ケイコ 目を澄ませてのレビュー・感想・評価
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❇️女優さんの僅かな笑顔が観たくて最後まで頑張った印象
ケイコ目を澄ませて
2020年🇯🇵東京都荒川区
聴覚障害で音が全く聞こえないボクシングライセンスを持つ女性が主人公。🥊
仕事や生活は不自由になんとか暮らしている。
ボクシングもかなりのハンディーを持ち練習に明け暮れる毎日。
母親の心配を押し切りボクシングを続けているのだが古くからあるジムのオーナーが、店をたたもうとしていた。
感情が揺れ動く女性とボクシングと人間ドラマ。
◉56D点。
❇️主人公(岸井ゆきの)さんの笑顔が見たいだけで最後まで観れた。また頑張ろう✊
★彡役者さんの魅力はすごく伝わったが、この手のストーリーは結構観てるので、あまり響かなかった。
🟡感想。
1️⃣前半はやや退屈かなぁ?
★彡後半は主人公の笑顔が見たくて観てしまう。🤭
2️⃣ミット打ちの乾いた音が心地よい。
★彡小刻みなリズムと音が好き。
🥊👂🤛🧏🏻♂️🧏🏻♀️🏨🧹📘📝
最後のシーンから見る映画における障害者表象
本編1時間26分からは最後の試合が描かれる。ケイコが通っていたボクシングジムの閉鎖が決まった後の試合であり、物語のクライマックスともいえるシーンである。このシーンでは、ボクシングを通してケイコの障害との向き合いを最後の試合を通して描きたいではないだろうかと考えた。無観客での試合であり、家族はオンライン配信を通して試合を視聴する。そこではケイコのボクシングに関与することができず、何もできない。母親は自分の娘が殴られるところを見たくなく、配信から一瞬目をそらすも、覚悟を決めて最終的には試合を見る。試合の途中で相手選手に足を踏まれるも、審判は気づいておらず、フォールを取られる。ケイコは反則を主張するも、うまく喋ることができないため判定は覆らない。その後、少し試合が進み、頭を打たない。と審判に注意されるも、彼女は耳が聞こえないため何を言っているかわからずに、フラストレーションが募って唸り声をあげる。周りのセコンドやコーチはそれに対して何もしてあげることができず、口頭での支持や激励を出すばかりである。この場面全体は、まさしく障害と向き合うことなのではないだろうか。目を逸らしたくなる母、応援し見守る兄、激励をするセコンド、これらの支えがありながらケイコは自身の相手(耳が聞こえないこと)と闘う。最後には敗北を喫してしまうがそこには悲しみなどは不思議とない。むしろ前向きな気持ちになれるようなそんな最後であった。
淡々と・・・
最近日本映画ではボクシングを題材にした秀作が多いような気がします‼️「あゝ荒野」「アンダードッグ」「BLUE/ブルー」などなど‼️この作品は聴覚障害の女性のボクサーが主人公で、岸井ゆきのさんが主演‼️所属するジムの会長さんとの人間関係、ジムの運営の問題、母や弟との家族関係、職場の人間模様、そして試合に向けての厳しい練習の日々‼️ドラマチックではなく、かなり淡々と物語が進行していくのですが、岸井ゆきのさんの熱演が映画全体を見ごたえのあるものとしています‼️耳が聴こえない分、その瞳に宿るボクシングへの情熱がヒシヒシと伝わってきます‼️
まるで映画検定の論文課題
この作品を観て、主人公・小河ケイコの揺れ動く心情とブレない底流にある信念について論ぜよ。
という試験問題が課されたような、それほど内容は濃密で、何より99分の上映時間中、無駄なカットが殆どない高い完成度の力作です。批評家が総じて高評価なのも宜なるかなと思わせます。
実在する聴覚障害の女子プロボクサーの自伝を元に映画化された本作は、ドラマストーリーはあるものの、ほぼドキュメンタリータッチでケイコの日常を淡々と描きます。終始ニュースカメラ目線で映像を捉えていき、ある出来事による多少の波紋はあるものの、劇的な事件やラブロマンスは皆無で、ケイコの約半年間の日常を忠実に映していきます。
周りの音声が聞こえないし話せないために、内向的で人付き合いを好まない、寡黙で無器用な主人公の心の中の起伏は、中々見え辛いのですが、2試合をこなしたこの期間を経て、間違いなく彼女は一皮剥けたようです。一歩階段を昇り成長したのでしょう。日本映画では珍しい“通過儀礼”をテーマにしたようにも受け取れます。
ボクシングを描いた物語にも関わらず、手持ちカメラは使わず、寧ろカメラはほぼ固定され、極端な人の寄せアップも殆どなく、長回しカットが多く使われ、観客は常に落ち着いて、いわば客観的視線でスクリーンを観ていられたと思います。
ただ決して寛いで観られたのではなく、主人公の心情が不透明なまま彷徨いますので、危うい存在であるがゆえに、ずっと息詰まるような緊張感を強いられます。
室内、又は夜のシーンが多いために開放感も得られず、多分、主人公が置かれた閉塞感覚を疑似体験させられたのだと思います。
非常に綿密に計算されたシナリオであり、カット構成であり、演出です。
ただ観終えた後、少しも楽しくはありません。愉快な気分、爽快感、満足感が全く湧いてきません。
私は、上映中、映画鑑賞力を試されているような感覚に晒され、一瞬たりとも気が抜けずにスクリーンを注視していました。エンドロールのクレジットが始まった時には心の底から安堵したしだいです。
「映画」が好きな人ならぜひ。名作。
2回観ました。
2回目のほうが感動しました。
意外でした。
自分は、2回目は演技や技術的な細部を楽しむために観るので、感動や衝撃は1回目のほうが大きいのが普通なのに。
1回目はそうでもない印象だったのに、2回目で、本当に素晴らしい映画だと、感動しました。
ケイコは言葉は発せず、わかりやすい演出があるわけでもないので、1回観ただけでは、ケイコの心の動きを追いきれなかったのだと思います。
耳が聞こえないということは、常に、透明な薄い膜の中から世界に接しているようなものではないかと想像します。
ケイコがボクシングに打ち込むのは、作中で「殴るのが気持ちいい」とのセリフ(手話)もありましたが、その膜を突き破って、世界に接するダイレクトな手応えがあるからなのかな、と思いました。
女子ボクシングというマイナーなスポーツ、コロナで無観客、親族と知り合い以外なかなか見ないように試合に、これだけの鍛錬、覚悟、努力で臨んでいる姿勢に、アスリートとは本当にすごいと、頭が下がる思いでした。
ケイコ、会長のために、勝ちたかっただろうなあ・・・。
敗戦を見届けた会長が車椅子の上でうなだれるシーンで、思わず泣いてしまいました。
でも会長が「よし」と、妻を待たずに車椅子をこいで行く姿に、スポーツってこうやって人を動かしていくんだなと思いました。
ケイコは、この後どうするのでしょう。
でも、会長の帽子をかぶって、試合の相手から声をかけられて、また駆け出すラストからは、迷いながらきっと続けていくのかなと思いました。
どんな人生でも、そうやって迷ったり負けたり、「もういいんじゃないか」「自分のやってることは無駄なんじゃないか」と思いながら進んでいくしかないけど、それでいいんだ、自分もやろう、という気持ちをもらえる映画でした。
「映画」を観たい人には自信をもって推薦できる名作です。
この映画を作って下さった方々に、どうかこの賛辞が届きますように。
女の子は殴り合いせんほうがええんとちゃうの?(ハリー風)
過去ボクシング場面は幾多の不自然感モノがあったのですが
岸野ゆきのちゃん、静の演技が冴えていて
本作はなかなかリアルでした。
でも主人公がコミュニケーション取りずらい中で頑張る!という
監督の意図はわかるんだけど
ワタシはもう少し心のうちが見えるような演出にしてほしかったです。
70点
0
アップリンク京都 20230129
絆の物語
僕にとっては明確に”絆”の物語だった。
セリフが少ないぶん、ひとつひとつが響いたし
慕い慕われ、想い想われ、支え支えられみたいな
そういう温かな関係性に素直に感動してしまった。
エンドロールも含めて、画づらのリズムというのかな。
なんてことない場所で見たことない風景を見せてもらった気がする。
チャンプを継いだりはしない
字幕版で見たが、周囲の音も字幕になっていて、もし字幕になってなかったら私はこの音に意識を向けなかっただろうと思う。当たり前に聞こえることで、音への意識が薄いのかもしれない。縄跳びの音、文字を書く音、雨の音…。
前半、耳が聞こえないことで生じるちょっとした不便や、聞こえる人たちとの間に起きる小さなズレがさりげなく描かれていた。
たとえば弟の友人の女の子が「さよなら〜」と声だけかけて帰ってしまう。聞こえないケイコにとっては、何も言わずに気づいたらいなくなっている。コンビニでのポイントカードのやり取りや、階段でぶつかる男性の悪意など、聴こえることが当たり前と思っている側の傲慢さがすごくよく表現されているなと思った。
ジムの女性オーナーの、善意からの気遣いも少し重荷に感じる気持ちもわかる。
コロナの描き方も、とてもあの時の雰囲気を捉えていた。無観客の静かな試合。
ミット打ちがリズミカルでとても楽しそう。ボクシング映画ということであまり興味もなかったが、みてよかった。日本映画らしく、劇的なことは起こらない。クリードを観た後なのでギャップを感じて面白い。
気になったのは母親役と三浦友和の妻役がだいぶ若いのではということ。特に三浦友和の妻は妙に色気があって、どういう関係なんだ?とノイズに感じた。20歳くらい年齢が違うと思うんだけど。最初、娘かと思った。日本映画って夫に対して妻や恋人役を20歳30歳若い俳優がやることが多い気がする。理由があるならいいけど、不自然に感じることも多い。
登場人物が全員温かい映画があってもいい。
話としては耳が聞こえない女性が、ジムの会長やコーチ、周囲の人々に支えられながらボクシングに打ち込む話。大きな起伏も伏線もなく、淡々と静かに進む。それ故に「退屈」「つまらない」という感想も抱いたのは正直なところ。
でも、この映画の良さというか存在意義はそこじゃない。
冒頭のコーチとのミット打ちのシーンに既にそれは現れていた。コーチが耳が聞こえないケイコのために小さいホワイトボードに「コンビネーションミットやろう!」と書いて伝える。ミット打ちの間も一言も発さず一生懸命身振り手振りだけで教える。あー、このコーチいい人だあ、というのが画面いっぱいに伝わってくる。(末尾に!を付ける時点でもう。)
これが全編通してこうなのである。三浦友和扮するジムの会長も、仙道敦子扮するその奥さんも、もう一人の厳しめのコーチもケイコのためにしらみつぶしに移籍先を探したり、同居する弟もそのハーフの彼女も、心配して試合をみられないお母さんも、応援する職場の同僚も、ケイコが乗り気でない対応をしてしまった移籍先候補のジムの担当者も、顔がボコボコになった対戦相手も。。
みんなどこか優しく温かい。手話やジェスチャーが多く静かに進むことも相まって、優しく穏やかなトーンが全編をまとう。
殺伐とした世の中、こういう一服の清涼剤のような映画があっていい。
人を信じることができる。この映画の存在意義はここにある。
静かに人の心に染み入る映画
Amazon Prime Videoのバナーに現れた主演の岸井ゆきのさんの印象的な目を見て、そのまま引き込まれるように鑑賞しました。
聴覚に障害を持つ女性ボクサーの物語を16mmで撮ったという作品。
説明を読んだ後、「耳」でなく「目」を澄ませて、というタイトルに気づく。
岸井ゆきのさんはどこかで見たことがあると思い、調べると「前田建設ファンタジー営業部」で拝見していました。他にも地味ながらよい作品にたくさん出演されているんですね。
自伝をもとにした「フィクション」とは言え、聴覚障害を抱えながら、さらに女性としてプロボクサーになることのリアルが、美しく描かれていました。
美しくと言っても、華々しいシーンやわかりやすい感動のシーンがあるわけでもなく、
しかし、彼女が日常的に直面する葛藤や他人の無理解、人の温かさなどが伝わってきました。
下手な音楽で盛り上げようとせず、日常の音-街なかの雑音や、電車の走行音、ボクシングジムのミット打ちの音などがそれらの映像とともに流れているだけ。観客はそれらが彼女には聞こえないことを感じながら、大切な日常がそこに流れていることを感じ取ることができました。
最後に、河川敷で最後の対戦相手とあいさつした後の、岸井ゆきのさんの表情の演技は素晴らしいです。悔しさ、これまでの努力、それでも前を向いていく決意、それに気づいたことの爽やかさなどを想起させました。
このような映画を作ってくれた製作・役者陣の皆様に感謝します。
この映画のような、静かに人の心に染み入るような映画がもっと増えてほしいと願います。
本当はすべてが聴こえていないんですよね。
聴覚に障害があるとはどういうことか、想像しながら見ていました。岸井さんの演技もさることながら、全編にわたってBGMは流れず、ボクシングや線路の音が印象的だったことがそうさせたのかもしれません。
聴覚障害を乗り越えて
とかそういう次元の話ではない。障害があるとかないとか、関係ない。人間の話である。本人が障害があるからこそのプレッシャーや恐怖を感じ、心を閉ざす。孤独、孤独と言いながら、周りには人がいる。紛れもなく岸井ゆきのは最優秀主演女優賞。欲を言えばもう少し体をつくって欲しかった。
ノスタルジックを感じる16mm
2020年設定の物語だが、昭和の空気感を醸し出す16mmで撮影された映像。
ニコニコイメージの岸井さんとギャップを感じる深刻な演技に、より深みを与えているように見えた。
でもストーリーは退屈だったなあ。
じっくりと魅せてくれる
聴覚障害のボクサーという、一人の女性の人生を切り取った作品。
じっくりと丁寧にその生き様を描いており、主人公ケイコだけでなく周りの人間、特に会長との関係性がとても活きていました。
それとミットのコンビ打ちがすごい興味深かった。その教え方もだけど単純にすごい。
やはり岸井ゆきのがすごくて、決して多くない動きの中で実に深みのある芝居をしていました。
緩急の少ない話ですが、それがまた良い。音の使い方もうまかったですね。
しかしこれは劇場で観るべき作品でした。エンドロールでしみじみ感じましたよ。
じっくりと魅せてくれる作品でした。
全261件中、41~60件目を表示