ミッキー・ディー : ウィキペディア(Wikipedia)
ミッキー・ディー(Mikkey Dee、1963年10月31日 - )は、スウェーデン出身のロックミュージシャン、ドラマー。
主にHR/HMの分野で活動し、特に英ロックバンド「モーターヘッド」で長らく活躍した。ほか「キング・ダイアモンド」「スコーピオンズ」などに在籍している。
生い立ちとキャリア
スウェーデン南部のイエテボリにて、ギリシャ人の父親とスウェーデン人の母親との間に生まれる。イアン・ペイス、ブライアン・ダウニー、ニール・パート、スティーヴ・スミスらの影響を受け、バディ・リッチを尊敬する。1973年には、ゲイシャという、スウェーデンのローカルバンドでドラマーとしてのキャリアをスタートさせる。
キング・ダイアモンド(1985年 – 1989年)
1985年、デンマークの首都コペンハーゲンに移住。同国の元マーシフル・フェイトの中心人物、キング・ダイアモンドが結成した冠名のバンド「キング・ダイアモンド」に参加。シングル「ノー・プレゼンツ・フォー・ザ・クリスマス」(1985)、アルバム『フェイタル・ポートレイト』(1986) でデビュー。
続く『アビゲイル』(1987)、『ゼム』(1988) の成功でブレイクするが、所詮ダイアモンドのバッキング・メンバーに過ぎない立ち位置に満足できず、4作目『コンスピラシー』(1989) の制作開始直前に脱退(結局『コンスピラシー』のレコーディングには一部の曲でセッション・ドラマーとして参加した)。
ドン・ドッケン(1990年)
1990年に、ドン・ドッケンのソロ・アルバム『アップ・フロム・ジ・アッシェズ』のレコーディングに参加。収録曲 "Stay" と "Mirror Mirror" のPVはMTVの「ヘッドバンガーズ・ボール」でヘヴィー・ローテーションとなる。バンドはジューダス・プリーストのオープニング・アクトや、自らがヘッドライナーを務めるツアーを敢行した。ディーは同時期にWWIIIでも活動。
モーターヘッド(1992年 - 2015年)
1992年、レミーの要請を受けLemmy (2002). White Line Fever Simon & Schuster p. 243. ISBN 0-684-85868-1.、フィルシー・テイラーの後任としてモーターヘッドに加入。8月30日、サラトガ・スプリングズのサラトガ・パフォーミング・アーツ・センターで、モーターヘッドのメンバーとしての初ステージを踏んだAlan Burridge Illustrated Collector's Guide to Motorhead Published: 1995, Collector's Guide Publishing p.62. ISBN 0-9695736-2-6.。しかし、同年リリースされたアルバム『マーチ・オア・ダイ』はトミー・アルドリッジがドラムスを担当してレコーディングはほとんど済んでおり、ディーの参加は「ヘルレイザー」と「ヘル・オン・アース」(本作には未収録、後に映画ヘルレイザー3のサウンドトラックに収録)の2曲のレコーディングに止まった(レコーディングされた曲の大半はアルドリッジのプレイであったが、アルバム・スリーブにはディーの写真が使われたオジー・オズボーンの『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』のレコーディングでは、レコーディングはすべてリー・カースレイクのドラムによって行われたが、新加入のアルドリッジがレコーディングには参加していないにもかかわらずジャケットに登場した。アルドリッジは今回、その時の逆の立場に立つことになった。。)。
1993年、ディーが初めてフルに参加したアルバム『バスターズ』がリリース。
以降、モーターヘッドの屋台骨を支え続けた。レミー、フィル・キャンベルと組んだトリオは、バンドの歴史の中で最も長期間にわたって活動しており、ディー自身も歴代のドラマーの中で最も長くプレイしている。2015年12月、モーターヘッドの中心人物であるレミー・キルミスターが死去、その後ディーは公式にバンドの終了を宣言している。
スコーピオンズ(2016年 - )
2016年5月、病気療養中のジェイムス・コタックに代わって「スコーピオンズ」の全米ツアーに参加。9月に正式メンバーとして加入する事が発表された。10月にはスコーピオンズの一員として来日、LOUD PARK 2016のヘッドライナー出演も含め、3公演を行った。作品では、2017年リリースのベスト・アルバムから参加している。
その他のセッション参加
- ハロウィンの2003年のアルバム『ラビット・ドント・カム・イージー』のレコーディングに助っ人として参加している新ドラマーとして加入予定だったマーク・クロスが健康面の問題で参加できなかったため。。
- 2006年4月、再結成したキング・ダイアモンドがヨーテボリで行ったライブに参加。
- イー・タイプのバックも務め、2003年の「ユーロメンタル・ツアー」に同行したほか、2004年のメロディーフェスティバーレン2004(ユーロビジョンのスウェーデン国内予選)でも彼をサポートした。
使用機材
- SONORのドラムを使用している。シグネイチャーモデルのスネアドラムが発売されており、モーターヘッドのバンドロゴなどのアートワークが施されている。
- シンバルはパイステ、スティックはWincentのミッキー・ディーモデルを使用。
File:Motörhead With Full Force 2014 10.JPG|愛用のドラムセット (2014年) File:Mikkey-dee-03.jpg|激しいドラミング (2005年)
その他
ディーは熱狂的なアイスホッケー・ファンであり、かつては自身も選手であった。
ディスコグラフィ
キング・ダイアモンド
- フェイタル・ポートレイト - Fatal Portrait (1986)
- アビゲイル - Abigail (1987)
- ゼム - Them (1988)
- コンスピラシー - Conspiracy (1989)
- イン・コンサート1987—アビゲイル— - In Concert 1987: Abigail (1991) ※1987年録音
ドン・ドッケン
- アップ・フロム・ジ・アッシェズ - Up from the Ashes (1990)
モーターヘッド
- マーチ・オア・ダイ - March ör Die (1992) ※1曲のみ参加
- バスターズ - Bastards (1993)
- サクリファイス - Sacrifice (1995)
- オーヴァーナイト・センセーション - Overnight Sensation (1996)
- スネイク・バイト・ラヴ - Snake Bite Love (1998)
- ウィ・アー・モーターヘッド - We Are Motörhead (2000)
- ハマード - Hammered (2002)
- インフェルノ - Inferno (2004)
- キッス・オブ・デス - Kiss of Death (2006)
- モータライザー - Motörizer (2008)
- ザ・ワールド・イズ・ユアーズ - The Wörld is Yours (2010)
- Aftershock (2013)
- バッド・マジック - Bad Magic (2015)
ハロウィン
- ラビット・ドント・カム・イージー - Rabbit Don't Come Easy (2003)
スコーピオンズ
- 愛のために生きて〜バラード・ベスト - Born to Touch your Feelings: Best of Rock Ballads (2017)
- ロック・ビリーヴァー - Rock Believer (2022)
外部リンク
www.imotorhead.com/ モーターヘッド公式サイト
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 | 最終更新:2024/05/19 22:23 UTC (変更履歴)
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