原田実 : ウィキペディア(Wikipedia)

原田 実(はらだ みのる、1961年 - )は、日本の歴史研究家・作家。偽史・偽書の専門家。元市民の古代研究会代表。と学会会員。ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)会員。

龍谷大学卒業後、八幡書店勤務、広島大学研究生、昭和薬科大学文化史研究室助手を経て、歴史研究・執筆活動に入る。

著書に『偽書が揺るがせた日本史』『オカルト「超」入門』『江戸しぐさの正体』『江戸しぐさの終焉』『オカルト化する日本の教育』『つくられる古代史』『もののけの正体』『捏造の日本史』など多数。

略歴

広島市中区出身。修道高等学校を経て中国新聞朝刊2000年2月26日27頁、1983年に龍谷大学文学部を卒業。

1984年から3年半、オカルト系出版社の八幡書店に勤務し、古史古伝や霊学書籍の広告を担当した。また、伊集院卿のペンネームで雑誌『ムー』に記事を執筆し、同名義での単著も出版している学研『日本ピラミッド超文明』1986、『富士王朝の謎と宮下文書』ほか。

その後、広島大学研究生を経て、1991年から1993年まで昭和薬科大学文化史研究室において古田武彦の助手を務めた『偽書が揺るがせた日本史』山川出版社、2020年3月。

以後は歴史研究および執筆活動に専念し、偽史・偽書の分析を通じて歴史認識や教育におけるオカルト的言説を批判し、江戸しぐさや親学の問題点を指摘する著作・論考を発表している。雑誌『ゼンボウ(全貌社刊)』、『正論』、『新潮45』、『季刊邪馬台国』などにも寄稿している原田実主要業績一覧。1995年頃にパシフィック・ウエスタン大学(カルフォルニア)史学専攻博士課程よりPh.D.を取得し、一時期は肩書として用いていた『幻想の津軽王国(1995年5月)』『幻想の多元的古代(2000年2月)』などの著者略歴に大学名とPh.D.の記載がある。。

元「市民の古代研究会」代表(2001年 - 2002年)。と学会およびASIOSの会員でもある。

またシャーロキアンとして、ホームズ研究に関する論考を『ホームズの世界』や『シャーロック・ホームズ紀要』等に発表している『雑誌 ホームズの世界』日本シャーロック・ホームズ・クラブ:発行、2012年35号「動画サイトに見るシャーロック・ホームズ(p.123-126)」、2006年29号「偽魔術師の冒険(pp80-92)」、2001年24号「『三人ガリデブ』とは誰か(p.183-192)」『シャーロック・ホームズ紀要(JSHC研究委員会)』、西筑摩書房、2002年11巻1号「ゴジラVSホームズ--物語世界の断絶と再建に関する考察(p.55-70)」、1994年5巻1号「『シャーロック・ホームズの事件簿』と反進化の悪夢(p.62-89)」。妻で詩人の原田賀久子(松本賀久子)もシャーロキアンであった『雑誌 ホームズの世界』日本シャーロック・ホームズ・クラブ:発行、2006年29号「英国と海軍とカレー(p.100-102)」。『雑誌 シャーロック・ホームズ紀要(JSHC研究委員会)』西筑摩書房、1994年5巻2号「先祖はどちらか(p.64-69)」。ロンドン・シャーロック・ホームズ協会機関紙『SHERLOCK HOLMES JOURNAL』2024,vol36,No4「Sherlock Holmes and Japan(p.179-)」。

著書

単著

  • 『トンデモニセ天皇の世界』文芸社、2013年7月
  • 『偽史と奇書が描くトンデモ日本史』実業之日本社、2017年1月
  • 『オカルト化する日本の教育:江戸しぐさと親学にひそむナショナリズム』筑摩書房、2018年6月
  • 『偽書が描いた日本の超古代史』河出書房新社、2018年11月
  • 『天皇即位と超古代史:「古史古伝」で読み解く王権論』文芸社、2019年2月
  • 『捏造の日本史:偽史をつくったのは誰か?なぜ信じられたのか?』河出書房新社、2020年2月
  • 『偽書が揺るがせた日本史』山川出版社、2020年3月
  • 『疫病・災害と超古代史:神話や古史古伝における災禍との闘いから学ぶ』文芸社、2020年12月
  • 『教養として学んでおきたい女性天皇』マイナビ出版、2022年1月
  • 『異説・逸話の天皇列伝 : 成務・仁徳から大正・昭和まで』さくら舎、2023年4月
  • 『関東大震災「朝鮮人虐殺」否定論を否定する 偽史研究からの新知見』星海社新書、2025年9月

共著・編著・共編著

  • 『津軽が切りひらく古代:東北王朝と歴史への旅-』新泉社、1991年8月
  • 『神武歌謡は生きかえった』新泉社、1992年6月
  • 『「邪馬台国」徹底論争』第1巻、新泉社、1992年6月
  • 『「邪馬台国」徹底論争』第2巻、新泉社、1992年10月
  • 『北方の楽園みちのくの王』KKベストセラーズ、1992年10月
  • 『古代史徹底論争-「邪馬台国」シンポジウム以後-』駸々堂、1993年1月
  • 『「邪馬台国」徹底論争』第3巻、新泉社、1993年4月
  • 『東日流外三郡誌「偽書」の証明』廣済堂、1994年1月
  • 『歴史を変えた偽書-大事件に影響を与えた裏文書たち-』ジャパンミックス、1996年6月
  • 『と学会白書vol.1』イーハトーブ出版、1997年9月
  • 『トンデモ世紀末の大暴露』イーハトーブ出版、1998年4月
  • 『怪物幻想画集』風塵社、1999年2月
  • 『音楽誌が書かない「Jポップ」批評2』宝島社文庫、1999年11月
  • 『ジャミラ祈念日-ウルトラ怪獣のためのレクイエム―』風塵社、2000年6月
  • 『と学会年鑑2001』太田出版、2001年1月
  • 『と学会年鑑2002』太田出版、2002年2月
  • 『秘神界―現代編―』東京創元社、2002年9月
  • 『と学会年鑑BLUE』太田出版、2003年5月
  • 『愛のトンデモ本』扶桑社、2003年8月
    • 文庫版『愛のトンデモ本(上)』扶桑社文庫、2004年7月
  • 『と学会年鑑YELLOW』楽工社、2006年4月
  • 『と学会年鑑GREEN』楽工社、2006年6月
  • 『と学会年鑑ORANGE』楽工社、2007年4月
  • 『奇書『先代旧事本紀』の謎をさぐる』批評社、2007年5月
  • 『ネクタイと江戸前:2007年度版ベスト・エッセイ集』文藝春秋、2007年8月
    • 文庫版『ネクタイと江戸前』文春文庫、2010年9月
  • 『と学会年鑑AQUA』楽工社、2008年3月
  • 『ホラー映画の世紀【別冊宝島】』宝島社、2008年11月
  • 『僕たちの好きな怪人二十面相【別冊宝島】』宝島社、2008年12月
  • 『SF・ファンタジー映画の世紀【別冊宝島】』宝島社、2009年1月
  • 『と学会年鑑BROWN』楽工社、2009年2月
  • 『オカルトの惑星』青土社、2009年2月(担当執筆「邪馬台国と超古代史」)
  • 『謎解き 超常現象』彩図社、2009年5月1日
    • 文庫版『謎解き 超常現象』、彩図社文庫、2019年5月
  • 『このアニメがすごい!2009』宝島社、2009年5月
  • 『と学会年鑑KIMIDORI』楽工社、2009年5月
  • 『松本清張の世界【別冊宝島】』宝島社、2009年6月
  • 『山崎豊子 全小説を読み解く』洋泉社、2009年11月
  • 『謎解き 超常現象Ⅱ』彩図社、2010年5月
  • 『筒井康隆の「仕事」大研究』洋泉社、2010年6月
  • 『ホームズなんでも事典』青弓社、2010年9月。7項目を執筆
  • 『日本のまつろわぬ神々:記紀が葬った異端の神々』新人物往来社、2010年(担当執筆「古史古伝のまつろわぬ神々」)
  • 『検証 陰謀論はどこまで真実か』文芸社、2011年1月
  • 『謎解き古代文明』彩図社、2011年5月
  • 『謎解き超常現象・特別編集版』彩図社、2011年6月
  • 『2011年トンデモ流言飛語大賞』と学会・2011年6月
  • 『トンデモ本の大世界』アスペクト、2011年6月
  • 『トンデモ本の世界Ⅹ』楽工社、2011年7月
  • 『検証 大震災の予言・陰謀論』文芸社、2011年11月
    • 「古史古伝論争」とは何だったのか、原田実、pp.6-16
    • 「古史古伝」の出現と近代日本の迷走――特別座談会――、田中聡・長山靖生・原田実/述、pp.114-154
    • 「但馬故事記」五つの謎、原田実、pp.180-187
  • 『謎解き超常現象Ⅲ』彩図社、2012年5月
  • 『検証 予言はどこまで当たるのか』文芸社、2012年10月15日
  • 『トンデモ本の新世界 世界滅亡編』文芸社、2012年12月1日
  • 『謎解き超常現象DX』彩図社、2013年1月23日
  • 『シャーロック・ホームズ完全解読【別冊宝島】』宝島社、2013年3月13日
  • 『全地球「巨大生物」バトル【別冊宝島】』宝島社、2013年7月21日
  • 『タブーすぎるトンデモ本の世界』サイゾー、2013年8月11日
  • 『謎解き超科学』彩図社、2013年11月22日
  • 『謎解き古代文明DX』彩図社、2014年3月
  • 『ゴジラ完全解読【別冊宝島】』宝島社、2014年7月26日
  • 『日・韓・中トンデモ本の世界』サイゾー、2014年9月9日
  • 『ここまでわかった!卑弥呼の正体』KADOKAWA、2014年10月(担当執筆「外国人説—卑弥呼は公孫氏?独自の展開をみせる卑弥呼像」)
  • 『謎解き超常現象Ⅳ』彩図社、2015年1月
  • 『「新」怪奇現象41の真相』彩図社、2016年1月
    • 文庫版『「新」怪奇現象41の真相』彩図社、2020年7月
  • 『シャーロック・ホームズ完全解読読本』宝島社、2016年3月
  • 『新説・新発見の日本史』洋泉社MOOK、2016年3月(担当執筆「“偽書”の日本史」)
  • 『RikaTan 理科の探検』2016年4月号・特集「ニセ科学を斬る!2016」(担当執筆「『江戸しぐさ』問題にみる科学的精神の欠如」)
  • 『映画で読み解く「都市伝説」』洋泉社、2016年7月
  • 『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』メタモル出版、2016年7月(担当執筆「江戸しぐさ」「親学」)
    • 新書版『各分野の専門家が伝える 子供を守るために知っておきたいこと』星海社、2019年3月
  • 『ゴジラ解体全書』宝島社、2016年8月
  • 『北杜夫 マンボウ文学読本』宝島社、2016年11月
  • 『古代史15の新説:15人の著者による最新研究の成果に迫る』宝島社、2016年12月
  • 『偽史と奇書が描くトンデモ日本史』実業之日本社、2017年1月
  • 『と学会25thイヤーズ』東京キララ社、2017年10月13日
  • 『UMA事件クロニクル』彩図社、2018年8月8日
  • 『RikaTan 理科の探検』2018年4月号(担当執筆「伝統的子育てで発達障害が治る?親学のウソ」)
  • 『謎解き古代文明』(文庫版)彩図社、2018年12月
  • 『昭和・平成オカルト研究読本』ASIOS:編著、サイゾー、2019年6月(担当執筆「天津教弾圧事件(pp.173-180)」)
  • 『超能力事件クロニクル』彩図社、2020年11月(担当執筆「【コラム】宗教者の超能力伝説」「長尾郁子」「出口王仁三郎」「桐山靖雄」「麻原彰晃」)
  • 『ユリイカ』2020年12月号・特集「偽書の世界」青土社、(寄稿「偽書跳梁の8年間―安倍政権がとりもどそうとした“日本”」)
  • 『増補版 陰謀論はどこまで真実か』ASIOS:著、文芸社、2021年7月(担当執筆「日本史の中で語られた陰謀論 孝明天皇は暗殺され、明治天皇はすり替えられた」「『M資金』はGHQが接収した財産などをもとに極秘に運用されている秘密資金」「ロッキード事件はアメリカが仕組んだ田中角栄つぶしの謀略だった」「日航ジャンボ機は自衛隊の誤射で撃墜された」「ノーベル賞は選考時に人種差別をしている」)
  • 『文豪ナビ 松本清張』 新潮社(新潮文庫)2022年8月
  • 『カルト・オカルト 忍びよるトンデモの正体』左巻健男, 鈴木エイト, 藤倉善郎:編、雨宮純, 桝本輝樹, 福頼宏隆, 齋藤訓之, 菊池聡, 原田実, 桑満おさむ, 呼吸発電, 謎水:著、あけび書房、2022年12月(担当執筆「第2部第2章『江戸しぐさ』問題にみる科学精神の欠如(pp.132-137)」「第2部第3章『伝統的子育て』で発達障害が治る?:親学のウソ(pp.138-145)」)
  • 『謎解き「都市伝説」』彩図社、2022年12月
  • 『ジャミラ祈念日/被爆者ゴジラ:ウルトラ怪獣のためのレクイエム』松本賀久子:著、土曜美術社出版販売、2022年12月
  • 『僕らを育てたSFのすごい人 南山宏編』アンド・ナウの会、2023年8月
  • 『超ゴジラ解体全書』宝島社、2023年11月

監修

  • 『SF・ファンタジー映画の世紀:SF・ファンタジー映画史を俯瞰する永久保存ガイド!』宝島社、2009年2月
  • 『小学8年生』2020年10・11月号記事「日本史のウソを追え!」小学館

解説

  • 『魔術戦士2:妖蛆召喚』朝松健、ハルキ文庫、2000年1月
  • 『退魔戦記』豊田有恒、ハルキ文庫、2000年2月

出演

ラジオ

  • 『荻上チキ・Session-22』「『江戸しぐさ』は、本当に日本の伝統なのか?」TBSラジオ、2015年4月2日
  • 『アフター6ジャンクション』「『歴史の中の嘘』とは?」TBSラジオ、2021年4月1日

テレビ

  • 『ダークサイドミステリー』「神秘の古代ミステリー 徹底検証!日本・ユダヤ同祖論」NHK、2024年11月29日

出典

関連項目

  • 江戸しぐさ - 親学推進協会 - TOSS
  • 古史古伝 - 神代文字 - ホツマツタヱ
  • 東日流外三郡誌
  • 日ユ同祖論 - シオン賢者の議定書

外部リンク

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