ゴールド・ボーイのレビュー・感想・評価
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岡田将生さんが素晴らしい。 そして、昔からかわいい俳優さんを引きず...
岡田将生さんが素晴らしい。
そして、昔からかわいい俳優さんを引きずり出してくることに定評がある(笑)監督が今作で引きずり出してきた女の子もものすごい引力を持ってましたね。と同時にその子含む三人組私は全くの初見でしたが演技力もなかなかでした。
そして港岳彦さんが脚本、柳島克己さんが撮影か。
松井玲奈さんの出てる映画、なんだかんだ何本か観てるんだよな。洋介、渋いおじさんになりましたね。黒木華さん、もうお母さん役やる世代なのか。
いやー、ものすごくおもしろかったです。全然結末が読めなかったけど、観終わったら十分納得の満足感でした。
きっと、原作は面白い
サイコパス対決で勝ったのは
揺さぶられる感情
どう書き記せはいいだろうか?
ここでレビューを書くようになって初めて⭐︎6を付けたいと思った。
貪るように観てた。
次は?これこっからどうなんの?どうするの?荒れ狂う海に翻弄される小舟のような状態だ。酔いしれた。魅了された。なんてものを観てしまったのだろう。
冒頭とラストの戦闘機のジェット音が耳に残る。あの音を聞いた時、俺は何を植え付けられたのだろうか。
クライムサスペンスなのは間違いない。
ないんだが、筋を素直に追わせてくれない。
途中で何を見せられてんだと困惑する。
13歳の純情がそうさせるのだろうか?今にしか残せないものを見せられてるような気になる。
どうやら韓国がオリジナルらしく…流石に唸る。
舞台を沖縄にしたのも、きっと意味があるのだろう。物語が始まれば沖縄のロケーションなど、そこまで意味を持たないはずなんだけど、冒頭に聞こえたジェット音が、沖縄を剥がさないような印象。
メインキャストがとにかくハマりまくってて…子供ら3人は元より岡田氏も、その奥様も、江口氏さえ抜群だった。
特に子供は…アレはなんだ?
どう形容すればいいんだ?
絶品だった。
異常さも信念も儚さも危うさも馬鹿さも幻想や理想も、本作に必要な全てを装備してた。
監督はどんな魔法をかけたのだ?
カメラマンは何を切り取ったのだろうか?
何一つ途切れる事がなく、むしろ作中に引き摺り込まれる。
物語はセンセーショナルな幕開きで、婿養子が義両親を崖から突き落とすシーンから始まる。もう岡田氏の独壇場だ。めちゃくちゃ悪人だ。
彼の計画では、次に妻を殺し、グループと財産を乗っ取る計画だったのであろう。この妻も夫に離婚を切り出しており、その理由が「好きな人が出来たから」とシレッと喋るような人でなしではある。
その首謀者である岡田氏を彼らは強請る。
13歳の少年達が無慈悲な殺人鬼と交渉するにあたり、一歩も引けをとらない。
また、その状況に納得させられてしまう。
過分にキレる頭脳と眼力の強さに射抜かれる。
コイツだけは他と違うと説得された。
少年達の背景も興味深い。
兄妹が置かれてる状況は袋小路だし、ヒロインの葛藤は悲劇的に描かれる。案外ややこしい状況なのにスッと入ってくる。兄の波及効果だと思われる。
この兄が、べらぼうに上手い。
もう異常な程に上手い。
彼が澱みなく、息をするかのように芝居をするから、後の2人の朴訥だったり素っ気なかったりする芝居がキャラに見えてくる。そういう子に見えてくるのだ。
物語的には添え物のような役所だったけど、彼が居なければ、こんな感想にはならなかったと思う。
6000万っていう脅迫で口火を切ったクライムストーリーはゴロゴロと坂を転がり、実の父親と再婚相手の殺害って真相に辿り着く。
たぶん途中で目的が変わったんだと思う。
この転換が秀逸で…それまで冷静だった彼が感情的になる。その牙に押しきられた。
殺害計画が決まり、決行の前にヒロインは「デートをしてほしい」って切り出す。
このシーンをどおいう感情で観ていいのか分からない。もうぐっちゃぐちゃだ。
とても微笑ましいのだけれど、殺人計画の前日譚なのだ。人を殺す重大さとか、その代償とか色々渦巻くはずなのだけど、それを凌ぐ感情があって…おそらく初恋だろう。13歳なんだもの。
彼と彼女にはその日しかないのだ。
恋に100%浸っていられるのはその日しかない。彼女はきっとそうだったんだろうと思う。
タネ明かしは怒涛だった。
一連の事件のカタはつき、淡い初恋をかなぐり捨てた少年の一人勝ちかと思った矢先にもう一波乱。
封筒の差出人を見た時、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。「何が書いてあるんだ?この作品は結末を有耶無耶にするんではなく、逃げないんだな」と思った。
手紙は少年の完全犯罪を覆す内容だった。
それを知った母親をついでのように殺そうとする少年。あんな無慈悲な包丁の取り方って…ゾクリとする。黒木さんはやっぱ流石であった。
拍子抜けな理由で母親殺害をやめる少年。何事もなかったように買い物に出かける。
泣きじゃくる母親の手に握られた携帯。通話中であり7分46秒の通話時間。
彼が殺害を決意するまで7分もかかってない。
沖縄の照りつける太陽の下を歩く少年。
横断歩道で刑事に出くわす。その手に握られている携帯電話。
初めて見せる少年の追い詰められた表情。
背景に飛んでいく戦闘機とジェット音。
刑事と対峙する少年の頭脳は、おそらくフル回転だったのだろう。
エンドロールが流れる中、席を立てなかった。
余韻にずっと浸ってたかった。
最後に刻印される「ゴールデンボーイ2」の文字。
「えっ、嘘だろ…?」
その「2」が「?」に変わる。
どこまで楽しませてくれるんだ、本作は。
もうあるかどうかもわからない「ゴールデンボーイ2」の展開が俺の頭の中を駆け巡る。
いやぁ…凄かった。
今まで感じた事ない没入感だった。
本作に関わった全てのクリエーター達に拍手喝采。濃密な奇跡のような時間を提供してくれた事に感謝してもしきれないのである。
もう「2」とかはやんなくていい。
本作ほど、鮮烈な印象は残せないと思うから。
面白かったぁぁぁぁぁぁああっ!!
ひと夏の◯人日記
『ゴールドボーイ』
冬の“ミスミソウ”なら夏の“ゴールドボーイ”
日中共同プロジェクト
原作 紫金陳「坏小孩」
中国ドラマ版「バッド・キッズ」
そして日本は舞台を沖縄に移した映画版
逸材見つけた感が凄い。
この映画この展開になるの⁉️
日本版はさらにスリリングな展開に
後半はドキドキ
岡田将生、黒木華、江口洋介
脇を堅める実力俳優たち
沖縄の中学2年の夏休みは
とてもスリリングな夏休みだ
良い映画出逢った満足感に浸る
まさに昔見た「ゴールデンボーイ」も観たくなった
ノワール
シーンのつなぎ方がすごいんだよね。
謎を放置したままブツ切れでつないでくんの。
それで興味が削がれないから綿密に作り上げられてる感じがするの。
「どうも一番悪い奴はこいつだな」ってだんだん分かってくるんだけど、そこまでのミスリードもうまいね。
星乃あんなが存在感がある。
さすが美少女起用に定評がある金子修介監督。
でも役柄は可哀想だったね。「マリア様なのか」ぐらいの感じで可哀想感が増す。
練り込まれたミステリで良くこんなの書けたなと思ったら原作は中国なんだね。
確かに最後の黒木華の反応とか日本っぽくなかった。
続編あるみたいだけど、みたいかどうかと言われると悩むところ。観ると思うけど。
観終わった後の感じはスッキリとはいかないしね。
ほんとの悪者は
若い役者さん達が素晴らしい!
日本ではこれが限界か
ドンデン返しものをたくさん観てしまった弊害かな
「白夜行(東野健吾)」のアンサー映画
好評価なので、観ました。
原作は未観・未読だが、予告編にも入っている"冒頭シーン"は「火曜サスペンス劇場」では、半年に1回
邦画でも、2~3年に1度は登場する 極ありきたりなシーンから始まる。
登場人物全員のキャスティング センスが完璧で、各自の演技も 非常に高いが、
星乃あんなさんをキャスティングした段階で、監督の頭の中での本作の構想は「白夜行」だったことは疑いようもなく
作品の前半は、白夜行テイストだった。
夏月兄妹は、義兄弟である必要性はなく、本当の兄妹設定で良いし、
2人のそれぞれにまつわる"不良行為"も あえて脚本に組入れる必然性も無い。
作品に派手さを求めたい気持ちは理解できるが、原作者のご都合主義で
とにかく564が多すぎて、主要登場人物の全員が"悪"では、リアリティが欠け、1つ1つの事案が浅くなってしまう。
人間関係にしても、義兄妹と義兄妹があって、養子問題があって。。。
本作制作者は、もっとシンプルな展開に原作改編した方が、作品の深みもでたでしょう。
ラストだが、いちいち名刺を観て、電話番号を押す時間までは無かっただろうから、
直前に通話した相手に
リダイヤルするのが、精一杯。
よって、最後の電話相手は、東刑事ではないので、とうぜん横断歩道ではスルーされて。。。
その後逮捕されるが、実証的には不起訴になる方向性だろうが、本作に隠された鍵が隠されており、
ラストは逆転があって。。。と言う"裁判映画"になるのでしょう。次作があるのなら
撮影はきちんとしていたが、画面全体の色調が、どうも荒くて 暗かったが、これは 何を意図したものか、監督に聞いてみたい。
原作が、どの程度のものか 気になったので、今度「バッド・キッズ 隠秘之罪」を観てみたいと思う。
鑑賞動機:原作の評判5割、評判5割
『悪童たち』は未読。
うわあ、これはなるほどそうきますか。こんな話だったんだ。中盤までは『青の炎』や『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』あたりがチラついたりしたが、別物だった。脚色が上手いのだろうね。
岡田将生は悪い役やってる時の方が好きかも。黒木華は終盤のアレがインパクトあった。そして若い三人も非常に難しい役どころを的確に捉えて演じていた。ちょっと彼女に満島ひかりの影を感じると言ったら褒めすぎか。
どうみてもイケメン・サイコパスVS頭脳明晰・普通の中学生♪
とても面白い作品でした。いまやサイコパスをやらせたらこの人しかいない岡田将生!
向井理でもいいけどね~♪VS旧ジャニーズの羽村仁成くん。この子どうみても普通嫌地味です。最初は一番真面目でオトナシイけど頭がいいだけの子?と思いきや、どんどん表情が変わっていくのが面白いです。ある意味”悪人顔”になっていきます。この流れがとっても面白いし【どうなるの?どうするの?】感情万歳でみれました。後半の母親との対決で、”んーーもうウザイなぁ・・・”と言って母親を殺そうとするシーンが現代のキレやすい子供たちなのか?と恐怖を感じるリアル感です。脇役の北村さん、黒木さん、江口さんもとてもいいスパイイスで演出してくれて、ぐんぐん引き込まれて”あっという間”に終わりました。最後は、どうなったのか?皆さんの創造の世界です。挿入音楽にマーラーの交響曲第5番などが込められているのも素晴らしい♪
なんでこうなった?!
いや、いや、岡田将生よ。もう完全に新しい道開拓してるやん。あのなんとも言えない飄々とした、何考えてるか分からない感よ。最高でした。めちゃくちゃ胸くそ悪い映画ですが、めちゃくちゃ面白かったです。
社長令嬢と結婚した玉の輿婿さんが義理の両親を崖から突き落としたところを、たまたま撮影していた中学生3人組から金目的で脅されるって話で、いや、もう危ないから、その人異常者やから、子供の敵う相手じゃないから、って思っていたら、もうおい、おい、おい、こっちも怖すぎる!頭脳明晰な中学生と目的の為なら殺人も躊躇わない男との心理戦が繰り広げられ、終始ただ事じゃなかったです。
最後はなんとかかんとか終わってくれたな、って思ってたら、え?なに?続編?ほんまやってくれましたわ。
マーラー5番葬送行進曲があのような使われ方をするとは…
面白かった❗デューン2よりも心に残った! 口コミで盛り上がる理由も分かる。
まさか、マーラー交響曲第5番第1楽章葬送行進曲がサイコパス岡田のドヤ顔に使われるとは…
アダージェットは「ベニスに死す」で有名だが、冒頭の乾いた感じのトランペットから始まる葬送行進曲をこのような使われ方をした映画を私は知らない。
ただ、映画冒頭の音楽ですがなんか聴いた事がある。クラシックをアレンジしたモノだけど、これがわからなくて、ずっとモヤモヤしていた。
エンドロールにも説明なかったし、
もう1回観れば分かるかも。
しかし、ネタ命のこの映画、2回目観ると折角の感動に水を差すと思われる。
頼む、誰かオリジナル曲を教えて下さい!
中華系自主映画?な、ジュブナイル・ノワール
本作は、『白蛇:縁起』(2019)、『ナタ転生』(2021)、『羅小黒戦記』(2022)などの中国アニメをはじめ、妻夫木聡が参加した中国の探偵コメディ『唐人街探偵』シリーズ(2 2018年、3 2021年)などを配給するチームジョイが製作したクライム・サスペンス。
すでに中国でドラマ化され人気を博した、紫金陳が執筆した『悪童たち』(2014/2021年 ハヤカワ文庫)を原作として、初めて映画化した作品である。
【以下ネタバレ注意⚠️(1回目)】
原作が中国の人気作家による推理小説であり、また、本作の制作・企画にチームジョイ取締役の許曄、制作・製作総指揮に同社CEO 白金の名前がクレジットされていることからして、本作は半ば以上、中国シフトの体制で製作されたことが分かる。
(ただし、チームジョイは、渋谷区神宮前に所在する日本企業のようではある。)
本作が面白くない、と言えば、嘘になる。
筋立ては、原作が良いのか、驚きに満ち、充分面白い。
俳優陣も豪華。
ベテラン、新人とも適役が揃い、スタッフも百戦錬磨の実績のある強者ばかりだ。
ところが、何故か、妙にチープな、低予算感というか、残念なニュアンスが作品全体に漂っている印象を払拭できなかった。
今まで、中国製の映像作品の配給では実績をあげてきたものの、本格的な映画製作は初めてと見受けられるチームジョイのインディペンデント性によるものかも知れないと考えたが如何だろうか。
スタッフの各トップには手だれを迎えても、アシスタントをはじめ実働部隊の手薄さが、こうした「安い」印象のもとではないかと睨んだ訳である。
*同様の印象は森達也監督の『福田村事件』(2023.12.25 Filmarks短評投稿)にも感じたところである。薄味の本作に対して『福田村‥』は濃厚な味つけではあったが。
また、製作会社がメジャーでないことのデメリットとして、経営が自転車操業であることもあってスケジュールに余裕がなく、ポストプロダクションやPR、プロモーションなどがおろそかになりがちだ、ということがあるだろう。
大手であれば、撮影等は1年前に済ませておいて、完成作の仕上がりを見て宣伝戦略を立てるはずのところが、そういったことも出来ていない可能性があるのではないか。
金子修介と言えば、2021年、ミヤオビピクチャーズという個人会社による初製作映画『信虎』(2024.2.22Filmarsレビュー)という、豪華なキャストを使った自主映画テイストの個性的な時代劇を監督したことが記憶に新しい。
それに対して、本作は、セミ中華系自主映画といった性格もあるのではなかろうか。
そうした印象を強くしたのが、本作におけるBGM、冒頭の岬の殺人シーンから流されるマーラーの交響曲第5番(以下、マラ5)の使い方である。
マラ5と言えば、ヴィスコンティの『ベニスに死す』(2023.12.25 Filmarks短評投稿)で使用されたことで映画ファンにも知られているところ。『ベニスに‥』で使われたのは、マラ5の第4楽章アダージェットである。
本作では、終盤近く、朝陽と夏月の一回だけのデートの際に、アダージェットが流れるが、上述したように、他の楽章(主に第1楽章か)からの音楽が、かなりのシーンで用いられている。
特に、ラストシーンに至るシークエンスでは、マラ5第1楽章の冒頭部分が流され、あまつさえ家から外出した朝陽がそのメロディを口ずさむ。
このマラ5全体の開始部分は、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」冒頭のファンファーレを嬰ハ短調にアレンジして葬送行進曲としたもの。
第4楽章アダージェットは、ヴィスコンティも本作もそうしたように、愛のテーマと見なして良い。
つまり、マラ5は、全体として「愛と死」を音楽によって描いた作品だと言える(まぁマーラーの作品はほとんどがそうだと言えてしまうのだが)。
プロポーズの想い出の場所である岬を再訪した老夫婦が殺されるシーンから始まる本作の主題曲としては、まさに打ってつけであると言えよう。
ところが、本作では、マーラーの原曲のままではなく、妙に薄手のアンサンブル(電子ピアノか?)で演奏され、メロディラインにまでも変形の手が加えられている。
マーラーファンとしては、最初「あっ、マーラーだ」と気づくものの、次の瞬間には聴きなれないチープなアレンジに妙なイラつきを覚えてしまうのだ。
‥‥ということで、最初の印象が要らぬ先入観となってしまったのかも知れないが‥‥
あとは、本作の良いところをホメなければならないが、何を書いてもネタバレになってしまうので、改めて、興味を持たれた方は、先に鑑賞されることを強くお薦めする。
【以下ネタバレ注意⚠️(2回目)】
サイコパスを演じさせて岡田将生の右に出る者はそういないだろう、と誰もが思うキャスティング。
岡田も見事に難役をこなし、期待に応えている。
それに増して、驚かされたのが、主役安室朝陽を演じた羽村仁成(16歳)だ。
始まってしばらくは、登場人物のうち、もっともピュアな少年に見える。容姿もしかり、賢そうな話し方もしかり。
ところが‥‥
難役に違いない。
岡田が期待通りだったとすれば、羽村は想定外の演技/存在だった。
本作、最大の殊勲賞と言える。
ジャニーズJr.だったそうではないか。
やはり旧ジャニーズ事務所は若手俳優の宝庫だ、という伝統は受け継がれていたようだ(『夜明けのすべて』2024.2.19Filmarksレビュー参照)。
どこかで見たことあると思ったら、TBS放映のクドカンドラマ『俺の家の話』(2021年)に出てたのか。
ヒロシ役の前出燿志は、昔のキムタクに似ていて沖縄の少年らしさを発揮。
ただし、本作では、沖縄言葉(ウチナーグチ)が全く使用されていないことは減点要素にはなろう。
福井舞台の『罪と悪』(2024.3.4 Filmarksレビュー)が福井らしさを感じさせないのに比べれば、ロケ地ばかりでなく、沖縄らしい道具立てにかなり工夫が凝らされてはいた。
2回ネタバレ注意を促したし(そもそも本レビュー冒頭にも書いてしまったが)、改めて明記してしまうと、本作は、ジュブナイル・サイコ・ノワールである。
プロットは、原作の良さに起因してか、よく出来ていて驚きもあるが(脚本の穴は指摘するとかなりある)、ノワールだとするには、低予算感も相まって、あまりにも軽量級な感じを否めない。
この点、少年少女を主人公にしても、容赦なく(本作も描写自体は容赦ないが)ノワール感の演出に長けた韓国映画に敵わない。
香港関係者が本作には多く参加しているようだが、『インファナル・アフェア』などを観たのはだいぶ前で記憶も薄れたものの、香港映画ももっと重厚だったはずだ。
スコアは、プロット展開の面白さでは、
4.0
としても良いが、脚本の穴、全体として感ずるチープさ、ノワール感の欠如が減点で、
3.7( 映画.com は 0.5 刻みなので 3.5 )
とした(齊藤勇起初監督作の『罪と悪』のようには特に応援しなくても良さそうなので)。
本作はポスター/チラシのアートワークにも見られたようにマイナー感を払拭できず、興行成績も振るわないようだが、今後、根強いファンによってカルト的な人気を維持していくこととは思う。
そのことと、香港、中国、韓国をはじめとするアジアでの人気獲得とは、おそらく別の話になるはずだ。
推移を見守りたい。
※以上、Filmarks投稿を一部修正して投稿
少し期待しすぎて、鑑賞してしまったため、思ったよりは面白くなかった...
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