よしもとよしとも : ウィキペディア(Wikipedia)

よしもと よしとも(男性、1964年3月14日 - )は、日本の漫画家。神奈川県出身。血液型はAB型。既婚。

神奈川大学中退。漫画家の石渡治は実兄。過去に『日刊吉本良明』という作品を発表しているが、「吉本良明」は本名ではない。妻は広末涼子のNTTドコモのポケベルCMなどの演出を手がけている映像作家の中村佳代。娘はmerimeriyeahのドラマーの石渡朔子。

略歴

1985年、神奈川大学在学中に執筆した私生活暴露ネタ4コマ『日刊吉本良明(りょうめい)』で第1回あすかまんがスクールに入選しデビュー。続いて発表された長編『レッツゴー武芸帖』『東京防衛軍』では、望月峯太郎等のニュー・ウェーブ派の影響を受けた絵柄での、狂騒的なギャグ漫画を展開。また、『東京防衛軍』では、東京ロッカーズなど80年代初頭のインディーズへの愛情を表現している。

その後は、完成度の高い短編を多数発表、発狂寸前の若者の感情を物静かな描写で描き、オシャレな青少年の共感を呼んだ。代表作は、『青い車』『よいこの街角(補習授業)』など。絵柄は少女漫画と青年漫画の中間に位置している。

『青い車』は2005年に奥原浩志監督によって映画化されている。なお『青い車』のタイトルはスピッツの同名シングル曲から。

寡作であることで知られており、短編発表の間に数年経つことが何度もある。ただし未単行本化作品も多い。

岡崎京子の『セカンド・バージン』のアシスタントを務めた事があり、その単行本には“H・イシワタ”と名がクレジットされている。

音楽好きであり、曲を聴きながらネームを描くことがある。

2002年を最後に新作が途絶えていたが、2009年8月、文芸誌『パンドラ』Vol.4(講談社)にて、「魔法の国のルル」以来約8年ぶりとなる新作「見張り塔からずっと」を発表した。翌2010年1月には衿沢世衣子『ちづかマップ』の帯にコメントを寄せている。

2010年8月、文芸誌『小説宝石』9月号(光文社)に「噛みながら」前編(長嶋有の小説の漫画化)を、10月号には後編を発表。大胆なアレンジと完成度の高さで健在ぶりを示した。

2014年5月、オダギリジョー主演の映画『ひもかわラプソディ』公式サイトにメッセージを寄稿。本作の脚本に関わったことを明かした。

2016年7月、矢寺圭太『おにでか!』(小学館クリエイティブ)1巻の帯にコメントを寄稿。

2017年10月、Twitterにて、今後も自作の電子書籍化を一切行う意思はない と表明。同月公開の映画『緑色音楽』の脚本協力を務める。

2018年6月、noteにて小説「イケメン漁師」の連載を開始。同月、曽我部恵一とウェブマガジン「フィナム」にて対談を行った。

2020年9月、新型コロナウイルスの流行に際し行われた講談社のリレー漫画企画「MANGA Day to Day」Twitter上で、「噛みながら」以来10年ぶりとなる新作「OHANAMI 2020」を発表。

作品リスト

単行本

  • 『レッツゴー武芸帖』双葉社(1988/07)
  • 『日刊吉本良明』KADOKAWA (1990/07) ISBN 978-4048522342
  • 『東京防衛軍』双葉社 (1990/09) ISBN 978-4575932195 (1992年5月、NHK-FM放送「青春アドベンチャー」にてラジオドラマ化されている)
  • 『よしもとよしとも珠玉短編集』双葉社(1990/12)ISBN 978-4575932331
  • 『青い車』 イースト・プレス (1996/05) ISBN 978-4872570779
  • 『Gratest Hits +3』双葉社 (1998/01) ISBN 978-4575935462
  • 『レッツゴー武芸帖』双葉社 (1999/04) ISBN 978-4575936179(復刊にあたり、巻末にいしかわじゅんの解説を掲載)
  • 『コレクターズ・アイテム』ベストセラーズ (1999/06) ISBN 978-4584195574

その他の漫画作品(未単行本化作品も含む)

  • バナナブレッド'95(1994年、『COMIC CUE』vol.1)
  • The God Dogs(1995年、週刊ヤングマガジン)4週集中連載
  • 音楽というものを僕はしらない(1996年、『STUDIO VOICE』Vol.250)
  • 夏の魔物(1997年、『スピッツ』LP)スピッツのデビューアルバムLP盤に発表されたフルカラー作品。
  • あさがお(1997年、『COMIC CUE』vol.4)作画:黒田硫黄、ネーム部分を担当。1999年、黒田硫黄『大王』に収録。
  • バードメン(1997年、『月刊カドカワ』vol.15)THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの同名の楽曲を題材とした2ページのトリビュート作品。
  • 4分33秒(1999年、『COMIC CUE』Vol.9)
  • 世界終末3分前(2001年、『コミックH』Vol.3)
  • ファミリー・アフェア(2002年、『コミックH』)作画:衿沢世衣子、ネーム部分を担当。2005年、衿沢世衣子『おかえりピアニカ』に収録。
  • 魔法の国のルル (2002年 - 、『COMIC CUE』vol.200)前編のみ発表、未完。
  • 見張り塔からずっと(2009年、『パンドラ』Vol.4)小説+漫画のハイブリッド作品。(財)文字・活字文化推進機構のキャンペーン、「コトバダイブしよう。」のCM中で少年が読んでいる作品に、加筆修正を加えて紙面化したもの。
  • 噛みながら(2010年、『小説宝石』9 - 10月号)原作:長嶋有。2012年、加筆修正を加えコミカライズ集『長嶋有漫画化計画』に収録。
  • OHANAMI 2020(2020年、『MANGA Day to Day』Twitter)2021年、『MANGA Day to Day』上巻(講談社)に収録。
  • 165cm(2021年、『High School, how are you?』特設サイト)音楽ユニット「Hi,how are you?」のアルバム「High School, how are you?」収録の「りんご飴」を題材とした1ページのトリビュート作。
  • レコードは死なず(マンガ家編)(2021年、『漫画アクション』No.1)レコードを軸に兄との思い出を描いた2ページのエッセイ漫画。

小説

  • 寂しき4番街(2003年、『文藝』秋季号)
  • 西荻タワー(2004年、文藝別冊『KAWADE夢ムック やまだないと』)
  • 見張り塔からずっと(オリジナル・バージョン)(2009年、(財)文字・活字文化推進機構ホームページ
  • イケメン漁師(2018年 - 、note)3話まで発表、未完。

イラスト

  • キーワード事典編集部編『アメリカ“最強”のロック』(1993年、洋泉社)装画・挿絵
  • 佐藤大『メイキング・オブ・カウボーイビバップレックレス・プレイヤーズ』(1999年、メディアファクトリー)挿絵
  • 東川篤哉『ここに死体を捨てないでください!』(2009年、光文社)装画
  • 阿部真大『ハタチの原点─仕事、恋愛、家族のこれから』(2009年、筑摩zero双書)装画
  • エリック・スピッツネイゲル(訳・浅倉卓弥)『レコードは死なず』(2021年、Pヴァイン)装画
  • チャック・クロスターマン(訳・島田陽子)『生きるために死ね──死とロックをめぐるアメリカ紀行』(2022年、Pヴァイン)装画

CDジャケット

  • ラディカル(2007年、オーノキヨフミ/ミニアルバム)
  • ビレバンのソカバン(2009年、曽我部恵一BAND/LIVEアルバム)
  • 愛の武器よ!(2021年、れいちも/シングル(LINE MUSIC))

デザイン

  • サニーデイ・サービス 「 MV Tシャツ」Tシャツ

外部リンク

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