ルイ・マル
仏ノール県出身。ナポレオン戦争時代に富を築いたフランス貴族の末裔に生まれ、当初は家族に映画の道を反対されるも、1950年にパリの高等映画学院(IDHEC)入学を許可される。名匠ロベール・ブレッソンの助手を務めた後にジャック・イブ・クーストー監督のカメラ・オペレーターとなり、クーストーと共同監督を務めた「沈黙の世界」(56)でカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞。58年にはジャンヌ・モロー主演の2作「死刑台のエレベーター」と「恋人たち」で注目を集め、後者はその性愛描写で国際的に物議を醸した。「地下鉄のザジ」(60)や「好奇心」(71)を経て、アメリカ進出を果たした「プリティ・ベビー」(78)でカンヌ国際映画祭のフランス映画高等技術委員会グランプリ受賞、「アトランティック・シティ」(80)と「さよなら子供たち」(88)でベネチア国際映画祭の金獅子賞を2度受賞。80年に結婚した2人目の妻、米女優キャンディス・バーゲンと生涯をともにし、 95年、リンパ腫のため死去した。演劇ドキュメンタリー「42丁目のワーニャ」(94)が遺作となった。