ジャン=ピエール・ジュネ : ウィキペディア(Wikipedia)

ジャン=ピエール・ジュネ(、1953年9月3日 - )は、フランスの映画監督、脚本家。

来歴

友人の映画監督マルク・キャロと組んで「ジュネ&キャロ」として短編映画などを手掛け、10分間の短編アニメ『回転木馬』は第6回(1980年度)セザール賞の短編(アニメーション)賞に輝いた。

単独で監督した1989年の短編映画『僕の好きなこと、嫌いなこと』ではドミニク・ピノンを起用し、この作品で第16回(1990年度)セザール賞の短編(劇映画)賞を受賞した。

1991年にはキャロと共同で長編映画『デリカテッセン』を監督。核戦争後のパリの肉屋を舞台とした騒動をドミニク・ピノン主演でブラックユーモアたっぷりに描き、フランスで大ヒット。第17回(1991年度)セザール賞で、ジュネはキャロらと脚本賞と新人監督作品賞を受賞し、この作品は全部で4部門受賞した。

1995年にはキャロと共同で『ロスト・チルドレン』を発表し、ロン・パールマンを主演に起用した。第21回(1995年度)セザール賞にこの作品は3部門ノミネートし、そのうち美術賞を受賞した。

1997年、『エイリアン4』の監督に起用され、ハリウッドデビューとなり、これが初めての続編ものとなる。

その後フランスへ戻り、2001年に『アメリ』を発表し、オドレイ・トトゥ主演のこの作品は世界的なヒットとなる。日本でも映画に登場するデザートのクレームブリュレが流行するなど社会現象となった。第27回(2001年度)セザール賞で、ジュネは作品賞と監督賞を受賞し、この作品は全部で4部門受賞した。また、第74回(2001年度)アカデミー賞では、ジュネは脚本賞にノミネートされ、この作品は全部で5部門ノミネートされた。

2004年に再びオドレイ・トトゥ主演で『ロング・エンゲージメント』を発表。第30回(2004年度)セザール賞で、ジュネは作品・監督・脚本でノミネートし、この作品は全部で5部門受賞した。また、第77回(2004年度)アカデミー賞では、撮影賞と美術賞にノミネートされた。

2009年にダニー・ブーン主演の『ミックマック』を発表。日本では、フランス映画祭2010でオープニング作品として上映され、2010年9月に公開された。

ジュネの作品の特徴は、独特の世界観とブラックユーモアである。また全作品に出演している常連・ドミニク・ピノンをはじめ、オドレイ・トトゥロン・パールマンヨランド・モローアンドレ・デュソリエなど個性派俳優が多数出演し、作品世界を独特なものにしている。

フィルモグラフィ

長編映画

題名役割備考
1991デリカテッセンDelicatessen監督・脚本マルク・キャロと共同監督・脚本
1995ロスト・チルドレンLa Cité des enfants perdus
1998エイリアン4Alien: Resurrection監督
エイリアン4 完全版Alien: Resurrection
2001アメリAmeri監督・脚本
アメリ デジタルリマスター版Amelie
2004ロング・エンゲージメントUn Long Dimanche De Fiançailles
2009ミックマックMicmacs
2012メリエスの素晴らしき映画魔術Le Voyage Extraordinaire出演ドキュメンタリー映画
2013天才スピヴェットThe Young and Prodigious T.S. Spivet監督・脚本
2022BigbugNetflixオリジナル映画

短編映画

題名役割備考
1980回転木馬Le Manège監督・脚本マルク・キャロと共同監督・脚本
1981Le Bunker de la dernière rafale監督・脚本・出演
1983ビリー・ブラッコに休息なしPas de repos pour Billy Brakko
1989Foutaises監督・脚本

関連項目

  • フランスの映画

外部リンク

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