52ヘルツのクジラたちのレビュー・感想・評価
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象徴的に流れる「52ヘルツのクジラ」の叫び。
生き辛さを抱えていて、なかなか人には伝えられないという思いを持った人は少なくない。そんな状態を「52ヘルツのクジラ」という、耳慣れない詩的な言葉で表現したことにまず興味をひかれる。この物語の中心は貴湖(キナコ)であり、安吾(アン)から受けた恩を、少年(52又はムシ)を通じて返すという話である。安吾も少年も辛さをあまり外に表現しないから想像するしかないが、貴湖は分かりやすくこの世の不幸を一身に背負ったような人である。貴湖を傷つけた人は二人いる。一人は母であり、愛されたいと強く思っているのに虐待をされた。もう一人は恋人であり、信頼していたのにひどく裏切られた。どちらの場合も安吾に助けられた。それによって貴湖の心の中で安吾の存在はあまりに大きくなっている。そして今となっては、安吾に何もしてやれない後悔みたいなものが強くある。そんな時にムシと母から呼ばれる少年との出会いがある。この少年の不幸っぷりも貴湖に負けていない。母親から「あんなの生むんじゃなかった」とまで言われて育ち、しゃべることもできない。貴湖のこれまでの生い立ちと経験から、少年を放っておけないのは当然と思える。安吾から受けた恩に応えたいという気持ちがあったのだろう。この物語の現在進行形のテーマはこの少年を助ける事である。小説では、少年を助ける苦労が中心に描かれているようだが、映画では現在と過去の対比をうまく使って、貴湖や少年の心情を美しくクローズアップしているようだ。
登場人物たちが、辛いことがあると象徴的に「52ヘルツのクジラ」の叫びが流れる。あまり細かな描写がないため分かりにくい面もあるが、情緒的にはとても共感できる作品になった。
間違いなく今年の賞レースに絡む傑作
とにかく杉咲さんと志尊さんの演技がとても素晴らしい。2人にとって代表作になるだろう。2人共、演技を超える高次元の表現力で日本を代表する俳優だと感じさせた。
これは原作を読んでいたため外さないとは思っていたが、杉咲さんが市子で失った作品選びの信頼はだいぶ回復した。
一部原作とは変わっているものの、原作の世界観そのままであったし、原作にあるたくさんの題材をよくあの時間で収めたと思った。原作ではもう少し先まで描かれているが、時間を考えれば妥当だと思った。アンさんの背景が映像化することで原作よりわかるようになったのも良かった。
子役の桑名くんも話せないなか難易度の高い演技を見事にこなしていた。将来が楽しみな俳優を知れたのも収穫だった。
キャストが全体的に良く、真飛さん、西野さんもかなりの役柄ながら素晴らしかった。特に西野さんはこんなにも演技が出来るのかと驚いた。金子さん、池谷さん、余さん、倍賞さんは安定してとても良い味をだしていた。
杉咲さんの髪と共に表情がどんどん変わっていき、人間らしさや女性らしさが出てくるのも見所だと思った。
風景もとても綺麗であのテラスは行ってみたいと思うほど良かった。
原作のイメージとかけ離れていた宮沢さんと小野さんは残念だった。せめて演技が良ければ良かったのだが他のキャストが上手いだけに目立ってしまった。原作の主税は身長が高いというより肩幅の広いイケメンというイメージだったため宮沢さんとは印象がかなり違った。演技に関しては特に食堂のシーンが大げさだった。原作の美晴はキラキラした可愛さがありながらサバサバしたイメージだったが小野さんの美晴はがさつなうざいキャラになっていた。小野さんは以前発達障害の役を好演していたので期待していたが、アドリブと思われるシーンは自然で良かったが、全体的に芝居がくさかった。予告動画でこちらが恥ずかしくなる「もういい」しかり、美晴が話していないシーンの顔が作りすぎていて、子役の方が比較にならないくらい聞き手の演技が上手かった。
杉咲さんのボサボサ髪のウィッグがやり過ぎだと思った。介護中もだが、家を出た後の髪が介護して3年でいくら身なりを気にしてなかったとはいえ、あの若さで(高齢者でさえも)あそこまで髪質がボサボサにはならないと思う。昔のコントで爆発した後みたいだった。介護中は髪の艶がなく少し乱れるくらい、家を出た後は艶なしくらいがちょうど良かった。
とはいえ、そんなマイナスを大きく上回る杉咲さんと志尊さんの演技が素晴らしかったので大満足だった。
生きづらさを通じて変わる事に関して色々感じた作品
変われる喜び、変わりたくても変われない悲しさ苦しさ、変わってしまう愚かさ悲しさ、そして変わらないことの良さもあったり。
様々な生きづらさを通して、人生や性格、人間関係なんかの変わり様が描かれていたような気がする、そんな作品でした。
個々の抱える生きづらさ、問題ひとつでも1作品のテーマになりそうなのに、そんな事がいくつも描かれるので、見てるとだんだんとしんどい気持ちになってくる。
杉咲花さん
「市子」で個人的には印象がすごく変わった俳優さんですが、本作でも市子のように過去に暗いものを持った人物を演じている。
こういう役を演じたらホントお見事な感じ。
ただ悪い言い方をすれば市子感が拭えない感じはある。黒いワンピース着てたりするし。
まだ市子も上映してるし、そこはどうしてもなんだかダブって見えてしまう。
本作誰かを救うって事が次から次へと引き継がれていくって話が軸かな?と思うけど、
個人的には変わるって事が強く印象に残った。
人生やり直すように変われたり。
昔とは、出会った時とは人が変わってしまったり。
変わりたいのに、変われなかったり。
変われるって勇気ももらえる気がするけど、変われない怖さや変わってしまう事の悲しさなんかも印象的だった。
ただ変わらない友情、優しさなんかもあって、変わらない事の良さもちゃんと描かれていたかなと思う。
物語は一応ハッピーエンドのような雰囲気だけど、経験した過去はどうにも捨てられない事なんかを考えるとまだまだきっと苦労する事も多いだろうと思うと暫定ハッピーエンドみたいな感じ。映画は終わるけど人生はまだまだこれからな感じ。
ヤングケアラー含め介護の問題も扱われ、そういった人たちにも届いて欲しい気もする作品だけど、そういう人ほどなんだか届きにくい気がするのは非常にもどかしいところな気がする。
重たい内容が次々と描かれるので、しんどい気持ちになるけど、表面からは見えないけど誰もが生きづらさとかも抱えているのかもしれないと思うと人に対して寛容にもなれるような気がしたそんな作品でした。
トゥルージェンダーは障害者じゃないし、女性はサンドバッグじゃない
前提の話になりますがトゥルージェンダーと言うのは私が独自に考え、勝手に使っている呼称です。非公式のものです。ご存知なくて当然ですので気になさらないで下さい。
使ってる理由としましては、本来はトランスジェンダーと言われてますが、私はその呼称にイラつくのでこう呼んでいます。トランス(超越する、枠を超えるという意味の英単語)は違法薬物でそういった状態になる、という解釈もあります。私が確認した限り、彼女らの大多数は違法薬物でトランスして性別を選択したのではなく、彼女らの自由意志で選択したからと解釈しております。のでこの呼称は彼女らを強く侮辱していると感じ私はこの呼称を使いたくありません。彼女らはただ生きてる内に自身の真の性別(トゥルージェンダー)に気付いただけ。病気でも障害でもおかしい訳でもなく普通の事なんですよ。ただそういった人が少ないからあまり認知されていなくて定番になってないだけ。因みに私は当事者ではないので知ったかぶっているだけですが、部分的には勉強して0.1%でも多く知ろうと出来損ないなりにやれる事はやってるつもりです。話は戻りますが、強いて障害、であると言うならそれは彼らの自由意思に反して医療も法も何もかもが遅れていてそれが彼女らに肉体的精神的苦痛を与えている「障害」があるだけだ。当事者の彼女達はおかしくない!ホルモン注射もタダじゃないし、性転換は激痛が伴うし、20代で更年期障害みたくなるんですよ?有り得ます?
前置きが長くなりました。映画の感想です。今の日本が遅れているというのを表現してるのもあるんでしょうが、トゥルージェンダーの方や女性を釣り餌にして安いお涙頂戴の三文芝居を観せられてる気分でした。これじゃ韓国映画やハリウッドには負けて当たり前だな、と。2021年本屋大賞受賞したらしいけどこの映画見させられて原作読みたいとまではなりませんでした。
監督や原作者のwikipediaを見た限り特に問題あるような感じはしないので、取り扱うテーマが雑多過ぎたのかなぁ、と言うのが率直な感想です。原作者は福岡出身らしいですけど、一食で水炊き、もつ鍋、鉄鍋餃子、豚骨ラーメン等を一気に食べさせられた気分です。郷土料理を深く理解するなら一食一食私なら食べたいです。特にトゥルージェンダー。あれは雑多に混ぜ込める題材じゃない。まだまだ情報が足りないし、解釈が千差万別で定義が固まってないんですから。料理に例えるならヴィーガンの方向けの疑似肉料理?あれと同じだ。可能性の塊だが定着していない。
更に言えば彼女達は客寄せパンダでもない。あんな中途半端な扱い方して欲しくなかったな。まだ「性同一性障害」とか前時代的な呼び方が定着してるから、志尊淳さん演じる岡田安吾氏が余貴美子さん演じる実母の岡田典子氏に「障害者だ、育て方が悪かった」と言ってるのはまぁリアリティある雰囲気は出してたけど…あんな結末ありきたり過ぎだろ。世界の中心で愛を叫ぶのは平成までにして下さいよ。それとも恋愛小説ってまだその領域なんですか?今令和ですよ?違う景色を魅せて欲しかったなぁ…トゥルージェンダーの方の事を勉強したいと思って久方ぶりに映画館に行ったがこれは…酷いとまでは言わないし具体例を出せないのが歯がゆいがもっとこうなかったんですか?またトゥルージェンダーの方を題材にした小説を書かれるのかは不明ですが次作はこういうの無しにしてくださいよ。頼みます。
さて、ここで話題は変わりますが主演の杉咲花さん演じる三島きなこ女史について。彼女出る映画間違えてませんか?タイトルは「ロッキー52」に改名した方がよいのではないでしょうか。それ位殴られてるし入院沙汰になってますよね?え?現代の女性ってイケメン等に殴られて傷だらけになるのがステータスなんですか?港区女子も地雷系女子もパパ活女子も頂き女子も?…だとすれば私精神障害者当事者なのですが、私から見てもあなた方は明らかに異常ですから精神科・心療内科に行かれるかカウンセリングを受けて認知行動療法等で認知の歪みを解いた方がいいですよ…あなた方は「こっち側」だし、死にますよマジで。そういった方はパートナーが居るから魅力的なのでしょうが折角生まれてきたのにそれは勿体ないですよ。破滅願望があるなら恐らく完治は無理なのでそれでも構いませんが…それが多数派だったら日本人は絶滅しますよ。死活問題だ。それ位私はカルチャーショックを受けました。交際経験ないんですけどこれなら独り身の方がいいかなー、と。カップル怖いわ。逆にこれ観れるカップル怖いわ。更に言えばこれが多数派だったら尚怖いわ。女性サンドバッグじゃん。それがリアルでない事を切に願います。
まぁここまでボロクソに書きましたが全部が全部酷いって訳ではない。正直作品としては面白かったし泣けた。私もういい歳のおじさんなので涙もろくなったのですが、杉咲花さん演じる三島きなこ女史の「生きたい…」という細胞一つ一つから出る心からのSOS信号を目にした時は涙が止まらなかった。そうだよな、大半の人間は死にたくて死ぬ訳じゃないよな、辛かったよな、助けてほしかったよな、気付いてあげられなくてごめんな…と。今も思い出して書きながら涙がこぼれてきます。それ位彼女の演技は素晴らしかった。原作者の文章がよかったのか、監督の見事な演出もあるのか双方なのかわからないが素晴らしかった。他にも感動できる所は沢山あるのですが、今回はそこを推します。彼女は凄いと言っても言い足りない位壮絶な経験をして傷つく必要ないのに傷つき過ぎた。でも、それでも、彼女は生きる事を選択し、似たような傷を負って苦しんでいる桑名桃李さん演じる三島愛(いとし)さんを傷だらけの状態で懸命に関わった。彼女は強い女性だ。私では逆立ちしても敵わない。最強だと言っていいね。だからそんな彼女を不必要に傷つける演出には強い殺意が湧いた。彼女前世で一体どんな悪事を重ねたんだ⁉それ位に理不尽だった。
あぁ、それで思い出した。挿入歌にTHE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」を口ずさんでいた場面があったが、あれは賛否が分かれるだろうな。使うなら徹底的に使ってほしかったな。あれは良い唄なんだから。
まぁ全部が全部ダメ、という訳ではないけど一言で言うなら「題材の調理方法を間違えたな」という印象です。俳優さんの演技も良かったのですが私は彼らを推して観に行ってる訳ではないので最低評価を付けさせてもらいます。今後は勉強になる映画が出てきてくれる事を切に願います。因みに私が勉強させていただいてるのが(ステマになるかな?)↓
・性別逆転夫婦 みゆ&あゆむ(トゥルージェンダー当事者Youtuber)
・女になる(上記Youtuberのみゆさん主演のドキュメンタリー作品。アマプラ)
です。URLが原因なのか使用できない文字が含まれていたのでそれは削除しました。宜しければ是非。長駄文失礼致ししました。
キナコと市子
虐待に始まり、いろいろな事件・テーマが盛りだくさんで
ココには書ききれません劇場でぜひ
やはり素晴らしかったのは杉咲花の演技ですね
この演技を観に行くだけでもいいんじゃないかな
志尊淳の髭の意味は中盤で・・・
氷魚くん女性をグーで〇っちゃだめですよ
☆☆☆☆ 原作読了済み。 これは先日に観た『夜明けのすべて』と同様...
☆☆☆☆
原作読了済み。
これは先日に観た『夜明けのすべて』と同様に、原作を補完した脚色部分で、「なるほど!そう来るか〜!」…と思わさせる、なかなかの脚色が秀逸な作品でした。
原作を読み始めた際に。中盤までに描かれていた主人公の過去の苦悩と共に、偶然に知り合った《少年》との出会いが。実は、お互いに発していた【周波数】が一致した事による必然の《52ヘルツ》だった…との辺りは、読みながら引き込まれて行きました。
この辺りの筆力は、流石に本屋大賞に選出されただけの内容だと思いました。
特に、主人公で有る《キナコ》が、《アンさん》とゆう《男性》と出会い、その苦悩を氷解して行く辺り。
…が、しかし。主悦とゆう〝 王子様 〟が現れ、《キナコ》はシンデレラとなり、、、と行った展開への移行は。如何にも、この後に起こるであろう〝 悲劇的な予感 〟 を感じさせ。この中盤辺りまでは一気に読み進めてしまった程でした。
映画は、そんな前半から中盤にあたる部分を一気に走り抜ける。
その為に、原作の前半から、中盤に至る《キナコ》が回想する。《アンさん》や、《美晴》が《キナコ》の発する【52ヘルツ】を、キャッチしてくれた時の楽しい想い出は。《主悦》によって、ドンドンと壊されて行く辛い記憶となり。映画本編では、後半に向けて少しずつ明らかになって行く展開へと改定されていました。
実は、原作の中盤辺りまでは↑で記した様に、とても面白く読んではいたのですが。それが後半にかけて少しずつ興味を失くして行ってしまったのでした。
(原作では)それは、《美晴》が再登場し。或る人探しを始める展開へとなるのですが。《少年》の名前が解らないから(原作では)「52」と呼び始めるのです。
元々原作では、直ぐにこの少年の名前は《愛=いとし》とゆう名前で有るのは描かれているのですが。原作では《キナコ》と《美晴》はずーっと「52」と呼び続けるのです。
この辺りから感じ始めた、ちょっとした違和感が。《少年》にとって、とても大事な人探し旅行の展開へと進んで行くに従い、その違和感が少しずつ拭えなくなってしまったのでした。
それだけに、映画本編では。原作の前半から中盤にあたる《キナコ》の〝 過去の出来事 〟を、じっくりと描く映像化の流れは。観ていて、とてもしっくりと来る展開に思えました。
何しろ、その流れによってはっきりと分かるのが。実はもう1人(孤独な)【52ヘルツ】を発していた人物が居た…とゆう事実。
それを、磁石のプラスとマイナスの様に。両極が惹きつけ合う事に繋がったのだ…と。
この辺りで何度もウルウルとさせられたのには、脚色の優秀さも勿論なのですが。何よりも、成島監督による演出力の力も大きかったのだと思えます。
とは言え。それによって、原作が描いていた《少年》の置かれた立場の弱さで有り。【児童虐待】や【育児放棄】と言った問題提起を示す部分が。若干薄まってしまっている感が、少なからず有るのは、痛し痒しと行ったところでしようか。
出演者の中では何と言っても杉咲花の素晴らしさでしよう。
思えば、初めて『トイレのピエタ』を観た時に。「凄い子が現れた!」と思ったのでしたが。その後の成長力が、もうちょっと半端ない!
今日現在で、評判の高い『市子』は未見なんですが。明らかに、同世代の女優さんの中ては、頭1つ抜きん出ている気がします。
…と書き込みつつ、正直に言うと。思わず号泣してしまったのは余貴美子の演技でした。
原作では、この《アンさん》の母親にあたる人物像は、ほんの少ししか描かれてはいません。
そんな人物像を、映像化に於いて肉付けしているのですが。この余貴美子の存在感によって、《アンさん》と《キナコ》の間に訪れる悲劇が、何十倍にも増幅されていた…と感じられるのです。
ちょっと間違えてしまうと、単なる下世話な展開では有るのですが。余貴美子の深みの有る演技力によって、決して下世話にはならず。《キナコ》と《アンさん》との間に存在した【周波数の合致】
更には、それにより。一度ならず二度も失意の底に沈んでいた《キナコ》が。《愛》とゆう新たな【周波数】をキャッチした事で。3人による孤独な叫びは、強固なトライアングルの絆によって救われる、、、それをしっかりと描き切る。この成島監督の確かな演出力を始めとして、脚色で有り、編集のリズム感や撮影等、、、
「いい映画を作ろう!」
…とゆう、スタッフみんなの気持ちが、充分にスクリーンから伝わって来る。その素晴らしさ等に感動させられてしまったのだと思います。
(実際に、ベランダ等での静謐なカメラワークで有ったり…と。ファンタジー的な演出等は本当に良かった)
出演者についてもう少し。
育児放棄する母親役に西野七瀬。
『孤狼の血』の頃からこの手の悪女役をやる様になった印象。
ちょっと前にはこのポジションには【菜々緒】とゆうちょっと高い壁が有った。
その菜々緒が、最近ではその強めのキャラを封印しつつ有る現在。今こそ、このポジションでの存在感を上げておけば、単なる可愛子ちゃんキャラでは無く、息長く活躍出来る可能性が有ると思える。
志尊淳は見てる内に段々と〝 らしく 〟 見えて来た。
ググったら、以前にも似たような役を演じていたのだとか…成る程。
宮沢氷魚の演技は、この手の悪役タイプとしてはやや類型的だっただろうか。その辺りがちょっと残念。
(関係ないのだけれど、数年前の『流浪の月』での横浜流星はとても良かった)
原作を読みながら、村中のお祖母さん役に賠償美津子をイメージして読んでいたら。まさかの本人登場でビックリした。
やっぱりそう感じるキャラクターだよなあ〜…と。
ちょっと残念だったのは、このお祖母さんは(原作だと)もの凄い男勝りでガンガン悪口を言うお祖母さん。
勿論、悪気は無いのだけど、ついつい言ってしまうタイプの人。
その様に、原作に描かれていた雰囲気では。当初は、若者の意見は〝 聞く振り 〟をするだけ…な感じだったのだが。タバコに火をつけた瞬間、一瞬《少年=愛》が恐怖に怯える。それを瞬時に察する事で、全てを飲み込む人物に描かれていた。
それによって、元々村八分的な扱いを受けていた(気がしていた)《キナコ》の孤独な周波数の叫びが、このお祖母さんの存在で《この排他的な地域で)受け入れられる。
それくらいに重要な描写だと思っていただけに。そのタバコに火をつける描写は是非とも入れて欲しかったところ。
(まあ、無いモノねだりでは有りますが)
それともう1つ、残念だったのは。原作には存在していた、品城祖父の存在。
元学校の先生だけに、一見して人格者に見えながらも、本質的には下衆なクソオヤジ!
こちらも原作を読みながら、柄本明をイメージして読んでいました。
映画本編では完全にカットされていたのですが。ウサギの皮を被った悪魔の顔そのもので微妙にボケている…とゆう複雑なキャラクターを。柄本明ならば巧みに演じてくれたのでは?…と、ついつい想いを馳せてしまう。
(最早、柄本明と決め付けてますが💧)
2024年 3月17日 TOHOシネマズ西新井/スクリーン1
貴瑚の過去といま
観終わって思ったのは、キナコとアンコの物語で良かったんじゃないかと感じた。
過去を振り返る形で物語は進むのだが、時間軸を振り返るのではなく、時間の流れるまま描いた方がよりアンコとの関係がより際立ったんじゃないのかなと思った。
その方がアンコの選択がより心に響く様に感じ、その後キナコが少年と出会うことで新たな物語へと。
原作の山場~ラストが、、、。
ごっそり無くなりましたね。
52とキナコが乗り越えていく山場と、その後のラストがごっそりカット。
起承転結の「結」が無い。
時間の関係仕方ないけど、アンさんの話引っ張り過ぎでしょ。
「52ヘルツの鯨たち」 映画化された本屋大賞受賞作 原作と映画との...
「52ヘルツの鯨たち」
映画化された本屋大賞受賞作
原作と映画とのギャップにアレレと思うことが少なくない日本の映画ですが・・。
これは、なんの違和感もなく、ひたすら、泣かされました。
人寄せパンダキャスティングで、場違いなアイドルや俳優に頼りがちな邦画界(私だけの認識かも)ですが・・。
TVをほとんど見ない私には、倍賞美津子と余貴美子以外は全員初見のキャスティングだったことが幸いしたかも♪
とにかく、俳優陣の演技力に引き込まれました。
52ヘルツの叫びを受け取ることはできませんが・・劇中の美晴さんの様に・・救いを求める人の声には真摯に耳を傾けられる様にしたいものです。
※あの男の子は、いつから髪を伸ばし始めたのだろう?
あの長さだと、この映画を想定していたとは思えないのだけど・・。ウイックだったのかなぁ・・そうは見えないが・・。
※公開から2週間、もう、ナイトショーなどでの一日一本程度の上映になってしまっているのが残念。
興行主は、数字、単なる来場者数での上映判断をしないで、映画を観て判断を下して欲しいものだ。
52ヘルツのクジラたちの鳴き声‼️
介護の問題、幼児虐待、DV、 LGBTなど様々な社会問題を内包し、人間としての希望と再生を描いた素晴らしい作品です‼️とにかく主演の杉咲花ちゃんの演技力が光ります‼️最近の「法廷遊戯」や「市子」もそうですけど、チョット難しい役をやらせたら、彼女の右に出る人はいないでしょう‼️あと息子(娘)の遺骨を抱いて泣き崩れる余貴美子さんの演技もヨカッたです‼️52ヘルツのクジラの鳴き声はどうやったら録音出来るんだろう⁉️
説得力がない
本屋大賞の作品に説得力がないという評価は申し訳ないが。
親の暴力、そういう親への相互依存。
そこからの脱却が、どうなんだろう。
簡単すぎ。
依存からの脱却プロセスにもっと焦点を当ててもよかった
それは男の子についても同じ。
2人の毒親が単純な感じで設定してある。
2人の脱却プロセスもある種単純。
そして志尊淳の役を女性にさせるべきだった。
彼の肉体は男性。
LGBTQとわかってから、
回想の中の二人の姿に説得力がない。
テーマてんこ盛りでお腹いっぱい
虐待とトランスジェンダーを扱った作品。作品として大変見応えがあったのだが、それぞれもテーマとしてかなり重めな上に、両方というのはてんこ盛り過ぎてお腹いっぱい。自分としては少し消化不良に陥りました。
原作は読んだことがありませんが本屋大賞受賞作品?もう少しエンタメ寄りな印象が強い本屋大賞ですが、こういった重い作品も受賞しているのですね。
宮沢氷魚さん、こういうクソな役が本当に上手いです。役とは分かっていても本当に嫌いになりそう😠笑
舞台の九州(大分?)は素敵でした。
泣き要素ありですね😭
ここ最近で久しぶりに当たりました😆いや〜良かったな〜眠くならずに物語に集中できた。
最初はキコと愛(いとし)の物語なのかな〜っと思ってたらキコの過去が中心のお話しでした。
父親の介護と母からの扱いに疲れきって車に無意識に飛び込みそうな所を安吾が助けてくれた所から過去の話がスタート。
介護の生活からキコを助け出す安吾、キコはそんな安吾に惹かれ遠回しに告白するが…。
展開に引き込まれ「えー😱」と思いながら最後まで面白かったです。
後半から出てきた新名は最初は良かったが後半からは豹変し最低男に😢(キコがすごく可哀想でした)。
現代の時間の展開も愛(いとし)くんのために(過去の自分とも重ねていたのかもしれないが)行動してるのも最後まで気になるような流れで現代と過去の話が交互に進みながらも観やすかったです。
演者さんの方々も、元々志尊さんはお顔立ちが美しく役柄にも良い人選でしたね😌。
杉咲さんの演技はとても良かったです😭介護疲れの時代と自由になって表情が豊かになった所などキコに感情移入しやすかったです😆。
お友達の子もこんな親友いたら良いな〜と思いながら見てました。
最後に出てきた倍賞美津子さんは最初お姉さん❓(倍賞千恵子さん)と勘違いして姉妹なのを初めて知りました😳。
とま〜少し日が経ってからのレビューなので、まだ書きたい事があったかもですがこれぐらいであげておきます。
きなこ(キコ)は凄く可愛かったな〜😌。
髭を生やしている意味に納得
劇中で志尊淳さんが演じる安吾が髭を生やしていて、それが似合わないとネットで少し話題になっており、それがきっかけでこの作品を知り鑑賞しました。作品を観終わった後、安吾に髭が生えていることに納得感を感じ、絶対にあったほうが良いと思いました。杉咲花さんの演技はドラマなどでよく拝見していましたが、この作品での彼女の演技はいつも以上に素晴らしく、とても惹きつけられ感動しました。作品の内容も面白かったです。お時間ある方は是非観てみて下さい!
少しでも多くの方に観てもらいたい。迷っている人は観に行きましょう!
原作未読での鑑賞です。
話題になった原作小説、舞台が大分、主演が杉咲花さん、気になってましたが自分には苦手なタイプの映画化も...と迷っているうちに上映回数なども減っていき、都合が合うのが今日しかないかもと思い観に行きました。
結果、観に来てよかった!
虐待、ヤングケアラー、DV等々、重めのテーマ満載で過去と現在を行き来する流れですが、散らからずに分かりやすく纏まっており、入り込みやすかったですし、心が揺さぶられました。
また、役者さんたちが皆さん素晴らしい。特に主演の杉咲さんは本当にすごい方ですね。見るたびに思うのですが、杉咲さんの演技は、それだけでお金払う価値があると思います。
ただ、平日の夕方という時間帯だったとはいえ、とても客入りが少なく残念です。
本作はワクワクするような楽しい映画でも、キュンキュンするような恋愛映画でもなく、重いテーマが何重にも詰まった映画です。
苦手な方もいるでしょう。わかりやすく目を引く映画でもないでしょう。それでももっと多くの方に観てもらいたい。そんな良作です。
声を聞きたい
「夜明けのすべて」に引き続き、泣けると評判の本作。人生に絶望した人たちが再起していく物語。「市子」同様、今回も杉咲花の怪演が見れるので、それだけで大いに価値のある作品だと思う。今年の日本アカデミー主演女優賞は絶対彼女にあげるべきだったよね。
成島出監督の映画は結構苦手なんだけど、ここ5本くらいの中では好きなテイストだった。でも、社会的な問題を扱い、多くの映画がこれらをテーマにしているにも関わらず、この作品ならではの要素が無かったし、作りが荒くて無駄にハッピーエンドに終わらせる感じは、「いのちの停車場」や「ファミリア」と全く同じで好きになれなかった。別に、全部が全部お涙頂戴とか心温まる映画にしなくてもいいんだよ?
役者パワーはすごい。余貴美子の崩れるような泣き方には、心えぐられる。。。実力派俳優を集めているため、頼りにし過ぎている感はすごいするけど、現在→3年前→現在→2年前…といった時間を行き来する構成は秀逸で、おかげで登場人物に感情移入しやすかった。馴染みのある大分弁・長崎弁が出てくるってのもあるだろうけど笑 淡い青色の映像もものすごく心地がいい。
ただ、要素が多いがために尺が足りず、結局解決してないよね?と思う所が多々あるから、映画向きの作品ではないかも。映画にするにあたって、多少は削って欲しい。色々詰め込もうとすると、どれもこれも中途半端に終わってしまうからさ。その反面、市子ってすごくよく出来てたなぁ。1人主軸を決めて、そこから物語を展開していけば、造り手としても見る側としても気持ちのいい作品になるもんね。
杉咲花は「孤狼の血」の柚月裕子の小説を原作とする「朽ちないサクラ」、坂元裕二脚本の「片思い世界」への出演が決まってるので、楽しみで仕方ない。今年こそアカデミー頼む!
想像よりも。。
暗めの作品と想定し覚悟しての鑑賞だったが想像以上だった。
壮絶。経験がない部分も多く軽率に言ってはいけない部分もあって
体当たり演技の花ちゃん、みたことない艶かしい西野さん。。
そして割と序盤から涙。
救い?だったのは子役くんの変貌。
後半超絶イケメンに。笑顔が激キュート。
あとは、願わくば花ちゃんと志尊くんのラブシーンが欲しかったーー。
原作と比べると厳しいか
原作が良かったので、期待した分ハードルが上がってしまったかもしれない。
映像化としては頑張っていると思うが、2時間余りに収めるには密度の高すぎる原作だったと思う。
重すぎるくらいの複数のテーマを、コミカルかつ爽快感まで溢れる描き方をした原作小説の持ち味は移植出来ず、シリアスな骨格をじっくり描いた形になったと思う。
これはこれで、映画としては良作の部類とは思うのだが、原作を先に読んで比べてしまうと厳しい。
過去に、ハリーポッターシリーズでも同じような印象を受けたので、やむを得ないことと、頭では理解出来るのだが。
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