劇場公開日 2021年5月21日

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茜色に焼かれるのレビュー・感想・評価

全178件中、161~178件目を表示

4.0尾野真千子の単独主演映画。理不尽な交通事故で夫を亡くした母と子。社...

2021年5月23日
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鑑賞方法:映画館

尾野真千子の単独主演映画。理不尽な交通事故で夫を亡くした母と子。社会的弱者として世の中の歪みに翻弄されながらも信念を貫き、たくましく生きる母の良子を尾野が体現。息子の純平役を「ミックス。」の和田庵が演じるほか、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏らが顔をそろえる。

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てかる

4.5【それでも生きていく】

2021年5月23日
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人生なんて、負けそうになることばっかりだ。

前向きに生きていることがバカらしくなることだって多い。

でも、生きていく。

そう、まあ、頑張るのだ。

(以下ネタバレあり)

物語は、不条理な事故やコロナによるカフェの閉店、イジメ、インチキ、解雇、偏見など様々な障害を散りばめ、それに押しつぶされそうになりながら、生きようとする親子が描かれる。

ただ、確かに、コロナや交通事故など現実と重なる部分はあって、憤りを感じずにいられないが、もう少し踏み込んで考えてみたい気がする作品だと思ったりした。

ケイは、なぜ死んだのか。
本当のところは、分からない。
衝動なのか、絶望なのか、もしかしたら、希望を託したのか。
…分からない…けど、悲しい。
友人や、恋心を抱いていた人が亡くなったら、やっぱり悲しい。

プロローグの陽一の不慮の事故死と対比するように描かれるエピローグのケイの死だが、実は、メッセージとしては同じで、それでも、残されたものは、生きていくのだということではないのか。

純平が到底理解出来ない良子の芝居の意味。
抱える想いは、それぞれで異なっているのだ。
異なっていて当然だ。
叫びたいこと、訴えたいことは、それぞれ違っても、人は生きていくのだ。

今、コロナでもがき苦しんでいる人達にも、コロナが収まっても、きっともがき苦しむことであろう人達にも、そして、何かと闘い抗い続けるであろう全ての人達にも向けた、語りかけ、そして、問いかけるストーリーなのだと思う。

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ワンコ

3.010年目のカーネーション

2021年5月22日
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「それが世間さまってもの、、」  朝ドラの最高傑作と言われる「カーネーション」で脚本家の渡辺あやが尾野真千子に振った台詞だ。

あれから10年 オノマチはライト級からウェルター級に進化し、世間さまを充分にくぐり抜けて来て、台詞に重みが増すようになった。

石井裕也監督をして「化け物級」と豪語した所以だろう。

しかし、、芝居とはハーモニーだ。 出てくる役者全てが反響しあって大きなうねりを出すものだ。

息子も、その悪友たちも、駄目男たちも、なんと非力ばかりか、、

それはプロデューサーの責任だろうが、石井裕也の脚本もスキが多くみられ話が冗長な部分が多々ある

そこまで批判しても、これが2021年の日本を刻印した映画と呼べるだろう

もう10年後 オノマチが戦うべき共演者に恵まれて映画に戻って来る事を期待したい

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イコン

3.0満足度は低めで涙も出ず。 そんな中、役者の皆様の演技はとても素晴らしかった。

2021年5月22日
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旦那を交通事故で亡くした尾野真千子さんが演じる田中良子と息子が軸。
旦那のバンド仲間。良子が夜の仕事で働く風俗店の仲間。事故の加害者達。学校のいじめっ子や先生。良子の幼馴染みなど登場人物は多め。
それぞれの人達のヒューマンドラマが満載。
その中でも風俗店で働くユキ(片山友希さん)が良い人過ぎて彼女が主役でも良かった感じ。

生活レベルはかなり低い田中親子なんだけど素敵な親子愛が印象的。

色々なストーリーが満載で焦点がボケ気味だったけど、最後で強引に纏めた感じ。

タイトルの茜色に焼けた感は伝わって来ました。

田中親子が二人で自転車に載ってるシーンはシュールでした( ´∀`)

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イゲ

3.5理不尽に耐える

2021年5月22日
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7年前、老人の運転する車のアクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故で自転車に乗ってた夫を亡くした母の田中良子(尾野真知子)はひとりで中学生の息子・純平(和田庵)を育てている。あるこだわりにより夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみて、夫の愛人の子供の養育費も払い続けている。コロナ禍により経営していたカフェが破綻し、花屋のバイトと夜の風俗の仕事を掛け持ちしても家計は苦しく、その事が原因で息子はいじめにあっているという話。
最初の交通事故は池袋の暴走老人を思い出した。そして一度も謝罪しない所もソックリ。腹たった。
コロナ禍を反映した脚本で、カフェが潰れた所も多くあるんだろうとも思った。
イジメや放火など、とにかく理不尽な事の連続なのに、よく耐えてたくましいな、と思った。きっと、今から良い事が有ると思いたい茜色の空が印象的だった。
尾野真知子と永瀬正敏はもちろん素晴らしかったし、息子の純平役の和田庵も良かった。それと、風俗嬢ケイ役の片山友希も胸を出しての熱演も含め、良かった。

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りあの

5.0フィクションの芝居(映画含む)こそがリアリティ・・・という自分のルール

2021年5月22日
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 コロナ禍の真っ只中で着想を得たという監督・脚本の石井裕也。社会的弱者と言われるシングルマザーを中心に、理不尽な社会や自己中心的な人間たちと向かい合って「生きること」の意味を考えさせられる作品だ。

 コロナ蔓延という非常事態だからこそ浮き彫りになった醜い人間の姿、社会不適合なら死んでしまえという発想、上級国民を自覚してる者たちのいやらしさ、?性奴隷としか見てないかのような女性蔑視男たち。特に実際の事件である元官僚による自動車事故なんてのは痛烈だった。

 そうした世の中の歪みから湧いて出てきたような悪意たち。風俗店“カリペロ”での同僚であるケイ(片山友希)の悲惨な経歴や病気にも涙してしまった。実父による性暴力、インシュリンを打たねばならない糖尿病、そしてDVを感じさせる現恋人など・・・。生きる意味を店長(永瀬正敏)から問われても健気に生きようとしているのです。虫嫌いの彼女がゴキブリを異常に怖がるというのもストーリーの逆メタファーになってる気がする。

 社会問題はそれにとどまらず、バイトがないほどの不景気や良子の一人息子純平のいじめ問題、介護や離婚の問題にまで及んでいた。企業内の自己保身・・・確かに会社で生き残るのは難しい。そして人としての優しさが失われようとしてる現状を訴えてくる。

 なぜ賠償金を受け取らなかったのか、なぜ義父の介護費用まで、なぜ養育費を払い続けるのか。良子の行動に対してはもどかしささえ覚えてしまうが、彼女の信念が邪魔をする。死んだ夫(オダギリジョー)がプロテストソング(?)を歌っていたことから、そこに惚れた彼女にも尊厳、矜持、もしくは生きる意味があったのだと思う。社会のルール、自らが作ったルールを破らない限りは・・・そう考えると、権力者、上級国民たちの悪事がますます許せなくなってくる。

 交通事故のCG映像、支払った金額のテロップなど珍しい描写もあったり、良子の勝負服(一部、パンツもか?)は赤といった描写!それが夕暮れ時の茜色に染まる終盤の自転車の二人乗り。等々印象に残るシーンが多い。あかねさす日は照らせれど・・・と関係あるかは知りません。とにかく人間の暗黒面がクローズアップされてますが、それが顕著になっただけで、誰にでも悪い面はあるのでしょう。良子だって自転車盗んでますし。

 舞台挨拶映像にあった尾野真千子の涙を見たおかげで、今週一発目の作品に決めてしまいました。観たおかげで、生きる意味をしっかり考え、このコロナ禍に立ち向かっていく勇気を得られたかもしれません。

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kossy

4.0。・゜・(ノД`)・゜・。上映館を増やすべき映画です。良い映画だった!!

2021年5月22日
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おにっち弐号

4.5傑作の一歩手前だが、『今』の日本映画からこのような秀作が生まれたのが嬉しい。茜色の空に浮かんでいた雲の色は「朱鷺色」(私の一番好きな色)と言うんだよ。

2021年5月22日
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もーさん

1.0茜色に焼かれるを見て

2021年5月22日
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尾野真千子のチラ見ぐらいですかね。

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inoue

4.0尾野真千子のド迫力の声に背筋がピーン

2021年5月22日
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 尾野 真千子の啖呵にしびれる。社会的弱者だからっていって舐めてかかるやつは、男だろうが女だろうが、強烈な一発をお見舞いしてやれ。あまりのド迫力の声に見てる自分も背筋がピーンとなっちゃった。

 池袋の元高級官僚が起こした事故を思い起こさせる冒頭のシーンでは、社会的に優位に立つ人間の傲慢さに腹が立つ。弁護士を演じている嶋田久作が、憎々しさを掻き立てる演技で、強者は用心棒も雇うことができて、圧倒的に有利なことを知らしめてくれる。

 シングルマザーとなった田中良子を苦しめるのは、社会的強者だけではない。自分より下と見るや、軽くあしらったり、威張ったり、下僕扱いしたり、体を求めてくるようなクズ人間は、場所、階層を問わず現れる。夫のバンド仲間の男みたいな奴が、現実社会でもシングルマザーを苦しめているのかなって想像してしまう。

 上映時間の144分の長さを感じないくらい、引き込まれてしまったが、肝心の夕焼けが、明らかにCGとわかってしまったのが残念。その点以外は、すごく見ごたえがあった。尾野真千子は、文字通り「力の限り戦ってみました」の演技を見せてくれたし、永瀬正敏演じる風俗店の店長もハードボイルドな感じでいいところをかっさらった感じ。和田庵くんの芋虫のような自慰シーンには、笑ってしまった。その後の親子の会話がめちゃくちゃ面白かった。

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bion

4.0エアペー!

2021年5月22日
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泣ける

笑える

情報が大渋滞して混乱しながら鑑賞

一言で「こんな作品です」とは説明できない

初期作品(文芸坐オールナイトの特集上映で鑑賞)から変わらない石井裕也ワールド
リアリティのバランスが独特 次の展開の予測が付かない(階段を踏み外す様な感覚)

荒削りだけど心に焼き付くようなメッセージを感じた

*ご近所情報(蛇足ながら)
例の事故現場の至近に漱石が眠る雑司ヶ谷がある
慰霊碑の除幕式はコロナ禍で取りやめ

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労働4号

5.0カリペロ

2021年5月22日
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ひたすら重い展開が続き、出てくる男共がひたすら胸クソ悪い

しかし胸クソ悪く思うのは映画として俯瞰して観ているからで、所詮男は保身と打算の生き物

嬢をどこか見下していないか?、会社の言いなりになって自分を捨てていないか?、弱っている女性に下心をもってあはよくばを狙っていないか?

男なら多少は身に覚えがあるはず(SNS少女たちの10日間でもわかるが男なんてそんなもの)

自分自身良子やケイを全面的に受け入れることができるかと問われれば、彼女達の背景を知った瞬間尻込みするだろう

尾野真千子が、演技巧者らしく中学生男子を育てる未亡人役をリアルに熱演

終盤はストレートな人生讃歌になっており、監督の熱が伝わる

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うんこたれぞう

3.5関係スタッフの気合いは感じました。

2021年5月22日
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上映時間はやや長めですが、石井裕也監督の気合が凄く見応えはありました。
コロナ禍で苦しんでいる現代に向けて力の入ったオリジナル脚本で真正面から勝負しています。
尾野真千子演じるシングルマザーの不器用な生き様と熱演に感動できました。
ただお金に不器用過ぎて後半になればなるほど辛い環境に陥ってしまうのは見てて辛かったです。
救いは真面目な息子とのやり取りですがいじめ問題も絡みこちらも一筋縄には解決せず。
最後に親子に多少の救いはありますが爽快感は感じなかったです。最後に息子の成功した姿でも見たかったかも。
社会のルールを守る事が最低限の生き方という親子の姿に胸を打たれる人は多い気がしますが風俗で働く同僚のケイを演じる片山友希はかなり良い味を出してました。
とにかく石井裕也監督が脚本を書き作品を完成させて、一般公開するスピード感と労力は関係者は相当大変だったと思います。
渋谷が主な舞台でしたので渋谷ユーロスペースで見たのもとても良かったです。
辛いシーンが多いですが良心的な作品です。

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Yoji

4.0クソな社会で…

2021年5月21日
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「ルール」という言葉に代表される日本の嫌〜なところを凝縮したようなお話。
こんなクソな社会で、懸命にしかししなやかに生きる母子を活き活きと描いている。
尾野真千子の渾身の芝居も素晴らしいが、なによりも純平とケイが愛おしい…
クソオブクソな話なのに何故かなんだかスッキリする。
なんだか不思議な映画…

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ぱんちょ

4.5現代を生き抜くのに必要な強さとは。

2021年5月21日
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「生きる理由がなくなる」「神様を探してる」そんな台詞があふれた。

観ているあいだ、自分の生きる理由はまだまだ長くもちそうなのか、そんなことを思ってみたりもした。

「まぁ、がんばりましょう」。こんな台詞も多かった。ヒロインが自分にも言い聞かせるようなこの言葉は大した社会じゃない、そんな簡単じゃない、でも生きたい、そんな風に聞こえた。

ありのままを見つめて、そこそこにきちんと生きて寿命をまっとうする。命を大切にして生きて、次の人たちに任せたい、できればささやかな何かを残したい、そんな素朴な自分の生きる理由をちょっぴり肯定してもらった気になった。

それにしても、この作品には弱みにつけこむ人間がわんさか登場する。そしてそのすべての人間にある意味そうなる正しい理由が存在する。

翻って自分をみれば、自分にもそんなところがある。

そして、ヒロインも最後、ちょっぴりズルくなる。

そんなもの、でもある。

面白かった。素晴らしい映画体験になった。

それにしても、尾野真千子がすごい。新しい今を生きる等身大のヒロイン役が新鮮だった。これまでの強さでない、孤独な現代に立ち続ける難しさと強さを、見せつけた。

そして片山友希、なんとキュートなことか。見た目の幼さが傷に見えて、切なくなった。
あの『セトウツミ』のキュートだった女優さんだという。出てきたね。

石井裕也作品、近年ではピカイチによかった気がする。

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エク

5.0まぁ、頑張りましょう。

2021年5月21日
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あさ

5.0今、観ないとダメな作品

2021年5月21日
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「まあ頑張りましょう」劇中で良子が何度も呟く言葉!
生きていくために呟く言葉。

映画を観た後から余韻が押し寄せてくる。
映画を観に行ける心の余裕がある自分はまだ幸せかなぁ~?とか・・
辛いことがてんこ盛りの映画だけど、今観たいとダメでしょう。

それにしても、役者尾野真千子は凄いよ!

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ねね

4.5石井裕也の本気を観た、コロナ禍で黙殺される弱者の生き様を見よ

2021年5月14日
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泣ける

悲しい

難しい

ジリジリと焦がれる様に傷を抉る世界。奇跡も逆転も叶わない。無情だ。その世界に何を叫ぶ?コロナ禍を落とし込んだ眩しい傑作。

暗く閉ざされた日々はマスクと共に覆われる。弱者に反撃の暇もない。懸命に生きること、尽くすことがこんなにもカッコいいとは。前半、息の詰まるような無情さに歯をただ食いしばる。息ができぬような閉塞感がひたすらに続く。貧乏ゆすりや体育座りで閉塞感を誤魔化す。しかし、観終わった今、不思議と光を感じている。決して快方に向かうような世界ではなかったはずだ。意識ひとつ、いや、生き方ひとつで変わるのかもしれない。変わらない事の方が多くとも。それが私の生きる道。そう言わんばかりに強く睨みつけた良子は、間違いなく無敵で強かった。
この作品は、尾野真千子と心中し、片山友希に光を預け、永瀬正敏に道を照らしてもらう。そこを和田庵は歩く。前半から片山友希が脱いでおり、そこから既に生ぬるい作品は作るつもりがないのだと確信した。他にも、目の覆いたくなるような理不尽ばかりで苦しいのだが、個々の叫びや生き様がスクリーンいっぱいに溢れるとき、翼のような強さが内在しているように見えた。

この作品が映画館の今のよう。圧力にただ潰されそうになる。でも抗えるんだ。生きているのだから。ルールがなんだ。ルールに殺されるなら、殺してやる。マスク越しに傑作を噛み締めて。

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たいよーさん。