シチリア・サマー

劇場公開日:

シチリア・サマー

解説・あらすじ

イタリア・シチリア島の美しい景色を背景に、少年たちのみずみずしい初恋と彼らを待ち受ける運命を、実在の事件を基に描いたラブストーリー。

1982年、初夏のシチリア島。16歳のニーノと17歳のジャンニは、バイク同士の衝突事故をきっかけに運命的な出会いを果たす。育った環境も性格もまったく異なる彼らはひかれあい、友情は激しい恋へと変化していく。かけがえのない時間を過ごす2人だったが、彼らのまぶしすぎる恋はある日突然の終わりを迎える。

オーディションで選ばれた新星ガブリエーレ・ピッツーロとサムエーレ・セグレートが主人公ニーノとジャンニをそれぞれ演じ、「はじまりは5つ星ホテルから」のファブリツィア・サッキが共演。「海と大陸」などに出演する俳優ジュゼッペ・フィオレッロが長編初メガホンをとり、イタリア最古の映画賞であるナストロ・ダルジェント賞で新人監督賞を受賞した。

2022年製作/134分/PG12/イタリア
原題または英題:Stranizza d'Amuri
配給:松竹
劇場公開日:2023年11月23日

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映画レビュー

4.0イタリア映画の変容と底力を感じさせる1作

2023年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

乾いたシチリアの夏。バイク事故がきっかけで知り合った2人の少年が、やがて惹かれ合い、恋に落ちていく。

しかし、島民たちの嫌悪感と偏見が恋の行方を遮断する。

あまりに衝撃的なこの物語が事実に基づいていることにまず驚く。この事件を受けてイタリア最大規模のLGBTQに関する非営利団体"アルチゲイ"が設立されたというから事実に違いなのいだが。

時代は1982年。例えば、『君の名前で僕を呼んで』は同じ時代の北イタリア、ロンバルディアの夏が背景になっていた。こっちはアンドレ・アシマンの原作小説をジェームズ・アイボリーが脚本にした、言わばフィクションだし、2つの作品を単純に比較することは無意味かも知れないが、風土や価値観によって差別にも温度差があることは否めないだろうとは思う。

シチリアの青い海と空、カラフルなファッション、ワイルドで暴力的な若者たちetc、これが長編デビューのジョゼッペ・フィオレッロ監督の演出からは、イタリア映画界のレジェンド、ピエロ・パオロ・パゾリーニの影響も感じる。イタリア映画の変容と底力を感じさせる1作だ。

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清藤秀人

5.0愛の不思議

2025年3月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

観終わった瞬間はどう考えてもバッドエンドだと思ったけど、もしかしたらハッピーエンドだったのかもしれない。

副題はきっと「家族愛」だろう。一見、仲が良く厳格な父を持つ愛のある家庭のニーノと血の繋がっていない暴力を振るう父に反抗出来ない母親を持つジャンニ。しかし実際に2人が当時のイタリアでは禁忌である関係にあると知った時、ニーノの父は叱責し小屋に閉じ込めジャンニの母は受け入れ背を押した。当時の基準も踏まえてもどちらが正しいという事は判別出来ないが家族愛の要素とするには十分だと思う。

初めて見た時、ラストの銃声にとんでもなく驚いたのを覚えている。これが実際に起きたという事、思い返せば犯人を匂わせるシーンもあった。この事件で人生が変わったのは当事者2人だけじゃないということを深く考えさせられた。

2025/2/26

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暇

3.0あまりに悲しい恋の行方

2025年3月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人的にはこれといって特別このテーマに興味があるという訳ではないはずなのだが「君の名前で僕を呼んで」や「Summer of 85」がとても良かったので、そのあたりの雰囲気を求めて鑑賞。
これは別物。甘酸っぱいとかほろ苦いとかのレベルでは全然収まらない明日なき青春劇。
本作の舞台は避暑地ではなく、主人公達の背景も裕福という感じではないため、映像的にどうしても重苦しく映るし、特別なことに対しての大衆の反感があまりにどぎついため、観ていてとても辛く気が滅入ってくる。
ましてや衝撃のラストは、犯人は誰か?なんて考えたくもないほどショックで、居たたまれない気持ちになる。
シチリアのきれいな景色も、このストーリーの中では彩りを失い哀しく映る。
全体を通し良い作品だとは思うし個人的にも嫌いではない作風なのだが、本作を2度観る気力はしばらく湧かない気がする。

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いけい

4.0イタリア映画

2025年3月1日
iPhoneアプリから投稿

凄いね。WOWOWでなんと無く見てた。
ラストは予測さえ出来なかった。実話なのかな。

イタリア・シチリア島。バイク同士でぶつかり一方は気絶して息もできなくなったジャンニ。に駆け寄ったのは、助け出すニーノ。育ちも性格もまるで異なる2人は一瞬で惹かれあう。
もしかしてこれ名作なのかな。思い出した作品があった、モニカベルッチの名作「マレーナ」に似ている。
差別は人間の醜さ露わにし、エゴでもある。ストーリー中の言葉で、秘め事にすれば100年続く、青年達の未来は。。

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ken

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