ふみふみこ : ウィキペディア(Wikipedia)
ふみ ふみこ(1982年8月18日 - )は、日本の漫画家。女性。奈良県出身。血液型はO型。
来歴
デビュー
小学生から高橋留美子の『らんま1/2』の影響を受けて、漫画家を目指した『週刊モーニング』2017年15号『ガマンできないマンガ』より。。「可愛い女の子だけがいるアニメ」や「『らんま1/2』みたいな性差のない漫画の世界観」に救われてきたという。
『めめんと森』を描く10年前ごろの1年間、葬儀社で式典補佐として働く。2006年、4コマ漫画『ふんだりけったり』で第11回「Kiss」ショートマンガ大賞・佳作を受賞してデビュー。
「ひらめき☆マンガ学校」時代
2009年、西島大介のひらめき☆マンガ学校に生徒として参加。ひらめき☆マンガ学校の授業の一環で持ち込んだ原稿が編集者の目に留まり、『月刊COMICリュウ』(徳間書店)2010年3月号に短編『女の穴』を掲載し、ストーリー漫画デビュー。翌年、同作を表題作としたふみの初となる単行本を刊行。同作は翌年の『ダ・ヴィンチ』5月号で「思考実験的SFマンガ」として紹介されるなど、話題となった。マンガ学校の出世頭として扱われ、同年10月5日に池尻大橋2.5Dにて開催されたマンガ学校の中間報告イベント「ひら☆マン2.5学期」の第1部では「ふみふみこデビュー!驚きのひらめき☆錬金術」というタイトルでふみの活動が取り上げられた。
幼少期から家族の影響により世の中への恨みが蓄積されていき、30歳を過ぎるまで自立できず、生きづらさを感じていたふみは、死にたいと考えたこともあった。『女の穴』を刊行後、仕事が増えたことにより親と会う機会が減り、人との出会いにより一般的な考え方に触れ、この時期がふみの一番のターニングポイントであった。漫画業界にいられるようふみが努力した結果、少しずつ自信が芽生えたという。
長編連載開始
2010年、海外で漫画を描くことができるのか試すためにネパールへ行くが、ほとんどホテルの部屋に篭り漫画を執筆し、「ネパールじゃなくていい」と考え帰国する 収録『ネパール逃亡記』より。。
2011年12月1日、初の長編連載作品となる『さきくさの咲く頃』を『ぽこぽこ』(太田出版)にて開始。2012年2月より『comicスピカ』にて、注目を集める新鋭の新連載として『そらいろのカニ』を開始。同年3月に休刊していた『月刊COMICリュウ』が復刊し、復刊号である5月号より男の娘を題材とした『ぼくらのへんたい』の連載を開始。2013年に葬儀場で働く女性を描いた『めめんと森』で『フィールヤング』(祥伝社)に初連載。同年5月、リニューアルした『Kiss PLUS』で『人工精霊タルパちゃん』の連載を開始、同年7月には『Champion タップ!』(秋田書店)で『さくらの園』など、複数作品を連載。
2013年7月に開催された「ひらめき☆マンガ学校」の3学期1日目では、「実際にマンガ家として活躍している作家」のひとりとしてゲスト参加している。
2017年、『yom yom』(新潮社)vol.45よりふみ本人の「半自伝的クロニクル」である『愛と呪い』の連載を開始。もともと構想があり、漫画家になった時から世に出す決意があったが、タイミングを見計らっていた作品で、『ぼくらのへんたい』を描き終え「いまなら描けるかもしれない」と考えて執筆をしている。
2021年3月より『コミックDAYS』(講談社)にて男女の入れ替わりを描くラブサスペンス『僕たちのリアリティショー』、『月刊COMICリュウ』にてアラサーの元アイドルを描く『ふつうのおんなのこにもどりたい』の連載を開始。
作風・人物
押見修造はふみの「性への光の当て方は独特で、すごく面白い」と話している。
ネームが出来ない時は日記に「私はまんがをかくのが好き」と書き、自己暗示をかけるという。
ふみによると、「男の人を描くのが苦手」である。ふみは「性のない状態に憧れて描いている」ため、「性をなくしたい」といったテーマばかり描いてしまうという自覚がある。
作品リスト
連載
- ふんだりけったり(『One more Kiss』2007年1月号、9月号 - 2008年1月号、『Kiss』2007年No.3 - 2010年No.2、『Kiss PLUS』2008年5月号 - 2011年1月号)
- 『女の』シリーズ(『月刊COMICリュウ』2010年3月号 - 2010年8月号) - 連作短編。『女の穴』を表題作として単行本化。2014年に実写映画化される。
- 女の穴(『月刊COMICリュウ』2010年3月号)
- 女の頭(『月刊COMICリュウ』2010年6月号)
- 女の豚(『月刊COMICリュウ』2010年8月号)
- 女の鬼(『女の穴』描きおろし)
- さきくさの咲く頃(『web連載空間ぽこぽこ』2011年12月1日 - 2012年5月さきくさの咲く頃 - 太田出版による作品紹介ページ)
- そらいろのカニ(『comicスピカ』No.5 - No.13)
- ぼくらのへんたい(『月刊COMICリュウ』2012年5月号 - 2016年2月号)
- めめんと森(『フィール・ヤング』2013年4月号 - 10月号)
- 人工精霊タルパちゃん(『Kiss PLUS』2013年5月号 - 2014年3月号、『Kiss』2014年4月号、11月号)
- さくらの園(『Champion タップ!』2013年7月11日 - 2015年8月13日)
- qtμt キューティーミューティー(原作:さやわか、『月刊ビッグガンガン』2016年8月号 - 2017年11月号→『LINEマンガ』2017年12月9日 - )
- 愛と呪い(『yom yom』vol.45(2017年8月号) - vol.58奥付より。(2019年10月号))
- ふつうのおんなのこにもどりたい(『COMICリュウ』2021年3月19日 - )
- 永守くんが一途すぎて困る。(原作:さやわか、『LINEマンガ』2021年3月22日 - )
- 僕たちのリアリティショー(『コミックDAYS』2021年3月31日 - 2022年12月)
短編
- 2×2×2(『COMICリュウ アンソロジー2011◆SUMMER「けもも」』、2011年8月)
- いばらのばら(『COMICリュウ アンソロジー2011◆「けもも02」』、2011年10月)
- わたしのこどもたち(『Quick Japan』vol.101、2012年4月)
- 尻子玉ください(『BOX-AIR』05号、2011年)
- タイトル不明(『ビッグガンガン』2013年Vol.02の『シガレットアンソロジー』)
- ごじゃわやくそ(『haruca』Vol.2、2013年3月)
- ピノコトリビュート アッチョンブリケ!(『月刊プリンセス』2013年7月号) - 『ブラック・ジャック』40周年企画トリビュート漫画
- 金色の飴 星の煙(『シガレットアンソロジー』、2014年3月)
- 君ならで誰にか見せむ(『モーニング』2014年10号)『Dモーニング』2014年10号にも掲載、「1年間、実力派作家陣が毎号読み切りを描く企画」の一作。
同人誌掲載短編
- 村田克己54歳(『ジオラマ2号』、2012年2月) -
書籍
- 『女の穴』、徳間書店〈リュウコミックス〉、2011年10月1日初版発行(2011年9月13日発売)、
- 『さきくさの咲く頃』、太田出版、2012年11月15日発売、
- 『そらいろのカニ』、幻冬舎〈バーズコミックス スピカコレクション〉、2012年12月24日発売、
- 『そらいろのカニ 新装版』、幻冬舎〈バーズコミックス スピカコレクション〉、2014年7月24日発売、
- 『めめんと森』、祥伝社〈フィールコミックス〉、2013年12月15日初版発行(2013年12月7日発売)、
- 『恋につきもの』、徳間書店、2014年2月13日発売、
- 『さくらの園』、秋田書店〈少年チャンピオンコミックス・タップ!〉、2014年 - 2015年、全2巻
- 2014年9月8日発売、
- 2015年11月6日発売、
- 『ふんだりけったり』、講談社〈KCデラックス〉、2014年10月10日発売、
- 『人工精霊タルパちゃん』、講談社〈KCデラックス〉、2014年10月10日発売、
- 『ぼくらのへんたい』、徳間書店、2012年 - 2016年、全10巻
- 『qtμt キューティーミューティー』、原作:さやわか、全3巻 スクウェア・エニックス→LINEコミックス、全5巻
- 『神主さんと僕の彼女』、集英社、2015年1月23日発売、
- 『女装男子とメンヘラおじさん』、リブレ〈ビーボーイコミックスデラックス〉、2017年2月10日発売、
- 『愛と呪い』新潮社〈バンチコミックス〉、全3巻
- 『僕たちのリアリティショー』、講談社〈モーニングKC〉2021年 - 2022年、全2巻
- 『ふつうのおんなのこにもどりたい』、徳間書店〈リュウコミックス〉、2021年 - 、既刊8巻(2024年10月11日現在)
- 『永守くんが一途すぎて困る。』、原作:さやわか 、全3巻
挿画・イラスト
- 『承認をめぐる病』(2013年12月、日本評論社) - 表紙絵、単行本
- 『承認をめぐる病』(2016年12月、筑摩書房) - 表紙絵、文庫
- 『半熟卵のエンジン』(著:歩祐作、2014年5月4日発売、講談社) - イラスト
- 『女子的生活』(2016年8月、新潮社) - 表紙絵(装幀石川絢士との合作)、挿絵(連載時)
その他
- 『ユリイカ2011年7月臨時増刊号 総特集=涼宮ハルヒのユリイカ!』(青土社) - イラスト
- 平尾アウリ『まんがの作り方』第5巻限定版付属同人誌(2011年6月) - 企画「友人作家が語る平尾アウリさん」に寄稿
- 『ボカロ Plus vol.2』(2011年12月、徳間書店) - 1ページ漫画
- 『COMICリュウ新春特版【紅組】』(2011年12月、徳間書店) - 「ネパール旅行記」と「ネパール帰国記」を寄稿
- 『輪るピングドラム ファビュラス・アンソロジー』(2012年3月、幻冬舎) - 4コマ漫画
- 『FEEL YOUNG』(2012年4月号) - ゲストの本棚紹介コーナー『私の本棚』
- 『夏雪ランデブー アニメ&原作公式ガイドブック』(2012年7月、祥伝社) - イラストとメッセージ
- 曽我部恵一『サーカス』(2012年7月) - CDジャケットイラスト
- 『FEEL YOUNG』(2012年11月号) - エッセイコーナー『漫画家ごはん日誌』
- 西島大介『Young, Alive, in Love』(2012年10月10日発売) - 単行本オマケ漫画、帯コメント
- 『月刊コミックビーム』(2012年12月号) - 放浪息子十周年記念スペシャル・トリビュートイラスト
- 『comicスピカ』(No.14、2012年11月) - 『そらいろのカニ』刊行記念特集、ふみによる手塚治虫の元担当編集者・伊藤嘉彦へのインタビュー掲載
- 『Kiss』(2012年22号) - エッセイコーナー『溺愛語』
- 『QuickJapan』(vol104、2012年) - 対談
- 『comicスピカ』(No.16、2013年1月) - 愛猫を描いたエッセイ漫画寄稿
- 『ファイブスター物語 トレーサー Ex.2』(2013年3月) - 寄稿
- 『季刊エス』(2013年7月号) - 「漫画家使用画材アンケート」参加
- 『ユリイカ』(2013年7月号) - 表紙イラスト
- 『魔法少女まどか☆マギカ アンソロジーコミック』第4巻(2013年7月) - 漫画
- 大島薫『男の娘どうし恋愛中。』(2017年12月、宝島社) - 作画担当
- 『むちゃマン』 第1回 - 第4回(2022年2月27日 - 3月21日、NHK総合) - 出演、リレー形式漫画制作
関連人物
- 曽我部恵一
- ミュージシャン。「プロモーションビデオの撮影中、書店に置いてあった単行本『女の穴』を手に取ったこと」がきっかけとなり、ふみのファンとなる。「サーカス」のジャケットイラストをふみが描いたことを記念し、『月刊COMICリュウ』2012年9月号に対談が掲載された。
出典
関連項目
外部リンク
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/10/11 11:30 UTC (変更履歴)
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