青崎有吾 : ウィキペディア(Wikipedia)

は、日本の小説家・推理作家。神奈川県横浜市生まれ体育館の殺人 |青崎有吾 |評者◆青崎有吾 - 図書新聞。神奈川県立希望ヶ丘高校を経て、明治大学文学部を卒業。大学在学中は明治大学ミステリ研究会に所属。

略歴

明治大学に入学後、2作品ほどライトノベル関係の賞に応募するも落選する。「ライトノベルではなくて、ミステリのほうがいい」と選評に書かれたことから、いつかは応募したいと思っていた鮎川哲也賞に初めて応募する。

2012年、『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞を受賞して小説家デビュー。同賞史上初の平成生まれの受賞者となった。授賞式では選考委員を代表して芦辺拓が「『体育館の殺人』は、真正面から本格ミステリに取り組み、それもエラリー・クイーンばりのロジカルな推理に、堂々と挑戦している点に好感が持てました」と評した。

2024年、『地雷グリコ』で第24回本格ミステリ大賞(小説部門)、第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、第37回山本周五郎賞を受賞。5月10日から16日にかけての1週間で3つの文学賞を受賞することとなった。

受賞・候補歴

  • 2012年 - 『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞受賞
  • 2014年 - 『水族館の殺人』で第14回本格ミステリ大賞(小説部門)候補
  • 2017年 - 『ノッキンオン・ロックドドア』で第70回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補
  • 2020年 - 『早朝始発の殺風景』で第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補
  • 2021年 - 「風ヶ丘合唱祭事件」で第74回日本推理作家協会賞(短編部門)候補
  • 2024年 - 『地雷グリコ』で第24回本格ミステリ大賞(小説部門)第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)第37回山本周五郎賞受賞、第171回直木三十五賞候補

ミステリ・ランキング

  • 週刊文春ミステリーベスト10
    • 2023年 - 『11文字の檻 青崎有吾短編集成』19位
  • このミステリーがすごい!
    • 2014年 - 『水族館の殺人』28位
    • 2017年 - 『図書館の殺人』20位、『アンデッドガール・マーダーファルス 1』24位
    • 2020年 - 『早朝始発の殺風景』12位
    • 2021年 - 『ノッキンオン・ロックドドア2』36位
    • 2022年 - 『アンデッドガール・マーダーファルス 3』17位
    • 2024年 - 『11文字の檻 青崎有吾短編集成』12位
  • 本格ミステリ・ベスト10
    • 2013年 - 『体育館の殺人』5位
    • 2014年 - 『水族館の殺人』2位
    • 2015年 - 『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』8位
    • 2017年 - 『図書館の殺人』2位、『ノッキンオン・ロックドドア』17位、『アンデッドガール・マーダーファルス 1』20位
    • 2020年 - 『早朝始発の殺風景』19位
    • 2021年 - 『ノッキンオン・ロックドドア2』23位
    • 2022年 - 『アンデッドガール・マーダーファルス 3』19位
    • 2024年 - 『11文字の檻 青崎有吾短編集成』20位
  • ミステリが読みたい!
    • 2017年 - 『ノッキンオン・ロックドドア』18位
    • 2020年 - 『早朝始発の殺風景』19位
    • 2022年 - 『アンデッドガール・マーダーファルス 3』18位
    • 2024年 - 『11文字の檻 青崎有吾短編集成』9位

作品リスト

単行本

裏染天馬シリーズ

  • 体育館の殺人(2012年10月 東京創元社 / 2015年3月 創元推理文庫 )
  • 水族館の殺人(2013年8月 東京創元社 / 2016年7月 創元推理文庫 )
  • 風ヶ丘五十円玉祭りの謎(2014年4月 東京創元社 / 2017年7月 創元推理文庫 )
    • もう一色選べる丼(『ミステリーズ!』vol.58 APRIL 2013 東京創元社)
    • 風ヶ丘五十円玉祭りの謎(書き下ろし)
    • 針宮理恵子のサードインパクト(『ミステリーズ!』vol.60 OCTOBER 2013 東京創元社)
    • 天使たちの残暑見舞い(書き下ろし)
    • その花瓶にご注意を(書き下ろし)
    • 世界一居心地の悪いサウナ(書き下ろし)
  • 図書館の殺人(2016年1月29日 東京創元社 / 2018年9月 創元推理文庫 )

アンデッドガール・マーダーファルス

  • アンデッドガール・マーダーファルス 1(2015年12月 講談社タイガ )
  • アンデッドガール・マーダーファルス 2(2016年10月 講談社タイガ )
  • アンデッドガール・マーダーファルス 3(2021年4月 講談社タイガ )
  • アンデッドガール・マーダーファルス 4(2023年7月 講談社タイガ )
    • 知られぬ日本の面影(『小説現代』2023年6月号)
    • 輪る夜の彼方へ流す小笹船(『小説現代』2023年7月号)
    • 鬼人芸(書き下ろし)
    • 言の葉一匙、雪に添え(書き下ろし)
    • 人魚裁判(『小説現代』2023年7月号)

ノッキンオン・ロックドドア

  • ノッキンオン・ロックドドア(2016年4月 徳間書店 / 2019年3月 徳間文庫 )
    • ノッキンオン・ロックドドア(『読楽』2014年10月号)
    • 髪の短くなった死体(『読楽』2014年12月号)
    • ダイヤルWを廻せ!(『読楽』2015年3月号)
    • チープ・トリック(『読楽』2015年4月号)
    • いわゆる一つの雪密室(『読楽』2015年11月号)
    • 十円玉が少なすぎる(『読楽』2015年12月号)
    • 限りなく確実な毒殺(書き下ろし)
  • ノッキンオン・ロックドドア2(2019年11月 徳間書店 / 2022年11月 徳間文庫 )
    • 穴の開いた密室(『読楽』2017年12月号)
    • 時計にまつわるいくつかの嘘(『読楽』2018年2月号)
    • 穿地警部補、事件です(『読楽』2018年7月号)
    • 消える少女追う少女(『読楽』2019年2月号)
    • 最も間抜けな溺死体(特設サイトに掲載)
    • ドアの鍵を開けるとき(書き下ろし)

その他

  • 早朝始発の殺風景(2019年1月 集英社 / 2022年1月 集英社文庫 )
    • 早朝始発の殺風景(『小説すばる』2016年1月号)
    • メロンソーダ・ファクトリー(『小説すばる』2016年10月号)
    • 夢の国には観覧車がない(『小説すばる』2017年5月号)
    • 捨て猫と兄妹喧嘩(『小説すばる』2018年5月号)
    • 三月四日、午後二時半の密室(『小説すばる』2018年8月号)
    • エピローグ(書き下ろし)
  • 11文字の檻 青崎有吾短編集成(2022年12月 創元推理文庫 )
    • 加速してゆく(『平成ストライク』2019年4月 南雲堂)
    • 噤ヶ森の硝子屋敷(『謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー』2017年9月 講談社タイガ)
    • 前髪は空を向いている(『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 小説アンソロジー』2019年11月 星海社FICTIONS)
    • your name(『STORY BOX』2019年9月号 小学館)
    • 飽くまで(「Mephisto Readers Club」2022年5月16日 講談社)
    • クレープまでは終わらせない(『田中寛崇作品集 ENCOUNTER』2018年9月 東京創元社)
    • 恋澤姉妹(『彼女。 百合小説アンソロジー』2022年3月 実業之日本社)
    • 11文字の檻(書き下ろし)
  • 地雷グリコ(2023年11月 KADOKAWA )
    • 地雷グリコ(『小説屋sari-sari』2017年11月号 KADOKAWA)
    • 坊主衰弱(『カドブンノベル』2020年11月号 KADOKAWA)
    • 自由律ジャンケン(『小説 野性時代』2022年3月号 KADOKAWA)
    • だるまさんがかぞえた(『小説 野性時代』2023年2月号 KADOKAWA)
    • フォールーム・ポーカー(書き下ろし)

アンソロジー

「」内が青崎有吾の作品

  • ベスト本格ミステリ2015(2015年6月 講談社ノベルス )「髪の短くなった死体」
  • 殺意の隘路 最新ベスト・ミステリー(2016年12月 光文社 )「もう一色選べる丼」
    • 【分冊・改題】殺意の隘路(上) 日本ベストミステリー選集(2020年5月 光文社文庫 )
  • 短篇ベストコレクション 現代の小説2017(2017年6月 徳間文庫 )「早朝始発の殺風景」
  • ベスト本格ミステリ2017(2017年6月 講談社ノベルス )「早朝始発の殺風景」
    • 【再編集】ベスト本格ミステリ TOP5 短編傑作選003(講談社文庫 2019年4月 )
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー(2017年9月 講談社タイガ )「噤ヶ森の硝子屋敷」
  • 短篇ベストコレクション 現代の小説2018(2018年6月 徳間文庫 )「穴の開いた密室」
  • 平成ストライク(2019年4月 南雲堂 / 2020年10月 角川文庫 )「加速してゆく」
  • 短篇ベストコレクション 現代の小説2019(2018年6月 徳間文庫 )「時計にまつわるいくつかの噓」
  • 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 小説アンソロジー(2019年11月 星海社FICTIONS )「前髪は空を向いている」
  • 沈黙の狂詩曲 最新ベスト・ミステリー(2019年11月 光文社 )「三月四日、午後二時半の密室」
    • 【分冊・改題】沈黙の狂詩曲 精華編 Vol.1 日本最旬ミステリー「ザ・ベスト」(2021年5月 光文社文庫 )
  • FGOミステリー小説アンソロジー カルデアの事件簿 file.01(2020年2月 星海社FICTIONS )「暗黒犯罪天楼 マンハッタン」
  • 放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー(2020年11月 創元推理文庫 )「あるいは紙の」
  • 超短編! 大どんでん返し(2021年2月 小学館文庫 )「your name」
  • ネメシスVI(2021年6月 講談社タイガ )「カジノ・イリーガル」
  • 絶対名作! 十代のためのベスト・ショート・ミステリー 学園ミステリー(2021年11月 汐文社 )「メロンソーダ・ファクトリー」
  • 彼女。 百合小説アンソロジー(2022年3月 実業之日本社 / 2024年2月 実業之日本社文庫 )「恋澤姉妹」
  • 陥穽の円舞曲 最新ベスト・ミステリー(2022年11月 光文社 )「あるいは紙の」
  • 黒猫を飼い始めた(2023年2月 講談社 )「飽くまで」
  • 貴女。 百合小説アンソロジー(2024年6月 実業之日本社 )「首師」

単著未収録短編

小説
  • 裏染天馬シリーズ
    • 風ヶ丘合唱祭事件(『ミステリーズ!』Vol.100 APRIL 2020 東京創元社)
    • あるいは紙の(『放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー』2020年11月 創元推理文庫)
  • ノン・シリーズ
    • 黒犯罪天楼 マンハッタン(『FGOミステリー小説アンソロジー カルデアの事件簿 file.01』2020年2月 星海社FICTIONS)
    • カジノ・イリーガル(『ネメシスVI』2021年6月 講談社タイガ)
    • くらりvsメカくらり(『紙魚の手帖』vol.12 AUGUST 2023 東京創元社)
    • 縄、綱、ロープ(『オール讀物』2024年7・8月号 文藝春秋)
    • 首師(『貴女。 百合小説アンソロジー』2024年6月 実業之日本社)
エッセイなど
  • 「〈90年代生まれが起こす文学の地殻変動〉アンケート」(『文藝』2020年冬季号、2020年10月発売)

共著

  • 円居挽のミステリ塾(2022年6月 星海社新書 ) - 円居挽、斜線堂有紀、日向夏相沢沙呼、麻耶雄嵩との共著。円居挽との対談を収録。
  • ミステリーツアー(2024年6月 講談社 ) - 編:講談社。阿津川辰海、伊吹亜門、似鳥鶏、真下みこととの共著。書評集。

テレビドラマ

  • ネメシス(2021年4月 - 6月、日本テレビ) - 脚本協力
  • 早朝始発の殺風景(2022年11月 - 12月、WOWOW) - 原作
  • ノッキンオン・ロックドドア(2023年7月 - 9月、テレビ朝日) - 原作

テレビアニメ

  • アンデッドガール・マーダーファルス(2023年7月 - 9月、フジテレビ) - 原作

漫画原作

  • アップサイド・ダウンタウン(『週刊ヤングジャンプ』2022年24号 集英社) - 漫画:群青ピズ
  • ガス灯野良犬探偵団(『週刊ヤングジャンプ』2023年37・38合併号 - 連載中 集英社) - 漫画:松原利光

コミカライズ

  • アンデッドガール・マーダーファルス(2016年10月 - シリウスKC 既刊3巻) - 漫画:友山ハルカ
  • 早朝始発の殺風景(2022年11月 ヤングジャンプコミックス 全2巻) - 漫画:山田シロ彦
  • ノッキンオン・ロックドドア(2022年7月 - 11月 Hykecomic 全29話(電子書籍 単話のみ)) - 漫画:繭つ麦
  • 地雷グリコ(『ヤングアニマル』2024年20号 - 連載中 白泉社) - 漫画:暁月あきら

出典

関連項目

  • 日本の小説家一覧
  • 推理作家一覧

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/10/12 14:04 UTC (変更履歴
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