ピーター・グリーナウェイ : ウィキペディア(Wikipedia)
ピーター・グリーナウェイ(英語:Peter Greenaway CBE、1942年4月5日 - ) は、イギリスの映画監督である。
来歴
1942年4月5日、ウェールズのニューポートで生まれた。幼少期から画家を志し、美術学校に通った。その後、映画に転向した。
1962年、初の短編『Death of Sentiment』を製作。1965年から、中央情報局に入り、記録映画の編集を行った。その後も1960年代から1970年代にかけて、20本近くの短編を製作して評判になった。
1980年、初の長編『THE FALLS』を発表、英国映画協会サザーランド杯受賞。1982年、『英国式庭園殺人事件』がヴェネツィア国際映画祭に出品され、世界的に評価された。1985年の『ZOO』からその独特の作風が定まり、1988年の『数に溺れて』はカンヌ国際映画祭で芸術貢献賞を受賞した。1989年の『コックと泥棒、その妻と愛人』では色彩表現を極め、今日ではグリーナウェイの代表作として知られる。1996年には『ピーター・グリーナウェイの枕草子』を日本で製作し、シッチェス・カタロニア国際映画祭でグランプリを受賞した。
近年は映画だけでなくインスタレーション作品や小説も発表している。1998年にはベルリンで開催された巨大規模のオペラ『コロンブス』を手がけた。
2014年、第67回英国アカデミー賞で英国映画貢献賞を受賞した。
作風
その衒学趣味、独特の構図、難解なストーリーなどから一部に圧倒的な支持を得て、世界中にファンが存在する。音楽は代表作のほとんどをマイケル・ナイマンが手がけ、そのミニマリズムと相まって、他に類を見ない存在感を持つ作品として知られる。『ZOO』(1985年)では裸体が頻出するため、日本での公開当時は多くの修正が施されたが、現在入手できる媒体ではその修正は取り除かれている。
監督作品
中・長編のみ記載。短編も多数製作。
- VERTICAL FEATURES REMAKE Vertical Features Remake (1978年) 中編
- THE FALLS The Falls (1980年)
- 英国式庭園殺人事件 The Draughtsman's Contract (1982年)
- Four American Composers (1983年) ドキュメンタリー
- ZOO A Zed & Two Noughts (1985年)
- 建築家の腹 The Belly of an Architect (1987年)
- 数に溺れて Drowning by Numbers (1988年)
- コックと泥棒、その妻と愛人 The Cook the Thief His Wife & Her Lover (1989年)
- プロスペローの本 Prospero's Books (1991年)
- Darwin (1992年) 中編
- ベイビー・オブ・マコン The Baby of Mâcon (1993年)
- キング・オブ・フィルム/巨匠たちの60秒 Lumière et compagnie (1995年) オムニバス
- Stairs 1 Geneva (1995年) ドキュメンタリー
- ピーター・グリーナウェイの枕草子 The Pillow Book (1996年)
- 8½ Women (1999年)
- The Death of a Composer: Rosa, a Horse Drama (1999年)
- The Tulse Luper Suitcases, Part 1: The Moab Story (2003年)
- The Tulse Luper Suitcases: Antwerp (2003年)
- The Tulse Luper Suitcases, Part 2: Vaux to the Sea (2004年)
- The Tulse Luper Suitcases, Part 3: From Sark to the Finish (2004年)
- A Life in Suitcases (2005年)
- レンブラントの夜警 Nightwatching (2007年)
- Peopling the Palaces at Venaria Reale (2007年)
- レンブラントの告発 〜名画「夜警」に隠された31の秘密〜 Rembrandt's J'accuse (2008年) ドキュメンタリー
- The Marriage (2009年) ドキュメンタリー
- Goltzius and the Pelican Company (2012年)
- エイゼンシュテイン・イン・グアナファト Eisenstein in Guanajuato (2014年)
- Walking to Paris (2015年)
- The Eisenstein Handshakes (2016年)
関連項目
- 高山宏 - 著書『魔の王が見る』でグリーナウェイ論を展開している。
外部リンク
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