ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

劇場公開日:

解説

シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の脇役ローゼンクランツとギルデンスターンを主役に据え直し、「ハムレット」の世界を“脱構築”した非常に演劇臭の強い魔術的文芸映画。90年ヴェネツィア国際映画祭グランプリ作品。監督・脚本は原作戯曲('66年初演=劇書房刊)の作者で、「未来世紀ブラジル」「太陽の帝国」などの脚本を手がけてきたトム・ストッパードで、これが彼の映画監督第一作となる。撮影はピーター・ビジウ、音楽はスタンリー・マイヤーズが担当。巻頭巻末に挿入歌として、ピンク・フロイドの「シーマスのブルース」が使われている。出演はゲイリー・オールドマン、ティム・ロスら英国若手舞台俳優に、アメリカからリチャード・ドレイファスが加わっている。

1990年製作/イギリス
原題:Rosencrantz and Guildenstern are dead
配給:CFD
劇場公開日:1991年6月29日

ストーリー

デンマーク王子ハムレット(イェーン・グレン)のかつての学友ローゼンクランツ(ゲイリー・オールドマン)とギルデンスターン(ティム・ロス)は、エルーシア城への途上。馬を進める二人が戯れにコインで賭けを始めたところ、表が百回以上も続く。言葉遊びのような確立論談義に花を咲かせながらも、二人は確立論の利かない世界--異城に足を踏み入れたことを、どことはなしに実感するのだった。そんな二人の前に現れたのが旅興行の芝居一座。座長(リチャード・ドレイファス)は、客がいなければ存在理由のなかった自分たちの前に二人が現れたのを喜び、その歓心を得ようと演し物のサワリを色々と見せる。そのうち、ローゼンクランツとギルデンスターンはその舞台に溶け込んでしまい、気がつくと既にエルーシア城にいる。二人は好奇の眼で、城内を歩き回る。そこで見えてきたのは、ハムレットの実母(ジョアナ・マイルズ)が父王が死んだ後、父王の弟クローディアス(ドナルド・サンプター)と喪の悲しみもさめやらぬうちに結婚したこと、そしてハムレットが精神的失調を来しているということだった。その後、先述の座長一団がやってくる。ハムレットは宮内で上演される台目の仔細を彼等に密かに伝授。やがて打たれた芝居は「コンザーゴ殺し」--実母と自らの叔父が、父を陰謀により殺したということを示唆するものだった。この芝居に業を煮やしたクローディアスは、ローゼンクランツとギルデンスターンの二人に、「ハムレットの首を刎ねよ」との由のイギリス王宛親書を持たせる。黒画面でつなげられた次の場面は、すでにイギリスに向う舟の中。なぜか身の危険を感じたハムレットもその舟に身を隠している。ハムレットは二人が寝ている際に、親書の内容を「ローゼンクランツとギルデンスターンを処刑せよ」に書き変えて、トンズラ。そうとは知らぬ二人は、イギリス国王にその親書を見せ、首吊り刑に処されることに。虚構の中であっても犠牲者は犠牲者たることを逃れ得ない。二人の縊死体はそうして映し出される。そこにローゼンクランツとギルデンスターンが、呑気に自分たちの屍体を瞠め、寸評する声がかぶる……。

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映画レビュー

5.0とにもかくにも「イイ男」♪

2007年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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Chemy
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