清水崇 : ウィキペディア(Wikipedia)

清水 崇(しみず たかし、1972年7月27日 - )は、日本の映画監督。群馬県前橋市出身。 2018年より株式会社ブースタープロジェクトに所属。

略歴・人物

  • 前橋市立若宮小学校、前橋市立第四中学校を経て、群馬県立中央高等学校を卒業後、近畿大学文芸学部に入学するも中退。大学在学中に脚本家の石堂淑朗に師事する。
  • 同郷の小栗康平監督の『眠る男』、テレビドラマやVシネマなどにスタッフとして参加しながら、映画美学校にて学ぶ。この学生時代に映像課題として撮影した『家庭訪問』という3分ほどの短編が、のちの『呪怨』の原型となる。卒業生製作として「はるのそら」(1998年)に撮影助手として参加する。
  • 卒業後、映画監督の黒沢清の薦めで、関西テレビのオムニバスホラー『学校の怪談G』での短編を演出する機会を与えられた。本人の弁によれば、短編2本とも助監督すら付けられず、スケジュール作成からキャスティング、監督料も全部込みでわずか5万円だったとのこと。
  • さらに映画美学校時代の講師だった脚本家の高橋洋の紹介で、一瀬隆重と出会い、ビデオ版『呪怨』『呪怨2』を製作。原題は『呪怨霊』だったが、清水の強い希望で『呪怨』に収まった。
  • 2001年、『富江 re-birth』で映画監督デビューを果たす。公開館の新宿ジョイシネマでは、富江役の酒井美紀、共演の遠藤久美子やブレイク前の妻夫木聡らと共に、初めて映画館の舞台挨拶に立った。
  • 2002年にはビデオ版『呪怨』を映画化してヒットする。翌年には『呪怨2』も映画化してヒット。2004年には自らの手で『呪怨』のハリウッドリメイク版『The Grudge』(邦題『THE JUON/呪怨』)を製作して、日本人監督の実写作品としては初めて全米興行成績No.1を獲得する。日本人監督としては初のハリウッドデビューを果たす。
  • 2006年には続編『The Grudge2』(邦題『呪怨 パンデミック』)も全米興行収入初登場1位を記録した。しかし日本では、全国ロードショー公開にもかかわらずトップ10にも入らないという散々な結果となった。
  • 2008年6月には『東京少女 桜庭ななみ』(BS-i)の第4話「小さな恋」において、初めて恋愛ドラマの監督を務めた。
  • 2009年には、オープニング・エンディングを手がけたオムニバス映画『非女子図鑑』が2009年5月に公開。同年10月、立体映画『戦慄迷宮3D』が公開。
  • 角野栄子の児童書を原作とする実写映画『魔女の宅急便』の監督を務め、2014年3月1日に全国ロードショー公開。興行成績初週3位となった。

人物

  • 幼少期は児童文学を好んでおり、自ら物語を作るなどしていた。小学4年生の時に映画『E.T.』を観て本格的に映画にのめり込むようになった。怪談ものも子供の頃から好んでおり、中高生の頃に起きたホラー映画ブームによりホラー映画にはまった。
  • 子供の頃はいたずら好きで、「人をいかに驚かせるか」という趣向が後にホラー映画を監督する際にも活かされている。
  • ホラー漫画家の押切蓮介と親交がある。映画美学校の学生時代に撮った習作『家庭訪問』に出演してもらった藤貴子、2004年の劇場作品『稀人』で起用した宮下ともみなどは、以降の作品でも積極的にキャスティングしている。
  • ホラー映画を多く監督するせいか、ウェブ記事などで名前の「崇」はしばしば「祟(たたり)」と間違って記されている。

作品

映画

  • 富江 re-birth(2001年) - 監督
  • 呪怨(2003年) - 監督・脚本
  • 怪猫 轢き出し地獄(2003年) - 監督・脚本
  • 怪談 こっちを見ないで…(2003年) - 監督・脚本
  • 幽霊vs宇宙人(2003年) - 監督・脚本・出演
  • 呪怨2(2003年) - 監督・脚本
  • 稀人(2004年) - 監督
  • THE JUON/呪怨(2004年) - 監督
  • 輪廻(2005年) - 監督・脚本
  • 呪怨 パンデミック(2006年) - 監督
  • ユメ十夜(2007年) - 監督・脚本
  • 非女子図鑑(2009年) - 監督
  • 戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH(2009年) - 監督
  • ラビット・ホラー3D(2011年) - 監督・脚本
  • 魔女の宅急便(2014年) - 監督・脚本
  • 7500(2014年) - 監督
  • 9次元からきた男(2016年) - 監督 ※ 日本科学未来館
  • 雨女(2016年) - 監督 ※ 4DX専用
  • こどもつかい(2017年) - 監督・脚本
  • ブルーハーツが聴こえる(2017年) - オムニバス作品の1つ「少年の詩」の監督・脚本
  • 犬鳴村(2020年) - 監督・脚本・原案
  • 樹海村(2021年) - 監督・脚本・原案
  • ホムンクルス(2021年) - 監督・脚本
  • 牛首村(2022年) - 監督・原案・脚本
  • 忌怪島/きかいじま(2023年) - 監督・脚本
  • ミンナのウタ(2023年) - 監督・脚本・原案
  • あのコはだぁれ?(2024年) - 監督・脚本・原案

オリジナルビデオ

  • 呪怨(1999年)
  • 呪怨2(1999年)
  • 伊藤潤二 恐怖collection 悪魔の理論(2000年)
    • 真霊ビデオV ほんとにあった怖い話〜恐怖心霊写真館
    • 真霊ビデオVI ほんとにあった怖い話〜恐怖タレント体験談
  • 怪談 こっちを見ないで…(2002年) - 『幽霊vs宇宙人』としてソフト化
  • 怪猫 轢き出し地獄(2003年) - 『幽霊vs宇宙人 VOL.2』としてソフト化

テレビドラマ

  • 学校の怪談G「片隅」「44444444444」(1998年、関西テレビ) - 2作は『THE JUON/呪怨』の特典ディスクに収録
  • 怪談新耳袋 1stシーズン「エレベーター」「さとり」「待ち時間」(2003年、BS-i)
  • 日本のこわい夜「金髪怪談」(2004年、TBS『水曜プレミア』)
  • 怪奇大家族(2004年、テレビ東京)
  • 怪奇大作戦 セカンドファイル ファイル1「ゼウスの銃爪」(2007年、NHK-BShi)
  • 音女 OTOME(2008年、テレビ朝日)
  • 東京少女 桜庭ななみ 第4回「小さな恋」(2008年、BS-i)
  • 天才てれびくんMAX『ミラクルシャッター』(2009年、NHK教育テレビ)
  • SOIL(2010年、WOWOW)
  • 世にも奇妙な物語「嘘が生まれた日」(2015年、フジテレビ)

ミュージックビデオ

  • 天才てれびくんワイドエンディング「きらいじゃブギ」(2001年、NHK教育テレビ)
  • Ms.OOJA「HIKARI (Ms.OOJAの曲)」(2020年) - 『犬鳴村』主題歌

テレビアニメ

  • 闇芝居(2014年、テレビ東京) - 第6話脚本・絵コンテ

監修・プロデュース

  • もうひとりいる(2002年) - 監修
  • 呪怨 白い老女(2009年) - 原案・監修
  • 呪怨 黒い少女(2009年) - 原案・監修
  • 劇場版 稲川怪談 かたりべ(2014年) - プロデュース
  • キョンシー(2014年) - 製作
  • (2017年) - エグゼクティブ・プロデューサー
  • みなに幸あれ(2024年) - 総合プロデュース

著書

  • 『寿恩〜俺、霊とか見えないんだけど…〜』(2004年、ぴあ)

出演

  • カラスコライダー(2009年) - 出演のみ
  • 劇場版 はらぺこヤマガミくん(2012年) - シミズさん 役

外部リンク

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/10/21 12:55 UTC (変更履歴
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