ルームのレビュー・感想・評価
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「ショート・ターム」を超えるほど
あの映画を一昨年見て、作品の質の高さとBrie Larsonという女優の存在を知った。彼女の最新作、そしてアカデミー賞ノミネートということで期待せずにはいられず映画館へ。
「ショート・ターム」も素晴らしい映画だけれど、より一層心を打つというか。私は前半最後?のジャックが保護されるシーンが一番泣きました。
個人的には、Brie Larsonはこれからもハリウッドスター!みたいなお金のかかった大きな作品には出ず(笑)、ちいさくても良質な作品に出演して、いい演技を見せてほしいなぁと思う。まだ20代なんですよね、、。
ブラックスワンを彷彿とさせるダサい話・クサい演出
エネルギッシュな映画、という褒め言葉ちょっと思ったが、しかし違った。むしろこの作品は、思考停止なのではないかと思う。
というのは、「この設定だとやはりこうなるだろうな」の、「やっぱり」の理屈っぽい再現をいちいち、手足縛られた挙句胸ぐら掴まれ無理やりまぶたこじあけられるよう、暴力的な恐怖感を煽るカットの塗り重ね多くみられ、話のつまらなさ、演出の低俗さが、やたらに目立っていた。デスメタル愛好の黒装束集団趣味なんだろう、と勘違いされるきらいがあるので、けっして私の知り合いにはすすめないようにしよう、と決した。
私はやっぱり感動したいから映画を観ている。私のような大感動屋さんの、感動を味わうべくの触覚のヒダ、そのはびこらせ方は、動き・構造、我ながら天才的なまでに捕らえがたく繊細巧緻なのだが、その稀有なる触覚、本作の、「そうでしょうね」説明連続を観て火傷負わされたらしい。ただれてしまったこの私には、今後慰みの時が必要だ。
案外、ああなればこうなる、が連続する、理屈ばかりの通った、説明過多な映画。
ぐっと掴まれスッと抜ける
無知の知。という、言葉をふと思い出す、まっさらな子供が見て感じた二つの世界。嫌悪感をはらむ大人のエゴの中、素直に真理とでも言えそうな所を付いてくるジャック。実は子供の世界の方よりも、大人の世界の方が脆いんだなぁ、なんて考えさせられました。表面をめくって覗いた先に光るものがある、素敵な作品でした。
想像を絶する。
2016年のアカデミー賞に関わった作品は、どれも良作である。
本作もかなりすごい。
予備知識として知っているから、ジャックとその母親は監禁されていると初めからわかるが、一見普通の親子として登場する。それは母親(ブリー・ラーソン)が、普通に育てようと努力していたからに他ならない。
レニー・アブラハムソン監督の演出は「部屋」での生活を特別視するような演出はしていない。だからこそ親子の異様な状態が際立つという効果を上げる。
脱出してからの親子も要注目で、ジャックは初めての外界で戸惑うことばっかりだが、それは母親とて同じだったのだ。そのことを我々はしばし忘れる。
ジャックの祖父にあたる母の父親の反応は、相当にせつない。
濃密な人間ドラマを堪能した。
ジェイコブ・トレンブレイ‼︎
この作品でアカデミー主演女優賞を獲ったブリー・ラーソンは素晴らしかった。しかし、それ以上にジェイコブ君の演技は観ている者の心を揺さぶるものがあったと思う。助演男優賞をあげたいぐらいだ(マーク・ライランスもとてつもなく素晴らしかったが…)。
ストーリーは”ルーム”から出る前と後での繋ぎ目のぎこちなさは感じたが、演技でカバーしたように思えた。とはいえ、大筋はしっかりとしており、感情移入する。
日本は多くの人々が”不自由ない”生活を送っているが、人間本来の”幸せ”とは何か、考えさせられる作品だと思える。
きめ細かに描かれた素晴らしい映画
スキャンダラスになりがちな素材を、大上段に構えることなく、丁寧にパーソナルに描くことで普遍的な人間の感情を描くことに成功していますね。
前半の丁寧な描写があってこそ、ジャックが脱出した後の描写が活きてくる。『世界とはかくも美しいものである』と雄弁に伝えてくれる。
そしてそこからのジャックの成長、ジョイの戸惑いや焦り。パパの苦悩、レオの優しさ。
きめ細かに描かれた本当に良い映画だと思いますが、17才の娘を持つ身としては、パパの気持ちが正しいとは思えないまでも共感せざるを得ませんでした。複雑…
7年の監禁から脱出してからが面白い。家族の再会そして離婚していた父...
7年の監禁から脱出してからが面白い。家族の再会そして離婚していた父と母、まともに見れない被疑者の子、母となった娘が7年の空白を埋めようと調整すればするほどズレが出るジレンマの日々、だんだん目が冴え出した頃に不意にくる泣きどころ、犬のシェイマスに散髪、何気ない子供の一言に重い揺さぶりが波打ちます。ラスト、監禁されていた部屋に訪れる母子、母にとっては地獄だったけど子供には忘れられない物が詰まる部屋、複雑な場面なんだけどこの決別は有りだと思いました。
子役の演技が見事
正直、観る前は重いストーリーはちょっと、と思っていました。前半は予想通り、部屋に閉じ込められた7年間という重苦しい展開ですが、後半は一変します。その点が今迄の監禁を扱っている映画と異なる点です。生まれてから5年、外の世界を知らずに育ったという得意な心情を表現する子役の演技が素晴らしい。
期待以上!
アカデミー主演女優賞を獲得した映画というから、期待して観に行きましたが、期待以上!でした。
終始スクリーンに釘付け。ドキドキハラハラしながら観てました。
私は涙する事はなかったですが、監禁中の親子愛。脱出してからのさまざまな葛藤、子が成長していく姿、本物の親子愛が伝わってきました。
とにかく子役の名演技!素晴らしいです!演技の世界を超えている。
道逸れる事なく、いい役者さんになってもらいたいです。今後に期待。
興味本位の監禁ものじゃない
リアルにしようと一生懸命に作られていたが、どう見ても作られた話にしか思えない内容。だから最初は、これは期待しすぎと思ったし、絶対面白くないとも思った。しかし、その思いは完全に外され、涙し、素直に面白い映画だと言える。
監禁というものが軸であることは間違いないけれど、伝えたい意志というのは、人と人との繋がりというところにあったと理解できたし、特異な者だけの話に終始しなかったところに共感できた。
ブリー・ラーソンが最優秀を受賞したのも、制作陣全ての繋がりだというところも垣間見られ、想像以上に素晴らしい作品だと思うところが大。
正直、話の偽り具合は半端ない。それでもグッと来てしまうわけで、制作スタッフ全てに敬意を表したくなる映画だった。
多分面白いと思う
上映20分で退館しました。
理由は、真実味が無いこと。
監禁され、体験を剥奪された子供はあぁも健全では居られない。
物語としてみた場合、20分観たところ期待できそうな感じ。
しかし、その後の展開に『今』を消費するにあたいしないように感じた。
レンタルで十分ですね。
立てつけが大きすぎる普通の母子物語
カナダ・トロントで7年間監禁されているジョイ(ブリー・ラーソン)。
監禁場所は犯人の裏庭にある納屋で、そこで犯人の子どもを産み、いま5歳になった。
子どもの名前はジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。
犯人は週1回日曜日に監禁場所を訪れ、ジョイに肉体関係を持っていた。
入口のドアには内外からナンバーロックがされており、天窓がひとつあるきり。
行く末に希望がなかったジョイであるが、ジャックの5歳の誕生日を契機に、ジョイその納屋からの脱出を試みる・・・というハナシは、まぁ、ありきたりの監禁映画のような感じがしないでもない。
たしかに、監禁されたまた子供を産むという羽目になった映画は観たことはないんだけれど。
というわけで、前半、ジョイの知略でジャックが逃げ出すまでは、それほど面白くない。
演出的には、監禁場所の狭さを感じさせるカメラワークや、犯人がそこへやってくる際にジャックはさらに狭いクローゼットに押しやられるという描写はあるものの、これまでの映画と比べと面白いかと言えば面白くないといったレベル。
この映画が面白くなるのは、ジャックの逃走劇が一息ついて、ジョイとジャックが世間に曝されてから。
それまでの狭い監禁場所のエピソードでは、その狭さを活かしてふたりのクローズアップを中心に画面構成してきたが、この後段でも、そのクローズアップ中心はそれほど変化しない。
凡庸な映画だと、救出されたのちに「世界の狭さ/広さ」を意識して、救出されたのちは引いた画で構成するところだろうが、この映画では、ジョイとジャックに寄り添うがごとくクローズアップの画面がしばしば登場する。
ジョイにとっては旧懐の世界でその広がりはあるのかもしれないが、ジャックにとっては未知なる空間、劇中の言葉を借りれば「宇宙空間」にほかならない。
この映画の見どころは、多分にここいらあたりだろう。
監禁されたまま生まれてからの5年間を過ごしたジャックが目の当たりにする世界は、あのルーム以上に母親を苦しめている世界だとジャックが認識するわけである。
この苦しみから母親を救う。
映画は後半、庇護者と被庇護者の関係が入れ替わる。
ここがこの映画の肝要なのだと思う。
さすれば、これは「普通の」母と息子の物語。
それも、息子から観た物語。
おお、おぉ。
と感銘するところなんだけど、どうにも立てつけが大きすぎて、この「普通さ加減」を描くのには過剰な感じがして、どうにも落ち着きが悪い。
母親役のブリー・ラーソンも息子役のジェイコブ・トレンブレイも熱演なのだけれど、それゆえか、どうにも普通さ加減から遠のいていった感じがしてしまいました。
箱庭の中の小さな部屋。
食料やライフラインを支配し、鍵で自由を奪い、暴力で屈伏させることでしか女性と関わることができない無職のソシオパス。
犯人像はややステレオタイプ的だけれども、言葉や文化が異なっていても性犯罪者のイメージは世界で変わりないというのはちょっと驚いた。
歪んだ女性観、狂った倫理観、狭隘で閉じた世界観から産み出された、庭の片隅にある、あの天窓の付きの小部屋という病的で空疎な性犯罪者の世界。
誘拐され、監禁され、犯され、獣の子を身籠った少女にとってあの小部屋が世界の終わりだったはずだ。
けれども、生まれて来た子供にとっては小部屋こそが世界の始まりだった。
脱出を期に開かれてゆく少年の世界。
あまりの情報量の多さに、目映く正視できない様子を巧みなカメラワークと視覚効果で表現している。
救出後、世界の現実を突き付けられる。
いつの間にか母親となっていた少女に戸惑う被害者家族。
止まったままだった時間も失われた人生も、物凄い勢いで襲いかかってくる。
被害者なのに味方が誰もいないかの様な孤独感と絶望感。
この辺りが一番難しく重苦しいかもしれない。
誘拐監禁事件をモチーフにはしているけれど、世界の認識についてが本来のテーマなんだろうか?
だとしたら現代思想好きにはいい映画かもしれないけど、重苦しいテーマでジャック役の子役の名演が無ければ徹底的に胸を締め付けられるだけで映画館を後にしただろうと思う。
終盤にジャックが「この部屋縮んだ?」と問いかけるシーンは印象的。
説得力がある
監禁された女性と、その部屋の中しか知らない息子。
解放されたら心理的・肉体的にどんな反応をするのか、説得力のある
描写が秀逸。
例によってアカデミー賞ノミネートや受賞を宣伝文句に使いたいからと言って
勿体付けてこんな時期に公開する日本の配給会社。大いに不満だ。
2部構成だったんだ!!
何といっても子役が素晴らし!
主役はこの子ですよね。
女の子と言うオチかな?と思っていたけど、こんなものではなかった。
最後のルームとのお別れの言葉が良かったな。
しかし、泣けなかった・・・
泣いてる人が大勢いたのに。
女性向けなのかな?
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