ティ・ロン : ウィキペディア(Wikipedia)
ティ・ロン(狄龍、1946年8月19日Internet Movie Database/ - )は、香港の俳優。
日本では『男たちの挽歌』シリーズの出演で知られているが、元は武術映画全盛期の香港で、数多くの映画に主演した俳優であった。カンフー映画の製作本数の減少によって人気も低迷したが、『男たちの挽歌』で復活を果たした。それ以来、出演作こそ少ないものの現在も活躍している。
来歴・人物
1968年にショウ・ブラザーズの俳優養成所に入った。翌年、『死角』のオーディションで張徹(チャン・チェ)監督に指名されて主役を演じた。主に楚原監督の作品(『楚留香』『蝙蝠傳奇』『天涯明月刀』『多情剣客無情剣』)で最も多く主役を演じた。張徹監督にはさらに認められ、姜大衛(デビッド・チャン)とのダブルキャストで最も成功を収めた。これらの実績により、張徹監督の『保鏢』(1969年)、『ヴェンジェンス 報仇』(1970年)、『英雄十三傑』(1970年)、『新・片腕必殺剣』(1971年)等で姜大衛と共に出演した。
端正な外見に加えて詠春拳の達人であり、カンフーの腕も確かだった。そのため、主演映画は台湾や東南アジアで一世を風靡し、ロンも一躍人気を博した。
1973年、『ブラッド・ブラザース 刺馬』で悪役の馬新貽を演じ、第11回金馬奨の優秀演技特別賞を獲得。それと同時に、第19回アジア映画祭の表現特出性格男優賞をも獲得した。この後、『冷血十三鷹』(1979年)で第25回アジア太平洋映画祭の演技最特出男優賞を獲得した。卓越した演技力とアクションにより武侠映画のトップスターとなり、多くの賞を獲得した。
1985年6月、18年間で80作以上の映画に出演して『後生』や『電單車』などの監督を務めたショウ・ブラザーズを離れた。
ショウ・ブラザーズ退社後は一時低迷するが、1986年の『男たちの挽歌』で復活を果たし、第23回金馬奨の最優秀主演男優賞を受賞した。それ以後、出演作品は少ないものの重厚な演技を見せ続けている。2000年には『流星 THE KID』で第19回香港電影金像奨最優秀助演男優賞を受賞。2007年には第12回香港電影金紫荊奨卓越成就賞を受賞。 2015年『わたし、ニューヨーク育ち』で第7回マカオ国際電影節最優秀主演男優賞を受賞。
主な出演作品
- ヴェンジェンス 報仇(1970年)
- 新・片腕必殺剣(1971年)
- フィスト・バトル 拳撃(1971年)
- 復讐武侠客(1971年)
- 暗殺指令シャッター(1972年)
- 水滸伝(1972年)
- 続・拳撃 悪客(1972年)
- 四騎士(1972年)
- ブラッド・ブラザース 刺馬(1973年)
- 英雄十三傑(1973年)
- 水滸伝 杭州城決戦(1973年)
- 新・少林寺列伝(1975年)
- マジッククンフー神打拳(1975年)
- マジック・ブレード(1976年)
- 蛇王子(1976年)
- 少林寺列伝(1976年)
- 続・嵐を呼ぶドラゴン(1976年)
- 多情剣客無情剣(1977年)
- 武侠怪盗英雄剣・楚留香(1977年)
- 楚留香之二蝙蝠伝奇(1977年)
- 続・空とぶギロチン〜戦慄のダブル・ギロチン〜(1977年)
- 冷血十三鷹(1978年)
- カンフーエンペラー(1980年)
- 書剣恩仇録(1981年)
- 忍者外伝・倭冠掃蕩作戦(1981年)
- 楚留香之幽霊山荘(1982年)
- 少林拳王子(1982年)
- 上海・13(1984年)
- 英雄正伝(1986年)
- 男たちの挽歌(1986年)
- 飛龍伝説オメガクエスト(1986年)
- 男たちの挽歌 II(1987年)
- 野獣たちの掟(1987年)
- タイガー・オン・ザ・ビート(1988年)
- 非情の街(1989年)
- ワイルド・ヒーローズ 暗黒街の狼たち(1989年)
- 九龍大捜査線(1993年)
- 裸足のクンフー・ファイター(1993年)
- 英雄剣(1993年)
- 酔拳2(1994年)
- 流星 THE KID(1999年)
- スター・ランナー(2003年)
- 失われた龍の系譜 トレース・オブ・ア・ドラゴン(2003年)ナレーション
- 侠影仙踪(2004年)テレビドラマ
- ソウルウェディング 花嫁はギャングスター3(2005年)
- バタフライ・ラヴァーズ(2008年)
- 三国志(2008年)
- 決闘の大地で(2010年)
- 光輝歳月(2012年)
- 愛在響螺灣(2012年)
- セブン・アサシンズ 清朝の暗殺者(2013年)
- 落跑吧愛情 (2015年)
- わたし、ニューヨーク育ち 我來自紐約 (2015年) 2016年第11回大阪アジアン映画祭で上映
- 我来自纽约2:当我们在一起 (2017年)
- 一家大晒 (2018年)
参考文献
外部リンク
- Ti Lung Rotten Tomatoes
- Moviefone Ti Lung
- 新浪微博 shaun譚俊彥
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2021/03/08 12:54 UTC (変更履歴)
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