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田中泯、ジャコメッティは「大切なお師匠さん」 巨匠の思考を独自分析

2017年12月15日 17:00

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編集工学者・松岡正剛氏も駆けつけた
編集工学者・松岡正剛氏も駆けつけた

[映画.com ニュース] 没後50年を迎えた芸術家アルベルト・ジャコメッティの18日間に及ぶ肖像画制作の過程を描いた映画「ジャコメッティ 最後の肖像」の公開を控えた12月14日、ジャコメッティを“師”と仰ぐ舞踊家の田中泯が、40年来の交友がある編集工学者・松岡正剛氏と都内で対談を行なった。

舞台は1964年のパリ。ジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)の絵のモデルを引き受けた作家のジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)が、完璧な美を追求するジャコメッティに翻ろうされていく。「トランスフォーマー」シリーズや「スポットライト 世紀のスクープ」「美女と野獣」の俳優スタンリー・トゥッチが監督・脚本を務めた。

たそがれ清兵衛」や「メゾン・ド・ヒミコ」で人気を博し、「DESTINY 鎌倉ものがたり」が公開中、「羊の木」が2018年2月3日公開と引っ張りだこの田中は「30年ほど前、MoMA(ニューヨーク近代美術館)でジャコメッティの彫刻を前にして、踊り出しそうになってしまい、何とか制御したことがありました」とジャコメッティの彫像や絵画に強烈なインスピレーションを受けたと明かす。

一方、松岡氏はジャコメッティについて「語るのが難しい」と語り、ジャコメッティがモデルを写生する際、どう見てもそのモデルとは似ても似つかない人物を描いていた点に言及し「彼はまったく違うものを見ている。奥にある、最も大切だけどなかなかつかめないものを見ていたんだろうと思う」と語り、田中もこれに同意する。

田中は、自らの舞踊に沿ってジャコメッティの創作を分析。「50年以上昔、踊りを習っていたころ、体に中心線を固定して持つことを教わったんです。でも、その線というのは一瞬しか存在せず、常にぶれ続けているものだと思います。生きているものは思考も、細胞も全てが動いているわけです。人間はその一瞬、一瞬を止めようとするけど、ジャコメッティは動き続けることをどう表現するか?と考えている。僕にとっては大切なお師匠さんです」と語る。

また、田中は映画の中で描かれるジャコメッティの娼婦に対するアプローチにも触れ「いつから社会で女性はそういう(性の)対象となったのか? ジャコメッティは、それ以前の世界――買ったり、買われたりという以前の面影を女性に求めていた気がします」と指摘。松岡氏はジャコメッティの彫像に関して「(モデルが)男性のものは動いたり、指差ししたりしてるけど、女は立像が多いんです。謎なんです。ジャコメッティの女性論は読み解きがたいものがあります」と興味深そうに田中の言葉にうなずいていた。

時間や場所、肉体、人との距離といった概念に沿って、ジャコメッティの創作についてさまざまな哲学的思想を重ねていく2人の言葉に、集まった聴衆は熱心に耳を傾けていた。

ジャコメッティ 最後の肖像」は、1月5日から全国公開。

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