とされる
2024.3.8 イオンシネマ京都桂川
2023年の日本映画(129分、PG12)
原作は紫金陳の小説『悪童たち』
ある事件の目撃者となった少年たちが自身の生活を変えようと悪巧みをしていく様子を描いた犯罪映画
監督は金子修介
脚本は港岳彦
物語の舞台は沖縄県
島の根幹事業を担っている東コーポレーションに婿入りした昇(岡田将生)は、義父母(矢島健一&中村久美)に付き合わされて岬へとやってきた
プロポーズした場所で記念写真を撮るために訪れたが、何を思ったか、昇は二人を崖から突き落として殺してしまう
そのまま「事故が起きた」という体で演技をするものの、昇の妻・静(松井玲奈)は昇が殺したと感じていた
静はいとこの刑事・巌(江口洋介)に相談するものの、警察は事故死で片付ける方針で、彼女は「私が事故で死んだら、あいつが殺したと思って」と吐き捨てた
一方その頃、父・一平(北村一輝)の再婚相手・遥(花澄)から執拗なストーキングを受けていた朝陽(羽村仁成)の元に、小学校時代の友人・浩(前出燿志)が義理の妹・夏月(星乃あんな)を連れてやってきた
浩は夏月が義父(グレート・O・カーン)を包丁で刺してしまい、行くあてがないので尋ねてきたという
朝陽は快く彼らを迎え入れ、気分転換のために外に遊びに行くことになった
夏月がカメラ好きということで、朝陽は父からもらったお金でそれを買ってあげる
そして、岬が見えるビーチにやってきて、ここで記念写真を撮ろうという話になる
朝陽は夏月を撮ろうとしたが、間違えて動画モードで撮ってしまうのだが、その映像ヤバいものが映り込んでいたのである
映画は、この動画を警察に見せることもなく、動画をネタに昇を脅そうとする朝陽たちを描いていく
昇は婿養子だからお金は自由に使えないと言い、手元にあったわずかな金だけを与えていく
だが、それでは納得できない朝陽はさらなる要求を突きつけていくのである
と、中国の連続ドラマにもなったベストセラーを映画化したもので、中国ドラマはAmazon Primeで配信されていたりする
悪ガキたちがエスカレートしていく様子が描かれるのだが、一応は知能犯VS知能犯という様相を呈している
ツッコミどころ満載の作品ではあるが、思わぬ展開を迎えていくというストーリーテリングは面白いものがあった
パンフレットも結構凝っていて、劇中で登場する連続殺人事件を報じた新聞が織り込まれていたり、その裏面にはテレビ番組欄まで載っていたりする
アプリをダウンロードすればさらなる仕掛けも施されているようで、映画を気に入った人なら、少々値が張ったとしても、購入しても良いのではないだろうか
いずれにせよ、13歳の犯罪に問われない時期を逆手に取った犯罪映画で、サイコパスVSサイコパスを楽しむ映画のように思える
悪人は悪人らしい顛末を迎えるのだが、それらも含めてシナリオが凝ったものになっていた
まともな人が朝陽の母・香(黒木華)しかいないように見えるのも凄いのだが、この母親も結構キテる人なので、泥まみれの展開からの爽快なエンディングになっているのは奇跡的のようにも思えた
(プレミアム公開の類はすべてネタバレ扱い)持っていく知識が多種多様に過ぎる
今年74本目(合計1,166本目/今月(2024年2月度)27本目)。
(ひとつ前の作品「獣手」、次の作品「マダム・ウェブ」)
まず本作は、本日(2/20)にプレミアム公開としていくつかの映画館で公開されていたもので、公開まで2週間以上あることからいくつかのネタバレ制限がかかっているため、これらには一切触れない方向です。
原作作品をもとにしているため、それを超えることはできない状況です。
とはいえ、この作品、極端にマニアックな方向に飛ぶのが非常に厳しく、それがまさに数学という特殊な分野であることに加え、法律系資格持ちが見るとヘンテコな描写の連続なのが厳しく、どういう層を想定しているのか本当に謎です。
ミステリーものという扱いではそれほど傷はないし、舞台となる沖縄の貧困問題ほか、沖縄特有の事情に触れたこと自体は理解しうるものの、本当に「いきなり数学ネタを持ち出す」あたりに何の意味があるのかが不明で(最後まで見ましたがエンディングロールで「数学監修」などの表示がない)、ここも本当に学部以上の知識が必要でかなり厳しいです。
ただ、ごく一部に登場する数学ネタ(なお、数学ネタ自体はトリックに関係しない。これさえ関係すると採点拒否レベル)以外はほぼミステリーものと解して構わないと思います。
内容に関しては上記のようにプレミアム先行上映という特殊な事情でもありますのであまり書かないほうが良いのでしょう。あえて持っていく知識をあげれば「民法、刑法、少年法、行政法総論、数学(解析)」という本当に誰得なのか…といったところです。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/数学ネタ全般に関して)
このことは、映画内で言われる数学オリンピックで扱われる事項では「なく」(数学オリンピックでは微積分は範囲から除外されている)、かつ、この話は「アスコリ・アルツェラの定理」が裏に隠れています。
ある関数f(x)とその導関数(微分した関数)f'(x)の関係が与えられているとき、もとの関数の関係を「常微分方程式」といい、その関数f(x)を求めることを「常微分方程式の解(論)」といいます。この微分方程式は、その関数が「存在するか」「存在するとして一意か」ということは大学以上のきわめてマニアックな話で上記の定理を必要とします(存在、一意性につき)。
※ 複数変数の微分方程式論は「偏微分方程式」、ある関数とその積分関数の関係を求めるものを「積分方程式論」といいます(広い意味で関数解析学の一分野)。ただ、映画内で述べられる「アスコリ・アルツェラの定理」まで把握している人は極めてマニアックではなかろうかと思います(学部、大学院で解析を専攻にした方はともかく、そうでない方は知っている範囲にとどまる)。
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※ かつ、映画内で当該人物が解いているものは、「初期値問題」というものですが(たとえば、関数f(x)に対して、f(0)=1 というように示される)、それを解いて「おしまい」なのであれば、当該人物がいう「微分方程式の解の存在と一意性に興味がある」とは言えません。なぜなら、例えば、中学でも習う2次方程式は重複も含めて2個の解を持ちますが(n次方程式は重複も含めてn個の解をもつ。代数学の基本定理)、「解を求めておしまい」であれば「一意性が担保されない」からです(求めた解以外の解があることの証明ができない)。
この点、本質論はアスコリ・アルツェラの定理なのですが、数学ネタを「一応入れた」という中途半端な状態であるためにヘンテコな状態になっており、何がなんだか混乱します(なお、微分方程式「自体」は高校数学でもギリギリ扱えるため大学入試にも出されますが、解の一意性まで議論する必要はない、とされるのが普通です(これを議論させると、結局同定理を必要とするため))。
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(減点0.2/いろいろと法律に関する解釈が不足している/93、94、95、96、110、177、697、703、708、709) ※ ネタバレ回避のため条文番号のみで記述。すべて民法
これらの解釈がいろいろと変なため、資格持ちは何を言っているのか不明で大混乱をきたします。
(減点0.1/民法860条の3に対する解釈不足によりストーリーの展開がヘンテコ) ※ ネタバレ回避のため条文番号のみで記載
民法860条の3は、映画内で描かれるような範囲では適用がありません(いろいろと解釈がおかしくなる)。
※ 860条の3は比較的最近の条文で、明確に準用規定から排除されています。
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…というか、「大学で数学を学習し、かつ法律系資格の知識まで要求する」というのは本当にやめて欲しいです…(どういう層を想定しているのかが不明すぎる)。
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