太陽の墓場
解説
血を売る商売の男と愚連隊の話をモチーフに、助監督石堂淑朗との共同脚本を映画化。舞台は大阪のドヤ街。愚連隊信栄会の会長信は、大きな縄張りをもつ大浜組に対抗すべく、厳しい規律で子分たちを使い、会を強大なものにしようともくろんでいた。しかし、小遣い銭欲しさから、ヤスたちは信の目を盗んで、日雇いたちから血を採る商売を手伝う……。非人間的な状況の中で非人間的に生きる人間たちを凝視する大島渚監督の第3作。
1960年製作/87分/日本
血を売る商売の男と愚連隊の話をモチーフに、助監督石堂淑朗との共同脚本を映画化。舞台は大阪のドヤ街。愚連隊信栄会の会長信は、大きな縄張りをもつ大浜組に対抗すべく、厳しい規律で子分たちを使い、会を強大なものにしようともくろんでいた。しかし、小遣い銭欲しさから、ヤスたちは信の目を盗んで、日雇いたちから血を採る商売を手伝う……。非人間的な状況の中で非人間的に生きる人間たちを凝視する大島渚監督の第3作。
1960年製作/87分/日本
再開発に揺れる釜ヶ崎を16ミリで活写 「月夜釜合戦」東京、横浜で2週間限定公開
2019年3月8日日本映画専門ch、「ある日本映画史」放送中
2015年1月31日名匠・大島渚監督死去、80歳
2013年1月15日生誕80周年記念、大島渚監督特集上映開催
2012年7月11日☆☆☆★★★ 初見。簡単に。 大島渚の第3回監督作品。 全編でロケされ描かれる、大阪西成界隈の映像資料がとにかく貴重。 この第3回目のメガホンで、既に後の大島組常連俳優が揃い踏みしており。その1人1人の個性の強さが早くも最大限に発揮されていた。 驚いたのは北林谷栄さんの《大阪のおばちゃん》役。 この人の《おばちゃん》役は初めて観たかも知れない。 話自体は、2つのヤクザ組織に振り回される(おそらく)ルンペル達を中心とした話で。正直に言うと。前半から中盤にかけての、人物の出し入れであったり。話の纏め方だったりが、少々いい加減な感もあったのだが、、、 そのルンペル達(名優のオンパレード)の引き出しの多い演技。時代を背景とした戦後のドサクサ感満載な雰囲気は、後半に連れてグイグイと惹きつけられて行き。そのカメラアングルと相まって、最後の20分はスクリーンから眼が離せなくなって行った。 大島渚の演出は、デビュー作の『愛と希望の街』が、とにかく純粋性が際立つ内容だったのに対して。この本編では、ラスト間近でのごちゃごちゃとした猥雑さの中にありながらも。後の代表作と言える『日本の夜と霧』や『絞死刑』での観念性・退廃性に通ずる一面を、そこはかとなく漂わせていた気がする。 2020年 9月3日 シネマブルースタジオ
カメラの距離、アングル、アップの使い方、動かし方が絶妙だった。役者の身振り、間のとり方も凄くて、こういう風に写すのかあと感心しきりだった。 眞鍋理一郎の音楽も良くて映像のリズムとの交わり方がイイ。 こんな作品を作る人があったのかと。
大島監督の長編デビュー作「愛と希望の街」が 余りにも素晴らしかったので 「青春残酷物語」の次回作として 期待を込めて初鑑賞。 しかし、脚本か編集なのかは分からないが、 場面展開に切れがなく、 また背景を生かす描写には目を見張るものが あるものの、 台詞の人物を追うカメラワークには 上手さを感じなかった。 そもそもがアウトローの映画は、 活劇としての面白さか、 登場人物の苦悩としての心象に どこまで迫れているかとの点が 作品としての生命線かと思うのだが、 残念ながら、この作品では 両方とも感じ取ることが出来ない。 「愛と…」が心を打つのは、 長編デビュー作品として、多分に監督の それまでの人生の蓄積が情念と化し、 それが脚本に上手く凝縮された結果だった ように感じるが、 残念ながら2、3作目となった「青春…」 とこの作品では 監督の作為が勝ち過ぎて 上手くまとめきれなかったのではないかと 想像はしたのだが。