ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
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女性になったから貴女の母親になれる。
トランスジェンダーの凪沙が遠縁の女の子:一果を預かることになり芽生える母性。漸く手術を決心した凪沙が、実家に帰っていた一果を迎えに行き「女性(の身体)になったから貴女の母親になれる」というシーンには泣いた。
凪沙にとっての幸せは「女性=母親」一つしかないんだな。
一つだけの幸せが叶わなかったら、自暴自棄になるしかない。
凪沙や友人達の生き辛さに、こちらまで息苦しくなった。
ただ色々と疑問に思う場面もあった。
術後ケアを怠って(1年経ってから)あんな酷い状態になるか。
過剰な不幸話になってないか。
トランスジェンダーの方がこの映画を観て絶望しないか。
など、色々と考えた。ラスト、瀕死の状態の凪沙の前で、海をバックに踊る一果のシーンで、なんで海と青い空をCGにしたんだろう。息詰まるリアルの中で、そこだけ感動的に「作りました感」が出ていて違和感があった。
ただ草彅剛さんの熱演や、
服部樹咲さんの初々しい演技とダンスに魅了されました。
テーマやメッセージが会社や学校や色んな場所に運ばれ、濃厚な議論に発展することも映画の意義の一つだと思う。本作はあまり語られることのなかった、性別適合手術のリスクに対する問題提起をしてる点で重要な映画だと思う。
今まで見た邦画の中で、一番許せない映画
ちなみに私は、草彅くんの演技が好きです。ただ、トランスジェンダーの女性を演じる上では、少し演技過剰・逆に不足を感じました。髪を切った直後の表情ははっとさせられましたが。
主人公の女の子も、個別撮影で椅子を投げつけた後の叫ぶ演技(これはやらされただけで、彼女のせいではないと思います)以外は、概ねすてきな演技だったと思いました。
とにかくこの映画は、人物の掘り下げがなさすぎる。起承転結だけで話を回していくので、感情のつながりが一切ない。その浅さを、グロさや刺激的なシーンで誤魔化そうとしているのが透けて見えました。
なぎさといちかが心を通わせる、ハニージンジャーステーキ?のシーンは、おそらく母性の芽生えを表現したかったのでしょうが、それまでの過程が浅すぎて、え?なんでいきなり母性?となりました。
親友の子の死、レズビアンを示唆するシーン、諸々が蛇足に感じられたのは、あれだけ重要っぽかった子が自殺したのにそれに対するアンサーがなかったからだと思います。無駄死……。
何より何より許さないのは、トランスジェンダーへの偏見の強さ。
いつの時代?と言いたくなるような言葉遣い、容姿。苦しみを描こうとしてるのはわかりますが、その苦しみが一方的で、日常を描かないので完全に御涙頂戴の道具になってます。
なぎさが、胸をハダけて母親に叱責?されるシーンでは、嫌悪感が込み上げてきて、これ以上見られないと思いました。
あまりにもひどいです。本当の苦しみは、体を曝け出さなくても描けたと思います。
衝撃的な絵面をいれておけば苦しさわかるやろ、というのは、あまりにも、性的マイノリティの人及び観客を侮辱してると思います。
とにかく演出も脚本も、何から何まで最悪でした。
終始、どゆこと?と独り言を言っていました。
私は、自分自身をすごく映画が好き!と胸を張るほどのものではないと思っていますが、それでも、この映画は映画を侮辱しているなと思いました。
これが日本アカデミー賞ということは、日本映画界は業界全体で邦画を壊しにかかってるなと思いました。
命の淵にいる人むきの映画。
監督はエンタメとして、誇張した表現を多用下意図を公表しているが、全ては本質であり、真実だった、涙無くして見られない映画です。ワーキングプアの私達は、保険が受けられない、介護保険が受けられない、休めば給料が減る、紙オムツは、介助してもらわないと、本当に現場は悲惨です。ばい菌も入り化膿します。毎回洗浄も大変なんです。これは現実の話です。助けてほしい、現実の私達の映画です。そして、魂の救いのエンディングこそ、本当の幸せだと再認識する映画でした。
貧困×ネグレクト×LGBTのトリプルパンチ
9本目。主人公はネグレクトを受ける女の子のいちか、いちかの親戚で自分を女性と認識しているが身体が男性であるなぎさの2人。いちかは救いようのない生活を送ってきて精神的にもすさんでいたが、なぎさとバレエとの出会いをきっかけに彼女の生活に一筋の光が差し込む。だがしかし、バレエを続けるための障壁が多すぎて2人は苦難の連続を強いられる。特になぎさの就職面接、性的サービスを行う職に付いた時の性的被害、いちかの実家でのやり取りのシーンは見るに耐え難い。犯罪に手を染めそうなくらい危険な少女がバレエとなぎさとの出会いを通じて成長し、最終的には海外で活躍することができたのでハッピーエンド好きの私としては安心した。見るのがキツいシーンは多かったが、未だ解決できずにいる社会問題に改めて一石を投じる作品だった。
追記
バレエをテーマにした作品なのでクラシック音楽が使用されていてとても良い。しかし、途中にバレエ友達とするキスシーンや深夜2人でバレエを踊った後に絡んでくるおじさんのシーンなど、原作小説では自然に描かれるのかもしれないが違和感のあるシーンは少し目立った。やはり脚本家と原作者の折り合いを付けるのは難しいのだろうか。
脚本がイマイチ
演技はとても良かった。
残念ながら脚本がイマイチ。
前半はまだマシだったけど後半は酷い。
綿密に練って作り上げたストーリーというよりあれも入れたいこれも入れたいと箇条書きにしたものを無理矢理一つにつなげた様な安っぽい脚本だった。
2人の時間をもっと時間を掛けて丁寧に撮って徐々に一果と凪沙が心を開いていく様子を見たかった。
前半は2人の生活にたっぷり使って後半は母親が迎えに来る、でも一果は凪沙と一緒にいたい、凪沙も一緒にいたいけど母親の元に帰る様に諭す、卒業後凪沙の元に戻るっていうシンプルな話で良かったのでは。
異常なやさぐれ方をする一果の友人やあんなに友人想いで優しく強く生きてきた凪沙が一気に落ちぶれてしまう姿は登場人物を深く掘り下げてないから違和感しかなかった。
設定とキャスティングは良かっただけにただただ残念。
あとLGBTを強く意識し過ぎたのかどうかは分からないけど監督自身がLGBTを強い色眼鏡で見てる感じがして気持ち良いものでは無かったです。
人生の滑り台って一度、滑り出すと止まんないのよ。
映画「ミッドナイトスワン」(内田英治監督)から。
LGBT関連の作品と分かっていても、手術の様子や
股間が血だらけの描写には、ちょっと抵抗感を覚えた。
作品を通じて表現されるバレエネタで「オデットですか?
踊りがとても上手だね、お嬢様方。
でも朝が来れば、白鳥に戻ってしまう。なんとも悲しい」を
LGBTと絡めてまとめようとしたけど、難しかった。
作品と関係ないかもしれないが、ニューハーフの同僚が
呟いた台詞が、妙に引っかかったので、メモをした。
遊具の滑り台は、足や手を使って、止めることはできる。
けれど、人生の滑り台は、そう簡単には止まらない。
マイノリティの世界は、生きづらさを感じるだろうし、
まだまだ、それを念頭に生きなければ、苦しくなる、
だから、慎重に生きなければ・・そう教えられた気がする。
滑り出すのも勇気がいるけれど、止まるにはもっと勇気がいる。
生半可な気持ちで滑り出すと、大怪我をするかも・・。
だから、このフレーズが気になったのかもしれないなぁ。
ひとつの不自然で全てが台無し
性転換オペ失敗してなんで治療しないで放置して死ぬわけ?
ラストシーンを感動的にしたいからって無理矢理殺すなよ。
シラケるわ。
偏見。。
話の内容良かったのですが、、
トランスジェンダーの方を描いているのに
逆にすごい偏見があるなと思いました。
ここからネタバレになりますので改行しますが
今時性転換手術を受けて、あんな感染症で亡くなるのでしょうか、、
タイや海外での手術技術も衛生管理も、多分ですが優れていると思っているので
いくら怠けていてあんな事になるのでしょうか。。全体的に悲しく描かれすぎて
そういう部分はあまり入ってきませんでした。
役者は良かった
役者さんは全般に良かった。
草なぎの女としての仕草が過剰にも見えるけど、実際にトランスジェンダーとか女装趣味の人って、女性として見られる事を意識しているから、女性よりも女性な仕草になるって言うからあんなもんかなぁ。一果の表情が変わって行く様も良く撮れている。
ただ、シナリオと演出がどうかなぁ。LGBTの負の部分だけを見せているから、物語の抑揚を感じられない。展開にも無理が有って、シングルマザーの育児放棄で女子中学生が、ほぼ面識も無い母親のイトコ凪沙(草なぎ)に、それも広島から東京と離れていて預けられるのが「えっ?」ってなる。女子中学生を40代男に預けるか?しかも、まだトランスジェンダーと隠しているのに。解説等だと、凪沙が一果を預かるのも養育費目当てってなっているけど、それほどに貰えるかなぁ。
一果にバレーの才能が有ったにしても急成長過ぎる。りんが一果にキスするのも友情なのか、同性愛なのかが分からない。と言うか、りんのポジションを都合良く使い過ぎてるかな。
演技のプラスと、シナリオのマイナスでプラマイ星3。
母性…
何と言っても草彅剛の体当たり、迫真の演技が見どころ。幼い頃から、自分の性に違和感を感じ、苦しみ、広島の片田舎を出て、東京で水商売をしながら一人暮らし。そんな中、再従姉妹のいちかが転がり込んできたことで初めて人に頼りにされ、共に暮らすうちに母性が生まれる。やりたくない仕事もいちかのバレーを続けせようと働くのは親そのもの。結局、本物の母親の元に戻ってしまったことで、自分も性転換手術を行い、女性=母親になろうとするが、無理がたたってしまう。性同一性障害の人は周囲から奇異な目で見られ、病気でもないのに、変人扱い、未だに水商売しか働き先がないなど、問題は多いと感じる。田口トモロヲは分からなかった。
雰囲気
草彅くんとイチカ役とリン役の少女が凄く良い。
脚本は既視感とステレオタイプで、目新しいものはなく、またジェンダーの描き方に雑さに嫌悪感が感じられる。
皆さんと同じく、貧困とマイノリティとバレエ繋がりのリトルダンサー、そして少女の儚さと危うさとバレエ繋がりの花とアリスを思い出した。
脚本によって、もっともっと繊細だけれどもハートウォーミング!な作品になったと思われるけれど…
3人の演技と雰囲気で、力づくでそこそこ良作に纏めていると思う。
悲しくて優しい愛の物語
虐待されているいとこの娘を無理やり預けられたニューハーフの女性と愛に飢えてるが故に素直になれない思春期の女の子。2つの傷ついた心が深い愛で結びついていく。
ずっとためらっていた手術を受けたのも、この子のお母さんになろうとしたんだね。
そしてやっと一緒に暮らせる時には合わない手術ですっかり弱ってしまっていた。
女の子の母親役の水川あさみの演技がお見事。
草彅のニューハーフも、中年の男が綺麗にお化粧してでも老いを隠せない切なさが表れていて泣かされた。
この映画でらオーディションで選ばれたという女の子の可愛らしい中に驚くような大人の表情が見え隠れするとても魅力的な子だった。古いけど、清潔感と力強さの同居した感じがちょっと倍賞千恵子に似てる気がした。
今までに観た感じのない映画
「だって今お母さんって」
お母さんって呼ばれてとても嬉しそうだった凪沙
嬉しそうって表現は何故かあまり好きでないけど
女より女らしいし、男として社会に出でた時、どんなに苦しかっただろう、、、。
もっとトランスジェンダーの方々が生きやすい世の中になって欲しい、無理に明るくしなくていい、ありのまま自然に生きていける世の中にして行きたいと
自分は願ったからこそ
ラストは主人公がハッピーエンドで前向きになれるストーリーの方がよかったのではないかと思う。
昭和の価値観
トランスジェンダーの描き方にバリバリの偏見がある気がして、観賞後、嫌な気持ちになった。性転換手術は制度上の課題は山積みであるものの、技術としては進歩していて、映画のような悲惨な状態になることは稀である。
このような描き方をすることで、LGBT問題=怖いもの、暗いもの、関わったらやばそうなもの…という意識を無意識に植え付けることにならないだろうか。
また、凪沙の心の部分にフォーカスした描写が少ないため、どんな人生を歩んできたのか、どう考える人間なのかが終始わからず、結局「トランスジェンダーであること」以上の情報が得られない気がした。
監督自体、トランスジェンダーに対する偏見があり、「そういう人達」というくくりで見ているから、凪沙の人間性に踏み込んだ描写ができなかったのではないのかとさえ感じた。
しかしこの映画がこれだけ評価されているのを見ると、今の日本ではこの位が限界なのかなと思った。
悲劇ポルノ
ミッドナイトスワンはその年一番楽しみにしていた映画でした。だからでしょうか?終わった瞬間凄くガッカリした感覚が今でも覚えています。
先に私はトランズジェンダーの人たちの苦労を語れる立場ではありません。でも凪沙の死はなんだったんだろうと思ってしまうのです。先に疑問に思ったのは「性転換手術で亡くなる可能性があるのか?」でした。実際調べたところ性転換手術で亡くなるケースが凄く稀だそうです。フェイクションだからと言ってこのような現実ではあまり起こらない、ストーリー上ただ泣かせたいだけの理由でこのような悲劇を描いていいのか?そう思うとどうしても楽しめない自分がいました。
そしてもう一つは一果の友人の自殺。あのシーンでは単純に「何故?」と思いました。シーン自体は凄く美しく、二人の少女のシンクロしたダンスは一生見続けたいとも思いました。それなのに突然飛び降りるなんて…自殺行為を美しいものに見せるのも嫌だなとも思いましたし、何故彼女が死ななければいけなかったのかがわからなかった。それに一果の友人の死へのリアクションも殆どなかったのも気がかりでした。
他に、個人的に必要と思わない派手なネオンのライトや(何故凪沙の部屋でもこんなに派手なライトを使ったのかがわからない)、変なカット(凪沙が一果に対して生きる事への不満を喚いた後に一果が外にダンスの練習しているシーンへとカット)、色々あります…
役者さんみんなの演技は素敵でした。でも、絶対にまた見たくない作品です。それでもこれほどリアクションが出ると言うことは、なにかこの作品にあるんだと思います。でも私からすると悲劇ポルノとしか思いませんでした。
意味不明な台本と演出の映画
ある程度は期待して鑑賞したが
本当に意味の分からない映画だった。
良かった点もある。
①カラーグレーディングが、すごく現代映画風で上手く
映像美と呼べる仕上がりになっている
②役者の演技、この演出はいいと感じた。
監督を信じて役者が全力を出している
いい現場なんだろうなとは思う。
しかし、出来上がりがコレでは、役者が可哀想に思える。
台本というか演出が意味不明すぎる。
描かないといけないシーンが描かれず
いらないシーンだけがカサ増しされている。
特にいらないと思ったのは「友人のレズキスと自殺」。
こんな無駄死にがあるだろうか。
こんな無駄なレズシーンは許されるのだろうか?
友人は、勝手に監督に殺され、エモーショナルも生むことなく
ただただ、死んだ。その死によってヒロインの成長にも繋がっていない
映画史上に残る無駄死に思える。
そして、爺の拍手。
あれは、なんだ? 背景に無駄に映り込んだ主張のある爺を認識した時点で
頼むから、何もしゃべらないでくれ!絡んでくるな!と思っていたが
拍手&セリフの無駄シーン。
「白鳥は朝まで なんたらかんたら」これも後に生きてない。
うっとうしいだけ。
あと、フィリピン散策もいらない。
そして、全員のキャラが安定しない。
シーンに合わせて、キャラクターを作り変えているのかという如く
性格がちぐはぐだった。(草なぎさんのみ安定してると見てもいいが。)
監督のこうなったら良いなぁ、こうしたいなぁ
こんな事言わせたいなぁ
じゃあ、こーしよ。
みたいな都合が透けてて何もエモーションを生まない。
誰一人一貫性のない人物描写で
ギャグにしかなっていない。
という観点で、ギャグ・コメディ映画としてはよくできている。
部屋に唯一ある漫画が「らんま1/2」「客がテンプレートのように失礼してくる」
「少女の変化が、映像では表現されず友人のセリフのみで語られる、そしてレズキス」
おふざけですよね?
泣けはしないけど、笑えました。
期待するほど…
コロナで劇場には観に行けず。それは作品には謝りたい。
本来なら必ず劇場に観に行くが、今は命最優先。
さて、やっと話題になった本作をVODだが観ることができた。残念ながら思った程ではない。
盛り込みすぎで、何を言いたいのか全く分からない上、心の流れがブツ切りで人物が生きていない。せめて主人公が誰なのかでも分かればだが、これでは誰が主人公なのか不明。
そもそも人物達の心の流れとなる「切っ掛け」が何一つないで話だけが流れるので理解に苦しむところが多い。
なぎさは何故いちかを受け入れ始めたのか?
何故いちかはバレーを始めたいと思ったのか?
友人は何故自殺しようと思ったのか?
何故なぎさは○○○を切ろうと思ったのか?
何故いちかは憎む母親を簡単に受け入れたのか?
などなど、挙げたらキリがない。
それに誰の心の流れを追うのかも不明なままなので、いちかに焦点を当てれば良いのか、なぎさに焦点を当てれば良いのか不明。
両者に視点を合わせるとしてもどちらも心の流れが切っ掛けもなくブツ切りなので、流れが追えない。その変化を追いながら共感するのに、それが無いから共感できない。
言いたいことは何となく分からないでもないが、これではただ単に昨今のLGBTQ+を出しときゃいいだろう程度にしか思えない。
良いところと言えば、まあ希望は多少有るかなくらいだと感じます。
劇場で観られて、良かったです
トランスジェンダー、その苦しみ。
心身の性別が合致して、異性に恋愛感情を抱く私には、一生かかっても分からない。
ホルモン注射の費用負担、副作用のリスク、お店に来るお客さんですら持っている、世間からの容赦ない偏見。
従姉妹からのバケモノという言葉、お母さんから病気だと言われる辛さ、その全てが悲しかった。
被虐待児であること、その苦しみ。
自分で勝手に産んでおいて、あんたのためとか、あんたのせいと言っては当たられ、叩かれ、清潔な部屋も、栄養ある食事も、愛情も与えられない、声も、自分勝手にしか掛けてもらえない、その悲しみと、結果死んだような表情で、挨拶すらしない一果が、哀れだった。
でも2人は出会い、支え合うようになり、いつの間にか母娘のようになっていく。
しかしかつて、映画「彼らが本気で編むときは、」でもそうであったように、りんこさんも母になれず、今作でもまた、なぎさも一果を傷付けていた実母によって暮らしを壊されてしまった。
日本では、産んだらただそれだけで、愛よりも強い保証があるという事実が残酷だった。
何より腹立たしいシーンは、男がなぎさに奮った暴力とも言える行為で服がはだけたとき。
もしもあれが女性であれば、周りは傍観など絶対にしないのに。
でもそんなにも腹立たしく悲しいのに、希望と優しさが全編に、凪のように漂っていた。
もう公開している劇場はないと、DVD化を待っていたが、遅ればせながら観ることができて、本当に良かった。
つよぽんがつよぽんでなく、なぎさだった。
そして新人と思えぬ一果役の子が素晴らしかった。
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