「失われた後にこそ」21グラム カメさんの映画レビュー(感想・評価)
失われた後にこそ
個人評価:4.4
生命は失われた後にこそ、その命の重さを感じる事が出来る。面識の無かった3人の人間が、命の重さと生命の連鎖によって出会うべくして出会う。
命が失われて初めて、その命の重さという呪縛に、彼らは苦しみ救いを求める。それは生きている命では感じなかった命の重さ。
命の重さを鍵とし、贖罪と許しをテーマに人生を描いている。
また、本作は時間軸をバラバラにして構成している。一見わかりづらい演出だが、そうではない。結末や慟哭を解っているからこそ、序盤の彼らの考えや行動が伏線となり、より深く言動を理解する事が出来る。2回3回と鑑賞しないと分からない心の動きを、初見で感じる事が出来る考え抜かれた編集構成である。
また3人の名優が本当に命を削る演技をしている。
アレハンドロ・ゴンザレスだからこそ出来る鉛の様に重い物語である。
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