文月悠光 : ウィキペディア(Wikipedia)
文月 悠光(ふづき ゆみ、1991年7月23日 - )は、日本の詩人。北海道札幌市南区出身。武蔵野大学客員准教授。夫は作曲家の坂東祐大。
経歴
札幌市立真駒内中学校『広報さっぽろ 南区版』 2007年3月号2年時の2006年から詩誌「現代詩手帖」や「詩学」へ詩を投稿する。2007年に中学3年時で詩学最優秀新人賞を、北海道札幌旭丘高等学校2年時の2008年に帷子耀に並ぶ過去最年少16歳で現代詩手帖賞を受賞。
高校3年時の2009年に第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』を上梓して、中原中也賞と丸山豊記念現代詩賞を過去最年少18歳で、それぞれ受賞する。
早稲田大学教育学部在学時は詩やエッセイ、書評を寄稿しながら、詩の朗読で都内のイベントへ出演。2013年に、講談社が主催する女性アイドルオーディション「ミスiD2014」へ応募 して、個人賞を受ける。 同年、第2詩集『屋根よりも深々と』を思潮社より上梓。 第80回NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲「ここにいる」を作詞。2014年に石原千秋ゼミ読書のフェス を卒業する。
2016年、初のエッセイ集『洗礼ダイアリー』、第3詩集『わたしたちの猫』を刊行。
2022年、6年ぶりの新詩集『パラレルワールドのようなもの』を刊行。
2015年から2016年にかけて、「現代詩手帖」の新人作品欄・第54回現代詩手帖賞の選考を担当。同じく選者の朝吹亮二と共に、マーサ・ナカムラ、水沢なおを受賞者に選出した。
2022年(令和4年度用)より、高校の国語教科書『高等学校 新編現代の国語』(第一学習社)に、エッセイ集『臆病な詩人、街へ出る。』(新潮文庫)の一部が教材として掲載された。
過去にはラジオ番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」で詩を朗読するコーナーを担当したほか、詩人としてタイツの商品企画に一部参加http://to-ko-ne.com/portfolios/yumi-fuzuki/ toko。2013年のシブカル祭。では、シンガーソングライターの吉澤嘉代子とコラボレーションDIARY | 吉澤嘉代子 オフィシャルサイトするなど、芸術各方面へ積極参加している。
2024年2月5日、自身のSNSにて作曲家の坂東祐大と2023年7月に結婚していたことを発表した。
年譜
- 2001年 『くずかごの中の詩-都立代々木高校のある青春』星野佳正著、1999年3月理論社出版をきっかけに詩の創作を始める。
- 2006年 「現代詩手帖」「詩学」へ詩を投稿する。
- 2007年2月 第3回詩学最優秀新人賞を受賞する。
- 2008年4月 第46回現代詩手帖賞を受賞する。
- 2009年10月 第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』ISBN 978-4-7837-3162-7、思潮社を上梓する。
- 2010年2月 第15回中原中也賞第15回中原中也賞を受賞する。
- 2010年4月 第19回丸山豊記念現代詩賞を受賞する。
- 2010年7月 「現代詩手帖」7月号に、特集「文月悠光――私から“わたし”へ」、佐々木敦との対談、吉増剛造との往復書簡などが掲載される。
- 2013年8月 第2詩集『屋根よりも深々と』ISBN 978-4-7837-3365-2、思潮社を上梓する。
- 2013年10月 第80回NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲「ここにいる」を作詞する。
- 2016年 初のエッセイ集『洗礼ダイアリー』、第3詩集『わたしたちの猫』を上梓。
- 2018年 2冊目のエッセイ集『臆病な詩人、街へ出る。』を上梓。第1回笹井宏之賞の選考委員を務める。
- 2022年10月 第4詩集『パラレルワールドのようなもの』を思潮社より上梓。第31回萩原朔太郎賞候補、第34回富田砕花賞を受賞。
- 2023年4月 武蔵野大学客員准教授に着任。
人物
中学生時代は演劇部、高校生時代は美術部にそれぞれ参加して部長ブログ:備忘録 を務める。大学進学後は早稲田大学短歌会に所属し第582回 今最も注目される若手詩人の一人 「風景のようになじむ言葉を紡ぎたい」、別名義で短歌を発表した。
主な著作
単行本
- 適切な世界の適切ならざる私(第1詩集、2009年10月、思潮社、ISBN 978-4-7837-3162-7;2020年11月、ちくま文庫、ISBN:978-4-480-43709-9)
- 屋根よりも深々と(第2詩集、2013年8月、思潮社、ISBN 978-4-7837-3365-2)
- 洗礼ダイアリー(エッセイ集、2016年9月、ポプラ社、ISBN 978-4-591-15147-1)
- わたしたちの猫(第3詩集、2016年10月、ナナロク社、ISBN 978-4-904292-70-9)
- 臆病な詩人、街へ出る。(第2エッセイ集、2018年2月、立東舎、ISBN 978-4-845631-79-7、2021年11月、新潮文庫、978-4-101033-61-7)
- パラレルワールドのようなもの(第4詩集、2022年10月、思潮社、978-4-783745-11-2)
アンソロジー
- 十五回目の少女(『詩のリレー2』2007年12月、ふらんす堂、ISBN 978-4-89402-998-9)
- 月夜のくだもの(管啓次郎・野崎歓編『ろうそくの炎がささやく言葉』2011年8月、勁草書房、ISBN 4-326-80052-6)
- 撫でる(大竹昭子編『ことばのポトラック』2012年4月、春風社、ISBN 978-4-86110-310-0)
CDブックレット
- 譚詩曲〜11stories on Violin(ヴァイオリン奏者花井悠希のCDアルバム、2011年1月、日本コロムビア)
広告
- 彼女が花ひらくとき(化粧品ブランドマジョリカ マジョルカのウェブサイトの詩を制作、2014年10月、資生堂)
poepencil
- てにをは少女のひみつ(2011年、oblaat)
タイツ
- 原稿用詩(原稿用紙の柄に、オリジナルの詩が印字されたデザイン。2012年、tokone)
- 詩と女(イラストレーターmiccaとのコラボ、2012年、tokone)
- ribon(イラストレーターmiccaとのコラボ、2012年、tokone)
連載詩
- 私たち、密生する。(「アフンルパル通信 」第6 - 9号、2008年11月10日 - 2010年3月10日、書肆吉成)
- 恋の詩(「ナナロク社WEB 」、2012年5月 - 2013年。2016年に詩集『わたしたちの猫』としてナナロク社より単行本化)
歌詞
- ここにいる(2013年、第80回NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部の課題曲として制作、作曲者新実徳英)
- ぼくらの日曜日(2015年11月11日、寺嶋由芙のシングルCD「いやはや ふぃ〜りんぐ」のカップリング曲。寺嶋との共同作)
エッセイ
- 一〇年代なんて、知らない。(「現代詩手帖」2010年12月号)
- 不完全な世界に住む不完全なひと(「ユリイカ2011年1月臨時増刊号 総特集=村上春樹」)
- 女王のベッド(「真夜中」No.13 2011 Early Summer)
- 朗読少女(「群像」2011年10月号)
- 遊び恐怖症(「すばる」2011年10月号)
- 教室でひとり(「文藝春秋」2011年12月号)
- あてどない祈りとして(「ユリイカ2012年1月臨時増刊号 総特集=石川直樹」)
- 真冬の献血車(『冬の本』2012年12月12日、夏葉社、ISBN 4-904816-07-2)
- 『こころ』に眠るわたしたち(石原千秋責任編集『夏目漱石『こころ』をどう読むか』2014年5月20日、河出書房新社、ISBN 4-309-02289-8)
- ゆるせますか?(『世界を平和にするためのささやかな提案』2015年5月26日、河出書房新社、ISBN 4-309-61694-1)
- 詩人のドバイ感覚紀行(幻冬舎サイト「幻冬舎plus」2015年3月 - 6月連載)
- 洗礼ダイアリー(ポプラ社サイト「WEB asta*」2015年8月 - 2016年7月。2016年9月にポプラ社より単行本化)
- 臆病な詩人、街へ出る。(「cakes」2016年1月 - 連載中)
- 祈りのように眩しい(東京新聞 2016年10月6日夕刊文化面。TOKYO MX「5時に夢中!」内で紹介される)
書評
- 読書日録(「すばる」2010年10月号 - 12月号連載)
- NAVI&navi(「読売新聞」夕刊ライブラリー面にて連載 2012年4月21日 - 2014年1月11日)
- 40人のここが気になる(「ケトル」連載 2014年6月21日 - 2022年12月)
文庫解説
- 私自身の見えない徴(エイミー・ベンダー著、管啓次郎訳、角川文庫、2010年4月)
- 最後の冒険家(石川直樹著、集英社文庫、2011年9月)
- ことば汁(小池昌代著、中公文庫、2012年1月)
- UGLY(加藤ミリヤ著、幻冬舎文庫、2016年4月)
対談
- 佐々木敦(「現代詩手帖」2010年7月号、文月悠光特集号)
- 栩木伸明(「週刊読書人」2010年12月10日号、映画「ノルウェイの森」に関して。映画からインスピレーションを得た詩作品も執筆)
- 花井悠希(「ばよりん彼女 花井悠希フォトブック」2011年3月、音楽出版社。 「CD Journal」2011年04月号)
- 金原瑞人(「飛ぶ教室」44号、2016年1月)
- 福間健二(「キネマ旬報」2016年11月上旬号、映画『秋の理由』について)
展示
- 「蕾と花のあいだ」(写真家杣田美野里との写真と詩の展示、ジュンク堂書店、札幌店2010年4月1日 - 30日、池袋本店2011年3月1日 - 31日)
- 「南桂子生誕100年記念展・きのう小鳥にきいたこと ―谷川俊太郎、蜂飼耳、文月悠光、三詩人の詩とともに―」(ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクション、2011年1月8日 - 3月21日、4月10日 - 30日)
- 「ことばのシャツ展」(詩を元に早稲田大学繊維研究会がシャツを制作、詩とシャツの展示、02カフェ、2013年4月22日 - 27日)
- 「ほんとうにこどもだったころ」(デザイナー宮園夕加制作の詩のランプを中心とした二人展、PRESSROOM EXHIBITION vol.2、2014年5月12日 - 18日)
- 「Sunlight Moonlight 〜文月悠光さんの詩とともに〜」(画家・高山裕子の絵に詩を寄せた展示、葉月ホールハウス、2015年7月4日 - 18日)
- 「声の現場」OPEN SITE 6 TOKAS推奨プログラム(作曲家・坂東祐大とのサウンドインスタレーション、2021年12月24日 - 2022年1月16日、トーキョーアーツアンドスペース本郷)
- 「光の子ども ──言葉で描く。 絵で綴る。」(画家・久野志乃の絵に詩を寄せた二人展、ギャラリー門馬、2022年7月7日 - 7月18日)
主な出演
テレビ
- NHK短歌(NHK、2011年12月25日)
- 発表!Nコン2013課題曲(NHK Eテレ、2013年2月17日、NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲の作詞者として出演)
- 青山ワンセグ開発(NHK Eテレ、2014年6月期企画「平成サウダージ」にて、画家谷内六郎の絵に詩を書き下ろし朗読する)
- 新世代が解く!ニッポンのジレンマ 元日SP(NHK Eテレ、2017年1月1日)
- 日曜美術館(NHK、2019年12月15日)
- Edge Art Documentary 文月悠光編(テレコムスタッフ制作、スカパー!、2021年1月23日)
ラジオ
- GAKU-Shock(TBSラジオ、2010年5月2日)
- 坂本美雨のディア・フレンズ(TOKYO FM、2012年1月9日)
- J-WAVE TOKYO MORNING RADIO(J-WAVE、2013年9月より毎週月曜日に書き下ろしの詩を朗読。2010年6月7日、2014年7月21日、2015年5月5日にゲスト出演)
- ミュ~コミ+プラス(ニッポン放送、2016年11月1日)
- 荻上チキ・Session-22(TBSラジオ、2016年11月24日、2016年12月1日)
- 文化系トークラジオ Life(TBSラジオ、2018年3月4日、2018年12月23日)
- アシタノカレッジ(TBSラジオ、2023年1月13日)
映画
- あるいは佐々木ユキ(福間健二監督、2013年1月公開)
ショートムービー
- 『ろうそくの炎がささやく言葉』 プロモーション(大川景子制作、2011年8月)
- 文月悠光 適切な世界の適切ならざる私 modern poet "Yumi Fuzuki"(まるやまもえる制作、2011年12月)
- tokone TWO TIGHTS/ 文月悠光とチョウ・ヒカルのタイツ(まるやまもえる制作、2013年12月)
外部リンク
- FuzukiYumi.com - 本人公式サイト
- お月さまになりたい。 - 過去のブログ
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/04/09 00:17 UTC (変更履歴)
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike and/or GNU Free Documentation License.