「☆☆☆★★★ 初見。簡単に。 大島渚の第3回監督作品。 全編でロケ...」太陽の墓場 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5☆☆☆★★★ 初見。簡単に。 大島渚の第3回監督作品。 全編でロケ...

2024年3月10日
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☆☆☆★★★

初見。簡単に。

大島渚の第3回監督作品。

全編でロケされ描かれる、大阪西成界隈の映像資料がとにかく貴重。

この第3回目のメガホンで、既に後の大島組常連俳優が揃い踏みしており。その1人1人の個性の強さが早くも最大限に発揮されていた。
驚いたのは北林谷栄さんの《大阪のおばちゃん》役。
この人の《おばちゃん》役は初めて観たかも知れない。

話自体は、2つのヤクザ組織に振り回される(おそらく)ルンペル達を中心とした話で。正直に言うと。前半から中盤にかけての、人物の出し入れであったり。話の纏め方だったりが、少々いい加減な感もあったのだが、、、

そのルンペル達(名優のオンパレード)の引き出しの多い演技。時代を背景とした戦後のドサクサ感満載な雰囲気は、後半に連れてグイグイと惹きつけられて行き。そのカメラアングルと相まって、最後の20分はスクリーンから眼が離せなくなって行った。

大島渚の演出は、デビュー作の『愛と希望の街』が、とにかく純粋性が際立つ内容だったのに対して。この本編では、ラスト間近でのごちゃごちゃとした猥雑さの中にありながらも。後の代表作と言える『日本の夜と霧』や『絞死刑』での観念性・退廃性に通ずる一面を、そこはかとなく漂わせていた気がする。

2020年 9月3日 シネマブルースタジオ

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