5月12日更新
今回はラングドンが猛烈ハッスルだが、とにかく話が忙しい 天使と悪魔

- 蘊蓄話に足を取られて主人公の活躍が今一つだった前作「ダ・ヴィンチ・コード」に比べ、今回はラングドン教授(トム・ハンクス)が猛烈ハッスル。バチカンに対する秘密結社イルミナティの復讐を阻止するため、その知識と頭脳を使うのはもちろん、捜査陣の先頭に立ってローマの街を走り回る。イルミナティが使う凶器はジュネーブのセルン(素粒子研究所)から盗み出された「反物質」。核よりも強大な未来エネルギーだが、ロー... >>続きを読む
ラッセル・クロウの好演で楽しめるが、ラストのサプライズに疑問 消されたヘッドライン

- イギリスBBCで放映された全6回のTVシリーズを「ボーン・アイデンティティー」3部作のトニー・ギルロイら現在のハリウッドで最も人気のあるライター3人が、舞台をアメリカに置き換えて翻案した本作。ワシントンD.C.で起きた2つの殺人事件の真相を探る新旧2人の新聞記者(ラッセル・クロウ、レイチェル・マクアダムス)が、ぶつかり合いながらアメリカ最大の闇に迫っていく。 「ワールド・オブ・ライズ」... >>続きを読む
目に見えぬもの、耳に聞こえぬものたちが捉えられている 夏時間の庭

- 一家をひとつにまとめていた母親が死ぬ。死ぬ、というよりこの世から消えるといった方がいいかもしれない。暗闇の中にひっそりと姿を消し、物語の冒頭ではその母の誕生日に集まった子供たちが再びその家に集まることになる。そして、残された思い出の品々やその家を巡って、子供たちの思惑が交錯することになるのだが、しかし一体母はどんな人生を生きてきたのか? 母の残したコレクションの数々が、実際にオルセー美... >>続きを読む
4月28日更新
ここは乱戦ロータリー。毒と才気と悪趣味がフル回転だ バーン・アフター・リーディング

- 車の出入口が5カ所ほどあるロータリーを連想させる映画だ。ぐるぐるぐるぐる。入ってきた車と出ていく車が交錯し、出ようにも出られぬ車がむなしく周回を繰り返すロータリー。よく衝突しないものだ、と感心していると、あにはからんや、派手な衝突はやはり避けがたいようだ。ぐるぐるがしゃん。 最初にロータリーへ入り込むのはCIA職員のオズボーン・コックス(ジョン・マルコビッチ)だ。ひどい性格のひどい名前... >>続きを読む
色と形と動きが紡ぐ物語に酔う瞬間に、何度も出会える GOEMON

- 「GOEMON」の桃山時代はバロックである。歪んだ真珠を意味するこの語で呼ばれる美術様式は、それまでの均整と調和を目指すルネサンス様式に対して、変化と過剰を尊ぶ。激烈にして装飾過多。狩野派よりも琳派。 この映画の意匠がバロック様式なのは、五右衛門の生き方の過激さも、この映画の奔放な精神も、バロックだから。そして紀里谷和明監督が、映画という表現形式に於いては、その形自体、色自体、動き自体... >>続きを読む
犯罪と恋の騙し合い、一石二鳥の巧みなオチに脱帽! デュプリシティ/スパイは、スパイに嘘をつく

- 「フィクサー」の才人トニー・ギルロイが、またも社会の裏を描いた犯罪サスペンスである。今回のお題は産業スパイ。犬猿の仲のCEOふたりと、彼らに雇われたスパイたちが繰り広げる大企業VS大企業の諜報戦を語り明かす。 物語の舞台はトイレタリー業界。平凡な日用品を売る会社の情報部門が、ライバルの動向を探りつつ、機密漏洩に神経をとがらせ、せっせとスパイ活動に勤しんでいるという設定が面白い。ウィルキ... >>続きを読む
4月21日更新
気骨と笑いと長い余韻が、イーストウッドの図抜けた器量を物語る グラン・トリノ

- 「グラン・トリノ」は7つの顔を持つのかもしれない。映画を見てかなり経ってから、私は妙な感想を抱いた。妙というより、面妖とか奇怪とか言い換えたほうがよいだろうか。 私は試写室で、終映後に力いっぱい拍手をしている人を見かけた。泣けて泣けてたまらなかったという人もいたし、くすくす笑いが止まらなかったという人もいた。俳優イーストウッドの集大成、との声は高かったし、台詞の楽しさを堪能したという感... >>続きを読む
クストリッツァが見せたスラップスティック・コメディへの愛着 ウェディング・ベルを鳴らせ!

- 動物、乗り物、奇妙なガジェット、強烈なキャラクター、弾けるバルカン・サウンド。クストリッツァの新作は、この監督ならではのテイスト満載で、息つく間もなくラストまで爆走していくテンションの高いコメディだ。 通過儀礼をテーマにしたおとぎ話を思わせるストーリーはシンプルだが、そこには現代社会に対する視点がさり気なく盛り込まれている。村で教会やイコンを修復し、鐘を鋳造する祖父と、都会で世界貿易セ... >>続きを読む


