武田徹 : ウィキペディア(Wikipedia)

武田 徹(たけだ とおる、1958年9月27日 - )は、日本の評論家、ジャーナリスト、専修大学文学部人文・ジャーナリズム学科教授。前恵泉女学園大学人文学部教授。専門はメディア社会論、共同体論、産業社会論。

経歴

東京都出身。東京都立富士高等学校、国際基督教大学人文科学科卒。同大学院比較文化研究科博士課程単位取得退学。

大学院在学中より『週刊文春』、『諸君!』等に評論・書評などを執筆し、本格的に文筆活動を開始する。1984年に二玄社の嘱託社員となり、「NAVI」編集部に勤務。

満州国・ハンセン病・核技術・インターネットなど幅広い分野での著作があり、2000年には『流行人類学クロニクル』でサントリー学芸賞社会風俗部門を受賞している。またジャーナリズムのあり方についての著作・発言も多く、2003年からは東京大学先端科学技術研究センター特任教授としてジャーナリスト養成コースを担当していた。2007年4月より恵泉女学園大学人文学部教授となる。2017年4月から専修大学文学部人文・ジャーナリズム学科教授。また崔洋一らと共にBRC(放送と人権等権利に関する委員会)委員を務めている。2008年3月よりマル激トーク・オン・ディマンド(ビデオニュース・ドットコム)の司会を不定期で務めている。

人物

  • ジャーナリストのティツィアーノ・テルツァーニ が師匠である。1988年、テルツァーニがドイツの週刊誌「デア・シュピーゲル」のアジア特派員として東京にいたときに、共に時間を過ごした。夏の間、イタリアに帰ったテルツァーニの目黒の家に住んでいたことがあり、そこで『紛いもの考 シミュレーションと戯れる時代』を執筆した。

著作

単著

  • 『948歩目のトレンドウォーク 89-90流行事象の光と影』(主婦の友社 1989年)
  • 『イッツ・オンリー・ロックンロール・ジャーナリズム』(ビクターブックス 1989年)
  • 『紛いもの考 シミュレーションと戯れる時代』(CBSソニー出版 1989年)
  • 『流行記 トレンドの表層と深層』(日本経済新聞社 1990年)
  • 『「流行」とは何か 情報消費社会の生態と風景』(PHP研究所 1991年)
  • 『世紀末風俗研究 情報消費社会のフィールドワーク』(PHP研究所 1992年)
  • 『ジャーナリストは「日常」をどう切り取ればいいのか』(勁草書房 1992年)
  • 『知の探偵術 情報はいかに作られるか』別冊アクロス(パルコ出版 1994年)
  • 『メイド・イン・ジャパン・ヒストリー 世界を席捲した日本製品の半世紀』(徳間文庫 1995年)
  • 『メディアとしてのワープロ 電子化された日本語がもたらしたもの』(ジャストシステム 1995年)
  • 『偽満州国論』(河出書房新社 1995年、中公文庫 2005年)
  • 『「隔離」という病い 近代日本の医療空間』(講談社選書メチエ 1997年、中公文庫 2005年)
  • 『蘇るウィリアム・モリス ハイテク時代の職人哲学』(徳間文庫 1997年)
  • 『流行人類学クロニクル』(日経BP社 1999年)
  • 『デジタル社会論』(共同通信社 1999年)
  • 『「IT革命」原論』(共同通信社 2000年)
  • 『若者はなぜ「繋がり」たがるのか ケータイ世代の行方』(PHP研究所 2002年)
  • 『「核」論 鉄腕アトムと原発事故のあいだ』(勁草書房 2002年、中公文庫 2006年)
    • 増補版『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』(中公新書ラクレ 2011年)
  • 『戦争報道』(ちくま新書 2003年)
  • 『調べる、伝える、魅せる! 新世代ルポルタージュ指南』(中公新書ラクレ 2004年)
  • 『ニッポンの素 ルポ「今」を支える素材産業』(新宿書房 2004年)
  • 『NHK問題』(ちくま新書 2006年)
  • 『殺して忘れる社会 ゼロ年代「高度情報化」のジレンマ』(河出書房新社 2010年)
  • 『原発報道とメディア』(講談社現代新書 2011年)
  • 『原発論議はなぜ不毛なのか』(中公新書ラクレ 2013年)
  • 『暴力的風景論』新潮選書 2014年
  • 『日本語とジャーナリズム』晶文社 2016年
  • 『なぜアマゾンは1円で本が売れるのか ネット時代のメディア戦争』新潮新書 2017年
  • 『日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで』中公新書 2017年
  • 『井深大 生活に革命を』ミネルヴァ書房〈ミネルヴァ日本評伝選〉2018年
  • 『現代日本を読む ノンフィクションの名作・問題作』中公新書 2020年
  • 『ずばり東京2020』筑摩選書 2020年
  • 『神と人と言葉と 評伝・立花隆』中央公論新社 2024年

編著・監修

  • 『ネットワーク未来派宣言 10年目のニフティサーブが問う10年後の社会』編 コンピュータ・エージ社 1997
  • 『現代ジャーナリズム事典』藤田真文,山田健太共監修 三省堂 2014

翻訳

  • ジョーゼフ・J.トービン『文化加工装置ニッポン 「リ=メイド・イン・ジャパン」とは何か』時事通信社 1995
  • ピート・ハミル『新聞ジャーナリズム』日経BP社 2002

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/06/05 12:53 UTC (変更履歴
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