全米映画ランキング : 2011年5月6日～2011年5月8日

「マイティ・ソー」が首位デビュー

本格的にサマーシーズンに突入した全米ボックスオフィス。3本の新作がランクインした先週末は3Dアクション大作「マイティ・ソー」が約6600万ドルのオープニング興収で首位デビューを飾った。

同作は、マーベル・コミックの映画を製作するマーベル・エンタテインメントが実に20年以上の歳月をかけて完成に漕ぎ着けた作品。サム・ライミ、デビッド・S・ゴイヤー、マシュー・ボーンらが監督として製作に関わったが、最終的に「ハムレット」（97）、「フランケンシュタイン」（93）で知られる俳優・監督のケネス・ブラナーがメガホンをとった。出演は主人公ソーにオーストラリア出身の新星クリス・ヘムズワース、共演にオスカー俳優のアンソニー・ホプキンス、ナタリー・ポートマンのほか、日本からは浅野忠信が参加。批評家からは概ね高い評価を受けており、次週以降の成績にも期待がかかる。ちなみにヘムズワース扮するマイティ・ソーはアイアンマン（＝ロバート・ダウニー・Jr.）、ハルク（＝マーク・ラファロ）、キャプテン・アメリカ（＝クリス・エバンス）らマーベル・コミックのヒーローとともに来年夏公開の「ジ・アベンジャーズ」にも登場する。

2位は前週、本年最高のオープニング興収を叩き出した「ワイルド・スピードMEGA MAX」。2週目は前週比62％ダウンながら、約3250万ドルを稼ぎ、10日間の累計を約1億4000万ドルとした。今週末の成績如何では2億ドル超えもありそうだ。

業界の予想を大きく上回る約1500万ドルのオープニング興収で3位デビューとなったのはアフロアメリカン向けの群像ラブコメディ「Jumping the Broom」。アンジェラ・バセット、ポーラ・パットン、ロレッタ・ディバイン、マイク・エプスらが出演。観客、批評家、双方から高評価を受けている。一方、初登場4位のケイト・ハドソン、ジニファー・グッドウィン、ジョン・クラシンスキー主演による恋愛ドラマ「Something Borrowed」は、3位とほぼ同等の約1300万ドルの興収ながら、レビューは低調だ。

圏外ではメル・ギブソン主演、ジョディ・フォスター監督のファミリードラマ「The Beaver」が22館のアート系限定公開ながら36位に。20日には拡大公開されるという。

今週末は、ポール・ベタニー、カール・アーバン、マギー・Q共演のアクションホラー「Priest」、ジャド・アパトウ製作のコメディ「Bridesmaids」、ジョセフ・ゴードン＝レビット、ナタリー・ポートマン主演のドラマ「Hesher」が公開に。

2011年5月9日更新　藤井竜太朗