山口小夜子
19歳のときに杉野学園ドレスメーカー女学院に入学し、服飾制作を学ぶ傍らモデルも務める。1972年、プロモデルデビューからわずか1年で、アジア系モデルとしてパリコレクションに初起用される。漆黒のおかっぱ頭に切れ長の目で日本の美を世界にアピールし、“東洋の神秘”と称されて国際的に活躍。山本寛斎、高田賢三、イブ・サンローラン、ジャンポール・ゴルチェらのミューズとして愛されただけでなく、「ウェアリスト(着る人)」と名乗り表現者として幅広く活動し、デザインの仕事のほか、女優としても鈴木清順監督の「ピストルオペラ」(01)などに出演した。晩年はファッション、音楽、映像、演劇、ダンス、文学などあらゆる表現方法を融合させた実験的な創作に力を注いでいたが、07年に急性肺炎のために死去。享年59歳だった。15年には、東京都現代美術館で展覧会「山口小夜子 未来を着る人」が開催されたほか、ドキュメンタリー映画「氷の花火 山口小夜子」が公開される。