LAMB ラムのレビュー・感想・評価
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ギリシャ神話や旧約聖書のイメージを重層的に重ねることを意図したものか
半人半羊といえば、パンやサテュロスが思い浮かぶ。半人半羊が羊飼いの家の羊舎に生まれ、娘を亡くしていた人間の両親に我が子として育てられるという本作のストーリーは、恐らくこうしたギリシャ神話の神や精霊を表すと同時に、旧約聖書エレミア書のエレミアの預言を背景に置いている。
したがって、一見、細田監督の「おおかみこどもの雨と雪」や、A24スタジオ系のストーリーが曖昧で雰囲気だけのホラー映画と似ているようだが、何らかの寓意を秘めているものと思われる。
例えば、羊飼いと羊の群れを監視する神であるパンを略取して、自分の娘の代わりに育てようとした人間には神の罰が下されるとか、子をバビロンに捕囚され滅ぼされたイスラエルの故事、欲望の象徴であるサテュロスに唆されて兄弟そろって兄嫁に欲情する…等々、イメージを重層的に膨らませることを意図しているのではないか。
しかし、残念ながら当方はギリシャ神話にもユダヤ教にも通じていない悲しさから、それを十分に味わうことは出来なかった。どなたかこの方面に詳しい方の解説を待ちたい。
映像美は良いのですが・・・
少し不思議な世界観の映像美をバックに、もっと不思議な世界観でストーリーが展開していきます。
産まれてきた「何か」の正体とは??その生誕の謎は??最期のシーンの意味は???
う〜〜・・ん〜・・・ 何でしょう?まずは消化不良です。モヤモヤしてます。
ま、興味があったら観て感想をお聞かせください。
「ある視点部門」作品を見ると、いつもこうなる。
甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱい、
熱い、冷たいとか、
まったりしてるとか、香ばしいとか、かぐわしいとか
芳醇とかもちもちとか・・・
日本語には味を表現する言葉が豊富で、
それは日本人の食に対する姿勢や
食文化そのもののレベルの高さが伺えるそうな。
カンヌのある視点部門の作品はなるべく追うように
しているが、そのほとんどが
「おもしろい」や「つまらない」という基準では
言い表せない作品ばかりだ。
そして、この映画。
見終わった後、さまざまな感想、考察が
頭の中に渦巻いて、
多分、今日思ってる感想と、明日思う内容は
違うんだろうなぁという複雑な思い。
そしてそれこそが、「映画」を見終わった後の
だいご味だと思っていつも見ている。
台詞や音楽は極力少なく、説明もなく、
しかし映像的にはしっかりと描いており、
ほとんど退屈せずに引き込まれてしまった。
現代社会を投影した話にも思えるし、
”母”という生き物の生きざまにも思えるし、
人と動物の境界線の話にも思えるし、
北欧神話の逸話にも思えるし、
何かのメタファーにも思えるし・・・。
「おもしろい」と「つまらない」の中間にある
全ての感情を包含している。
自分のなかの”ある視点”を変えれば
また別の感想が生まれる。
誰かと朝まで飲みながら話したくなる。
まさに”映画”の持つ魅力のひとつ。
である。
「ET」をもっとダークにした作品かと思ったが…
「ET」をもっとダークにした作品かと思った。
「羊人間」のコトが世間にバレ、追い回される…というやつ。
(日本アニメでも「河童のクウと夏休み」という類似作もあった)
でも全然違った。
セリフは少なく、説明は一切なく、登場人物の表情から観客が「想像」するのがメインというか、
これほど「想像力をかきたてられる」作品も珍しい。
映画の作り方として、こんな手法もアリなんだ、というの驚きだし、
いくら低予算とはいえ、スポンサーもよくカネを出したね、
というのが正直なところ。
アダは神?
アダは異形で産まれたが、夫婦に幸せをもたらした。
不幸だった夫婦はアダを授かって幸せを得たのだ。
しかし、幸せが日常化する中で、母羊を殺したり、ゲームに興じたり、不貞をはたらいたり。
質素な生活から堕落した生活へと変化していく。
二人の様相は少しずつ変わっていく。
そして最後のヤツは悪魔の化身。
今までの幸せを全てかっさらうのである。
背景にはキリスト教の教えが軸となっているのではないだろうか。原罪を侵した者への罰を感じさせられた。
そしてアダは夫婦に幸せをもたらした神だったのでは?
最後ヤバッ
東京方面でしか上映してなかったのでAmazonで観られて良かったです。
どんな展開で進むのか、ゆっくりなセリフ、シーンが流れて、のほほんと観てましたが急に展開が…!
コレは一体…………
呪いなのでしょうか。
もう少し続きが欲しかったけど、オカルト系は疑念を残すくらいが丁度良いかもしれません。
弟よ、良い時に帰った(  ̄▽ ̄)
アダちゃんにメロメロ
アマプラで鑑賞。
とにかくアダちゃんが可愛い。
あと、ワンコとニャンコも可愛い。
何か起こりそうで起こらない。不穏な「匂わせ」だけが延々続くのか――と思いきや!という作品
監督自身が言うように、セリフを極限まで削り情報の少ない本作は、テーマやメッセージ、何のメタファーか、裏設定など、いくらでも妄想・考察出来てしまうけど、最後の最後、アイツの登場で全部ひっくり返されてしまう。
あのインパクト一発で全部持っていかれちゃった。
あと、主演がノオミ・ラパスとは気づかず、観終わってネットで名前を見てビックリした。
人と何かのせめぎ合い
アイスランドってあまり知らず、人口少なそうで羊はたくさん放牧して食べてそうだくらいの先入観で映画を見る。
もしかしてアイスランドの人は羊に対し根源的な罪悪感?や疑い?の意識があるのか、日本人には分かりにくい感覚か?
アイスランドの大自然に人間がなんとかへばり付いてるようで、アダがその間を取り持つような気配は無く、主人公の女性はアダの母羊の頭を躊躇なく鉄砲で撃ち抜いてしまう。
なぜ羊人間は女で無く男を殺したのか?
アダ(アダム?)は羊人間と何処かに消えてしまう。
ともかく疑問ばかり浮かんだが、疑問の解答は不要な映画なのかもしれない。
最後どういうこと!?
と思ってネットで検索したら、母羊を殺したという罪を負った女が夫を失うことでその罪を償うことができたという意味があった、らしい?だから光が差していたのかな。
とにかくアダちゃんが可愛かった!本物のお父さんもアダちゃんもお尻がぷるんぷるんで良かった。本物のお父さんと幸せになるんだよ。
失われたものへの物語か
不気味な雰囲気が常にある作品。今になにか起こる、何か起こると不安になりながらもラストシーンまで淡々と不気味さを描き通す。その不気味さは、失った子の代わりを手にした主人公の奇行とそれを許す夫。現れた弟の反応もやがて許容に移っていくこと。
その何かを、子の産まれ代わりなのか、救世主の再生なのか、それは観るものの判断だな。
ラストシーンで現れたモノは、悪魔か神か。
不思議で不気味。。。
雄大な山々の麓で羊を飼育している夫婦のもとにある日、
産気づいた羊から不気味な子羊が産まれる。
山々も景色も流れている川も、
どこもかしこも美しい景色なのに終始不穏。
羊も可愛いイメージだったけど、
これに出てくる羊はどれも不気味…
普通に飼われているだけなのに悪魔のように見えてくる。
唯一可愛いのは夫婦が飼ってる犬と猫だけ。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、夫婦の奥さんもちょっと怖い。
そして最後、、、、
え!?ってなる。
なんだろう、ものすごく不穏な気持ちを残したまま観終わってしまった。
十戒を破ったマリア
神の子とくればメッシ?だが、神の子羊とくれば言わずと知れた主イエス・キリストである。そういえばメッシの顔もどことなく半羊人間アダちゃんの顔に似ていなくもないが、話がややこしくなりそうなのでこのくらいにしておこう。じゃあ、クリスマスの夜に“何か”によって妊娠させられた母羊から取り出された子供はイエスの分身なの?そこに留意するよりも、その半羊の赤ちゃんに死んだ子供と同じ名前をつけて、大切に育てようとした主人公マリア(ノオミ・ラパス)の行動に着目した方がより分かりやすい作品だろう。
聞けばこのノオミ・ラパス、6才になるまで映画の舞台になっているアイスランドに実際住んでいたそうでアイスランド語を話せるんだとか。鼻息荒く?巨匠タル・ベーラと共に製作総指揮までつとめている。実際人間よりも羊の数の方が多かった時代もあったアイスランドの、手つかずの荒々しい大自然をとらえたショットはお世辞抜きで美しい。そこで暮らす人間の小ささを強調したカットを多用した長編監督デビュー作で、若き映画監督ヴァルディミール・ヨハンソンは一体何を表現しようとしたのだろう。
ラストに姿をあらわす“何か”の造形や、飼われている羊さんたちを不気味に描いたタッチがロバート・エガース風なため、本作をホラーやスリラーにジャンル分けする人も大変多かったという。が、主人公の名前マリアや、羊飼い夫婦という設定、アダを抱きかかえたポスターの図柄やピエタを完全に意識した構図、そして嘆きのラストシーン....本作はやはり、某評論家が大好きなキリスト教、それも聖母マリアの受難を現代風にアレンジした作品だろう。
本当の母親からアダを盗み、アダを取り返そうとしたその母羊を殺害、夫の弟と不倫寸前までいき、おまけにその弟を騙して部屋に幽閉してしまうマリア。「アダは神からの授かり物よ」とは言いながら、十戒を次々と破り神=大自然に感謝しようともしないマリアに、天罰がくだるのはもはや必至だったのだろう。白雲?をバックにしたラストシーンのマリアの複雑な表情に是非ともご注目。今まで自分がおかしてきた七つの大罪を、顔の表情だけでみせようとしたラパス渾身の演技をとくとご覧あれ。
北欧ホラー(怪談)
(エゴへの戒め)
吹雪の山里に不協和音が鳴り響く
ちょっと不思議な怪奇譚。
アイスランドの人里離れた山に住むひと組の羊飼いの夫婦。
愛し合って助け合って暮らしているけれど、
欠落感が漂う。
会話は少なく、
山と川と一本道と素っ気ない一軒家。
事細かに語られませんが、
幼くして亡くした娘を忘れる事が出来ない。
ある日、羊の赤ちゃんが産まれます。
マリアとイングヴァルに走る緊張!!
何か不思議な羊が生まれた。
夫婦はアダと名付けて、愛し育みます。
田舎には美し過ぎる妻マリア(ノオミ・ラパス)
ジェラルド・バトラーを優しくしたよう夫のイングヴァル。
足りないものはただ一つ。
・・・娘。
・・・愛娘。
でも母羊から奪ってはいけません。
殺すのは、もっといけません。
他のものから奪った幸せは・・・因果応報。
報復がなされます。
民話の教えです。
「ボーダー 二つの世界」とも少し似ています。
北欧の神話(言い伝え)・・・
トロール(異形の妖精)も思い浮かべました。
アダは羊の妖精
無垢な感じがする
アダの雰囲気がどことなくミッフィーに似てる
不協和音の調べ、
そして
悲劇が起こる。
牧羊神パンの怒りを買ったのか?
エンディング曲
ハイドンの弦楽合奏曲が
厳かで美しい。
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