フィリップ・ノワレ
仏ノール県リール出身。パリの大学在学中に演技に魅了され、バカロレアの試験に3回落ちて卒業を諦め、その後演劇学校に所属して1950年に初舞台を踏む。53年から60年まではフランス国立民衆劇場の劇団員として活動し、そこで出会ったモニーク・ショーメットと62年に結婚。
フランス製コメディ映画「Gigi」(49)の端役で映画に初出演し、「Agence matrimoniale」(52)で本格的にデビュー後、アニエス・バルダ監督作「ラ・ポワント・クールト」(55)で初主演した。ルイ・マル監督の「地下鉄のザジ」(60)で注目を集め、「ぐうたらバンザイ!」(69)で仏映画界のスターに。
「最後の晩餐」(73)などを経て、名作「ニュー・シネマ・パラダイス」(89)で演じた映写技師アルフレード役や「イル・ポスティーノ」(94)で演じたチリの詩人パブロ・ネルーダ役で国際的にも称賛された。「追想」(75)と「素顔の貴婦人」(90)ではフランスのアカデミー賞と言われるセザール賞主演男優賞を受賞。ラジオドラマや文芸朗読の分野でも活躍した。06年、がんのためパリで死去。遺体はモンパルナス墓地に埋葬された。