ボトムス 最底で最強?な私たち

ボトムス 最底で最強?な私たち

解説

クィアの冴えない女子高生2人組が人気者のチアリーダーたちの興味を引くためファイトクラブを結成する姿を描いた学園コメディ。

同じ高校に通う親友同士のジョシーとPJは、チアリーダーのイザベルとブリタニーにそれぞれ思いを寄せていた。2人は今度こそ意中の相手と結ばれるべく、自己防衛とフェミニズムを建前に女子だけのファイトクラブを立ち上げることに。計画は思いがけず上手くいき、2人はイザベルやブリタニーとも親交を深めていくが……。

「BODIES BODIES BODIES ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ」のレイチェル・セノットがPJ、ドラマシリーズ「一流シェフのファミリーレストラン」のアヨ・エデビリがジョシーを演じ、「赤と白とロイヤルブルー」のニコラス・ガリツィンが共演。カナダ出身の若手監督エマ・セリグマンがメガホンをとり、セリグマン監督と主演のセノットが脚本を手がけた。

2023年製作/91分/アメリカ
原題または英題:Bottoms

スタッフ・キャスト

監督
エマ・セリグマン
製作
エリザベス・バンクス
マックス・ハンドルマン
アリソン・スモール
脚本
エマ・セリグマン
レイチェル・セノット
製作総指揮
テッド・デイカー
エマ・セリグマン
レイチェル・セノット
美術
ネイト・ジョーンズ
音楽
チャーリー・XCX
レオ・ビレンバーグ
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フォトギャラリー

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(C)2023 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

映画レビュー

4.0おもしろかった

2024年11月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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ティム2

3.5Why'd you have to go and make things so complicated? あっ、そういうリアリティラインの作品なんですね。

2024年10月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

萌える

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たなかなかなか

3.5学園ドラマもここまでやると面白い

2023年12月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

単純

興奮

主人公は女子高生の親友同士、ふたりともチアガールに熱を上げていた。
近付くために、フェミニズムを旗頭に女子のファイトクラブを立ち上げる。
思いの外うまく行って、二人は意中の女子と・・・。
女の子が殴る蹴る、殴られ蹴られ過激な展開となるが、男って何者?

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いやよセブン

4.0ファイトクラブつくろうぜ

2023年12月2日
PCから投稿

PJとジェシーはふたりともレズビアンだが親友。おたがいにチアリーダーの子に欲情し、やりたいと思っているが、彼女らは映画タイトルどおりスクールカーストの底辺でうごめいているので、護身クラブをつくって気を惹こうとする。

フットボールチームのバイキングスが試合をひかえているハンティントン高校は、遠征試合先で選手をころしたり生徒をおかしたりするのでそのための護身クラブをつくった態(てい)にして頭の柔らかい顧問もつけた。

護身クラブは誤解されたまま盛況し、ジェシーはめでたくイザベル(かのじょはバイだったので)とやれたが、PJが欲情していた相手はストレートだった。

ガールフレンドのイザベルをとられたことに怒ったクオーターバックのジェフは護身クラブの秘密──たんにPJとジェシーがチアリーダーとやるためにつくったクラブであることを暴露し、クラブは分解、PJとジェシーも喧嘩別れする。

が、遠征試合直前に仲直りし、フットボールフィールドで護身クラブらがハンティントンの選手を殴る蹴るの肉弾戦になる。そんな中、ジェフが重篤なアレルギーを負っているパイナップルのジュースがスプリンクラーに仕込まれていることを発見し、ジェフを中毒殺害から救い、みんなから見直されてめでたしめでたしになる。

imdb6.9、RottenTomatoes91%と89%。

キャラクターも雰囲気もブックスマート(2020)ぽいが、もっと派手な乱痴気が繰り広げられる。とはいえソウルメイトとの喧嘩別れやブレックファストクラブみたいなところもあり、しっかりした学園ドラマの体裁を踏襲している。

カナダ人の監督Emma Seligmanはユダヤ教のコミュニティで育ち、それにもとづいたコメディShiva Baby(2020)で評価されたそうだ。

Shiva Babyで主役を演じたレイチェル・セノットがPJ役として再起用されている。レイチェル・セノットを見るとわかるとおり“とろん”とした所謂sleepy eyesで、この手のオフビートコメディに適任だった。

sleepy eyesはくっきりした二重とセットというかくっきりした二重でないとsleepy eyesにならない。昔ロバート・ミッチャムがsleepy eyesと言われた。ロバート・ミッチャムはコメディはやらなかったが殺人鬼はやった。sleepy eyesはコメディも殺人鬼もどちらも映える目だと言える。

相方のAyo Edebiriも活き活きとしていて、ブックスマートのケイトリン・デバーとビーニー・フェルドスタインしかり、キャラクターの愛嬌が命だと改めて思った映画だった。
つっこみどころを蹴飛ばす底抜けの明るさと楽しさ、ばかっぽさ。

しばしばばかっぽいと形容することがあるが、クリエイターサイドがばかではばかっぽさは醸せないと思う。
たとえば同じスラップスティックなムードをあつかったコメディといえど浦安鉄筋家族のクソつまんなさと物慣れたあっちの学園コメディはちがう。(牽強付会であって、いちいち関係ないものを引き合いにするなという話だがわかりやすい比較が必要だと感じた。)

Emma Seligmanのwikiには彼女がデビュー作であるShiva Babyで既にコメディへの理解とプロフェッショナルな映画製作を成就させていることにたいする批評家からの称賛があがっている。

コメディの理解にくわえてクイアに立脚することでEmma Seligmanの株が上がっている。これは先日レビューしたAftersunのCharlotte Wellsや、アニメ「ニモーナ」のND Stevensonにも言える。
きょうび、クリエイター資質とlgbtq界隈需要が重なると強いが、クリエイターがゲイやクイアなのは偶然だ。それでも映画Bottomsにはなんとなく、監督が女性だという感じがある。すなわち資質と性がしっかりと結束して主張している。有能な監督だと思った。

かつて21世紀の女の子(2019)という日本の女性映画監督をあつめたオムニバス映画をレビューしたことがある。「自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーが揺らいだ瞬間が映っていること」がテーマだったが、中身は実力はないけれど若い女性なので許してねという売り方をする日本らしい企画だった。

ここ数年のあいだに、若い女性だからゆるしてねという美術館女子とか何何女子という企画が(個人的な感じとしては)ことごとく消えたという気がする。おそらく有能で実力のある女性が世界に溢れ出てきて、恥ずかしくて企画化できなくなったのではあるまいか。

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津次郎